Auto Memory(自動メモリ)は、Claude Codeが作業中に受けた訂正や好みを自分用のメモとして保存し、次のセッションの開始時に読み込む機能です。保存先は ~/.claude/projects/<project>/memory/ で、索引の MEMORY.md は先頭200行または25KBまでしか読み込まれません。既定でオンになっており、止めるときは autoMemoryEnabled: false か環境変数 CLAUDE_CODE_DISABLE_AUTO_MEMORY=1 を使います。この記事では、2026年10月20日公開のv2.1.305時点の公式ドキュメントとCHANGELOG、v2.1.302で読み込み上限を測った結果をもとに、仕組み・保存場所・無効化の方法・CLAUDE.mdとの書き分けを整理します。
まとめ:Auto Memoryの要点
- 何をする機能か:Claudeが「今後の会話で役立つ」と判断した情報を、user・feedback・project・referenceの4種類のメモとして自分で書く。コードから読み取れる内容とCLAUDE.mdに書いてある内容は保存しない。
- 保存場所:
~/.claude/projects/<project>/memory/。同じGitリポジトリならworktreeやサブディレクトリでも1つを共有し、別のマシンやクラウドには同期されない。 - 読み込み上限:起動時に読まれるのはMEMORY.mdの先頭200行か25KBの早く達した方まで。v2.1.302の実測では、25KBの条件はUTF-8のバイト数ではなく文字数に対応して働き(境界は25,000字)、日本語だから先に上限へ届くわけではなかった。超えた分は行単位で落ち、警告が出る。
- 無効化:
/memoryのトグル(ユーザー設定に保存)、プロジェクトのautoMemoryEnabled: false、環境変数CLAUDE_CODE_DISABLE_AUTO_MEMORY=1。--bareと--safe-modeでも止まる。環境変数を0にすると設定より優先して強制オンになる。Claude Desktopの「設定 > メモリ」は別の仕組みで、Auto Memoryは止まらない。 - CLAUDE.mdとの違い:CLAUDE.mdは人が書く指示書でチームと共有できる。Auto MemoryはClaudeが書くローカル保存のメモで、端末間の自動同期はない(読み込まれた内容は会話の文脈としてモデルへ送られる)。どちらも強制力のない「文脈」なので、必ず止めたい操作はフックで縛る。
Auto Memoryの仕組みと記録される4種類のメモ
Auto Memoryは2026年2月5日公開のv2.1.32で「Claude now automatically records and recalls memories as it works」として入り、2月25日のv2.1.59で /memory から管理する現在の形になりました。セッションのたびに必ず何かを書くわけではなく、将来の会話で役立つかどうかをClaudeが判断して保存します。
保存される4種類とスキップされる内容
公式ドキュメント「How Claude remembers your project」では、メモの種類をファイル先頭のfrontmatterの type 欄で区別すると説明しています。
| type | 記録される内容 |
|---|---|
| user | あなたの役割・専門・作業の好み |
| feedback | Claudeへの訂正と、承認したやり方 |
| project | 進行中の作業・期限・決定事項 |
| reference | 課題管理やダッシュボードなど外部情報の置き場所 |
逆に、アーキテクチャ・ファイルパス・バグの直し方のようにコードベースから読み取れるものと、CLAUDE.mdにすでに書いてあることは保存しません。CLAUDE.mdとの比較表でも、Auto Memoryの用途は「好み・Claudeへの訂正・コードから読み取れないプロジェクトの文脈」とされています。「ビルド手順やデバッグの勘所を自動で覚えてくれる」と紹介する解説は、現行の公式の説明とは合いません。v2.1.214以降は、frontmatterのあるメモを書き換えるたびに modified 欄へ更新時刻(ISO 8601)が入り、情報の古さをClaude自身も判断できます。
「覚えて」と頼んだときの保存先
「npmではなくpnpmを使って」「APIテストにはローカルのRedisが要る」のように覚えるよう頼むと、保存先はCLAUDE.mdではなくAuto Memoryです。CLAUDE.mdに残したいときは「これをCLAUDE.mdに追加して」とファイル名を指定するか、/memory から自分で編集します。画面に「Saved 2 memories」「Recalled 2 memories」と出たときが、メモリディレクトリへの書き込み・読み出しが起きた合図です。
MEMORY.mdの保存場所とディレクトリ構成
~/.claude/projects/<project>/memory/の決まり方
<project> の部分はGitリポジトリから決まるため、同じリポジトリのworktreeやサブディレクトリで起動しても同じディレクトリを使います(worktree間の共有はv2.1.63から)。Gitリポジトリの外では、起動したプロジェクトのルートが基準です。
~/.claude/projects/<project>/memory/
├── MEMORY.md # 索引。1メモ1行。毎セッション読み込まれる
├── user_role.md # 個別のメモ(トピックファイル)
├── feedback_testing.md
└── ...
MEMORY.mdは中身そのものではなく「どのファイルに何があるか」の索引です。トピックファイルは起動時に読み込まれず、Claudeが必要になったときに通常のファイル操作で開きます。古いセッション記録は cleanupPeriodDays(既定30日)を過ぎると自動で削除されますが、memoryディレクトリ内のファイルはこの掃除の対象外で、あなたかClaudeが消すまで残ります。v2.1.228より前は、memoryディレクトリの中のフォルダをセッションデータと誤認して古いファイルを消すことがあったと.claudeディレクトリの解説に記載があります。
autoMemoryDirectoryとCLAUDE_CODE_PROJECT_DIR_NAMEによる保存先の変更
保存先を変えたいときは、settings.json に autoMemoryDirectory を書きます(v2.1.74で追加)。値は絶対パスか ~/ で始まるパスに限られます。
{
"autoMemoryDirectory": "~/my-custom-memory-dir"
}
ユーザー・プロジェクト・ローカル・ポリシー・--settings のどの設定スコープからも読まれますが、リポジトリ側の .claude/settings.json に書かれた値は、フォルダを信頼するまで効きません。permissions.blockReadsOutsideWorkingDirectories を有効にしている場合は、リポジトリ由来の設定が指定したディレクトリからの読み込みも書き込みも行いません(想起・索引化・メモ抽出まで止める修正はv2.1.273)。
複数のテナントを1台で動かす組み込み用途では、v2.1.234以降の CLAUDE_CODE_PROJECT_DIR_NAME を CLAUDE_CONFIG_DIR と一緒に指定すると、作業ディレクトリに関係なく <設定ディレクトリ>/projects/<指定名>/memory/ に保存されます。この変数は claude を起動した環境からだけ読まれ、設定ファイルの env に書いても効かず、CLAUDE_CONFIG_DIR が未設定なら無視されます。
MEMORY.mdの読み込み上限:200行と25KB
毎セッションの開始時に読み込まれるのは、MEMORY.mdの先頭200行か先頭25KBの早く達した方までです。25KBの条件はv2.1.83(2026年3月24日)で加わりました。それより前の解説にある「200行まで」だけの説明は古い情報です。この上限はMEMORY.mdだけにかかり、CLAUDE.mdは4MiBまで全文が読み込まれ、それより大きいファイルは読み飛ばされます。
25KBの判定単位:日本語のMEMORY.mdでの実測
「日本語はUTF-8で1文字3バイトなので25KBに早く届く」と考えがちですが、v2.1.302で測ると判定は文字数で行われていました。一時的なGitリポジトリのmemoryディレクトリに、行ごとに異なる6文字の符号を入れたMEMORY.mdを置き、claude -p(ファイル読み取りのツールを禁止)にシステムプロンプトへ入った最後の行の符号を答えさせ、生成時の符号表と照合しました。
| MEMORY.mdの中身 | 行数 | 文字数 | UTF-8バイト | 読み込まれた範囲 |
|---|---|---|---|---|
| 日本語・1行126字 | 150 | 19,050 | 48,450 | 150行すべて |
| 英語・1行200字 | 150 | 30,150 | 30,150 | 124行目まで |
| 日本語・1行200字 | 150 | 30,150 | 81,750 | 124行目まで |
| 日本語・短い行 | 230 | 約5,800 | 14,030 | 200行目まで |
48,450バイトの日本語ファイルが全行読み込まれ、文字数が同じ30,150字の英語と日本語は同じ124行目で切れています。境界を詰めるため、1〜124行目を計24,924字(改行込み)にそろえ、125行目の長さだけを変えて追試しました。125行目の末尾までの累計が24,999字と25,000字のときは125行目まで読み込まれ、25,001字のときは125行目から後ろが落ちました。いずれもファイルは約67KB(UTF-8)あり、バイト数では説明できません。警告文の「limit: 24.4KB」も、25,000を1,024で割った値と一致します。絵文字のような補助平面の文字をどう数えるかは試していません。
実務上は、行数と1行の長さの両方を見てください。1行200字の索引は150行の時点で切り詰められており、警告文自体も「1行約200字未満」を求めています。詳細はトピックファイルへ分け、索引は「リンク+短い説明」にとどめます。手元のファイルは次のコマンドで行数と文字数を確かめられます。frontmatterとブロック単位のHTMLコメントは読み込み前に除かれるので、それらを含むファイルでは表示値が実際より大きく出ます。
python3 -c 'import sys; s=open(sys.argv[1], encoding="utf-8").read(); print(len(s.splitlines()), "行", len(s), "文字")' "$HOME/.claude/projects/プロジェクト名/memory/MEMORY.md"
# プロジェクト名は ls ~/.claude/projects で確かめて置き換える
上限を超えたときの警告とエラー
切り詰めは行の途中ではなく行単位で起きます。上の追試では、読み込まれた最後の行(124行目・125行目)が末尾まで欠けずに入っており、上限を越える行から後ろが丸ごと落ちていました。そのときセッション開始時の文脈には次の警告が入ります(上の実測で取得。v2.1.268から、何行が落ちてどこから切れたかを示す形になりました)。
WARNING: MEMORY.md is 230 lines (limit: 200). Only part of it was loaded: 30 of 230 lines were cut off, starting at line 201 ("- QURUUL [メモ201](note_201.md) ..."). Keep index entries to one line under ~200 chars; move detail into topic files.
WARNING: MEMORY.md is 29.4KB (limit: 24.4KB) — index entries are too long. Only part of it was loaded: 26 of 150 lines were cut off, starting at line 125 (...). Keep index entries to one line under ~200 chars; move detail into topic files.
書き込み側の対策も入っています。v2.1.186で上限が近づくとClaudeに索引の圧縮を促すようになり、v2.1.210(2026年7月14日)からは上限を超える書き込みの直後に明示的なエラーを返します。書き込み自体は成功し、エラー文は「Error: this write left the memory index at MEMORY.md at 214 lines, over its 200-line read limit.」で始まって「under 140 lines」への書き直しを指示します(公式のエラー一覧)。このエラーはターミナルのバナーではなくClaudeへのツール結果として返るため、会話ログでしか気づけないことがあります。v2.1.211以降は、frontmatterとHTMLコメントを除いた「実際に読み込まれる部分」だけで上限を測ります。
Auto Memoryの無効化・有効化の設定方法
Auto Memoryはローカルのセッションでは既定でオンです。止め方は次のとおりで、効く範囲が違います。
| 方法 | 保存先 | 効く範囲 |
|---|---|---|
| /memoryのトグル | ~/.claude/settings.json | 全プロジェクトの既定 |
| autoMemoryEnabled: false | プロジェクトの設定 | そのプロジェクト |
| CLAUDE_CODE_DISABLE_AUTO_MEMORY=1 | 環境変数 | 起動したプロセス |
| –bare | 起動オプション | その実行(-p向け) |
| –safe-mode | 起動オプション | その実行(設定の切り分け用) |
見落としやすいのが /memory のトグルです。セッション内で切り替えても、書き込まれるのはユーザー設定の autoMemoryEnabled なので、ほかのプロジェクトにも既定値として適用されます。v2.1.287からはトグルを左右の矢印キーで切り替えられます。特定のプロジェクトだけ止めたいなら、そのプロジェクトの .claude/settings.json(チームで共有)か .claude/settings.local.json(自分だけ)に書きます。
{
"autoMemoryEnabled": false
}
無効にすると、Claudeはメモリディレクトリを読むことも書くこともしません。既存のファイルは消えないため、再びオンにすれば元のメモが読み込まれます。
CLAUDE_CODE_DISABLE_AUTO_MEMORYと設定の優先関係
環境変数 CLAUDE_CODE_DISABLE_AUTO_MEMORY は 1 で無効、0 で強制的に有効です(公式の環境変数一覧)。設定リファレンスは、この変数がそのセッションに限り autoMemoryEnabled より「in either direction」で優先すると書いています。autoMemoryEnabled: true は未設定と同じ扱いで、--bare・safe mode・この環境変数のほうが上位です。
# このシェルから起動するセッションだけAuto Memoryを止める
export CLAUDE_CODE_DISABLE_AUTO_MEMORY=1
claude
CIや定期実行のように、人の訂正を受けない実行ではメモを残す意味が薄く、残った記録が次の実行に影響するおそれもあります。v2.1.81で追加された --bare はフック・プラグイン・CLAUDE.mdなどの自動読み込みとあわせてAuto Memoryも止めます。CLAUDE_CODE_DISABLE_AUTO_MEMORY=0 で強制オンにしていない限り、claude --bare -p で回すスクリプトでは、Auto Memoryを止める追加設定は不要です。ただし、通常のOAuthログインは使われないため、APIキーなど実行先に対応する認証を別途用意します。
バックグラウンドセッションとセルフホスト環境での既定
v2.1.285から、バックグラウンドセッションと、Claude CodeがBashツール経由で起動した claude のセッションでは、/memory のトグルでAuto Memoryをオフにできても、オンには戻せません。表示は「off · can't be turned on here; use a session started outside Claude Code」となり、オンに戻すにはターミナルで直接 claude を起動してトグルします。また、セルフホスト環境のセッションは(Claude Tagのセッションを除き)既定でAuto Memoryがオフです。
Claude Desktopの「設定 > メモリ」との関係
Claude Desktopの「設定 > メモリ」にある2つのトグル(過去のチャットを検索・参照する設定と「チャットからメモリを生成」)は、claude.aiのチャットのメモリを操作するトグルです。どちらもオフにしてもDesktopのCodeタブでClaude CodeがMEMORY.mdを書き続けるという報告が GitHub issue #80615(2026年7月23日起票)にあり、2026年10月9日にmacOSでも再現したとのコメントが付いて、10月21日時点で未解決です。Desktopから使うClaude CodeのAuto Memoryを止めるときは、Claude Code側の autoMemoryEnabled: false を ~/.claude/settings.json に書きます。Desktopのローカルセッションは同じファイルの env キーも読むため、CLAUDE_CODE_DISABLE_AUTO_MEMORY をそこに置く方法も使えます。設定後は新しいセッションを起動し、/memory のトグルがオフと表示されるか、上位の環境変数(CLAUDE_CODE_DISABLE_AUTO_MEMORY=0)で強制オンになっていないかを確かめてください。ファイルの更新日時が変わらないことだけでは判断できません。Auto Memoryは毎回書き込むわけではなく、読み込みだけでは更新日時が変わらないためです。
CLAUDE.mdとAuto Memoryの違いと書き分け
| 項目 | CLAUDE.md | Auto Memory |
|---|---|---|
| 書く人 | あなた | Claude |
| 中身 | 指示・ルール | 学んだこと・傾向 |
| 範囲 | プロジェクト・ユーザー・組織 | リポジトリ単位 |
| 読み込み | 毎セッション(4MiBまで) | 毎セッション(200行か25KB) |
| 共有 | Gitでチームと共有できる | 端末間の自動同期なし |
CLAUDE.mdによるチーム規約の共有
Auto Memoryは個人のマシンにしか残らないため、同僚のClaude Codeには届きません。コーディング規約・ビルドやテストのコマンド・ディレクトリ構成のように全員に守らせたい内容は、リポジトリのCLAUDE.mdに書いてコミットします。公式は1ファイル200行未満を目安にしており、長くなったら .claude/rules/ のパス別ルールへ分けます。CLAUDE.md側の古い指示や食い違いは、v2.1.283以降の /doctor prompt-audit で点検できます(既定の点検対象はCLAUDE.md・CLAUDE.local.md・AGENTS.mdと .claude/ 配下のルールやスキルで、Auto Memoryのディレクトリは挙がっていません)。CLAUDE.mdの置き場所や書き方はClaude Codeの使い方|インストールから権限・CLAUDE.md設定、初日の進め方までで扱っています。
フックと権限ルールによる禁止操作の拒否
公式ドキュメントは、CLAUDE.mdとAuto Memoryのどちらも「強制される設定ではなく文脈」として扱うと明記しています。「本番DBに接続しない」とメモに残っても、守られる保証はありません。確実に止めたい操作は、PreToolUseフックや権限ルールで拒否してください。権限ルールの設計はClaude Codeのパーミッションモードの違いと設定方法で解説しています。
/memoryコマンドでの確認・編集・削除
/memory を開くと、ユーザーとプロジェクトのCLAUDE.md・CLAUDE.local.mdなどの一覧、Auto Memoryのオン・オフ、Auto Memoryフォルダを開く項目が並びます。まだ存在しないCLAUDE.mdを選ぶと、その場で作成されます。今のセッションにどのCLAUDE.mdとルールが読み込まれたかは /context で確認します。VS Code拡張ではv2.1.274から、Customizeメニューの「Memory」でトグル・保存済みメモ・フォルダを確認できます。
メモはすべて普通のMarkdownファイルなので、エディタで直接書き換えたり消したりできます。MEMORY.mdの行を消したときは、対応するトピックファイルも一緒に消さないと、索引から外れたファイルがディレクトリに残り続けます。プロジェクト単位でまとめて消すなら claude purge が使えますが、Auto Memoryだけでなくセッション記録・history.jsonl の該当行・~/.claude.json の項目まで削除されます。実行前に --dry-run で削除計画を確認してください。
claude purge ~/work/my-repo --dry-run
サブエージェントのmemoryフィールドとクラウドのプロジェクトメモリ
サブエージェントのメモリ保存先と共有範囲
メイン会話のAuto Memoryはサブエージェントには読み込まれません(会話を引き継ぐforkだけは例外)。サブエージェントに記憶を持たせるには、定義ファイルのfrontmatterに memory を書きます。
| memoryの値 | 保存先 | 向く用途 |
|---|---|---|
| user | ~/.claude/agent-memory/<名前>/ | 全プロジェクト共通の知見 |
| project | .claude/agent-memory/<名前>/ | Gitでチームと共有 |
| local | .claude/agent-memory-local/<名前>/ | リポジトリ内・コミットしない |
サブエージェントのメモリにも、そのディレクトリのMEMORY.mdの先頭200行か25KBまでが読み込まれる同じ上限がかかります。Auto Memoryの一部として扱われるため、autoMemoryEnabled か CLAUDE_CODE_DISABLE_AUTO_MEMORY で止めると memory 欄は効かなくなります。公式が推奨する既定は project で、メモがリポジトリに入るため、Auto Memoryではできないチーム内の記憶の共有がこの方法で実現します。サブエージェントの作り方はClaude Codeのサブエージェントとは?作り方・設定項目・使い方で扱っています。
クラウドのProjectsのメモリはローカルと別物
Claude Codeのクラウド機能「Projects」にも、Project settings > Memoryに「Auto memory」と表示されるメモがあり、索引も同じMEMORY.mdという名前です。ただし公式は、手元のAuto Memoryとは別物だと明記しています。ローカルで覚えさせた内容はクラウドのスレッドに届かず、その逆もありません。claude.aiのチャット側のメモリはさらに別の仕組みで、こちらはClaudeのシークレットモード(シークレットチャット)とメモリ機能で整理しています。
Auto Memoryを止めるべき場面と運用上の注意
Auto Memoryは、同じリポジトリで継続して作業する際に、以前伝えた好みや訂正を次のセッションへ引き継ぐ用途に向いています。一方で、次の条件に当てはまるなら止めるか、定期的に中身を点検してください。
- 共有PC・共有アカウントで使う:メモは
~/.claude配下に平文で残ります。会話で扱った顧客名や接続先が「project」メモに書かれると、同じOSユーザーで同じリポジトリを開く別の人のセッションにも読み込まれます。 - 信頼できないリポジトリを開く:READMEやissueに仕込まれた指示をClaudeが「好み」として保存すると、以後のセッションに持ち越されます。この種の攻撃はメモリポイズニングと呼ばれます。v2.1.284からは、MEMORY.mdと想起したメモに含まれる不可視文字やClaude Code自身のマークアップを装ったタグが無害化されてから渡りますが、普通の文章で書かれた指示は防げません。初めて触るリポジトリでは
CLAUDE_CODE_DISABLE_AUTO_MEMORY=1で起動する方が安全です。 - CIや定期実行:前述のとおり
--bareか環境変数で止めます。実行ごとに結果が変わる原因を1つ減らせます。 - 方針が頻繁に変わる時期:古いfeedbackメモが新しい指示と食い違うことがあります。
modified欄の日付を手がかりに内容を点検し、現行方針と矛盾するメモを更新・削除します。
長い会話の途中で文脈が要約されても、Auto Memoryは次のセッションの冒頭で読み直されます。会話内の圧縮の仕組みはauto-compactとは?Claude Codeの自動コンテキスト圧縮の発動点を参照してください。メモの持たせ方を含めて社内のエージェント運用を設計する場合は、AIエージェント開発の支援も行っています。
v2.1.32から2.1.305までのAuto Memoryの主な変更
| 版 | 公開日 | 変更 |
|---|---|---|
| 2.1.32 | 2026-02-05 | 自動で記録・想起する機能を追加 |
| 2.1.59 | 2026-02-25 | /memoryで管理する形に |
| 2.1.63 | 2026-02-28 | worktree間で共有 |
| 2.1.74 | 2026-03-11 | autoMemoryDirectoryを追加 |
| 2.1.81 | 2026-03-20 | –bareで無効化 |
| 2.1.83 | 2026-03-24 | 25KBの上限を追加 |
| 2.1.210 | 2026-07-14 | 上限超過で明示的なエラー |
| 2.1.214 | 2026-07-18 | modified欄を自動記録 |
| 2.1.228 | 2026-08-11 | 保持期間の掃除でメモが消える不具合を修正 |
| 2.1.234 | 2026-08-17 | CLAUDE_CODE_PROJECT_DIR_NAME |
| 2.1.268 | 2026-09-10 | 切り詰め警告に行数と位置を表示 |
| 2.1.284 | 2026-09-28 | 不可視文字・偽タグを無害化 |
| 2.1.285 | 2026-09-29 | バックグラウンドではオンに戻せない |
| 2.1.288 | 2026-10-02 | ゲートウェイ経由の想起失敗を修正 |
公開日はnpmレジストリの公開時刻(UTC)です。v2.1.288の修正は、構造化出力を受け付けないLLMゲートウェイやMantle経由でメモの想起が失敗していた件で、あわせて構造化出力を止める CLAUDE_CODE_DISABLE_STRUCTURED_OUTPUTS が追加されました。v2.1.32はAgent Teamsが研究プレビューとして入った版でもあり、そちらはClaude Code Agent Teamsの全体像で扱っています。Claude Codeは数日おきに更新されるため、最新の挙動は claude --version で版を確かめ、公式のCHANGELOGと照らしてください。
Claude Code Auto Memoryのよくある質問
MEMORY.mdを自分で書き換えてもよいですか?
書き換えて構いません。Auto Memoryのファイルは普通のMarkdownで、公式もいつでも編集・削除できると説明しています。ただしClaudeも同じファイルを更新するため、チームで守らせたい規約はMEMORY.mdではなくCLAUDE.mdに書く方が確実です。
メッセージを「#」で始めてメモリに追加する方法は今も使えますか?
使えません。「#」で始めるとメモリに追記できるショートカットは、2025年12月15日公開のv2.0.70で削除されました。現在は「これを覚えて」と頼めばAuto Memoryに、「これをCLAUDE.mdに追加して」と頼めばCLAUDE.mdに書かれます。
Auto Memoryに何も保存されないのはなぜですか?
Claudeは毎回保存するわけではなく、コードから読み取れる内容やCLAUDE.mdと重複する内容も保存しません。それでも何も残らない場合は、autoMemoryEnabled がfalseになっていないか、CLAUDE_CODE_DISABLE_AUTO_MEMORY=1・--bare・--safe-mode で起動していないか、セルフホスト環境のセッションではないかを確認します。LLMゲートウェイ経由で「Recalled」が出ないなら、v2.1.288以降に上げてください。
別のPCとAuto Memoryを同期できますか?
標準の自動同期機能はありません。公式ドキュメントでは、Auto Memoryはマシンローカルで、別のマシンやクラウド環境とは共有されないと説明されています。複数の環境で同じ知見を使いたいなら、CLAUDE.mdに書いてリポジトリで共有するか、サブエージェントの memory: project を使います。
Auto Memoryをリセットするにはどうすればよいですか?
/memory からAuto Memoryフォルダを開き、MEMORY.mdとトピックファイルを削除します。セッション記録なども含めてプロジェクトの状態をまとめて消すなら claude purge <パス> を使い、先に --dry-run で削除対象を確認してください。