IntelliJ IDEAは、JetBrains社が開発するJavaとKotlinのための統合開発環境(IDE)です。2025年12月の2025.3リリースで無料のCommunity Editionと有料のUltimateが1つのディストリビューションに統合され、Java開発に必要な機能は認証なしで無料で使えるようになりました。この記事では、インストールからJDKの設定、Javaプロジェクトの作成・実行、日本語化までを最新版基準で順に解説します。はじめてIntelliJ IDEAでJavaを書く人が、最短でコードを実行できる状態に到達することをゴールにします。
まとめ:IntelliJ IDEAでJava開発を始める要点
- IntelliJ IDEAはJava/Kotlin向けのIDE。コード補完・リファクタリング・デバッグを統合し、Javaの標準的な開発環境として広く使われています。
- 2025.3以降は無料で商用利用も可能。Community/Ultimateが単一版に統合され、素のJava開発なら追加費用は不要です。SpringやDBツールなど上級機能だけがUltimateサブスクリプションの対象です。
- Java開発の最短手順は「インストール→JDK設定→新規プロジェクト作成→実行」。JDKはIDEから各ベンダーのビルドを直接ダウンロードできます。
- 日本語化は2024.2以降、言語パックが同梱済み。設定の「言語と地域」で日本語を選んで再起動するだけです(手動インストール不要)。
IntelliJ IDEAとは|Java・Kotlin開発向けの統合開発環境
IntelliJ IDEAは、テキスト編集だけを行うエディタと違い、コード補完・エラー検出・リファクタリング・ビルド・デバッグ・バージョン管理を1つの画面で扱える統合開発環境です。JetBrains社が開発し、同社はKotlinの開発元でもあるため、JavaとKotlinの両方を最初から手厚くサポートします。プロジェクト全体を解析したうえで補完候補や修正案を出すため、クラスやメソッドをまたぐ変更でも安全に反映できるのが特徴です。
EclipseやVS Codeとの違いと選び方
Java開発でよく比較されるのがEclipseとVS Codeです。VS Codeは拡張機能を足して使う軽量エディタ、Eclipseは歴史のある無料IDE、IntelliJ IDEAはプロジェクト解析に基づく補完とリファクタリングの強さが持ち味、という住み分けになります。
| ツール | 位置づけ | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| IntelliJ IDEA | 本格IDE | 無料(上級機能は有料) | 補完・リファクタリング重視のJava/Kotlin開発 |
| Eclipse | 無料IDE | 無料 | プラグイン資産・既存環境の踏襲 |
| VS Code | 軽量エディタ | 無料 | 複数言語を軽く扱う・拡張前提 |
補完精度やSpring対応、料金まで含めた具体的な比較はIntelliJ IDEAとEclipseの違いと選び方で詳しく整理しています。
無料で使える?料金とCommunity・Ultimateの違い(2025.3で統合)
「無料のIntelliJ IDEAはあるのか」「有料版はいくらか」は最も多い疑問です。2025年12月の2025.3リリースで、無料のCommunity Editionと有料のUltimateは1つのIntelliJ IDEAディストリビューションに統合されました。インストーラは1種類になり、サブスクリプションを契約しなくても認証や有効化なしで無料のまま使い続けられます。JavaとKotlinのコア開発に必要な機能は、この無料の範囲に含まれます。
有料のUltimateサブスクリプションで解禁されるのは、Spring/Jakarta EEなどのフレームワーク支援、データベースツール、プロファイラ、リモート開発といった専門機能です。新規ユーザーには30日間のトライアルがあり、期間終了後もコアのJava/Kotlin開発なら無料で継続できます。
| 区分 | 費用 | 主な範囲 |
|---|---|---|
| 無料(サブスクなし) | 0円 | Java/Kotlin開発、補完、デバッグ、Git、Maven/Gradle |
| Ultimateサブスク | 有料 | Spring、DBツール、プロファイラ、リモート開発ほか |
Ultimateの価格は個人向けと組織向けで異なり改定もあるため、契約前に公式サイトで最新の料金を確認してください。
IntelliJ IDEAのインストール手順(Toolbox App/直接ダウンロード)
インストール方法は、JetBrains Toolbox Appを使う方法と、公式サイトからインストーラを直接ダウンロードする方法の2通りです。Windows・macOS・Linuxのいずれにも対応します。
JetBrains Toolbox Appでインストールする
Toolbox Appは、JetBrains製IDEのインストール・更新・複数バージョンの併存を一元管理するランチャーです。将来のバージョンアップや、旧バージョンとの併用が発生しやすい開発では、Toolbox経由が管理しやすくおすすめです。Toolbox Appを入れて起動し、一覧からIntelliJ IDEAをインストールします。
公式サイトから直接ダウンロードする
1台に1バージョンだけ入れれば十分なら、公式ダウンロードページからOS用のインストーラを取得して実行するだけで完了します。IDE本体は起動後、メニューから直接アップデートできます。
JDKの設定とJavaプロジェクトの作成・実行
IntelliJ IDEA本体を入れても、Javaをコンパイル・実行するにはJDK(Java Development Kit)が別途必要です。ここがJava開発を始めるうえで最初につまずきやすいポイントなので、順に設定します。
JDKを追加・選択する(Project SDK)
IntelliJ IDEAは、Amazon Corretto・Eclipse Temurin・Azul Zulu・Oracle OpenJDK・GraalVMなど主要ベンダーのJDKをIDEの画面から直接ダウンロードできます。すでにJDKを入れている場合は、そのパスを指定して登録します。プロジェクトが使うJDK(Project SDK)は「File」→「Project Structure」→「Project」で選び、必要なら「SDKs」から新しいバージョンを追加します。最新版はLTSであるJava 25に対応しています(対応バージョンは版ごとに更新されるため公式で確認してください)。
どのJDKを選ぶかは商用利用の可否やサポート期限に関わります。無料で使えるOpenJDK系とOracle JDKの違い、サポート期限の考え方はOpenJDKの商用利用とライセンス・サポート期限の解説を参照してください。
新規Javaプロジェクトを作成して実行する
「New Project」からJavaを選び、使用するJDKを指定してプロジェクトを作成します。作成後、srcにクラスを追加してmainメソッドを書き、エディタ左の実行アイコンまたはShift+F10で実行すると、下部の実行ウィンドウに結果が表示されます。
public class Main {
public static void main(String[] args) {
System.out.println("Hello, IntelliJ");
}
}
既存プロジェクト(Maven/Gradle)をインポートする
既存のJavaプロジェクトを開く場合は、pom.xml(Maven)やbuild.gradle(Gradle)を「Open」で選ぶだけで、IntelliJ IDEAがビルド設定と依存関係を自動で読み込みます。Gradleでは、ビルドに使うJavaのバージョンをプロジェクト側で固定するJava Toolchainを設定しておくと、開発者ごとのJDK差異による事故を防げます。設定方法はGradleのJava Toolchain設定で解説しています。
日本語化の設定(2024.2以降はプラグイン同梱)
IntelliJ IDEAの日本語化は、以前はJapanese Language Packプラグインを手動でインストールする必要がありましたが、2024.2以降は言語パックが標準で同梱されています。設定(Ctrl+Alt+S)を開き、「Appearance & Behavior」→「System Settings」→「Language and Region(言語と地域)」で日本語を選び、IDEを再起動すればメニューが日本語になります。
2024.1以前のバージョンを使っている場合のみ、「Plugins」→「Marketplace」で「Japanese Language Pack」を検索してインストールし、再起動します。日本語化できないときは、(1)バージョンが古くないか、(2)言語パックプラグインを無効にしていないか、(3)設定変更後に再起動したか、の3点を確認してください。
Java開発を効率化する基本機能(補完・デバッグ・ショートカット)
環境が整ったら、IntelliJ IDEAが評価される理由である編集支援を使います。使い始めに覚えておくと効果が大きい機能とショートカットは次のとおりです。
| 機能 | 操作 | 効果 |
|---|---|---|
| スマート補完 | Ctrl+Shift+Space | 文脈に合う型・変数を優先候補に |
| リネーム(安全な変更) | Shift+F6 | 参照箇所をまとめて一括変更 |
| どこでも検索 | Shift 2回 | クラス・ファイル・設定を横断検索 |
| デバッグ実行 | Shift+F9 | ブレークポイントで変数を確認 |
変数名の変更やメソッド抽出などのリファクタリングは、参照先を追跡したうえで安全に書き換わるため、手作業の置換より事故が起きにくいのが利点です。AI Assistantによるコード補完も統合され、無料枠でも一部機能を試せます。
よくある質問(FAQ)
無料のIntelliJ IDEAはありますか?
あります。2025.3以降は単一のIntelliJ IDEAが無料で提供され、認証なしでJavaとKotlinの開発に使えます。商用プロジェクトでも無料の範囲で利用できます。
有料版(Ultimate)はいくらですか?
Ultimateはサブスクリプション制で、個人向けと組織向けで価格が異なります。改定もあるため、契約前にJetBrainsの公式サイトで最新の料金を確認してください。無料版でも素のJava開発は完結します。
IntelliJで日本語化できないのはなぜですか?
多くはバージョンや設定が原因です。2024.2以降は言語パックが同梱されているので「言語と地域」で日本語を選んで再起動します。古いバージョンでは手動インストールが必要です。プラグインを無効化していないか、再起動したかも確認してください。
IntelliJ IDEAとは何ですか?
JetBrains社が開発する、JavaとKotlin向けの統合開発環境(IDE)です。コード補完・リファクタリング・デバッグ・ビルド・バージョン管理を1つの環境で扱えます。
IntelliJ IDEAで使えるJDKのバージョンは?
最新版はLTSのJava 25に対応しています。IDEの画面から主要ベンダーのJDKを直接ダウンロードして設定できるため、事前に別途JDKを入れていなくても開発を始められます。