Power BIのダッシュボードは、発行済みのレポートからグラフを「ピン留め」して1枚の画面に集めたものです。Power BI Desktopの中では作れず、Power BI Service上で組み立てます。この記事では、レポートとの違いとライセンスの条件、ビジュアルとライブページのピン留め手順、ピン留めで消える書式、タイルの配置と電話用レイアウト、テーマJSONによるデザインの統一、データアラート、REST APIで本番用ワークスペースへ複製するコード例までを作業の順に示します。仕様の根拠は2026年11月時点のMicrosoft Learnの記述です。
まとめ:Power BIのダッシュボードはレポートを先に作りピン留めで組み立てる
ダッシュボードに置くグラフは、すべてレポート側で作ります。ダッシュボード上で新しいグラフを作ったり、スライサーで絞り込んだりはできません。そのため作業の順番は、Desktopでレポートとテーマを整える、Serviceへ発行する、必要なビジュアルだけをピン留めする、タイルを並べる、の4段階になります。
デザインはピン留めの前に決めます。ピン留めしたタイルは罫線・影・背景・条件付き書式を引き継がないため、レポートの見た目をそのまま持ち込めません。色はレポートテーマとダッシュボードテーマのJSONで揃え、スライサーで操作させたい画面だけをライブページとしてピン留めします。複数のワークスペースへ同じ画面を配るなら、手で作り直さずREST APIでタイルを複製します。
Power BIのダッシュボードとレポートの違いと、ダッシュボードを足す場面
見た目は似ていますが、ダッシュボードとレポートは役割も作る場所も別物です。
1ページ・複数モデル・フィルター不可というダッシュボード固有の仕様
Microsoft Learnのダッシュボードの概要は、両者の違いを次のように整理しています。
| 項目 | ダッシュボード | レポート |
|---|---|---|
| ページ数 | 1ページのみ | 1ページ以上 |
| データの出どころ | 複数のレポートとモデル | 1つのセマンティックモデル |
| Desktopで作成 | 不可 | 可 |
| フィルター・スライサー | 不可 | 可 |
| ドリルダウン | ライブページのみ可 | 可 |
| データアラート | 可 | 不可 |
実務で効いてくるのは2行目と4行目です。ダッシュボードは営業のレポートと経理のレポートからタイルを1枚ずつ集められる一方、画面全体を期間や部門で絞り込む操作は持ちません。タイルを選ぶと元のレポートへ移動するので、ダッシュボードは「見る入口」、レポートは「掘り下げる場所」と分けて設計します。
ダッシュボードを作れる人とPro・PPUライセンスが要るワークスペースの条件
ダッシュボードの作成は作成者の機能で、元のレポートに対する編集のアクセス許可が必要です。同じワークスペースのメンバーであれば作れますが、直接共有されたレポートやPower BIアプリとして配られたレポートからはピン留めできません。
ライセンスの条件は場所で分かれます。自分のマイワークスペースにはPro・Premium Per User(PPU)のライセンスなしで作れますが、共有のワークスペースで作るにはどちらかが必要です。検証はマイワークスペースで行い、配布用の画面は共有ワークスペースで作り直す、という手順だとライセンスの準備を後回しにできます。ライセンスの種類と料金の全体像はPower BIのできること・料金とExcelやTableauとの違いにまとめています。
レポートで足りる画面とダッシュボードを足す価値がある画面の分け方
ダッシュボードは必須ではありません。1つのモデルだけを見る部署なら、レポートの1ページ目を要約ページにしてアプリで配れば足ります。ダッシュボードを足す価値が出るのは、複数のレポートやモデルの数字を1画面に並べたいときと、カード・ゲージの値にアラートを掛けたいときの2つです。
前者は経営層向けの画面で多く、売上・受注・在庫が別々のモデルにある会社では、レポートを1本に統合するよりダッシュボードで並べるほうが早く済みます。役職ごとにどの指標を置くかは業種別・役職別のレイアウト例とKPI配置の決め方が参考になります。
Power BI Serviceでビジュアルをピン留めしてダッシュボードを作る手順
ここからはレポートからダッシュボードを作成する手順に沿って進めます。Microsoftのサンプルを使う場合は、Serviceに用意された調達分析サンプルで同じ操作を試せます。
Desktopで作ったレポートを発行してからビジュアル単位でピン留めする手順
- Power BI DesktopでレポートとテーマJSONを整え、[発行]で共有ワークスペースへ送る(発行で置き換わる範囲はPower BI DesktopとServiceの違いを参照)
- Power BI Serviceで発行したレポートを開き、[編集]を選んで編集ビューにする
- ピン留めしたいビジュアルにマウスを合わせ、右上のピンのアイコンを選ぶ
- [新しいダッシュボード]を選んで名前を入れ、[ピン留め]を選ぶ(現在のワークスペースに作成される)
- 2枚目以降は同じ操作で[既存のダッシュボード]を選び、作ったダッシュボードを指定する
手順5のドロップダウンには、他の人から共有されたダッシュボードは表示されません。チームで1枚の画面を育てるなら、個人に共有するのではなく、全員がメンバーになっているワークスペースの中にダッシュボードを置きます。ピン留めはビジュアル単位を基本にし、スライサー操作を残したいページだけを次のライブページで載せます。
ライブページのピン留めでスライサーとクロスフィルターを残す手順
スライサーで期間を切り替えながら見せたい画面は、ページ全体をライブタイルとしてピン留めします。レポートのページを開き、どのビジュアルも選んでいない状態で右上の[その他のオプション](…)から[ダッシュボードにピン留めする]を選び、[ライブをピン留めする]を押します。
ライブタイルの中では、棒グラフの棒を選ぶと同じタイル内の他のグラフがクロスフィルターされます。レポートでフィルターを足したりフィールドを変えたりした結果も、ダッシュボードのページを更新すると反映されます。
制約は2つあります。[ダッシュボードにピン留めする]が表示されないときは、レポートの編集権限がありません。またモバイルアプリではライブタイルは操作できず、静止した画面として表示されます。スマートフォンで見る人が多い画面は、ライブページに頼らずビジュアル単位のタイルで組みます。
ピン留めで消える書式と、条件付き書式・ボタン・カスタムフォントの扱い
ビジュアル単位でピン留めしたタイルは、レポートの見た目をすべては引き継ぎません。作成手順のページにある考慮事項のうち、デザインに響くものは次のとおりです。
- 罫線・影・背景の設定と、タイトル・サブタイトルの書式(文字そのものは残る)が無視される
- 条件付き書式が適用されないため、赤字だけ赤くする表現はタイル上で消える
- カードの値はDINフォントの黒い文字で表示される
- ブックマークやフィルター操作のボタンはタイル上では動かない
- Power BIの対応フォント一覧にないカスタムフォントは使われない
- ピン留め後にレポートで折れ線から棒グラフへ変えても、タイルは折れ線のまま残る
最初の2つが一番困る点です。目標未達を色で知らせたい場合は、条件付き書式ではなくKPIビジュアルかゲージを使い、達成状況を値そのものに持たせます。グラフの種類を変えたときは、古いタイルを外してピン留めし直してください。
ダッシュボードのレイアウト設計とタイル配置・電話用ビューの作業手順
ダッシュボードのレイアウトは、タイルのドラッグとサイズ変更だけで決まります。自由度が低いぶん、配置の決まりを先に作っておくと画面が散らかりません。
読む順にタイルを並べる配置ルールと、タイルのタイトル・リンク編集
左上から右下へ読む前提で、左上に結論の数値(カード)、その右に推移(折れ線)、下段に内訳(棒グラフ・表)を置くのが基本形です。タイルの[…]から[詳細の編集]を開くと、タイトル・サブタイトルの書き換えと、選択時のリンク先の変更ができます。リンク先は元のレポートのページが既定ですが、別のレポートや社内の手順書ページにも向けられます。
タイトルには、対象となる期間を明記してください。Microsoftのトレーニング教材で扱うのも、利益率のタイルのサブタイトルに年度を書き足すという手順です。ダッシュボードにはフィルターの表示欄がないため、「今期」なのか「直近12か月」なのかをタイトルで示さないと読み違いが起きます。指標の階層や更新頻度をどう決めるかは、製品を問わない設計論としてBIツールのダッシュボード設計で指標の階層・更新頻度・粒度を決める方法で扱っています。
電話用のモバイルレイアウトで縦表示のタイルを絞り込む手順と注意点
スマートフォンの縦表示では、何もしないと全タイルが同じ大きさで縦に並びます。電話用ビューの作成手順では、ダッシュボードを開いて[編集]の横の矢印から[モバイル レイアウト]を選びます。この画面でタイルの固定解除・サイズ変更・並べ替えができ、Web版の配置は変わりません。
注意点は、編集が保存操作を待たずに閲覧者へ届くことです。電話用ビューでタイルをすべて外すと、その瞬間にスマートフォンの画面からタイルが消えます。営業時間中の編集は避け、迷ったら[タイルのリセット]で元に戻してください。電話用ビューを作れるのはダッシュボードの所有者だけで、端末を横向きにするとWeb版のレイアウトが表示されます。
ダッシュボードのデザインを揃えるレポートテーマとダッシュボードテーマのJSON
Power BIのデザイン作業は、ビジュアルを1つずつ塗るより、テーマのJSONで色を決めて全体に当てるほうが手戻りがありません。テーマはレポート用とダッシュボード用の2種類があり、効く範囲が異なります。
レポートテーマのJSONで色とフォントを決めてからピン留めする理由
レポートテーマは、Desktopの[デザイン]リボンにある[テーマのインポート]でJSONを読み込みます。テーマの色から選んだ色は、後でテーマを差し替えたときに自動で新しい色へ置き換わります。逆に[その他の色]で個別に指定した色は追従しないため、社内の配色はテーマの色だけで塗るのが原則です。
ピン留めの前にテーマを決める理由は、タイルが「現在のテーマを保持」できるのは、Desktopでレポートテーマを付けて発行したレポートに限られるからです。この選択肢はテーマ付きで発行したときにだけ表示されます。Serviceで後から色を変えたレポートでは、タイルの色を揃える手段がダッシュボードテーマしか残りません。
ダッシュボードテーマのJSONを書いてアップロードする手順とサンプル
ダッシュボードテーマは、ダッシュボードの[編集]から[ダッシュボード テーマ]を開き、[カスタム]を選んで[JSON テーマのアップロード]から読み込みます。JSONで必須なのはnameだけで、書いた項目以外は既定値が使われます。次の例は、Learnが示す既定の「明るい」テーマの構造に沿って、自社色に置き換えたものです。
{
"name": "Sales Dashboard 2026",
"foreground": "#1F2933",
"background": "#F4F6F8",
"dataColors": ["#1565C0", "#00897B", "#F9A825", "#C62828", "#6A1B9A", "#546E7A"],
"tiles": {"background": "#FFFFFF", "color": "#1F2933"},
"visualStyles": {"*": {"*": {"*": [{"color": {"solid": {"color": "#1F2933"}}}]}}}
}
dataColorsはグラフの系列に先頭から順に割り当てられる色、tilesはタイルの背景と文字の色です。カードの値は既定だとDINフォントの黒文字になるため、背景を暗くするテーマではtilesのcolorを明るい色にしないと値が読めなくなります。背景画像を使う場合は1920×1080以上の画像を公開URLに置き、[画像の URL]に貼ります。
ダッシュボードテーマが効かないタイルもあります。ライブページ、iframe、SSRS、ブック、画像のタイルには適用されず、カスタムテーマが効くのはレポートからピン留めしたタイルだけです。ライブページを多用する画面では、ダッシュボードテーマではなくレポートテーマ側で色を揃えます。
データアラートと購読でダッシュボードを開かずに数値の変化を知る設定
ダッシュボードにしかない機能がデータアラートです。毎朝画面を開いて確認する運用から、しきい値を超えたときだけ知らせる運用へ切り替えられます。
カード・ゲージ・KPIのタイルにデータアラートを設定する手順と上限
データアラートの設定は、タイルの[…]から[アラートの管理]を選び、[+ アラート ルールの追加]でしきい値と通知頻度(最大で1時間に1回か24時間に1回)を決めます。通知は通知センターに届き、チェックを入れればメールでも受け取れます。
対象はレポートのビジュアルからピン留めしたゲージ・KPI・カードのタイルだけで、値は数値型に限られます。アラートはデータが更新されたときに判定されるため、スケジュール更新を設定していないモデルでは鳴りません(更新スケジュールとゲートウェイの設定手順はPower BI DesktopとServiceの違い:発行から更新・ゲートウェイ設定までで解説しています)。作れるアラートは全モデル合計で250件までで、ダッシュボードを共有していても他の人のアラートは見えません。通知先をTeamsのチャネルにしたいときは、Power Automateのフローにつないで転送します。
Q&Aボックスが2027年2月になくなる前にQ&Aタイルを置き換える準備
ダッシュボードの左上にあるQ&Aの入力欄と、そこからピン留めしたQ&Aタイルは、期限付きの機能になりました。Q&Aの概要ページは、2027年2月にQ&Aの体験がなくなると告知し、代わりにCopilotを推奨しています。告知の時期は資料によって2026年12月と書かれたものもあるため、Learnの最新の記載で日付を確かめてください。
いま作るダッシュボードには、Q&Aからピン留めしたタイルを新しく置かないのが安全です。既存のQ&Aタイルは、同じ集計をレポートのビジュアルとして作り直し、ピン留めし直します。自然言語での問い合わせを残したい場合のCopilotやBIツールのAI機能の位置付けは、BIツールのAI機能と自然言語クエリの実力で比較しています。
REST APIで開発用から本番用ワークスペースへダッシュボードを複製する手順
開発用のダッシュボードを本番用や部門別のワークスペースへ手で作り直すと、タイルの抜けや並びの崩れが起きます。Power BI REST APIのDashboardsグループには、空のダッシュボードの作成とタイルの複製があり、組み合わせると自動化できます。
空のダッシュボードを作りタイルを複製して付け替えるPythonのコード例
まず、Azure CLIでPower BIのアクセストークンを取り、環境変数に入れます。組織のテナント設定でAPIの利用が制限されている場合は、管理者の許可が別途必要です。
export PBI_TOKEN=$(az account get-access-token --resource https://analysis.windows.net/powerbi/api --query accessToken -o tsv)
export SRC_WS=開発用ワークスペースID SRC_DASH=開発用ダッシュボードID DST_WS=本番用ワークスペースID
export REPORT_MAP='{"開発用レポートID": "本番用レポートID"}'
次のPythonは標準ライブラリだけで動きます。本番用ワークスペースに空のダッシュボードを作り、開発用ダッシュボードのタイルを1枚ずつ複製して、本番用のレポートへ付け替えます。
import json, os, urllib.request
API = "https://api.powerbi.com/v1.0/myorg/groups"
HDR = {"Authorization": "Bearer " + os.environ["PBI_TOKEN"], "Content-Type": "application/json"}
SRC_WS, SRC_DASH, DST_WS = os.environ["SRC_WS"], os.environ["SRC_DASH"], os.environ["DST_WS"]
REPORT_MAP = json.loads(os.environ["REPORT_MAP"]) # 開発用レポートID → 本番用レポートID
MODEL_MAP = json.loads(os.environ.get("MODEL_MAP", "{}")) # 開発用モデルID → 本番用モデルID
def call(method, url, body=None):
data = json.dumps(body).encode() if body is not None else None
req = urllib.request.Request(url, data=data, headers=HDR, method=method)
with urllib.request.urlopen(req, timeout=60) as r:
return json.load(r)
# 1) 本番用ワークスペースに空のダッシュボードを作る(スコープ Content.Create)
new = call("POST", f"{API}/{DST_WS}/dashboards", {"name": os.environ.get("DASH_NAME", "売上モニタリング")})
print("作成:", new["id"], new["displayName"])
# 2) 開発用ダッシュボードのタイル一覧を取る(Dashboard.Read.All 以上)
tiles = call("GET", f"{API}/{SRC_WS}/dashboards/{SRC_DASH}/tiles")["value"]
# 3) タイルを複製し、本番用のレポートとモデルへ付け替える(Dashboard.ReadWrite.All)
for t in tiles:
rid, mid = t.get("reportId"), t.get("datasetId")
if (rid and rid not in REPORT_MAP) or (not rid and mid and mid not in MODEL_MAP):
print("対応表に無いため複製しない:", t.get("title"), rid or mid)
continue
body = {"targetDashboardId": new["id"], "targetWorkspaceId": DST_WS, "positionConflictAction": "Tail"}
if rid:
body["targetReportId"] = REPORT_MAP[rid]
if mid in MODEL_MAP:
body["targetModelId"] = MODEL_MAP[mid]
c = call("POST", f"{API}/{SRC_WS}/dashboards/{SRC_DASH}/tiles/{t['id']}/Clone", body)
print("複製:", t.get("title"), "->", c["id"], c.get("colSpan"), "x", c.get("rowSpan"))
使っているのはAdd Dashboard In Group、Get Tiles In Group、Clone Tile In Groupの3つです。作成の本文はnameだけで、応答のidを複製先のtargetDashboardIdに渡します。positionConflictActionは位置が重なったときの扱いで、Tailなら末尾に追加、Abortなら複製を取り消します。
別ワークスペースへの複製で壊れるタイルとレポートIDの対応表の作り方
Clone Tile In Groupのリファレンスには、付け替え先のレポートIDとモデルIDを渡さずに別のワークスペースへ複製すると、レポートとデータセットへのリンクが外れてタイルが壊れると書かれています。コードで対応表に無いタイルを飛ばしているのはこのためです。対応表は、両方のワークスペースでレポート名とIDを一覧にし、名前で突き合わせて作ります。
もう1つの落とし穴は、複製したタイルが元のレポートのフィルターを含むクエリのまま作られることです。開発用レポートで特定の部門に絞った状態でピン留めしていたら、本番用でも同じ絞り込みのまま残ります。またGet Tiles In Groupは、ダッシュボードに追加する前にレポート側で編集したタイトルを返しません。タイトルはダッシュボード上で付け直しておくと、複製後の確認がしやすくなります。
Power BIのダッシュボードを作るか、レポートとアプリで済ませるかの判断基準
ダッシュボードは何にでも作るものではなく、効く場面が限られた部品です。
ダッシュボードを作る条件と、レポートのページで済ませて見送る場面
作るのは、複数のモデルの数字を1画面に並べる必要があるとき、またはしきい値のアラートで動く運用を組むときです。経営会議用の画面で売上と在庫と採用の数字を並べる、在庫数が下限を切ったら購買担当へ通知する、といった用途が当てはまります。
反対に、1つのモデルを部門内で見るだけなら作りません。ダッシュボードはフィルターもスライサーも持たないため、利用者はタイルを選んでレポートへ移動してから操作することになり、画面を1枚余計に経由させるだけになります。レポートの1ページ目を要約にしてアプリで配るほうが、保守するものが1つ減ります。スライサー操作が必要な画面をライブページで無理に載せるのも見送りの対象で、モバイルでは操作できず、ダッシュボードテーマも効きません。
指標の設計やデータ基盤から作り直すときに外部の支援を使う範囲
ピン留めやテーマの設定は社内で十分にこなせる作業です。詰まりやすいのはその手前で、指標の定義が部署ごとに違う、売上と在庫のモデルを結べるキーがない、更新のたびに手作業のExcel加工が挟まる、といった状態ではダッシュボードをいくら整えても数字が信用されません。部門ごとの使われ方はPower BIの導入例と単体で足りる範囲で整理しています。
データの持ち方や指標の定義から見直す段階になったら、BIツール導入支援で現在のレポートとデータの流れを確認したうえで、社内で作る範囲と任せる範囲を切り分けられます。
Power BIのダッシュボードの作成とデザインについてよくある質問
ダッシュボードの作成とデザインで寄せられやすい質問に、Microsoft Learnの記述を根拠に答えます。
Power BI Desktopでダッシュボードは作れますか?
作れません。ダッシュボードはPower BI Serviceの機能で、Desktopで作れるのはレポートです。Desktopでレポートを作って発行し、Service上でピン留めして組み立てます。モバイルアプリでも作成はできず、閲覧と共有に限られます。
Power BIのダッシュボードは無料のライセンスで作れますか?
自分のマイワークスペースであれば、ProやPremium Per User(PPU)のライセンスがなくても作れます。共有のワークスペースで作るには、ProかPPUのライセンスが必要です。他の人に見せる段階では、閲覧者側のライセンスも合わせて確認してください。
ダッシュボードにスライサーを置けないのはなぜですか?
ダッシュボードには画面全体を絞り込む機能がなく、フィルターとスライサーはレポートだけの機能だからです。期間や部門で切り替えたい場合は、スライサーを含むページをライブページとしてピン留めすると、そのタイルの中でスライサーが動きます。
Power BIのダッシュボードのサンプルはどこで試せますか?
試用に使えるのは、Microsoftが用意したサンプルです。Learnのダッシュボード作成の手順は調達分析サンプル、データアラートの手順は小売分析(Retail Analysis)サンプル、ダッシュボードテーマの手順はSales and Returnsサンプルを題材にしています。いずれもService上でピン留めやテーマの適用を試せるので、自社データで作る前に操作を確かめる用途に向きます。業種や役職ごとの画面構成の例は、関連記事の経営ダッシュボードのサンプルも参照してください。
ピン留めしたタイルがレポートの変更に追従しないのはなぜですか?
ビジュアル単位のタイルは、ピン留めした時点のビジュアルの種類を保つためです。グラフの種類を変えてもタイルは元のまま残り、データだけが更新されます。変更を常に追従させたい画面はライブページとしてピン留めし、それ以外は変更のたびにピン留めし直します。
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