樹形図とは?書き方の手順と例題で学ぶ場合の数・確率

樹形図(じゅけいず)とは、起こり得る場合を木の枝のように分岐させて、一つ残らず書き出すための図です。頭の中だけで数えると起こりやすい「落ち(数え漏れ)」と「重なり(重複)」を、線を引くだけで防げます。文部科学省の小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編は、第6学年の内容として「起こり得る場合を順序よく整理するための図や表などの用い方を知ること」を挙げています(p.312)。つまり樹形図は、暗算のかわりではなく数え方そのものを設計する道具です。この記事では、実際の樹形図を紙面上に描きながら、書き方の3ステップ、場合の数の例題、二次元の表との使い分け、そして公式(nPr・nCr)への橋渡しまでを順に確認します。

まとめ

  • 樹形図は「落ちや重なりなく全部を書き出す」ための図。読み方はじゅけいず、英語では tree diagram
  • 書き方の核心は観点を固定すること。先頭を1つに決めて枝を伸ばし、残りは同じ形の繰り返しとして数える
  • 4人が一列に並ぶ場合は、先頭をAに固定すると6通り。先頭になれるのが4人だから合計24通り
  • 2つのものの組み合わせだけなら二次元の表3段階以上または条件が途中で変わるなら樹形図。学習指導要領も両者を並記している
  • 枝が段ごとに減る=順列(同じものを2度使わない)、減らない=重複順列(毎回すべての選択肢が使える)。顔ぶれだけを問うなら組み合わせで、4チームの対戦は 4C2 の6通り
  • 全部で数十通りを超えたら樹形図は書き切らない。そこが nPr・nCr といった公式へ切り替える境界

以下、それぞれを実際の図と例題で確認します。

樹形図の意味と読み方、英語表記「tree diagram」

樹形図は「じゅけいず」と読みます。「じゅっけいず」ではありません。英語では tree diagram で、根から枝が分かれていく形が木に似ていることが名前の由来です。

構造は3つの部品でできています。出発点となる根(ルート)、選択肢が分かれる節点(ノード)、節点どうしをつなぐ枝(エッジ)です。根から末端まで枝をたどった1本の経路が、1つのパターンに対応します。したがって末端の枝の本数を数えれば、それが場合の数になります。

樹形図が力を発揮するのは、数え方に自信が持てない場面です。小学校学習指導要領解説 算数編は、順序よく整理して調べることを「思いつくままに列挙していたのでは落ちや重なりが生じるような順序や組み合わせなどの事象について、規則に従って正しく並べたり、整理して見やすくしたりして、誤りなく全ての場合を明らかにすること」と説明しています(p.313)。樹形図はこの「規則に従って正しく並べる」を、線として目に見える形にしたものです。

ひとつ意外な事実があります。小学校学習指導要領解説 算数編には、全406ページを通して「樹形図」という語が一度も出てきません。第6学年の記述は一貫して「図や表」です。「樹形図」が学習指導要領解説に名前として現れるのは、中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編 p.124 の確率の記述からになります。小学校では名前を与えられないまま描いていた図が、中学校で「樹形図」と呼ばれるようになる、という順序です。

樹状図・ツリー図・系統樹との呼び分けと使われる分野

枝分かれする図には似た呼び名が複数あります。どれも「木の形の図」を指しますが、慣用的に使われる分野が違います。

呼び名 主に使われる分野 指しているもの
樹形図 算数・数学、統計 場合の数、確率。dendrogram の訳語でもある
樹状図 数学、統計 樹形図とほぼ同義。dendrogram の訳語でもある
ツリー図 ビジネス、IT 階層構造、課題の分解
デンドログラム 統計、データ分析 階層的クラスタリングの結合過程
系統樹 生物学 生物の進化の道筋(phylogenetic tree)
決定木 機械学習 条件分岐で予測・分類するモデル

検索で「樹形図」と「樹状図」のどちらを使っても、数学の文脈では同じ図に行き着きます。「樹木図」「樹上図」「樹図」「枝図」と書かれることもありますが、これらも表記ゆれで、指しているものは変わりません。ただし統計のクラスター分析では、樹形図・樹状図のどちらも dendrogram の訳語として使われるため、分野を確かめてから読む必要があります。

区別が必要になるのは残りの3つです。系統樹は生物の進化の道筋を表す図で、枝の長さに遺伝的な変化量や年代の意味を持たせて描かれることがあります(分岐の順序だけを示し、枝の長さに意味を持たせない分岐図=クラドグラムも系統樹の一種です)。場合の数の樹形図では枝の長さに意味はなく、本数だけを見ます。ここが決定的な違いです。

デンドログラムは、似ているデータどうしを順に併合していく階層的クラスタリングの過程を描いた図で、併合したときの距離を軸に取ります(縦向きに描けば縦軸)。見た目は樹形図に似ていますが、読み取るのは「どの高さで切るか」であって場合の数ではありません。詳しくはデンドログラムの定義と階層的クラスタリングでの役割で扱っています。ビジネスで課題を分解していくツリー図については、ロジックツリーの例題と解答が具体的な分解手順を扱います。

樹形図の書き方3ステップと「観点を固定する」コツ

手順そのものは単純です。難しいのは3つ目です。

  1. 起点を左端(または上)に置く。ここが根になります。
  2. 段ごとに、その時点で選べる選択肢の数だけ枝を伸ばす。1段目を書き終えてから2段目へ進み、段を混ぜません。
  3. 観点を1つ固定して、そこから枝を伸ばす。全パターンを同時に相手にせず、先頭を1つに決めて残りだけを考えます。

3つ目が書き方の核心です。小学校学習指導要領解説 算数編は「観点を決めるとは、あるものを固定して考えるなどのことである」と定義したうえで、大中小3種類のコインを例に挙げています(p.314)。大コインを表に固定してしまえば、あとは中と小の出方だけを考えればよく、その場合は4通りに絞られます。大が裏の側も同じ形なので、全体は8通りだと分かります。固定して1つ分を数え、同じ形が何回繰り返されるかを掛ける。これが樹形図を短時間で書き切るための唯一のコツです。

もう1つ、同解説は記号による省略にも触れています。「大コイン表、中コイン表、小コイン裏」と書き並べるかわりに、表を〇、裏を×として位置で表し、(〇〇×)と書けば済むという指摘です(p.314)。枝の脇に書く文字を短くするほど、段が深くなっても紙面が破綻しません。

場合の数の例題3問:4人の並び方・3桁の整数・総当たり対戦

ここからは実際に樹形図を描きます。例題1と例題3は小学校学習指導要領解説 算数編 p.313 が挙げている題材、例題2は同じ考え方を「使ったら減る」条件で確かめるための追加問題です。

例題1:A・B・C・Dの4人が一列に並ぶ並び方(24通り)

先頭をAに固定します。2番目にBが来れば3番目はCかDのどちらか、というように枝を伸ばすと、次の図になります。

1番目 2番目 3番目 4番目
 A +-- B +-- C --- D
   |     +-- D --- C
   +-- C +-- B --- D
   |     +-- D --- B
   +-- D +-- B --- C
         +-- C --- B

末端の枝は6本です。先頭に立てるのはA・B・C・Dの4人いて、どの人を先頭にしても同じ形の枝が6本ずつ生えます。したがって 6 × 4 = 24通りです。小学校学習指導要領解説 算数編 p.313 も、この4人の並び方を「Aが先頭に立つ場合は6通り」「起こり得る場合を図にかいて調べると24通り」と示しています。

例題2:1・2・3のカードを並べて作る3桁の整数(6通り)

カードは3枚しかなく、一度使った数字は残りません。百の位に置いた数字が減っていくのが特徴です。

百の位 十の位 一の位 結果
  1 +-- 2 --- 3      123
    +-- 3 --- 2      132
  2 +-- 1 --- 3      213
    +-- 3 --- 1      231
  3 +-- 1 --- 2      312
    +-- 2 --- 1      321

末端は6本、つまり6通りです。枝の本数が3本・2本・1本と1つずつ減っている点に注目してください。この「減り方」が、次章で扱う順列と重複順列の分かれ目になります。

例題3:4チームの総当たり戦の組み合わせ(6通り)

A・B・C・Dの4チームが総当たりで対戦するとき、試合の組み合わせは何通りでしょうか。ここでは「AとBの試合」と「BとAの試合」は同じ1試合なので、重複を落とす必要があります。Aを含む試合をすべて書き、次にAを除いてBを含む試合を書く、という順に観点を固定します。

 A +-- B      A対B
   +-- C      A対C
   +-- D      A対D
 B +-- C      B対C
   +-- D      B対D
 C --- D      C対D

6通りです。この書き方なら、B対Aのような重複が構造的に現れません。3行目までがAを含む試合、5行目までがBを含む試合、というように、一度使ったチームを左側から外していくのが要点です。この対戦の組み合わせも、小学校学習指導要領解説 算数編 p.313 が挙げている例です。

枝が減る樹形図と減らない樹形図:順列と組み合わせ、重複順列の見分け方

樹形図を書いていると、段が進むほど枝が細くなる図と、最後まで太いままの図の2種類に出会います。これは書き方の違いではなく、問題の条件そのものの違いです。

例題2は、使ったカードが手元から消えるので枝が 3 → 2 → 1 と減りました。これが順列です。一方、引いたカードを毎回戻すなら、どの段でも選択肢は3つのまま減りません。これを重複順列と呼びます。百の位が1のときだけ描くと、次のようになります。

百の位 十の位 一の位
  1 +-- 1 +-- 1
    |     +-- 2
    |     +-- 3
    +-- 2 +-- 1
    |     +-- 2
    |     +-- 3
    +-- 3 +-- 1
          +-- 2
          +-- 3

百の位が1のときだけで9通りあり、百の位は3通り選べるので 9 × 3 = 27通りです。例題2の6通りと比べると、条件が1つ変わるだけで答えが4倍以上に変わります。問題文の「同じものを繰り返し使ってよいか」を最初に確認してから枝を書き始めてください。ここを読み違えたまま図を描くと、図の書き方が正しくても答えは合いません。

順列と組み合わせの違いも、樹形図の上で見えます。順列は「A→B」と「B→A」を別々に数え、組み合わせは同じ1つとして数えます。同じ4チームから2チームを選ぶ場面で比べてみましょう。順番まで区別すれば 4 × 3 = 12通り、順番を区別しなければその半分の6通り(例題3)です。例題1が24通りだったのは4人全員を並べたためで、選ぶ個数が変われば総数も変わります。問題文が順番・順位・席順を問うていれば順列、代表者やペアの顔ぶれだけを問うていれば組み合わせと判断できます。

確率の求め方と、樹形図・二次元の表の使い分け基準

確率は「起こり得る場合の総数」が分かって初めて計算できます。だから確率の問題は、まず数え上げから始まります。

樹形図で全パターンを書き出して確率を求める手順

硬貨を2枚投げる場合を書き出します。

1枚目 2枚目 結果
 表 +-- 表   (表, 表)
    +-- 裏   (表, 裏)
 裏 +-- 表   (裏, 表)
    +-- 裏   (裏, 裏)

末端は4本で、どの結果が起こることも同様に確からしいと考えられます。2枚とも表になるのはこのうち1通りなので、確率は 1/4 です。中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編 p.124 が同じ例を挙げ、確率が 1/4 であることは「2個の硬貨を4回投げると、そのうちの1回は必ず二つとも表が出るという確定的なことを意味するものではない」と注意を促しています。

二次元の表に切り替える判断基準

中学校学習指導要領解説 数学編は、確率を求める場面で「樹形図や二次元の表などを利用して」と、2つの道具を並記しています(p.124)。どちらを選ぶかの基準ははっきりしています。

条件 向いている道具 典型例
2つのものを組み合わせるだけ 二次元の表 大小2個のさいころ(36通り)
1つの図から複数の問いに答える 二次元の表 和が7・積が偶数などを同じ表で読む
3段階以上に分かれる 樹形図 硬貨を3回投げる
段ごとに選択肢が変わる 樹形図 くじを引いて戻さない

大小2個のさいころなら、縦6行×横6列の表に36マスを描けば全パターンが一目で並びます。和が7になるマスは右上がりの斜め一列に6個並ぶので、確率は 6/36 = 1/6 です。同じ表をそのまま使って「積が偶数になるのは何通りか」も読み取れます。これを樹形図で書くと枝が36本になり、紙面も時間も無駄になります。2つのものを掛け合わせるだけの問題で樹形図を選ぶのは、道具の選択ミスです

逆に、条件が途中で変わる問題では表が使えません。中学校学習指導要領解説 数学編 p.130 は、5本のうち2本が当たりのくじを2人が順に引く場面を挙げています。先に引く人と後から引く人で当たりやすさが違うように感じますが、樹形図で数えるとどちらも 2/5 で等しく、くじ引きが公平である理由を説明できます。1人目が当たったかどうかで2人目の残りくじが変わるため、こうした条件付きの場面こそ樹形図の出番です。身近な確率の実例としては、ソシャゲのガチャの排出率と天井の仕組みや、直感が外れる例として知られるモンティ・ホール問題も、同じ数え上げの考え方で説明できます。

樹形図から公式へ:nPr・nCrで数え上げを省く判断

樹形図には限界があります。10人が一列に並ぶ場合の数は3,628,800通りで、書き出せるものではありません。数十通りを超えたら樹形図は書き切らない。そこが公式に切り替える境界です。

高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編は、数学Aの「場合の数と確率」について「具体的な事象に関する場合の数を樹形図や表に整理して調べる方法を考察することを通して、順列・組合せの総数の求め方の公式を導く」と述べています(p.93)。公式は樹形図の代わりではなく、樹形図から導かれる要約だという位置づけです。同解説 p.92 は、この単元で扱う用語・記号として「nPr,nCr,階乗,n!,排反」を挙げています。

この記事の4つの例題は、公式の値と次のように一致します。

例題 樹形図で数えた結果 対応する公式 計算
4人が一列に並ぶ 24通り 4P4 = 4! 4×3×2×1 = 24
1・2・3で3桁の整数 6通り 3P3 = 3! 3×2×1 = 6
4チームの総当たり 6通り 4C2 (4×3)÷(2×1) = 6
1・2・3を戻して3回 27通り 重複順列 3の3乗 = 27

公式を覚えるより先に、小さい数で樹形図を描いて答えを出し、公式の値と突き合わせてください。数が合えば公式の意味が腑に落ち、合わなければ問題の条件を読み違えています。樹形図は検算の道具としても使えます。この順序は学習の系統とも一致しており、小学校学習指導要領解説 算数編は「小学校で学習する起こり得る場合は中学校で学習する確率へとつながっていく」と述べています(p.70)。第6学年で図と表による数え上げ、中学校第2学年で確率、高等学校の数学Aで公式、という3段構えです。

樹形図でよくある間違い4つと、指導要領が挙げる典型ミス

樹形図の失敗は、図の描き方ではなく数え方の前提で起きます。頻度の高い順に4つ挙げます。

  • 同じ結果を1つにまとめてしまう:もっとも多い誤りです。後述のとおり指導要領も名指しで注意しています。
  • 枝の書き漏れ:ある段で選択肢を1つ落とすと、その先の枝がまるごと消えます。段ごとに「ほかに選べるものはないか」と自問してください。
  • 順列と組み合わせの取り違え:順番を問わない問題を順列で数えると、答えは本来の r! 倍になります(2個選ぶなら2倍、3個選ぶなら6倍)。
  • 条件の反映漏れ:「同じ数字は使えない」「0は先頭に置けない」といった条件は、枝を伸ばす段階で反映します。書き終えてから消す方式は、消し忘れを生みます。

1つ目について、中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編 p.124 は具体的に踏み込んでいます。2枚の硬貨の出方を(表, 表)(表, 裏)(裏, 裏)の3通りと考え、2枚とも表になる確率を 1/3 と答える誤りが起こりやすい、という指摘です。実際には(表, 裏)と(裏, 表)は別の場合なので、全4通りとして数え、正しい確率は 1/4 になります。「見た目が同じ結果」と「起こり方が同じ」は別物です。2枚の硬貨に大小の区別がなくても、数えるときは1枚目と2枚目を区別してください。

書き終えたら、末端の枝を1本ずつ数え直し、条件に合わないものが混じっていないかを確認しましょう。例題1のように「同じ形が何回繰り返されるか」で検算できる問題なら、掛け算の結果と実際の本数が一致するかを見ると確実です。

樹形図の作図ツールと、業務・ITでの使いどころ

draw.io・Mermaid・紙の使い分け

学習目的なら紙とペンで十分です。作図ツールが要るのは、他人に配る・繰り返し更新する・版管理したい、のいずれかに当てはまるときだけでしょう。

無料で使えるものとしては draw.io(diagrams.net) が確実です。Apache License 2.0 のオープンソースで、ブラウザ版とデスクトップ版があり、アカウント登録なしで全機能を使えます。共同編集やクラウド保存を前提にするなら Canva、Lucidchart、MindMeister、XMind といった選択肢もありますが、無料枠の範囲は提供元の都合で変わるため、利用前に公式の料金ページで確認してください。

ドキュメントに埋め込むなら、テキストで書いて図を生成する方法が管理しやすくなります。Markdown 中に記法を書けば図になる Mermaid なら、差分がテキストとして残るため Git で履歴を追えるのが強みです。書き方はMermaid記法でフローチャートやシーケンス図を作る手順にまとめました。

数学以外で樹形図の形が使われる場面

枝分かれで階層を表す形は、業務やITの現場にも定着しています。

  • ファイルシステムのディレクトリ構造:ルートから枝分かれする形そのものです。
  • 意思決定ツリー:選択肢と結果を分岐で並べ、判断の根拠を残します。
  • 課題の分解:問題を階層的に割っていくロジックツリー。
  • 機械学習の決定木:条件分岐を学習して予測・分類するモデル。

ただし、これらは「木の形をしている」という共通点があるだけで、数える対象が違います。場合の数の樹形図は末端の本数に意味があり、意思決定ツリーや決定木は経路の中身に意味があります。同じ図に見えても読み方が違う点は、混同しやすいので注意してください。

よくある質問(FAQ)

樹形図とは何ですか。読み方も教えてください。

起こり得る場合を、木の枝のように分岐させて漏れなく書き出す図です。読み方は「じゅけいず」、英語では tree diagram といいます。根(出発点)から枝をたどった1本の経路が1つのパターンに対応し、末端の枝の本数がそのまま場合の数になります。なお小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編は第6学年の「起こり得る場合」でこの図を「図や表」と表現しており、「樹形図」という語が明示されるのは中学校学習指導要領解説 数学編 p.124 からです。

樹形図と二次元の表はどう使い分けますか。

2つのものを組み合わせるだけなら二次元の表、3段階以上に分かれるか、段ごとに選択肢が変わるなら樹形図です。大小2個のさいころのように 6×6 の組み合わせを見る問題は表が圧倒的に速く、樹形図では枝が36本になって破綻します。逆に、くじを引いて戻さない場合のように条件が途中で変わる問題は表では表せません。中学校学習指導要領解説 数学編も、確率の学習でこの2つを並記しています。

樹形図は何年生で習いますか。

小学校第6学年の算数で「起こり得る場合」として、図や表を使って落ちや重なりなく調べる方法を学びます。中学校第2学年の数学では、樹形図や二次元の表を使って場合の数を求め、確率を計算します。高等学校の数学Aでは「場合の数と確率」で nPr・nCr・階乗といった記号を扱い、樹形図から公式を導く段階です。

樹形図を使わずに場合の数を求められますか。

求められます。順列なら nPr、組み合わせなら nCr、毎回すべての選択肢が使える重複順列なら「選択肢の数の累乗」で計算できます。ただし高等学校学習指導要領解説 数学編 理数編が述べるとおり、これらの公式は樹形図や表で調べる過程から導かれるものです。条件を読み違えると公式の選択自体を間違えるため、まず小さい数で樹形図を描いて答えを確かめ、公式の値と一致するかを検算する順序をおすすめします。

樹形図と樹状図・系統樹はどう違いますか。

樹形図と樹状図は、数学の場合の数の文脈では同じ意味で使われる言葉です。系統樹は生物の進化の道筋を表す図で、枝の長さに変化量や年代の意味を持たせることがある点が違います。このほか、階層的クラスタリングの結合過程を表すデンドログラム、条件分岐で予測する機械学習の決定木、課題を分解するビジネスのツリー図があり、いずれも形は似ていますが読み取る対象が異なります。

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