OCI生成AI(OCI Generative AI)は、Oracle Cloud Infrastructure上でCohere・Meta・OpenAI・Google・xAIのモデルをAPIから呼べるマネージドサービスです。2026年10月時点で、日本国内でモデルを処理するのは大阪リージョンだけです。東京リージョンからは、2026年10月20日に始まったルーティングプロファイルを使えば、大阪などで処理されるモデルを呼び出せます。
この記事では、使えるモデルと大阪での提供状況、文字数課金とトークン課金が混在する料金、東京からの使い方、OpenAI互換APIとOCIネイティブSDKのコード、エージェントを作る2つの基盤を順に整理します。
まとめ:OCI生成AIの要点(2026年10月時点)
- チャットモデルはCohere Command A、Meta Llama 3.3/4、OpenAI gpt-oss、Google Gemini 2.5、xAI Grok 4.7などです。Grok 3と旧Grok 4系のオンデマンド提供は2026年8月15日に終わりました。
- 大阪でオンデマンド利用できるチャットモデルは、Command A、Llama 3.3 70B、gpt-oss-120b/20b、Gemini 2.5 Pro/Flashです。Llama 4は大阪では専用AIクラスタ限定で、Grokは大阪にありません。
- 課金単位はモデルで違います。CohereとMetaは入力と出力の合計文字数、gpt-oss・Gemini・Grokは100万トークン単位です。
- 国内で処理を閉じたいなら、大阪でホストされるCommand A・Llama 3.3 70B・gpt-ossを選びます。GeminiとGrokは外部ホストで、Geminiの処理はGoogleの世界各地の拠点で行われる場合があります。
- コードで新規エージェントを作るなら、OpenAI互換のResponses APIを使うEnterprise AI Agentsを第一候補にします。コンソール中心のRAG構築やBase DatabaseへのSQL実行が目的なら、Generative AI Agentsも候補です。旧来のGenerative AI Agentsのリリースノートは2026年2月5日で止まっています。
OCI生成AIで使える機能:モデル推論・エージェント・ガバナンス
OCI Generative AIは2024年1月にGAになったサービスです。公式ドキュメントの概要ページは、機能を「Enterprise AI Models」「Enterprise AI Agents」「Enterprise AI Governance」の3領域に分けています。
| 領域 | 主な機能 |
|---|---|
| Enterprise AI Models | チャット・埋め込み・リランク・OpenAI互換API |
| Enterprise AI Agents | Responses API・ホスト型アプリケーション・NL2SQL |
| Enterprise AI Governance | IAMポリシー・プライベートエンドポイント・APIキー・ガードレール |
名称には注意が要ります。Oracleの製品ページと価格ページは2026年10月時点で「OCI Enterprise AI」という名前を使っていますが、ドキュメント・API・SDKの名前は「OCI Generative AI」のままです。コンソールのメニューも「Analytics & AI」の「Generative AI」です。検索するときは両方の名前で探します。
OCI全体のサービス構成とコンピュートの料金はOCIのサービス構成と料金の実額をまとめた記事で扱っています。
OCI生成AIで使えるモデル一覧と大阪での提供状況
モデルの提供方式は、使った分だけ払う「オンデマンド」と、GPUを占有する「専用AIクラスタ」の2つです。同じモデルでもリージョンによって提供方式が違います。次の表は、Generative AI Models by Regionの大阪の列を2026年10月28日に確認したものです。
| モデル | モデルID | 大阪 | オンデマンド時の課金単位(専用は別料金) |
|---|---|---|---|
| Cohere Command A | cohere.command-a-03-2025 |
オンデマンド・専用 | 文字数 |
| Cohere Command A Reasoning/Vision | – | 専用のみ | – |
| Meta Llama 3.3 70B | meta.llama-3.3-70b-instruct |
オンデマンド・専用 | 文字数 |
| Meta Llama 4 Maverick/Scout | – | 専用のみ | 文字数 |
| OpenAI gpt-oss-120b | openai.gpt-oss-120b |
オンデマンド・専用 | トークン |
| OpenAI gpt-oss-20b | openai.gpt-oss-20b |
オンデマンド・専用 | トークン |
| Google Gemini 2.5 Pro/Flash | google.gemini-2.5-proなど |
オンデマンドのみ | トークン |
| Google Gemini 2.5 Flash-Lite | google.gemini-2.5-flash-lite |
なし | トークン |
| xAI Grok 4.7/4.6/4.3/4.20 | xai.grok-4.7など |
なし | トークン |
| Cohere Embed 4 | cohere.embed-v4.0 |
オンデマンド・専用 | 文字数 |
| Cohere Rerank 4.0 Fast/Pro | – | Fastは両方・Proは専用のみ | 1,000検索単位 |
チャットモデルの選び方と日本語対応
Command Aは最大256,000トークンの文脈を扱えますが、オンデマンドでは1回の回答が4,000トークンまでに制限されます。CohereのCommand Aのドキュメントは、日本語を含む23言語で動くよう学習したと説明しています。ファインチューニングには対応していません。
Grokは米国のアッシュバーン・シカゴ・フェニックスでオンデマンド提供されています。2026年9月25日にGrok 4.7(50万トークンの文脈・推論の深さを4段階で指定)、9月10日にGrok 4.6が加わりました。Grok 4.7の料金とAPIの違いはGrok 4.7の変更点と呼び出し方の記事で説明しています。
引退済みのモデルIDを書くと呼び出しは失敗します。Command R/R+(08-2024)は2026年7月30日、Llama 3.1 405BとLlama 3.2 90B Visionは8月3日、Grok 3系とGrok 4・4 Fast・4.1 Fast・Code Fast 1は8月15日にオンデマンド提供が終わりました。Gemini 2.5の3モデルは2027年1月28日より前には引退しないとされています(Model Retirement Dates)。
埋め込み・リランクと持ち込みモデル
RAGの検索に使う埋め込みはCohere Embed 4です。テキストは英語と多言語に対応し、画像入力は英語のみです。検索結果の並べ替えにはCohere Rerank 4.0を使います。埋め込みモデルを日本語で選ぶ基準は埋め込みモデルの仕組みと日本語モデルの選び方にまとめています。
表にないモデルを使う場合は、Model Importの対応モデルと必要なハードウェア形状を確認し、対応するモデルを専用AIクラスタに取り込みます。2026年9〜10月だけでも、Qwen3.8、DeepSeek V4.1 Flash、Gemma 4、GLM-5.3、NVIDIA Nemotron 3.5などが取り込み対象に加わりました。2026年9月23日には、リージョンごとに使えるモデルをAPIで調べるModel Discovery(list-model-discovery)も追加されましたが、コンソールからは使えません。
東京からOCI生成AIを使う方法:ルーティングプロファイル
東京(ap-tokyo-1)は、OCI Generative AIのドキュメントで「ローカルのモデル処理がないリージョン」に分類されています。2026年10月20日に30のOC1商用リージョンでルーティングプロファイルが使えるようになり、東京もその1つです。それまでは、東京のテナンシーでも大阪にリージョンを切り替えて使う必要がありました。
ルーティングプロファイルは、1つのオンデマンドモデルと、そのモデルを処理するターゲットリージョンの組み合わせです。東京のコンソールで「Generative AI」の「Routing profiles」からプロファイルを作り、たとえばopenai.gpt-oss-120bとターゲットに大阪を選びます。公式の手順では、東京のPlaygroundのモデル欄でプロファイルを選ぶか、APIのmodelにプロファイルのOCIDを指定します。
- 使えるのはオンデマンドだけです。専用AIクラスタのモデルはルーティングできません。
- 対応するAPIはChat API、OCI Chat Completions API、OCI Responses APIで、モデル側がそのAPIに対応している場合に限ります。
- リクエストの転送先はプロファイルで選んだターゲットリージョンに限定されます。国内で推論するには、大阪だけを指定し、かつ大阪のOCI内でホストされるモデルを選びます。Geminiなど外部ホストのモデルは別途、処理場所の確認が必要です。
- 東京では、ホスト型デプロイ・プロジェクト・APIキーなど、Enterprise AI AgentsとGovernanceの一部の機能も使えます。
2026年9月23日には、利用者が選んだリージョンの範囲でオンデマンド推論を振り分けるSmart Model Routerも追加されています。日本リージョンでの選定を他社と比べる場合は、Azure OpenAIの日本リージョン選定の記事が東日本・西日本で使えるモデルを整理しています。
データの処理場所で選ぶ:国内で閉じるモデルと外部ホストのモデル
OCI経由で呼んでも、すべてのモデルがOCIの中で処理されるわけではありません。モデル選定より先に、データをどこで処理してよいかを決めます。
| モデル | 処理する場所 | 国内処理の要件 |
|---|---|---|
| Command A・Llama 3.3 70B・gpt-oss | 大阪のOCI | 満たせる |
| Gemini 2.5 | Googleの拠点(世界各地の可能性) | 満たせない |
| Grok 4.x | xAIの拠点 | 満たせない |
Geminiについて、モデル・リージョン一覧の注記は、アジア太平洋からの呼び出しはGoogleのアジア太平洋へ送られる一方で「Machine Learning Processing can take place within any Google location globally」と書いています。xAI Grokは、API Keysのページに「hosted externally by xAI」とあり、呼び出すとxAIの拠点への通信になります。契約や社内規程で処理場所を国内に限っている案件では、この2系統を選択肢から外します。
もう1つの判断材料はスループットです。オンデマンドのレート制限はテナンシーの利用実績と需要で動的に変わり、上限値は公開されていません(On-Demand and Dedicated Modes)。社内向けの問い合わせ窓口のように一定の同時処理数を約束するシステムでは、オンデマンドだけで設計せず、専用AIクラスタを前提に見積もります。
OCI生成AIの料金:文字数課金とトークン課金
次の単価は、Oracleの公開価格API(cetools)から2026年10月28日に取得した米ドル建ての従量課金です。契約前にCloud Price Listで最新の値を確かめてください。
| 品目 | 単価(USD) | 単位 |
|---|---|---|
| Command A(Large Cohere) | 0.0156 | 1万文字 |
| Llama 3.3 70B(Large Meta)・Llama 4 | 0.0018 | 1万文字 |
| Embed 4(Embed Cohere) | 0.0010 | 1万文字 |
| gpt-oss-120b 入力/出力 | 0.15/0.60 | 100万トークン |
| gpt-oss-20b 入力/出力 | 0.07/0.30 | 100万トークン |
| Gemini 2.5 Flash 非音声入力/テキスト出力 | 0.30/2.50 | 100万トークン |
| Gemini 2.5 Pro 入力/出力(入力20万トークン未満) | 1.25/10.00 | 100万トークン |
| Grok 4.7 入力/出力(Short Context) | 2.00/6.00 | 100万トークン |
| Rerank 4 Fast/Pro | 2.00/2.50 | 1,000検索単位 |
文字数課金の数え方と試算
CohereとMetaのモデルは、課金の説明ページのとおり、チャットでは入力の文字数と出力の文字数の合計を、1文字=1トランザクションとして数えます。日本語でも英語でも1文字は1文字です。
1回あたり質問1,000文字と回答1,500文字のやり取りを月1万回行うと、合計2,500万文字です。Command Aでは2,500×0.0156で月39.00ドル、Llama 3.3 70Bでは2,500×0.0018で月4.50ドルになります。トークン課金のgpt-oss-120bで同じ回数を見積もるときは、自分のプロンプトをそのモデルのトークナイザーで数えてから掛け算します。入力1,000トークン・出力1,500トークンなら、月に入力1,000万トークンで1.50ドル、出力1,500万トークンで9.00ドルです。
専用AIクラスタと持ち込みモデルの最低利用時間
OCIが提供する事前学習モデルとそのファインチューニング済みモデルを専用AIクラスタでホストする場合、ホスティング用クラスタは744ユニット時間の最低コミットが必要です。31日分という換算は1ユニットの場合です。ファインチューニングは1ジョブにつき1ユニット時間からです。Model Importで持ち込んだモデルのクラスタには744ユニット時間の縛りがなく、最低請求時間は1時間です。1時間あたりの単価は、GPUの種類(A10・A100・H100・H200・B200など)とユニット数で変わるので、コストエスティメーターで構成を指定して出します。
APIの呼び出し方:OpenAI互換エンドポイントとOCIネイティブSDK
呼び出し口は2つあります。OpenAI SDKの接続先を差し替えて使うOpenAI互換エンドポイントと、OCIのPython SDKなどから呼ぶネイティブAPIです。互換エンドポイントのベースURLはhttps://inference.generativeai.<リージョン>.oci.oraclecloud.com/openai/v1です。
互換エンドポイントの認証には、Generative AIのコンソールで作るAPIキーを使います。これはOCI IAMの公開鍵ペアとは別物で、使うモデルと同じリージョンで作る必要があります。API Keysのページが対応モデルとして挙げるのはMeta Llama・xAI Grok・OpenAI gpt-ossで、Cohereは含まれていません。Command AはネイティブSDKで呼びます。
以下のコードは、openai 3.40.0とoci 2.189.0(Python 3.12)で、OpenAI互換APIのリクエスト組み立てと模擬応答の読み取り、OCIネイティブSDKのクラスとデータ構造をローカルで確認しています。OCIのテナンシーへの接続試験はしていないので、APIキーやOCIDは自分の環境の値に置き換えてください。
OpenAI SDKによる大阪のgpt-oss呼び出し
import os
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
base_url="https://inference.generativeai.ap-osaka-1.oci.oraclecloud.com/openai/v1",
api_key=os.environ["OCI_GENAI_API_KEY"], # Generative AIのAPIキー(大阪で作成)
)
res = client.chat.completions.create(
model="openai.gpt-oss-120b",
messages=[{"role": "user", "content": "OCIの大阪リージョンを1文で説明して"}],
)
print(res.choices[0].message.content)
送信先は/openai/v1/chat/completionsになり、APIキーはAuthorization: Bearerヘッダーで送られます。
Responses APIによる東京のルーティングプロファイル呼び出し
import os
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
base_url="https://inference.generativeai.ap-tokyo-1.oci.oraclecloud.com/openai/v1",
api_key=os.environ["OCI_GENAI_API_KEY"], # 東京で作成したAPIキー
project=os.environ["OCI_GENAI_PROJECT_OCID"], # Generative AIのプロジェクトOCID
)
res = client.responses.create(
model=os.environ["OCI_ROUTING_PROFILE_OCID"], # ターゲット=大阪のプロファイル
input="OCIの大阪リージョンについて3行で説明して",
)
print(res.output_text)
projectに渡した値はOpenAI-Projectヘッダーとして送られます。modelにはモデル名ではなくプロファイルのOCIDを入れます。
OCIネイティブSDKによるLlama 3.3 70B呼び出し
import os
import oci
from oci.generative_ai_inference import GenerativeAiInferenceClient
from oci.generative_ai_inference import models as m
config = oci.config.from_file() # ~/.oci/config のIAM鍵を使う
client = GenerativeAiInferenceClient(
config,
service_endpoint="https://inference.generativeai.ap-osaka-1.oci.oraclecloud.com",
)
details = m.ChatDetails(
compartment_id=os.environ["OCI_COMPARTMENT_OCID"],
serving_mode=m.OnDemandServingMode(model_id="meta.llama-3.3-70b-instruct"),
chat_request=m.GenericChatRequest(
messages=[m.UserMessage(content=[m.TextContent(text="こんにちは")])],
max_tokens=200,
),
)
res = client.chat(details)
print(res.data.chat_response.choices[0].message.content[0].text)
ネイティブSDKでは、MetaやOpenAIのモデルにGenericChatRequestを使い、Cohereには専用のCohereChatRequest(V2もある)を使います。SDKのGenerativeAiInferenceClientには、chatのほかにembed_text・rerank_text・apply_guardrailsがあります。複数社のモデルを1つの書き方で呼び分けたい場合は、LiteLLMで複数LLMを1つのAPIにまとめる方法も選択肢です。
OCI生成AIでエージェントを作る2つの基盤
OCIでRAGやAIエージェントを作る基盤は2系統あります。2024年9月25日にGAになったOCI Generative AI Agentsと、2026年3月31日にOCI Generative AIの機能としてGAになったEnterprise AI Agentsです。
| 判断軸 | Generative AI Agents | Enterprise AI Agents |
|---|---|---|
| 作り方 | コンソール+ADK | コード(OpenAI SDK) |
| 主なAPI | Agent Runtime API | OCI Responses API |
| RAG | RAGツール | File Search+Vector Stores |
| SQL | 生成と実行 | NL2SQL(生成のみ) |
| MCP | ADKのMCPClient | MCP Calling |
| 最新のリリースノート | 2026年2月5日 | 2026年10月27日 |
Generative AI Agentsのツールと大阪の上限
Generative AI Agentsでは、RAG・SQL・エージェント(別のエージェントを呼ぶ)・関数呼び出し・APIエンドポイント呼び出しの5種類のツールをエージェントに持たせます。RAGのナレッジベースには、Object Storage・Oracle Database・HeatWave MySQL・OpenSearchを使えます。Object Storageに置けるのはPDF・txt・JSON・HTML・Markdownで、1ファイル100MBまでです。
大阪で使うときは、1エージェントあたりのツール数に注意します。Limits and Limitationsによると、フランクフルト・ロンドン・シカゴは20個、アッシュバーン・サンパウロ・大阪は5個で、引き上げは申請できません。RAGとSQLに関数呼び出しを4つ足す設計は大阪では1つに収まらないので、エージェントツールで役割ごとに分けます。テナンシーのエージェント数の既定値は2なので、検証用と本番用を作ると枠が埋まります。
Enterprise AI AgentsのResponses APIと対応モデル
Enterprise AI Agentsの中心はOpenAI互換のOCI Responses APIで、File Search・Code Interpreter・Function Calling・MCP Callingのツールと、Files・Vector Stores・Containers・Conversationsの周辺APIを持ちます。2026年10月20日には一時的なLinux作業環境のSandboxes、10月27日には長い会話の文脈を圧縮するコンパクションが加わりました。
注意点は対応モデルです。Models and Regions for Enterprise AI Agentsでは、OpenAI互換ツール向けの基盤モデルとしてGemini 2.5、gpt-oss、Grok 4.3/4.20系を挙げています。別枠のxAI互換ツールではGrok 4.6も対応します。Command AとLlamaは掲載されていません。持ち込みモデルではQwen3.6-35B-A3BとGemma 4 31Bが使えます。国内処理の要件があるエージェントは、大阪のgpt-ossを使う構成が現実的です。提供リージョンは大阪を含む9つです。
これから作るならEnterprise AI Agentsを選びます。2026年のMCP対応・持ち込みモデル対応・Sandboxesはすべてこちらに入っています。Generative AI Agentsの提供終了は告知されていないので、動いているエージェントを急いで移す必要はありません。ただし、Object StorageのPDFをコンソール操作だけでRAGにしたい場合と、Base DatabaseにSQLを実行させたい場合は、Generative AI Agentsのほうが手早く作れます。MCPサーバー側の作り方はMCPサーバーの作り方とAIエージェントへの接続手順、RAGの工程設計はRAGパイプラインの工程設計の記事を参照してください。
Generative AI Agentsの単価は、入力・内部のモデル処理・出力の合計1万文字あたり0.003ドル、ナレッジベースの保存は1GB・1時間あたり0.0084ドル(730時間で約6.13ドル)です。Enterprise AIのVector Storeは保存が1GB・1時間あたり0.0042ドル、検索が1,000リクエストあたり0.20ドルです。OCI上の生成AIで社内文書の検索や問い合わせ対応を組む場合は、生成AI導入支援でモデル選定と処理場所の要件整理から支援しています。
OCI生成AIを試す手順:無料トライアルとPlayground
OCIのFree Trialは、300ドルのクラウドクレジットを最大30日間使えます。Generative AIはAlways Freeの対象リソース一覧に載っていないので、トライアル期間を過ぎると従量課金のアカウントでなければ使えません。Always Freeの範囲はOracle Cloud Free Tierの無料枠の記事で確認できます。
- コンソールでリージョンを大阪にするか、東京でルーティングプロファイルを作ります。
- 「Analytics & AI」の「Generative AI」から「Playground」を開き、モデルを選んでコードを書かずに試します。
- 掲載したOpenAI互換APIの例では、Generative AIのAPIキーを作り、IAMでその権限を設定します。OCIネイティブSDKの例ではIAM認証を設定します。OpenAI互換APIでも、本番利用には公式が推奨するIAM認証を検討します。
- 2026年9月3日からは、IAMポリシーの
target.model.id条件で、使わせるモデルを絞れます。外部ホストのモデルを禁止したい組織はここで制限します。
よくある質問
OCIの生成AIとは何ですか?
Oracle Cloud Infrastructureのマネージドサービス「OCI Generative AI」です。Cohere・Meta・OpenAI・Google・xAIのモデルを、オンデマンドか専用AIクラスタで呼び出せます。製品ページでは「OCI Enterprise AI」と呼ばれています。
OCI生成AIは東京リージョンで使えますか?
東京にはモデルの処理基盤がありませんが、2026年10月20日からルーティングプロファイルを作れば、東京のPlaygroundやAPIから大阪などで処理されるオンデマンドモデルを呼べます。専用AIクラスタは対象外です。
OCI生成AIで使えるLLMは何ですか?
2026年10月時点のチャットモデルは、Cohere Command A系、Meta Llama 3.3/4、OpenAI gpt-oss-120b/20b、Google Gemini 2.5 Pro/Flash/Flash-Lite、xAI Grok 4.7/4.6/4.3/4.20です。大阪でオンデマンド利用できるのはこのうちCommand A、Llama 3.3 70B、gpt-oss、Gemini 2.5 Pro/Flashです。
Oracle Generative AI Agentsとは何ですか?
2024年9月にGAになった、コンソールでRAG・SQL・関数呼び出しのエージェントを組むOCIのサービスです。2026年3月にはOpenAI互換のResponses APIを使うEnterprise AI Agentsが別にGAになり、新機能はそちらに追加されています。
OCI生成AIは無料で使えますか?
Always Freeの対象ではありません。Free Trialの300ドル分のクレジット(最大30日)の範囲で試せます。その後は文字数またはトークン数に応じた従量課金です。