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TwilioとSalesforceの連携方法|問い合わせ履歴を自動で残す4方式と選定基準

なぜSalesforceを導入する必要があるのか

TwilioとSalesforceの連携は「どの方式でつなぐか」で難易度と費用が変わります。SMSだけなら管理パッケージで足りますが、電話の応対履歴をSalesforceへ自動で残すならSalesforce Voice(パートナーテレフォニー)が必要で、AIが一次応対する構成では自前のWebSocketサーバーまで作ることになります。この記事では公式に提供されている4つの方式を一次情報で切り分け、問い合わせ履歴がどの経路で保存されるのかをAPIのエンドポイントと必須項目まで具体化します。

まとめ

TwilioとSalesforceの連携方式は4つで、選定はチャネルと履歴の保存先で決まります。SMSのみなら管理パッケージ「Twilio for Salesforce」、音声もチャットもSMSも1画面に載せるならTwilio Flex CTI connector、電話をSalesforce画面で受けて通話履歴と文字起こしを通話レコードに残すならSalesforce Voice with Partner Telephony、AIによる自動応対を挟むならConversationRelayを使った自前実装です。

制約は方式ごとに違います。管理パッケージはSMS専用でWhatsAppは対象外、対応エディションもEnterpriseとUnlimitedに限られます。Salesforce Voice(Twilio側ドキュメントの表記はService Cloud Voice)との統合は2026年3月31日にGAとなりましたが、対応が明記されたチャネルは音声だけでHIPAA適格でもPCI準拠でもありません。逆にConversationRelayはBAA締結など所定の条件付きで両方に載せられるため、医療情報やカード情報が絡むかどうかで選べる方式が先に絞られます。

あわせて、2022年前後の記事が前提にしていたTwilio Frontlineは2026年9月30日に提供終了します。以下は現行の4方式に絞って整理します。

連携方式の選定基準|チャネルと履歴の保存先で決まる4分岐

最初に確認すべきは、扱うチャネル(SMSか音声か、あるいは全部か)と、問い合わせ履歴の置き場所(Salesforceの通話レコードか活動ログか自前のオブジェクトか)の2点です。結論から言えば、SMSだけなら方式1、複数チャネルを1画面に載せるなら方式2、電話の文字起こしまで通話レコードに残すなら方式3、規制業種またはAIの一次応対を挟むなら方式4になります。曖昧なまま着手すると、パッケージを導入してから「音声は対象外だった」と戻ることになります。

比較軸 方式1 管理パッケージ 方式2 Flex CTI 方式3 Salesforce Voice 方式4 ConversationRelay
対応チャネル SMSのみ 音声・チャット・SMS・WhatsApp 音声のみ 音声(AI応対)
履歴の保存先 パッケージ内レコード Salesforceの活動ログ Salesforceの通話レコード 設計者が決める
Salesforce UI Lightning / Classicは表示制限 Classic / Lightning Lightning UI非依存
エディション条件 Enterprise / Unlimited docsに記載なし 要Voiceライセンス 要件次第
規制要件(HIPAA / PCI) Twilio docsに記載なし 同左 いずれも非対応と明記 条件付きで両方に対応可
必要な社内調整 Salesforce管理者 Salesforce管理者 情シス(SSO)・法務 開発体制の確保
実装規模 設定中心 パッケージ導入+設定 設定15工程+SSO サーバー開発が必要

表で最も見落とされるのは「Salesforce UI」の行です。方式2だけがSalesforce Classicに対応するため、Classic運用を続けている組織では選択肢が先に絞られます。また規制要件の「記載なし」は非対応の明記ではなく、本記事が確認した公式ドキュメントの範囲にHIPAA・PCIの記述が無いという意味です。医療・決済の業務に載せるならTwilioへの個別確認が要ります。

方式1|Twilio for SalesforceでSMSを送受信する条件

Twilio for Salesforceは、公式ドキュメントが「a managed package for Salesforce」と定義する管理パッケージです。構成は3つのLightningコンポーネント(SMS送信、受信箱にあたるSMS Inbox、一斉送信のSMS Campaign)と、Apexライブラリ経由でTwilio REST APIを呼ぶ経路です。画面機能で足りない処理はApexから直接APIを呼んで補えます。

SMS専用でWhatsAppが対象外という前提

公式FAQはLightningコンポーネントが「support only SMS」であることを明記し、さらに「doesn’t support WhatsApp」と重ねて否定しています。TwilioはWhatsAppを含むマルチチャネルの製品群を持ちますが、この管理パッケージの守備範囲はSMSだけです。マルチチャネル前提で稟議を通すと、チャネル追加のたびに個別実装が必要になります。

Enterprise・Unlimitedのみという対応エディション

同じFAQは対応をEnterpriseとUnlimitedに限り、「Salesforce Essential and Professional editions are not supported.」と述べています。Classic環境ではビジュアルフォースコンポーネントとして埋め込めますが、SMS Inboxが使うLightningのユーティリティバーはClassicに存在しないため、受信箱はビジュアルフォースページとしての表示になります。Classic運用のまま導入すると、この体験差がエージェントの操作数に跳ね返ります。

Public Beta扱いとAPIコール上限に効くパッケージの版

ドキュメントのトップページはこのパッケージを「currently available as a Public Beta release」と説明し、未実装の機能があること、GA前に仕様が変わりうること、そして「Beta products are not covered by a Twilio SLA.」=SLAの対象外であることを挙げています。SLAを前提に業務を載せるなら、Twilioのアカウントチームに現行のサポート条件を確認してください。

設計に直接効くのは、どの版を入れるかでSalesforceのAPIコール上限の扱いが変わる点です。公式FAQによると、ベータ期間に入手した無制限版はパッケージのAPIコールが「count API calls made by the package towards your limits」=自組織の上限に算入されます。一方、セキュリティレビューを通過してAppExchangeに掲載された版は「’Ohana’ status」となり上限に算入されません。日次コール上限が逼迫している組織では、この差が単独で採否を決めます。

一方で更新は続いています。変更履歴の最新項目はバージョン4.159.2で、データアクセス層の全DML操作にCRUDと項目レベルセキュリティを強制し、2026年2月のAppExchangeセキュリティレビューの指摘5件を解消したと記載されています。なお変更履歴ページに版ごとの日付は印字されていないため、版番号からリリース日は読めません。公式サポートは最新版が前提のため、既存導入はこのバージョン以降へ上げてから問い合わせてください。

方式2|Twilio Flex CTI connectorでFlexの画面をSalesforceに載せる構成

「twilio cti」で探している構成がこれです。AppExchangeで配布されるTwilio Flex CTI connectorを入れ、コンタクトセンター基盤のFlexをSalesforceの画面に組み込みます。コンタクトセンターをSalesforceの画面に統合する構成で、「Both Salesforce Classic and Lightning Experience integrations are supported.」=ClassicとLightningの両方に対応します。Lightning必須の方式3と分かれるのはここです。

音声だけでなくWebチャット・SMS・WhatsAppまで1画面に載る

方式1の管理パッケージがSMS限定、方式3が音声限定なのに対し、この構成はFlexが扱うチャネルをそのまま持ち込みます。公式ガイドが挙げるのは音声、Webチャット、SMS、WhatsAppのネイティブ対応です。チャネルを1画面に統合したいという要件だけで選ぶなら、選択肢は実質この方式に絞られます。既定で用意される機能はクリック発信、着信時のレコード表示(screen pop)と検索、コンテキストの切り替え、活動履歴の記録、SSOです。

履歴が活動ログとして残る仕組みと発信時の落とし穴

履歴は通話レコードではなくSalesforceの活動ログとして記録されます。方式3のように文字起こしを通話レコードへ紐づける設計ではないため、応対内容そのものを構造化して残したい要件には向きません。運用上の注意も明記されていて、発信時は該当の電話番号に対応するSalesforceレコードを先に開いてから発信しないと、活動ログが正しいレコードに紐づかないことがあります。オペレーターの操作手順にこの順序を組み込んでおかないと、後から履歴を辿れなくなります。

方式3|Salesforce Voice with Partner TelephonyでTwilioを電話基盤にする手順

電話の応対をSalesforce画面で完結させ、通話レコードとして履歴を残す構成です。名称が資料ごとに割れているので先に固定します。Salesforce側の開発者ガイドは現在「Salesforce Voice with Partner Telephony」を正式名とし、Twilio側のドキュメントは引き続きService Cloud Voice(SCV)と表記します。以下は前者に統一します。Twilio側の統合は2026年3月31日の変更履歴でGA化とAppExchange掲載が告知され、外部番号への転送、スーパーバイザによる通話のモニタと参加、管理者によるリアルタイム文字起こし設定の制御が同時に入りました。

SSOとFlexアカウントを含む前提条件

ガイドが挙げる前提は、Flexアカウント、Okta Workforce Identityの開発者アカウントまたはSAML 2.0対応の他のIdP、SalesforceのDeveloper Editionアカウントの3点です。後ろ2つが開発者向けアカウントであるとおり、この手順書は検証環境の構築を想定した書き方になっています。実務上の意味は変わりません。SalesforceとFlexの双方にシングルサインオンを構成することが着手条件で、IdPの用意がない組織はここが最初の待ち行列になります。手順はSSO構成に始まり、エージェントとしての疎通テストを経て通話録音・文字起こしの設定に終わる15セクションです。文字起こしまで行う場合は、Twilio側でscv-intelligence-serviceという固定名のIntelligence Serviceを作る指定があるため、命名を変えると動きません。

対応が明記されたチャネルは音声だけという適用範囲

ガイドが対応と明記しているチャネルは「The SCV integration supports the Voice channel.」の一文だけで、SMSやチャットについての記述はありません。全チャネルを1画面にまとめたい場合は方式1や自前実装との併用を前提に設計してください。文字起こしにはTwilio側でConversation Intelligence(classic)が任意要件として挙げられています。

HIPAA・PCI対象業務では使用できないという除外規定

ガイドはこの統合を「not a HIPAA Eligible Service or PCI compliant」とし、HIPAAやPCIの対象となるワークフローで使うべきではないと明記しています。医療情報やカード決済が通話に乗る業務ではそのまま採用できません。該当する場合は方式4へ切り替えるか、通話中に決済情報を口頭で扱わない導線に業務側を作り替えることになります。

費用がSalesforce側とTwilio側の二重構造になる点

見積もりで漏れやすいのは、この方式がSalesforce側のVoiceアドオン費用とTwilio側の通話従量課金の合算になる点です。Salesforceのライセンスは自社テレフォニーを持ち込む構成と通話分数が同梱される構成で価格帯が分かれ、単価は改定されるため見積書で確認してください。Twilio側は電話番号の月額と通話の従量課金が別立てで、着信単価と番号の月額を混同すると必要額を大きく過小評価します。料金表の読み方はTwilio Verifyとは|SMS・音声認証の実装手順と日本向け料金で日本向け単価と併せて整理しています。

方式4|ConversationRelayとAgent ConnectでAI応対を組む構成

「Twilio Conversational AIをSalesforceにつなぐ」という文脈で実際に使うのは、Twilioがプラットフォームとして束ねるConversation Orchestrator、Conversation Memory、Conversation Intelligence、Conversation Relay、Agent Connectの各コンポーネントです。製品ページはこの構成を「AI-neutral by design.」と説明し「You can bring your own model (AWS, Microsoft, OpenAI, etc.)」と特定ベンダーへの固定を避ける方針を示しています。Salesforce側のAI基盤を使うか外部LLMを使うかを後から変えられる点が、この方式を選ぶ実質的な理由です。

ConversationRelayで指定するプロバイダと言語の要件

音声AIの入口はTwiMLです。Connect動詞の配下にConversationRelay名詞を置き、音声認識と音声合成、セッション管理、低遅延の通信をTwilioに任せて、対話の判断だけを自前のWebSocketサーバーで処理します。

<Response>
  <Connect>
    <ConversationRelay url="wss://relay.example.co.jp/voice" />
  </Connect>
</Response>

接続先はwss:スキームのWebSocketが必須です。2026年8月時点で音声認識に選べるのはGoogleとDeepgram、音声合成はGoogle、Amazon、ElevenLabsです。既定値は音声合成がElevenLabs、音声認識がDeepgram(2025年9月12日より前からConversation Relayを使っているアカウントは音声認識の既定がGoogle)で、ドキュメントの列挙順とは一致しません。既定言語はen-USのため、日本語応対では言語指定を明示してください。自動言語判定はConversationRelayの属性ではなく子要素Languagecodemultiを指定して使い、その場合は音声認識がDeepgram、音声合成がElevenLabsであることが要件です。多言語対応を前提に据えるとプロバイダの選択肢が事実上1通りに絞られる点は、設計初期に押さえるべき制約です。

コンプライアンス要件で方式3より有利になる場合

ドキュメントは「Conversation Relay is a HIPAA Eligible Service when configured properly」と述べ、PCI準拠の音声合成および文字起こしプロバイダを組み合わせればPCI準拠の音声ワークフローにも対応するとしています。方式3のService Cloud Voice統合がHIPAA適格でもPCI準拠でもないのに対し、ConversationRelayは構成次第で両方の要件に載せられるという非対称があります。

ただし「適切な構成」の中身は具体的な条件です。HIPAA対象の用途ではTwilioとのBAA(Business Associate Agreement)締結と、利用開始前の「Predictive and Generative AI/ML Features Addendum」への同意が要ります。PCI側は「Not all providers are guaranteed to be PCI compliant.」と釘が刺されており、可否はTwilioのResponsibility Matrixで確認します。さらにwelcomeGreetinghints、独自のParameter値、セッション終了メッセージのhandoffDataにPCIデータを入れてはならないと明記されています。規制業種で方式4を選ぶ合理性はここにありますが、着手条件に法務とセキュリティの承認が入ります。

Agent Connectによる自社モデルの持ち込みとConversation Intelligenceによる通話分析

Agent Connectは自社が用意したAIをTwilioの音声およびメッセージングに接続するコンポーネントで、ベンダーロックインを避ける位置づけで提供されています。通話後の分析はConversation Intelligenceが担い、生成AIのLanguage Operatorsで音声とメッセージングの内容を解析します。要約や分類の結果をSalesforceの項目へ書き戻せば、エージェントが手入力していた対応区分やサマリ作成を省けます。音声データをAIで扱う考え方はTwilio音声データとAI+API連携の可能性を解き明かすでも扱っています。

問い合わせ履歴を自動で残す実装|文字起こしを通話レコードに紐づける

「問い合わせ履歴を自動で残す」の実体は、通話中の文字起こしをSalesforceの通話レコードへ送り続ける処理です。Salesforceの開発者ガイドはこの用途にCreate Transcript API(個別の通話向け)とCreate Transcripts in Bulk API(複数まとめて送る用途)を用意し、Connect REST APIでアップロードまたは更新する経路も併記しています。

Create Transcript APIのエンドポイントと必須6項目

個別送信のエンドポイントとリクエスト形式は次のとおりです。パスのvendorCallKeyがテレフォニー側の通話識別子で、Salesforceの通話レコードとの紐づけキーになります。

POST https://{MyDomain}.my.salesforce-scrt.com/telephony/v1/voiceCalls/{vendorCallKey}/messages

Authorization: Bearer <JWT>
Content-Type: application/json
Telephony-Provider-Name: Twilio

{
  "participantId": "0031x00000ABCDEAA3",
  "messageId": "CA0f9d2e1b-0007",
  "startTime": 1755561600000,
  "endTime": 1755561604200,
  "content": "お問い合わせありがとうございます",
  "senderType": "HUMAN_AGENT"
}

必須のボディ項目はparticipantIdmessageIdstartTimeendTimecontentsenderTypeの6つです。startTimeendTimeはint64で、単位はUnixエポックからのミリ秒。senderTypeに指定できるのはEND_USEREXTERNAL_USERHUMAN_AGENTSUPERVISORVIRTUAL_AGENTの5値です。messageIdは会話内で一意、シングルクォートとNULLバイトを含まず1024バイト以内という制約があります。

見落としやすいのはヘッダーで、必須は3つありますAuthorization(JWT)とContent-Typeに加えて、カスタムヘッダーのTelephony-Provider-Name=このAPIを呼ぶテレフォニープロバイダ名が必須です。標準ヘッダーだけを付けて実装すると、ボディが正しくてもリクエストが通りません。

送信内容は公式の説明では担当者コンソールへ同期的にリアルタイム表示されながら、Salesforce側には非同期で永続化されます。つまり画面表示と保存が別経路のため、エージェント画面に出たことを保存完了の確認には使えません。

転送通話でparentVoiceCallのキーを使うという指定

開発者ガイドは両APIについて「use JWT authorization to communicate with Salesforce」と述べ、有効なJWTトークンを付けて送る必要があるとしています。取り違えが起きやすいのは通話転送時で、転送された通話では「use the vendorCallKey of the parentVoiceCall」=親通話のキーを使うと明記されています。転送後の子通話ではなく親通話のキーを使うという指定で、誤ると転送以降の発話が別レコードに散り履歴が分断されます。

テレフォニー側の対応可否という前提条件

ガイドはPartner Telephony構成について、このコンポーネントを追加してよいのは「only if your telephony provider supports transcription」=テレフォニー側が文字起こしに対応している場合だけだと述べています。コンポーネントの名称はEnhanced Conversationで、Lightningアプリケーションビルダーで通話(Voice Call)レコードページに追加するとリアルタイムの文字起こしが表示されます。Twilio構成では前述のConversation Intelligence(classic)がその役割にあたり、2026年3月31日のGAで管理者が設定を制御できるようになりました。Salesforce側の画面を先に作り込んでも、テレフォニー側が送っていなければ空欄が並ぶだけです。

ConversationRelayの会話をSalesforceに残す経路

AIが一次応対した会話をSalesforceへ自動で残したい場合、注意すべき点があります。ConversationRelayにSalesforceへ書き戻す機能はありません。TwiMLリファレンスにもConversation Relayのドキュメントハブにも、Salesforceという語やCRM連携のガイドは1つも置かれていません。WebSocketサーバーが受け取るのは発話の文字起こしとDTMFイベントで、CRMへの保存は実装側の責務です。逆にTwilioのService Cloud Voiceセットアップガイドの側にもConversationRelayの記述はなく、この統合で文字起こしを担うのはConversation Intelligence(classic)です。両者を結ぶ公式手順は、2026年8月時点でどちらのドキュメントにも用意されていません

したがって道は2つです。Twilioをパートナーテレフォニーとして構成し、自前のWebSocketサーバーからCreate Transcript APIへ発話を送って通話レコードに紐づけるか(vendorCallKeyの払い出しと発話ごとのmessageId採番は自前設計)、履歴を自前オブジェクトに置いてSalesforceへ後からまとめて書き戻すかです。前者は担当者コンソールでリアルタイムに追える代わりに実装量が増え、後者は疎結合な代わりに応対中の画面連携を諦めます。ConversationRelayとSalesforceを結ぶ公式パッケージは無い領域なので、どちらでも自社保守を前提に見積もってください。

音声とSMSで履歴の保存先が分かれる制約

この経路はパスが/telephony/v1/で始まるとおり音声通話専用です。方式1の管理パッケージで送受信したSMSはパッケージ側のレコードに蓄積されるため、音声とSMSの履歴は別の場所に入ります。全チャネルを1本の時系列で見たいなら、どちらかへ寄せる同期処理を自前で作ることになります。Salesforceへ書き戻す際のAPI方式の選定と1日あたりのコール上限の設計はSalesforceのシステム連携とは?API方式の選定とコール上限の設計を実装目線で解説に整理しています。

日本で導入するときの契約とチャネルの制約

技術的に組めても、契約と日本固有のチャネル制約で止まることがあります。特に契約形態は2023年に変わっており、それ以前の日本語記事は前提が古いままです。

代理店がKDDIからソフトバンクへ替わった提供体制

日本語の解説記事は代理店の情報が古いまま残っているので、ここを先に更新してください。日本初のパートナーだったKDDIウェブコミュニケーションズは、米国Twilio社の意向による販売代理店契約の終了に伴い2023年5月1日にTwilioの提供を終了し、以降はVonageを取り扱っています。

ただし国内の販路が消えたわけではありません。ソフトバンクが2023年10月3日にTwilioの国内取り扱いで合意したと発表し、販売は2023年10月16日に開始、日本語による24時間365日の保守・運用サポートを含む本格提供は2024年1月ごろからとしています。したがって現在の調達は「米国本社との直接契約」と「ソフトバンク経由」の二択で、日本語サポートと国内商流を要件にするなら後者が候補になります。請求通貨や契約書の準拠法が論点になる場合の他社比較はVonageとTwilio比較|CPaaS選定で見る料金・提供体制・SMS制約にまとめています。

国際ゲートウェイと国内ゲートウェイで変わるSMSの送信条件

Twilioの日本向けSMSガイドラインは、配信経路を国際ゲートウェイと国内ゲートウェイの2系統に分けて説明しています。国際ゲートウェイは登録が不要で、動的なlong codeと英数字Sender IDのどちらも使えます。国内ゲートウェイは登録が必須で、配信はlong codeかshort codeのいずれか、Sender IDは専有か共有かを選べます。国内ゲートウェイの利用にはTwilioの営業への連絡が必要と明記されており、セルフサービスで完結しません。Sender IDをモバイルネットワークに登録して承認を得るまでの所要期間は5週間とされています。

本文側にも制約があります。本文への電話番号の記載は不可で、金融・ギャンブル・アダルト・政治・宗教など禁止業種の指定もあります。技術面ではKDDI網宛てに5セグメントを超えるSMSを送ると配信が遅延する可能性があり、日本語の長文通知では現実的な制約です。双方向SMSは利用できます。管理パッケージからSMSを送る設計では、この5週間の登録期間を実装スケジュールに、本文の番号記載不可を文面テンプレートに、先に織り込んでください。日本向けの単価はTwilio Verifyとは|SMS・音声認証の実装手順と日本向け料金に整理しています。

Frontline前提の旧手順を捨てる判断|2026年9月30日に提供終了

日本語で見つかる連携手順の多くは、Twilioが2022年12月8日に公開したブログ「Twilio Conversations for Salesforce」を出発点にしています。取引先責任者の携帯番号から会話一覧を引くLightningコンポーネントの紹介ですが、記事自身が「This package is currently designed to work with Twilio Frontline.」と述べるとおりFrontline前提の実装です。

そのFrontlineは2025年9月30日の告知で「Frontline entered End of Sale on February 9, 2023」と新規販売停止日が示され、「we’re now officially retiring the product on September 30, 2026.」と提供終了日が確定しました。既存顧客はその日まで利用できますが、活発な開発は行われていません。Twilioが最初に挙げる移行先は、カスタマイズ可能なコンタクトセンター用途としてのTwilio Flexで、これは本記事の方式3が使うFlex Partner Telephonyパッケージの土台でもあります。モバイル中心の用途にはSpokePhone、Quo(旧OpenPhone)、Salesforce中心のチーム向けのFastcallの3パートナーが挙げられています。2026年9月30日以降はFrontline前提の連携が動かなくなるため、既存導入があれば移行計画の期限としてこの日付を押さえてください。

よくある質問

SalesforceからWhatsAppメッセージを送れますか?

方式によります。管理パッケージのTwilio for SalesforceはWhatsApp非対応を公式FAQが明記しており、扱えるのはSMSだけです。WhatsAppを含む複数チャネルを1画面で扱うなら方式2のFlex CTI connectorを選びます。管理パッケージのまま送りたい場合は、同梱のApexライブラリからTwilio REST APIを直接呼ぶ実装になります。

Professional EditionのSalesforceでもTwilio for Salesforceは使えますか?

使えません。公式FAQは対応エディションをEnterpriseとUnlimitedとし、EssentialとProfessionalは非対応と明記しています。Professional Editionのままなら、エディションのアップグレード費用を含めて比較してください。

通話の文字起こしをSalesforceに自動保存するには何が必要ですか?

Salesforce Voice with Partner Telephony構成では、テレフォニー側からCreate Transcript API(POST /telephony/v1/voiceCalls/{vendorCallKey}/messages)へ発話を送信します。ヘッダーはAuthorization(JWT)、Content-TypeTelephony-Provider-Nameの3つが必須です。前提としてテレフォニー側が文字起こしに対応している必要があり、Twilio構成ではConversation Intelligence(classic)がその役割を担います。画面表示にはLightningアプリケーションビルダーでEnhanced Conversationコンポーネントを配置します。

Service Cloud Voice連携をクレジットカード情報が出る通話に使えますか?

使えません。Twilioのセットアップガイドは、この統合がHIPAA適格でもPCI準拠でもなく、HIPAAやPCIの対象となるワークフローで使うべきではないと明記しています。代わりに検討するのは方式4です。ConversationRelayは、TwilioとBAAを締結して所定のオンボーディングを済ませればHIPAA適格となり、PCI準拠の音声合成・文字起こしプロバイダを選べばPCI準拠ワークフローにも対応します。ただし全プロバイダが準拠を保証されるわけではなく、welcomeGreetinghandoffDataにカード情報を載せない設計が前提です。

Twilio Frontlineを使った既存の連携はいつまで動きますか?

2026年9月30日までです。新規販売は2023年2月9日に停止済みで、既存顧客はその日まで使えますが開発は止まっています。移行先の詳細は本文の該当章を参照してください。

ConversationRelayで応対した会話はSalesforceに自動保存されますか?

されません。ConversationRelayのTwiMLリファレンスにSalesforceへの書き戻し機能はなく、Service Cloud Voiceのセットアップガイド側にもConversationRelayの記述はありません(2026年8月時点)。保存するには、Twilioをパートナーテレフォニーとして構成したうえで、自前のWebSocketサーバーからSalesforceのCreate Transcript APIへ発話を送る実装を書くか、履歴を自前オブジェクトに持ってSalesforceへ後からAPIで書き戻す構成にします。

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