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Microsoft Edge 144の変更点|Copilot非表示ポリシー(Microsoft365CopilotChatIconEnabled)・WARP・修正ビルド

Microsoft Edge 144の変更点|Copilot非表示ポリシー(Microsoft365CopilotChatIconEnabled)・WARP・修正ビルド

Microsoft Edge 144は、2026年1月16日にStableチャネルで公開されたメジャーバージョンです(初版ビルドは144.0.3719.82)。ツールバーのCopilotアイコンを利用者が右クリックで隠せるようになり、GPUのないWindows環境ではWebGLの描画がWARPに切り替わりました。この記事では、144の変更点と不具合・修正ビルドを公式リリースノートで確かめ、管理者が今でも迷いやすいCopilotアイコンの制御を、139から149までの変遷まで含めて整理します。

2026年10月24日時点のStableとExtended Stableは、どちらも156(156.0.4314.42・10月22日公開)です。144系の修正配信は3月で終わっています。最新版の番号と更新手順は、常時更新しているMicrosoft Edgeの最新バージョンとリリースノート要点で扱っています。

まとめ:Edge 144で変わった点と現在の扱い

  • 公開日は2026年1月16日。Extended Stableでも提供され、最終ビルドは2026年3月6日の144.0.3719.162
  • Copilotアイコンは右クリックの[Copilot を非表示にする]で消せるようになった。組織の端末はMicrosoft365CopilotChatIconEnabledを無効にする(ポリシー自体はEdge 139からある)
  • Copilotのツールバー表示にHubsSidebarEnabledは141以降効かず、拡張機能のブロックも149以降は効かない。EdgeCopilotEnabledはAndroid・iOS専用
  • GPUのないWindowsでは、WebGLがSwiftShaderからWARPに切り替わった。WindowsでないOSでは物理GPUが必須になった
  • 新ポリシーはSilentPrintingEnabledなど4種。悪用が確認されたCVE-2026-2441は、144系では144.0.3719.130で修正された

144のまま使っている端末は、修正の届かない版に留まっています。以下では、変更点ごとに管理者が確認すべき設定と、不具合の修正ビルドを示します。

Edge 144のリリース日とビルド履歴

Edge 144はBetaが2025年12月11日(144.0.3719.11)、StableとExtended Stableが2026年1月16日(144.0.3719.82)に公開されました(Microsoft Edgeのリリーススケジュール)。Stableチャネルのリリースノート(アーカイブ)に載っている144系のビルドは9本です。

ビルド 公開日 チャネル 主な内容
144.0.3719.82 2026-01-16 Stable 初版・CVE-2026-21223
144.0.3719.92 2026-01-23 Stable SAP GUIの描画不具合を修正
144.0.3719.104 2026-01-29 Stable 条件付きアクセスのSSO不具合を修正
144.0.3719.115 2026-02-05 Stable macOSのCPU使用率100%を修正
144.0.3719.128 2026-02-12 Extended Stable 不具合修正
144.0.3719.130 2026-02-17 Extended Stable CVE-2026-2441(悪用確認済み)
144.0.3719.141 2026-02-20 Extended Stable 不具合修正
144.0.3719.151 2026-02-26 Extended Stable Chromiumのセキュリティ修正
144.0.3719.162 2026-03-06 Extended Stable 144系の最終ビルド

2月14日に145がStableになった後も、Extended Stableの利用者向けに144系の更新が続きました。145にはExtended Stableがなく、3月13日に146がExtended Stableへ入ったことで、144系の更新は3月6日の.162で止まっています。

Stableは152から2週間ごとの公開に変わり、Extended Stableは4版に1回(152・156・160…)上がる8週間周期になりました(Microsoft Edgeのチャネルの概要)。144で業務を固定していた組織の移行先は、2026年10月時点ではStableでもExtended Stableでも156です。

Copilotアイコンの非表示とMicrosoft365CopilotChatIconEnabledポリシー

144のリリースノートには、利用者がツールバーのCopilotアイコンを自分で管理できるようになったと書かれています。個人の端末と、組織が管理する端末とで手段が分かれます。

個人の端末:右クリックの[Copilot を非表示にする]

ツールバーのCopilotアイコンを右クリックして[Copilot を非表示にする]を選ぶと、設定画面が開きます。そこでアイコンの表示を切り替えます。設定画面へ直接行くならedge://settings/appearance/copilotAndSidebarを開き、アプリ別の設定でCopilotを選んで、ツールバーへのボタン表示(英語UIでは「Show Copilot button on the toolbar」)をオフにします。下のポリシーは個人のMicrosoftアカウントでサインインしたプロファイルには適用されないため、個人の端末ではこの設定で管理します。

組織の端末:ポリシーの設定値とレジストリ

Microsoft365CopilotChatIconEnabledは真偽値のポリシーで、対応バージョンはWindows・macOSともEdge 139以降です。144で追加されたポリシーではありません。無効にするとツールバーにCopilotが出なくなり、有効にすると常に出ます。未構成なら表示されたままで、利用者が設定で切り替えられます。Windowsでは、管理者として開いたコマンドプロンプトで次を実行します。

reg add "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge" /v Microsoft365CopilotChatIconEnabled /t REG_DWORD /d 0 /f
reg query "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge" /v Microsoft365CopilotChatIconEnabled

グループポリシーでは[管理用テンプレート]→[Microsoft Edge]配下の同名ポリシーを使い、ADMXファイルはMSEdge.admxです。推奨ポリシー(...\Edge\Recommended)にも書けるので、既定では隠して利用者に再表示を許す運用もできます。macOSでは構成プロファイルで同じキー名に<false/>を入れます。動的なポリシー更新に対応しているため、ブラウザーの再起動は必須ではありません。

ポリシーを入れても消えないときの確認点

このポリシーが効くのは、Microsoft Entra IDでサインインしたプロファイルだけです。公式ページの対応機能欄では、Microsoftアカウントでサインインしたプロファイルへの適用が「No」になっています。また、制御対象はサイドペインで開くCopilotのアイコンに限られます。消えないときは次の順で確かめます。

  1. edge://policyを開き、Microsoft365CopilotChatIconEnabledが読み込まれ、値がfalseになっているか
  2. Edgeのバージョンが139以上か(edge://settings/help)
  3. 使っているプロファイルが職場・学校アカウント(Entra ID)か。個人アカウントのプロファイルなら右クリックで隠す
  4. 端末全体への設定ならHKLM、利用者単位への設定ならHKCUのSOFTWARE\Policies\Microsoft\Edgeに書き、対象利用者のEdgeに適用されているか

Copilotの制御手段は139から149で入れ替わった:効かなくなった設定

Copilotアイコンを消す手順を検索すると、HubsSidebarEnabledでサイドバーごと止める方法や、EdgeCopilotEnabledを無効にする方法が今も紹介されています。どちらも、現在のWindows版Edgeでツールバーのアイコンを消す手段としては通りません。リリースノートで追うと、制御の手段は4段階で入れ替わっています。

版(公開日) 変わったこと
139(2025-08-07) Microsoft365CopilotChatIconEnabledを新設
141(2025-10-02) ツールバー表示の唯一の制御手段になる
144(2026-01-16) 利用者が右クリックで非表示にできる
149(2026-06-04) 拡張機能・サイドバーのポリシーが無関係に

HubsSidebarEnabled:141以降はCopilot表示の制御対象外

139の時点では、Microsoft365CopilotChatIconEnabledが未構成でHubsSidebarEnabledが無効なら、Copilotは隠れたままでした。両方を設定した場合は前者が優先です。141でHubsSidebarEnabledはツールバーのCopilotボタンを制御しなくなり、HubsSidebarEnabledのポリシーページにも「141以降、ツールバーのCopilot表示を制御する手段はMicrosoft365CopilotChatIconEnabledだけ」と明記されています。サイドバーを止めるGPOだけでCopilotを隠していた組織は、141以降ではその設定による非表示を維持できないため、Copilot用ポリシーを確認してください。

拡張機能のブロック:149以降はCopilot制御と無関係

148までは、Copilotの拡張機能(ID ofefcgjbeghpigppfmkologfjadafddi)をExtensionInstallBlocklistやExtensionSettingsでブロックする、あるいは*で全拡張機能を止めると、Copilot Chatも止まっていました。149.0.4022.52のリリースノートは、拡張機能とサイドバーのポリシーがCopilot Chatの表示にも機能にも影響しなくなったと告知しています。同じ版で、アドレスバーに出るCopilotの候補を止めるCopilotAddressBarSuggestionsEnabled(149以降)も追加されました。

注意したいのは、MicrosoftのCopilotアイコンが表示されないときのトラブルシューティングが、更新日2026年3月10日のまま拡張機能のブロックリストの確認を手順に残している点です。149以降の端末でアイコンを消したい側は、拡張機能のポリシーではなくMicrosoft365CopilotChatIconEnabledとCopilotAddressBarSuggestionsEnabledの2つを設定します。

EdgeCopilotEnabledはAndroid・iOS専用

EdgeCopilotEnabledのポリシーページの対応バージョンは、Windows・macOSが「Not supported」、AndroidとiOSが123以降です。Windowsのグループポリシーやレジストリに書いても、デスクトップ版Edgeのツールバーには影響しません。モバイル版EdgeのCopilotを止めたい場合にだけ使います。

Copilotを業務でどう扱うかは、アイコンの表示より、Copilotが読めるデータの範囲で決まります。共有設定や機密ラベルの見直しはMicrosoft 365 Copilotの情報漏洩対策で整理しています。Copilotの導入設計から任せたい場合は、Microsoft 365・Copilotの導入支援で相談を受け付けています。

WebGLのWARP移行:GPUのない仮想マシンとヘッドレス環境

144では、物理GPUのないWindows上のEdgeが、WebGLの処理にWindows Advanced Rasterization Platform(WARP)を使うようになりました。それまで使われていたSwiftShaderは、サポート対象外のコンポーネントになっています。リリースノートは、影響を受ける典型としてヘッドレス環境と仮想マシンを挙げています。

影響を受ける環境:WindowsでないOSではGPUが必須

WARPへ切り替わるのはWindowsだけです。WindowsでないOSでは、144以降のWebGLに物理GPUが必要になりました。GPUを積んでいないLinuxのCIランナーでEdgeを動かし、地図や3D表示をE2Eテストしている場合、144からWebGLコンテキストの生成に失敗する可能性があります。ページ側がコンテキスト生成の失敗を処理していなければ、表示が崩れます。GPUのないWindowsのVDIや仮想マシンではWARPへの移行後の描画と性能を確認し、LinuxとmacOSのGPUなし環境ではWebGLコンテキスト生成の可否を確認してください。

EnableUnsafeSwiftShaderで先延ばしする場合の条件

SwiftShaderを使い続ける手段としてEnableUnsafeSwiftShaderポリシー(139以降)があります。有効にするとSwiftShaderへのフォールバックが戻りますが、公式ページは「一時的なポリシーで将来のリリースで削除予定」「有効にした環境の安全性は保証しない」と明記しています。反映にはブラウザーの再起動が必要です。

使うのは、CIの修正が間に合わないあいだの延命策に限ります。ユーザー端末には配りません。本来の対処は、テスト環境にGPUを割り当てるか、WebGLを使わないテストに分けるかのどちらかです。

利用者向けの変更:省電力への改称とアドレス保存の確認

「効率モード」は「省電力」、ゲーム用は「PC ゲーム ブースト」へ改称

144では、パフォーマンス設定の「効率モード」が「省電力」に、「PC ゲームの効率モード」が「PC ゲーム ブースト」に名前を変えました。リリースノートの記載は名称変更で、動作が変わったとは書かれていません。PC ゲーム ブーストを144の新機能と紹介する記事がありますが、既存機能の改称です。効率モードをオフにしたいときは、パフォーマンス設定で「省電力」の項目を切り替えます。

住所の自動保存の確認とアドレスバーからの要約

フォームに住所を入力すると、自動入力用に保存するかを確認されるようになりました。意図しない住所が自動入力の候補に溜まるのを防ぐ変更です。Edge for Businessでは、アドレスバーから開いているページの要約をMicrosoft 365 Copilot Chatに頼む案内も出るようになっています。WindowsではEdgeの検索バーから画像をBingのビジュアル検索へ送る機能も段階的に配信され、止めるときはビジュアル検索のポリシーを無効にします。

管理者向けの新ポリシー4種と廃止ポリシー

144で追加されたポリシーと、非推奨・廃止になったポリシーは次のとおりです。

ポリシー 区分 内容
SilentPrintingEnabled 新規 印刷プレビューを出さずに印刷
GeolocationBlockedForUrls 新規 指定サイトの位置情報をブロック
PreciseGeolocationAllowedForUrls 新規 指定サイトに精密な位置情報を許可
WhatsNewPageForEntraProfilesEnabled 新規 更新後の新機能ページの表示を制御
LocalNetworkAccessRestrictionsEnabled 廃止 ローカルネットワークへの要求制限
RelatedWebsiteSetsEnabled 非推奨 Related Website Sets
RelatedWebsiteSetsOverrides 非推奨 同上の上書き

WhatsNewPageForEntraProfilesEnabledは、145から始まる更新後の新機能紹介ページを止めるためのポリシーです。対象はEntra IDのプロファイルだけで、反映にはブラウザーの再起動が要ります。

SilentPrintingEnabledの動作と対象OS

SilentPrintingEnabledはWindowsとmacOSのEdge 144以降が対象です。有効にすると印刷プレビューが自動で閉じ、既定のプリンターに既定の設定で印刷されます。既定のプリンターが「PDFとして保存」なら、ファイルはダウンロードフォルダーに保存されます。無効または未構成なら従来どおりプレビューが開きます。推奨ポリシーとしては設定できず、Microsoftアカウントのプロファイルにも適用されます。受付端末やラベル印刷など、印刷先が1台に決まっている端末向けのポリシーです。

プライマリ仕事用プロファイルと管理サービスの変更

Windowsでは、外部アプリから開くリンクを、デバイス登録に使ったEntra IDのプロファイル(プライマリ仕事用プロファイル)で開くようになりました。従来の既定は「最後に使ったプロファイル」です。制御にはEdgeOpenExternalLinksWithPrimaryWorkProfileEnabledを使います。EdgeManagementEnrollmentTokenはプラットフォーム側での構成が必須になり、クラウドから配った値は無視されます。1月29日の144.0.3719.104からは、Microsoft 365管理センターのEdge管理サービスで、Windowsに加えてmacOS・iOS・Androidのポリシーも構成できるようになりました。Edge for BusinessではTenant Restrictions v2(TRv2)による許可外テナントのブロックも入っています。

Edge 144の不具合と修正ビルド

公式の既知の問題に載っている144の不具合は4件です。いずれも144系のうちに修正されたか、回避策が示されています。

不具合 対象 修正・回避
CPUコア1つが使用率100%に張り付く macOS・.82 144.0.3719.115
カスタムスキームのiframeがabout:blankになる WebView2版SAP GUI 144.0.3719.92
Entra ID未完了プロファイルでSSO不可 条件付きアクセス利用テナント 144.0.3719.104
オンプレのドメイン自動サインイン失敗 オフライン時の新規プロファイル ポリシーで回避

最後の件は、インターネット接続がない、または制限された環境で新しいプロファイルを作ると、DOMAIN\user形式の自動サインインに失敗してダイアログが出るものです。同期の不整合につながることもあります。回避策としてOnlyOnPremisesImplicitSigninEnabledポリシーでオンプレミスの暗黙サインインを優先させる方法が示されています。SSOの件は、修正版を入れられない間は、サインインしていないプロファイルで「このプロファイルで職場・学校サイトのシングルサインオンを許可する」をオンにするか、プロファイルのフライアウトからサインインを完了させて回避します。

ローカルフォルダーからのファイルアップロードでブラウザーが落ちる問題は、144の初版(.82)で修正された側です。

セキュリティ修正:CVE-2026-21223と悪用確認済みのCVE-2026-2441

144の初版144.0.3719.82には、Chromium由来の修正に加え、Edge固有の脆弱性CVE-2026-21223の修正が入っています。以降のビルドも、1月23日・1月29日・2月5日と続けてChromiumのセキュリティ修正を取り込みました。

注意が要るのはCVE-2026-2441です。Chromiumチームが実環境での悪用を報告した脆弱性で、Stableでは145.0.3800.58(2月14日)、144系ではExtended Stableの144.0.3719.130(2月17日)で修正されました(Microsoft Edgeのセキュリティ更新)。144.0.3719.130より前のビルドには、この修正がありません。Chromium側の修正の一覧は、同じ時期のChrome 144の変更点とビルド番号一覧で整理しています。EdgeとChromeに共通するゼロデイの追い方はCVE-2025-14174の影響範囲と修正版の記事が参考になります。

144系の修正は3月6日の.162が最後です。それ以降に公開された脆弱性の修正は144系には届きません。

開発者向けの変更:CSSとWeb API

Edge 144のWebプラットフォームの変更はChromium 144と共通です。ここでは、実装に直接効くものに絞ります。WebView2はRuntime 144.0.3719.77とSDK 1.0.3719.77が2026年1月27日に公開されています。

スクロール方向で要素を出し分けるscrolledクエリ

@container scroll-state()にscrolledが加わり、スクロールコンテナが直近にどちらへスクロールされたかでスタイルを切り替えられるようになりました。下へスクロールすると隠れ、上へ戻すと現れるヘッダーをCSSだけで書けます。次の公式例は、スクロール方向に応じて要素を横に80px移動させるCSS断片です。

.scrolling-up {
  translate: 80px 0;
  transition: 0.4s translate;
}

html {
  container-type: scroll-state;
}

@container scroll-state(scrolled: top) {
  .scrolling-up {
    translate: 0 0;
  }
}

コンテナクエリの基本はコンテナクエリ(@container)の使い方で解説しています。

Temporal APIの月末計算とDateの違い

日付・時刻・タイムゾーン・期間を扱うTemporal APIが144で使えるようになりました。Dateとの違いが出やすいのは月末の加算です。次のコードをChromium 155(ヘッドレスChrome)で実行した出力を、コメントに書いています。

const d = Temporal.PlainDate.from("2026-01-31");
console.log(d.add({ months: 1 }).toString());  // 2026-02-28

try {
  d.add({ months: 1 }, { overflow: "reject" });
} catch (e) {
  console.log(e.constructor.name);              // RangeError
}

const legacy = new Date(2026, 0, 31);
legacy.setMonth(legacy.getMonth() + 1);
console.log(legacy.toDateString());            // Tue Mar 03 2026

Dateは2月31日を3月3日へ繰り越します。Temporal.PlainDate.add()は既定のoverflowがconstrainなので2月28日に丸め、rejectを指定するとRangeErrorを投げます。請求の締め日や契約の更新日を計算しているコードをTemporalへ移すときは、この差でテストの期待値が変わります。存在しない日付を黙って丸めたくない処理ではrejectを指定します。

CSS・Web APIの追加とXML外部エンティティ取得の削除

アンカー位置指定はtransformで変形した要素にも正しく追従するようになりました(基本はCSS Anchor Positioningの使い方)。ほかに次の変更があります。

  • overscroll-behaviorがキーボード操作によるスクロールと、スクロールできない要素にも効くようになった
  • timeline-triggerでスクロール位置を起点にアニメーションを開始できる
  • ::search-textでページ内検索(Ctrl+F)のヒット箇所を装飾できる
  • caret-shape、ViewTransition.waitUntil()、clipboardchangeイベントが追加された
  • XML解析時に外部エンティティやDTDを同期取得する機能が削除された

このうち業務システムで影響が出うるのは、XMLの外部エンティティ削除です。ブラウザー側でDTDを外部から読み込む前提のXML処理があれば、144以降で結果が変わります。

144からの更新判断と、版の固定・ロールバック

使っているEdgeの版はedge://settings/help([設定]→[Microsoft Edge について])で確認でき、この画面を開くと更新も始まります。ビルド番号まで見たいときはedge://versionを開きます。チャネルごとの更新手順はMicrosoft Edgeの最新バージョンの記事にまとめています。

TargetVersionPrefixとRollbackToTargetVersionの制約

不具合を避けるために特定の版に留める、あるいは戻す場合は、Microsoft Edge Updateのポリシーを使います。TargetVersionPrefixは指定した版まで更新を進め、それより新しい端末はそのまま据え置きます。指定した版が存在しないか書式が誤っていると、その端末はそれ以降自動更新されなくなります。

RollbackToTargetVersionを有効にすると、指定版より新しい端末をその版まで戻します。ただし、TargetVersionPrefixの設定と、更新ポリシーの上書き(Update policy override)を更新許可の状態にすることが前提です。どちらもActive Directoryドメインに参加したWindowsでしか効きません。公式ページは、ロールバック前にすべての利用者で同期を有効にするよう求めており、同期がないと閲覧データを失うおそれがあると書いています。

144に固定し続けるべきでない理由

144への固定は、2026年10月時点では採るべきではありません。144系は3月6日の.162を最後に更新されておらず、それ以降の脆弱性の修正を受け取れないからです。固定は、特定の更新で業務システムが壊れたときに、次の修正ビルドまでをつなぐ一時措置として使います。更新の間隔を延ばしたい組織は、版を固定するより、8週間周期でメジャー版が上がるExtended Stableへ切り替えるほうが、修正を受けながら検証期間を確保できます。

よくある質問

Edge 144はいつリリースされましたか?

Stableチャネルでの公開は2026年1月16日で、初版ビルドは144.0.3719.82です。Betaは2025年12月11日(144.0.3719.11)でした。144系はExtended Stableでも提供され、2026年3月6日の144.0.3719.162が最後のビルドです。3月13日に146がExtended Stableへ入り、144系の更新は終わりました。

Microsoft Edgeの最新バージョンはいくつですか?

2026年10月24日時点では、StableとExtended Stableがどちらも156(156.0.4314.42・10月22日公開)です。Stableは2週間ごとに上がるため、数字はすぐに変わります。確認と更新の手順は、常時更新しているMicrosoft Edgeの最新バージョンの記事を参照してください。

Microsoft365CopilotChatIconEnabledでCopilotアイコンを消すには?

ポリシーを無効(レジストリならHKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\EdgeのDWORD値を0)に設定します。対応はEdge 139以降のWindowsとmacOSで、効くのはEntra IDでサインインしたプロファイルのサイドペインのCopilotだけです。HubsSidebarEnabledは141以降、拡張機能のブロックは149以降、ツールバーのCopilot表示を制御できません。個人のMicrosoftアカウントのプロファイルは、アイコンを右クリックして[Copilot を非表示にする]から切り替えます。

Edgeの効率モードが見当たらないのはなぜですか?

Edge 144で「効率モード」の名前が「省電力」に変わったためです。「PC ゲームの効率モード」も「PC ゲーム ブースト」に改称されました。リリースノートの記載は名称の変更で、機能が削除されたわけではありません。オフにしたいときは、パフォーマンス設定の「省電力」の項目を切り替えます。

Edgeのバージョンはどこで確認できますか?

アドレスバーにedge://settings/helpと入力するか、[設定]→[Microsoft Edge について]を開くと、バージョン番号が表示され更新の確認も始まります。edge://versionではビルド番号やコマンドラインまで確認できます。144のビルドが.130より前なら、悪用が確認されたCVE-2026-2441が未修正の状態です。

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