Microsoft Edge 149(149.0.4022.52)は2026年6月4日にStableチャネルへ公開されました。更新直後から「ダウンロードが一時停止中のまま進まない」「コレクションが消えた」「画面の角が丸くなった」といった声が相次ぎましたが、公式に不具合と認められたものと、仕様として入った廃止・刷新とが混在しています。この記事では、Microsoft LearnのStableチャネルのリリースノート(アーカイブ)と既知の問題を一次情報に、149で起きた事象を不具合と仕様変更に分けて整理し、それぞれの対処を示します。
なお、149はすでに後継版に置き換わっています。2026年7月2日に150が公開され、2026年10月15日時点の安定版は155(10月8日公開の155.0.4283.45)です。最新版の番号と確認・更新手順はこちらで扱っています。
まとめ:Edge 149の不具合と変更点の要点
- ダウンロードが「一時停止中」の表示で止まる問題は、149.0.4022.52〜149.0.4022.69未満で発生し、149.0.4022.69(6月12日)で修正されました。ダウンロード自体は完了しています。
- Collectionsは149で完全に廃止。個人のMicrosoftアカウントで保存していた内容は、サポート記事の案内ではBingの保存済み一覧から参照できます。
- 角丸・余白・フォント・既定色の変更は仕様です。公式に元へ戻す設定はありません。
- サイドバーに置いたアプリが消えたのは、アプリ一覧の段階的な廃止によるものです。Copilotとサイドペインは廃止の対象外です。
- カスタムのプライマリパスワードは廃止され、デバイス認証(Windows Helloなど)へ自動移行しました。
- 6月9日の149.0.4022.62で、実際に悪用が確認されたV8の脆弱性CVE-2026-11645が修正されています。149.0.4022.52のまま止まっている端末は危険です。
- 企業環境では、拡張機能のブロックでCopilot Chatを隠していた設定が149から効かなくなりました。専用ポリシーでの制御に切り替える必要があります。
- 149系の最終ビルドは149.0.4022.98(6月26日)。いま149を使い続ける理由はなく、最新版へ更新するのが原則です。
Edge 149のリリース日とビルド番号の推移
149は6月4日の初回リリースから150に置き換わるまでの約4週間で、Stableチャネル向けに6つのビルドが出ています。どのビルドで何が直ったかを押さえると、手元の不具合が「更新すれば消えるもの」かどうかを判断できます。
149.0.4022.52から149.0.4022.98までの修正内容
| ビルド | 公開日 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 149.0.4022.52 | 2026年6月4日 | メジャー更新(Collections廃止・新デザインほか) |
| 149.0.4022.62 | 2026年6月9日 | セキュリティ更新(悪用確認済みのCVE-2026-11645を修正) |
| 149.0.4022.69 | 2026年6月12日 | .rdpでKeep/Deleteの確認が残る問題を修正 |
| 149.0.4022.80 | 2026年6月18日 | QRコード生成の不具合を修正、管理機能を追加 |
| 149.0.4022.96 | 2026年6月25日 | 新ポリシー1件を追加、セキュリティ更新 |
| 149.0.4022.98 | 2026年6月26日 | セキュリティ更新(149系の最終ビルド) |
手元のバージョンは、アドレスバーに edge://settings/help と入力すると確認できます。149.0.4022.52以上149.0.4022.69未満なら、下で扱うダウンロード表示不具合の影響を受ける可能性があります。モバイル版は別系統で、Android・iOS向けには149.0.4022.53(6月8日)以降が配信されました。
Extended Stableが149を配信しなかった理由と150への置き換え
149の時期、Stableは4週間ごとにメジャー版が上がり、企業向けのExtended Stableは8週間ごとに偶数版だけを配信していました。そのためExtended Stableを選んでいた組織は、6月中は148系(148.0.3967.109〜148.0.3967.137)の修正を受け取り続け、149を経由せずに150へ進んでいます。社内の一部端末だけ149にならない場合は、StableとExtended Stableの配信チャネルの違いを確認してください。
奇数版の149にはExtended Stableでの延長がないため、7月2日に150が出た時点で149系への修正配信は止まりました。なお、Stableのメジャー更新間隔は152以降2週間に短縮されており、151の変更点はMicrosoft Edge 151の新機能と変更点で扱っています。
Edge 149で報告された不具合と既知の問題
ここでは、公式資料に修正内容が記載されているダウンロード画面の表示とQRコード生成の不具合に加え、公式資料には無いものの利用者の報告が続いたブックマークのアイコンの症状を取り上げます。
ダウンロードが「一時停止中」のまま止まる表示不具合と回避策
149.0.4022.52へ更新した直後から、ダウンロードの進行表示が「一時停止中」のまま固まるという報告が続きました。Microsoft Q&Aの日本語フォーラムには6月8日に同じ症状の質問が立ち、200件を超える「同じ質問」の登録が付いています。質問者の観察どおり、ダウンロード画面をいったん閉じて開き直すと、ファイルは完了済みとして表示されます。つまり保存は終わっていて、画面の表示だけが更新されていない状態です。
資産管理ソフトのSKYSEA Client Viewの利用者向けにも、この症状に関する告知が出ています。販売店の大塚商会が6月15日にお客様マイページで転載したSky株式会社の告知には、次の内容が載っています。
- ダウンロード状態が「一時停止中」と表示される問題を、Edge 149で確認。Chrome 149では同様の事象は未確認
- Webページ内を一度クリックして表示を閉じ、アドレスバー横の[↓]から開き直すと[開く][保存]を操作できる
- Edgeの設定の[ダウンロード]にある「ダウンロードする前に各ファイルの保存先を確認する」をオフにすると事象が起きなくなる(6月10日追記)
- Microsoftから149.0.4022.69で修正したとの連絡を受けた。発生範囲は149.0.4022.52〜149.0.4022.69未満(6月15日追記)
対処は149.0.4022.69以降へ更新することです。更新前の暫定策としては、ダウンロード画面を閉じて Ctrl+J で開き直す方法が手軽です。「保存先を確認する」をオフにする回避策は、組織でこの設定を PromptForDownloadLocation ポリシーで強制している場合は利用者側で変えられません。修正版の配信を優先してください。
.rdpファイルでKeep/Deleteの確認が消えない既知の問題
Microsoftの既知の問題ページに149の項目として掲載されたのは、リモートデスクトップ接続用の.rdpファイルに関する症状です。ダウンロードは成功しているのに、ダウンロード画面に「保存」か「削除」かを選ばせる確認(Keep/Delete)が表示されたまま更新されません。修正は149.0.4022.69で、公式ページには次の回避策が示されました。
| 対象 | 回避策 |
|---|---|
| 利用者 | 画面外をクリックして閉じ、Ctrl+Jで開き直して開く・保存を選ぶ |
| 管理者 | AutoOpenFileTypesにrdpを登録し自動で開かせる |
| 管理者 | ExemptFileTypeDownloadWarningsでrdpの警告を除外する |
| 管理者 | 148.0.3967.96へロールバックする |
ExemptFileTypeDownloadWarnings の公式例は [{"file_extension":"rdp","domains":["*"]}] で、全ドメインのrdpに対する拡張子ベースの警告を外します。ポリシーの説明ページは、危険なファイル種別を全ドメインで除外することをセキュリティ上推奨していません。149.0.4022.69へ上げた後は、この設定を元に戻すのが安全です。
QRコード生成が動かない不具合と149.0.4022.80での修正
ページのURLをQRコードにしてスマートフォンへ渡す機能が動かない問題も、149.0.4022.80(6月18日)のリリースノートに修正として記載されています。公式リリースノートに回避策の記載はありません。該当する場合は、修正を含む現行のサポート対象版へ更新してください。
お気に入りのアイコン(ファビコン)が表示されない利用者報告
MicrosoftのTech Communityのフォーラムには、6月5日に「149へ更新してから、お気に入りのファビコンがすべて消えた」という投稿が立ちました。タブにはサイトのアイコンが出るのに、お気に入りの一覧だけアイコンが空白になる症状です。投稿者は6月10日の時点で149.0.4022.62でも直っていないと書き、7月3日に150.0.4078.48への更新で解消したと報告しています。
このスレッドにMicrosoftの回答はなく、既知の問題ページにも載っていません。この投稿で報告されているのはアイコンの表示異常で、登録したURLの消失ではありません。投稿者は、終了時に閲覧履歴を自動削除する設定との関連も報告していますが、Microsoftが確認した発生条件ではありません。いま同じ症状が出ている場合は、まず150以降の現行版へ更新してください。
不具合と誤認されやすい仕様変更の切り分け
149では、不具合とは別に、機能の廃止やデザインの刷新による変更もあります。症状から原因を引く早見表です。
| 症状 | 原因 | 区分 |
|---|---|---|
| ダウンロードが一時停止中で止まる | 表示の不具合(.69で修正) | 不具合 |
| コレクションのボタンがない | Collectionsの廃止 | 仕様 |
| 画面の角が丸い・フォントが違う | デザインの刷新 | 仕様 |
| パスワード入力でPINを求められる | カスタムのプライマリパスワード廃止 | 仕様 |
| ワークスペースを共有できない | Workspacesの共有機能削除 | 仕様 |
| サイドバーのアプリが消えた | アプリ一覧の段階的な廃止 | 仕様 |
| お気に入りのアイコンが出ない | 利用者報告(150で解消と報告) | 不具合(非公式) |
| 隠していたCopilotのアイコンが出た | Copilot Chatのポリシー統合 | 仕様 |
Edge 149の不具合情報を公式資料で確かめる方法
手元の症状が149の不具合なのか、自分の環境だけの問題なのかは、Microsoft Learnにある4つの資料で確かめられます。既知の問題、Stableチャネルのリリースノート、セキュリティ更新の一覧、Web platformのリリースノートです。
| 資料 | 載っている内容 | 149での記載例 |
|---|---|---|
| 既知の問題 | 影響の大きい不具合・回避策・修正版 | .rdpのKeep/Delete(.69で修正) |
| Stableのリリースノート | ビルドごとの修正・機能・ポリシー | QRコード生成の修正(.80) |
| セキュリティ更新の一覧 | 取り込んだChromiumの修正・悪用の有無 | CVE-2026-11645(.62) |
| Web platformのリリースノート | Webページの表示や動作に関わる変更 | tableの既定の罫線色の削除 |
既知の問題ページに載るのは、Microsoftのカスタマーサービス&サポートが「影響が大きい」と判断した不具合だけです。ダウンロードが「一時停止中」で止まる症状も、公式ページには.rdpファイルの確認表示としてしか載らず、一般のファイルで起きた事例は販売店の告知やMicrosoft Q&Aで確かめるしかありませんでした。公式資料に無いことは、不具合が無いことの証拠になりません。
反対に、Microsoft Q&Aで回避策を示している回答者には、Microsoft社員ではない独立アドバイザー(Independent Advisor)も含まれます。Q&Aに掲載されているだけでは、Microsoftがサポートする設定かどうかは判断できません。業務端末へ配布する前に、公式のポリシー定義やサポート記事も確認し、対象バージョンと適用条件を照合してください。
Edge 149で入った廃止と刷新への対処
149の機能更新は、追加よりも廃止の影響が大きい版です。利用者の手元で目に見える変化は、149のリリースノートに載った4つと、同じ時期に段階的に進んだサイドバーのアプリ一覧の廃止です。
Collections廃止で消えたデータの確認先と移行範囲
Collections(コレクション)は149で削除され、Edge上からは開けなくなりました。廃止は段階的に進んでおり、それ以前の版で新しいページを追加できなくなり、移行を促す通知が出ていました。MicrosoftのCollectionsのサポート記事が案内している移行先は、アカウントの種類で分かれます。
| 移行方法 | 対象 | 移るもの |
|---|---|---|
| お気に入りへ移動 | 全利用者 | 保存したページのURLのみ |
| データのエクスポート | 職場・学校アカウント | Collectionsのデータ一式 |
| Bingの保存済み一覧 | 個人のMicrosoftアカウント | 保存済みのコレクション |
お気に入りへの移動では、コレクションごとにお気に入り直下のフォルダーが作られます。ただし移るのはURLだけで、画像やメモは含まれません。149へ更新する前に移していなかった場合でも、個人のMicrosoftアカウントなら、サポート記事の案内どおり bing.com/saves にサインインして内容を確認してください。職場・学校アカウントでエクスポートしていなかったデータについて、149以降の復元手段は公式に示されていません。
角丸・余白・フォントが変わった新デザインと元に戻す手段
149では、CopilotやBingと見た目を揃える方針で、余白・角の形・フォント・既定色がまとめて変わりました。Web表示領域の四隅が丸くなり、画面の端まで表示されなくなったことに不満を持つ利用者は多く、英語版のMicrosoft Q&Aでも「無効にする方法はないか」という質問に30件を超える「同じ質問」が付いています。
結論として、公式に元のデザインへ戻す設定はありません。以前は edge://flags で角丸を切れましたが、149でその項目は見当たらなくなったと報告されています。同じスレッドでは、ボランティアのモデレーターが --enable-features=msForceNoRoundedCornerAndMargin を付けて起動する方法を示していますが、Microsoftがサポートする設定ではなく、今後の更新で使えなくなる可能性があります。管理下の端末へ配る設定としては勧めません。
カスタムのプライマリパスワード廃止とデバイス認証への自動移行
保存したパスワードを自動入力する前に独自のパスワードを求める「カスタムのプライマリパスワード」は、149で廃止されました。すでに使っていた利用者は、デバイス認証へ自動的に移行しています。自動入力の直前にWindows HelloのPINや顔認証を求められるようになったのは、この移行によるものです。
組織で PrimaryPasswordSetting ポリシーを使っている場合、値2(WithCustomPrimaryPassword)は149から使えません。確認を必須にしたいなら値1(WithDevicePassword)、自動入力そのものを止めるなら値3(AutofillOff)へ切り替えてください。
Workspacesの共有機能削除と「ワークスペースが消えた」ときの確認
タブの組をプロジェクト単位で保存するWorkspaces(ワークスペース)は、保存先をOneDriveからEdgeの同期サービスへ移す新しい仕組みへの移行が145から段階的に進み、149でも続いています。サポート記事によると、新しいWorkspacesでは次の点が変わりました。
- 他の人との共有・共同編集・招待ができない
- タブのロックができない
- 一覧の並びは作成順ではなく最近使った順
- OneDriveの容量を使わない
ワークスペースが見当たらない場合、サポート記事は同期の確認を案内しています。[設定]の[プロファイル]にある[同期]で「Workspaces and Tab Groups」(ワークスペースとタブグループ)がオンになっているかを見てください。なお、ポリシーで同期を無効にしている組織でも、旧来のWorkspacesのデータは新方式へ移行されます。ただし移行後に作った新しいWorkspacesは端末間で同期されず、各端末に保存されたままになります。
サイドバーのアプリ一覧の段階的な廃止とCopilotへの影響
149の公開直後から、「サイドバーに置いていたOutlookなどのアプリが消えた」という声が出ています。海外メディアのWindows Latestは6月6日に、149でサイドバーが使えなくなったと報じました。ただし149のリリースノートにこの変更の記載はありません。Microsoftは150(7月2日)のリリースノートでサイドバーのアプリ一覧(App Tower)の廃止を予告し、151(7月31日)で企業ユーザー向けに廃止しています。サイドバーのサポート記事は、個人のMicrosoftアカウントの利用者から順に廃止するとし、終了日は確定していないと説明しています。
新しいアプリは追加できず、ピン留めしていたアプリも順に外されます。サポート記事によると、Copilotとサイドペインは廃止の対象外です。使っていたサービスは、Web版を通常のタブで開くか、ツールバーから使える機能へ移してください。151以降は EdgeSidebarAppUrlHostForceList などサイドバーのアプリに関するポリシーも適用されません。業務アプリをサイドバーで配っていた組織は、ManagedFavorites でお気に入りとして配るなど、別の配布方法に切り替える必要があります。
企業管理者向けのCopilotポリシー統合と新ポリシー
管理者にとって149で最も影響が大きいのは、Copilot Chatを制御する方法の変更です。
拡張機能のブロックでCopilot Chatを隠していた組織への影響
148までは、ExtensionSettings や ExtensionInstallBlockList でCopilotの拡張機能をブロックする(ワイルドカード * で全拡張機能を止める場合を含む)と、Copilot Chatも表示されませんでした。149からは、拡張機能とサイドバーのポリシーはCopilot Chatの表示と動作に影響しません。制御の標準は Microsoft365CopilotChatIconEnabled に一本化されました。
もう1点、アドレスバーに出るCopilotの候補も、これまでは拡張機能のポリシー設定に連動していました。149で追加された CopilotAddressBarSuggestionsEnabled が専用の制御です。未設定なら候補が表示されるため、ツールバーのCopilotアイコンとアドレスバーの候補を非表示にする組織は、2つのポリシーを無効にします。ただし、これだけでCopilotサービス全体の利用を禁止できるわけではありません。Windowsのレジストリで配る場合の例です。本記事のreg addコマンドは、管理者として起動したコマンドプロンプトで実行してください。
reg add "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge" /v Microsoft365CopilotChatIconEnabled /t REG_DWORD /d 0 /f
reg add "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge" /v CopilotAddressBarSuggestionsEnabled /t REG_DWORD /d 0 /f
Microsoft365CopilotChatIconEnabled が制御するのは、Entra IDでサインインしたプロファイルのツールバーに出るアイコンです。ここで示した2つのポリシーは、いずれも個人のMicrosoftアカウントでサインインしたプロファイルには適用されません。どちらも edge://policy を開けば、適用されているかを確認できます。
149で追加・非推奨になったポリシー
149.0.4022.52のリリースノートに載った新規ポリシーは7つ、非推奨は2つです。149.0.4022.96ではさらに1つ追加されました。
| ポリシー | 区分 | 制御する内容 |
|---|---|---|
| CopilotAddressBarSuggestionsEnabled | 新規 | アドレスバーのCopilot候補 |
| CpuPerformanceTierOverride | 新規 | CPU性能区分の上書き |
| DataUrlInWebWorkerOpaqueOriginEnabled | 新規 | Web Worker内data:URLの不透明オリジン化 |
| DefaultLocalFontsSetting | 新規 | ローカルフォント権限の既定値 |
| LocalFontsAllowedForUrls | 新規 | ローカルフォント権限を許可するサイト |
| LocalFontsBlockedForUrls | 新規 | ローカルフォント権限を拒否するサイト |
| ForceForegroundPriorityForUrls | 新規 | 指定URLを前面の優先度で動かす |
| RestrictBackgroundFetchFromServiceWorkerEnabled | 新規(.96) | Service WorkerからのBackground Fetch制限 |
| WalletDonationEnabled | 非推奨 | Walletの寄付機能 |
| EdgeWalletEtreeEnabled | 非推奨 | WalletのE-Tree機能 |
ForceForegroundPriorityForUrls は旧名 ForceForegroundPriorityForOrigins からの改名です。旧名で配っているGPOやIntuneのプロファイルは見直してください。このほか OnSecurityEventEnterpriseConnector にmacOS対応が加わり、ProtectedContentIdentifiersAllowed はmacOS対応が外れました。
WebView2のDowngradeVersionとパスキー同期などの管理機能
149では、WebView2ランタイムを使う業務アプリ向けに DowngradeVersion ポリシー(msedgewebview2.admx)が加わりました。特定のアプリだけを1つ前(N-1)または2つ前(N-2)のWebView2ランタイムへ一時的に戻せます。対象はドメイン参加またはMDM登録の端末です。149当時の説明では、N-1に固定したアプリは次のメジャー更新後も同じ版(その時点のN-2)に残り、その次の更新で自動更新されます。N-2に固定したアプリは次の更新で現行のEvergreenランタイムへ戻ります。ブラウザー本体のEdgeを戻す仕組みではない点に注意してください。
企業ユーザー向けのパスキー同期も149で提供が始まりました。段階的な展開のため、全員に同時には届いていません。パスワードと併用しながらの移行設計はパスキー移行の実装手順で扱っています。ほかに、Intune MAMの保護ダウンロードが組織で管理していない個人端末(BYOD)でも使えるようになりました。149.0.4022.80では、Edge管理サービスで組織内の拡張機能の導入状況を確認できる機能と、Stable版の中でプレリリース版を試せるエンタープライズプレビューが加わっています。ブラウザー拡張機能を通じてEdgeを操作するRPAを動かしている組織は、このプレビューで業務フローを先に動かしておくと、拡張機能との互換性の問題を本番の更新前に見つけやすくなります。ただし、すべての停止を防げるわけではありません。Edgeを使う業務自動化の見直しはPower Automate導入支援・RPA移行でも扱っています。
ゼロデイ脆弱性CVE-2026-11645の修正と更新の優先度
149.0.4022.62(6月9日)は、Chromiumの脆弱性CVE-2026-11645を修正したセキュリティ更新です。MicrosoftはChromiumチームの報告として、この脆弱性に「実環境での悪用がある」と明記しました。Chrome側のChrome Releasesに6月8日に出たリリース告知によると、CVE-2026-11645はJavaScriptエンジンV8の境界外メモリアクセス(深刻度High)で、同じ更新で合計74件の脆弱性が修正されています。6月25日の149.0.4022.96と26日の149.0.4022.98もChromiumのセキュリティ修正を取り込んだ更新ですが、Microsoftのセキュリティ更新一覧で「実環境での悪用」が明記されているのは、149系では149.0.4022.62だけです。
149.0.4022.52のまま止まっている端末は、悪用が確認された脆弱性を抱えた状態です。ダウンロードの不具合を理由に更新を止めている組織があれば、その判断は逆効果になります。表示の不具合は149.0.4022.69で修正済みですが、149系への修正配信はすでに終わっています。更新先には149系の途中のビルドではなく、サポート対象の現行版を選んでください。同じChromium 149を土台にしたChrome側の状況はChrome 149とは?、Edgeでゼロデイが出たときの過去の対応例はEdgeのゼロデイ脆弱性「CVE-2025-14174」の記事で確認できます。
Web開発者が確認すべきEdge 149のプラットフォーム変更
149はChromium 149を土台にしており、既存サイトの見た目や動作が変わりうる変更がいくつか入りました。回帰確認で優先したいのは、次の表の上の4つです。
| 変更 | 既存サイトへの影響 |
|---|---|
| tableの既定border-color: grayを削除 | 罫線の色がcurrentColor(文字色)に変わる |
| accent-color: autoの適用範囲 | OSのアクセント色はインストール済みWebアプリだけ |
| bfcache入り時にWebSocketを切断 | 戻る・進むで復帰した後に再接続が要る |
| :hover等がトップレイヤーで止まる | popover内のホバーで親要素のスタイルが変わらない |
| クリップボード読み取りの遅延 | getType()を呼ぶまでデータを読まない |
| Windowsのタッチキーボード | autocorrect=”off”が効くようになった |
| CSSのgap decorations | GridとFlexboxの隙間に罫線を引ける |
| Intl.Localeのvariants | variantsプロパティとオプションを追加 |
表の罫線の色をUAスタイルシートの灰色に頼っていたサイトは、border-color を明示しないと見た目が変わります。WebSocketは、これまで接続中のページはbfcacheに入れませんでしたが、149からは接続を閉じてキャッシュされます。ページには close イベントが届くので、pageshow で復帰を検知して張り直します。次のコードの接続先は例示用です。利用するWebSocketサーバーのURLに置き換えてください。
let socket;
function connect() {
socket = new WebSocket('wss://example.com/ws');
socket.addEventListener('message', (event) => {
console.log(event.data);
});
}
connect();
// bfcacheから復帰したときだけ再接続する
window.addEventListener('pageshow', (event) => {
if (event.persisted) {
connect();
}
});
このほか、text-overflow: ellipsis の要素を編集中は省略記号が外れて隠れた文字が見えるようになり、shape-outside で path() や shape() などが使えるようになりました。DevToolsとWebView2の変更は、それぞれ149版のリリースノートが別ページで公開されています。
Edge 149のロールバック手順と戻せる環境の条件
149の不具合で業務が止まったとき、Microsoftが管理者向けに示した回避策の1つが148.0.3967.96へのロールバックでした。逆に150で既知の問題が出た際には、149へ戻す回避策が案内されています。いずれも組織で管理された端末が前提の手順です。
RollbackToTargetVersionとTargetVersionPrefixの設定
グループポリシーで戻す場合は、[コンピューターの構成]の[管理用テンプレート]から[Microsoft Edge Update][Applications][Microsoft Edge]を開き、次の3つを設定します。
- [Rollback to target version]を有効にする
- [Target version override]に戻したいバージョン番号を指定する
- [Update policy override]を有効にし、「Always allow updates」か「Automatic silent updates only」を選ぶ
レジストリで書くとStableチャネルは次のとおりです。値名の末尾にある波かっこ付きのGUIDはStableを示します。
reg add "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\EdgeUpdate" /v "RollbackToTargetVersion{56EB18F8-B008-4CBD-B6D2-8C97FE7E9062}" /t REG_DWORD /d 1 /f
reg add "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\EdgeUpdate" /v "TargetVersionPrefix{56EB18F8-B008-4CBD-B6D2-8C97FE7E9062}" /t REG_SZ /d 148.0.3967.96 /f
reg add "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\EdgeUpdate" /v "Update{56EB18F8-B008-4CBD-B6D2-8C97FE7E9062}" /t REG_DWORD /d 1 /f
ロールバックは、Edge Updateが次に更新を確認したときに実行されます。MSIで戻す方法もあり、その場合は自動更新を止めたうえで msiexec /I ファイル名.msi /qn ALLOWDOWNGRADE=1 を管理者として実行します。
運用上の落とし穴は、Target version overrideを残したままにすることです。このポリシーはEdgeを指定バージョンに固定するため、外し忘れると修正版やセキュリティ更新が届きません。存在しないバージョンや書式の誤った値を入れた場合も、Edgeは現在のバージョンのまま自動更新しなくなります。Microsoftはロールバックの解説ページで、事前に同期を有効にしておくことも推奨しており、同期がないと閲覧データを失うおそれがあると明記しています。
個人のPCで旧版へ戻せない理由と取るべき対処
RollbackToTargetVersionとTargetVersionPrefixは、Active Directoryドメインに参加したWindowsでしか効きません。家庭や個人事業のPCにレジストリだけ書いても、ロールバックは起きません。Microsoft自身もロールバックは一時的な手段とし、既知の脆弱性にさらされるリスクがあると注意しています。
個人のPCで149の不具合に当たった場合は、戻すのではなく修正版へ進むのが正解です。ダウンロードの表示不具合もQRコードの不具合も、149系のマイナー更新で直っています。
Edge 149の不具合に関するよくある質問
Edge 149のリリース日とバージョン番号は?
Stableチャネルの初回は149.0.4022.52で、2026年6月4日の公開です。その後149.0.4022.62、.69、.80、.96と更新され、149系の最終ビルドは6月26日の149.0.4022.98です。7月2日には150.0.4078.48が公開されました。
Edge 149でダウンロードが「一時停止中」になるのはなぜですか?
149.0.4022.52から149.0.4022.69未満で起きた表示の不具合です。ダウンロード自体は完了しており、画面を閉じて開き直せば完了として表示されます。149.0.4022.69以降へ更新すれば解消します。Sky株式会社の告知では、「ダウンロードする前に各ファイルの保存先を確認する」をオフにしても回避できるとされています。
Edge 149で消えたコレクションは復元できますか?
Edge上でCollectionsを復活させる方法はありません。個人のMicrosoftアカウントで使っていた場合は、サポート記事の案内に従って bing.com/saves で保存済みの内容を確認してください。更新前にお気に入りへ移していれば、コレクション名のフォルダーにURLが残っています。職場・学校アカウントで149より前にエクスポートしていなかったデータについては、公式な復元手段が示されていません。
Edge 149でワークスペースが消えたのはなぜですか?
149の時期には、Workspacesの保存先をOneDriveからEdgeの同期サービスへ移す段階的な移行が進んでいました。ただし、ワークスペースが見当たらない原因を、この移行だけで断定することはできません。見当たらないときは、[設定]の[プロファイル]にある[同期]で「Workspaces and Tab Groups」がオンかを確かめてください。新しいWorkspacesでは、他の人との共有はできません。
Edge 149を使い続けても問題ありませんか?
勧めません。149系への修正配信は150の公開で終わっており、以後の脆弱性修正は受け取れません。[設定]の[ヘルプとフィードバック]から[Microsoft Edgeについて]を開くと更新が始まり、再起動で最新版に切り替わります。