ブロックチェーンがマーケティングを変えると盛んに言われた2018年前後から、8年が経ちました。広告費の中抜きがなくなる、顧客データを消費者が自分で持つ、ポイントがブランドを越えて流通する。どれも当時は説得力のある話でしたが、2026年時点で残った用途は当初の想定とかなり違います。この記事では、期待されたことと実際に起きたことを一次資料で突き合わせ、広告・小売の現場でブロックチェーンを検討する価値があるのはどこかを整理します。
まとめ
- 広告取引の透明化は、ブロックチェーンではなくads.txtやsellers.jsonという公開テキストファイルと、ログレベルデータの突き合わせで実装されました。
- 全米広告主協会(ANA)の実測では、DSPに投じた広告費のうち品質要件を満たす配信に充てられた割合は2023年の36%から2025年第1四半期に41%へ5ポイント改善しました。ANAはその主因をMFA(広告収益目的のサイト)への出稿減としており、MFAへの出稿比率は15%から0.4%へ下がっています。分散台帳の導入によるものではありません。
- 物流分野の代表例だったTradeLensは2022年11月29日に終了が発表されました。理由は技術ではなく、業界全体の参加が集まらず事業として成立しなかったことです。
- 小売・製造のトレーサビリティでブロックチェーンが残ったのは、規制がデータ共有を義務づけた領域です。EU電池規則は2027年2月18日から電池パスポートを義務化しますが、その設計思想は「全公開」ではなく閲覧者ごとの3層アクセス制御です。
- 日本のウラノス・エコシステムでも実装にブロックチェーンが使われていますが、その役割は台帳の共有ではなく開示範囲の制御です。データ本体は各社の領域に暗号化して保管されます。
- コスト削減が成立するのは、複数企業の突合作業が実在し、その照合コストが台帳の運用コストを上回る場合に限られます。自社完結の用途では下がりません。
以下、それぞれの根拠を一次資料で確認していきます。
ブロックチェーンがマーケティングで期待された役割と、2022年以降に残ったもの
2018年前後に期待された3つの役割
マーケティング文脈でブロックチェーンに期待されたのは、大きく3つでした。ひとつめは広告取引の透明化です。広告主が払った金額のうちどれだけが実際の配信に使われたかを、すべての参加者が同じ台帳で確認できるようにするという構想でした。ふたつめは消費者データの自己主権化で、個人が自分の属性データを保有し、企業に提供するたびに対価を受け取るモデルです。3つめがロイヤリティプログラムのトークン化で、企業を越えてポイントを交換・流通させる仕組みを指します。
いずれも「中央の管理者がいなくても信頼できる記録が共有できる」という性質を前提にしていました。技術の説明としては正しいのですが、この前提が事業として成立するには、競合関係にある複数の企業が同じ台帳に書き込むことに合意する必要があります。実際に躓いたのはここでした。記録をどこに置くか(オンチェーンとオフチェーンの使い分け)の基礎はオンチェーンとは?オフチェーンとの違い・仕組み・使い分けをわかりやすく解説で整理しています。
大型プロジェクトの撤退が示した限界
サプライチェーン領域で最も知られていたTradeLensは、2018年にIBMとA.P. Moller – Maerskが共同で立ち上げたブロックチェーン基盤の貿易プラットフォームでした。2022年11月29日、両社はこのプラットフォームの提供終了を発表し、2023年第1四半期末にオフラインとなっています。
注目すべきは終了理由です。Maerskで事業プラットフォームを統括するRotem Hershko氏は、TradeLensが「事業継続に必要な商業的成立性の水準に達しなかった」と述べ、あわせて「業界全体での完全な協調という必要条件が達成されなかった」と説明しました。処理速度やセキュリティといった技術的欠陥が理由として挙げられたわけではありません。競合他社が同じ台帳に参加する動機を作れなかったことが、撤退の直接の理由でした。
この構図はマーケティング用途にもそのまま当てはまります。広告取引の透明化が価値を持つのは、中間に立つ事業者が自らのマージンを台帳に開示したときですが、それは開示する側にとって収益減を意味します。技術で解けるのは「記録が改ざんされないこと」までで、「そもそも記録してもらえるか」は解けません。普及が進まなかった構造的な理由はWeb3.0が普及しない理由と将来性|スケーラビリティ・UX・規制の課題を現実的に整理でも扱っています。
広告におけるブロックチェーン|透明化を実装したのは公開ファイルと実測データ
広告費の中間コストが失われる地点
広告費の中抜き問題は、ブロックチェーン待ちにはなりませんでした。全米広告主協会(ANA)は、参加広告主のログレベルデータを突き合わせる形で実測を続けています。同協会のProgrammatic Transparency Benchmark(2025年第1四半期版)によれば、取引コストとメディア生産性の損失を差し引いたあと、DSPに投じた1ドルのうち消費者に届くのは41.0セントです。
| 時点 | TrueAdSpend指数(1ドルあたり到達セント) | 備考 |
|---|---|---|
| 2023年(ANA初回調査) | 36.2 | 基準値 |
| 2024年第4四半期 | 43.9 | 従来集計 |
| 2025年第1四半期 | 41.0 | CTVを集計対象に追加 |
ANAは2023年から2025年第1四半期までの5ポイントの改善について、その主因をMFAサイトへの出稿減少と説明しています。コストウォーターフォール上でMFAサイトに向かった広告費の比率は、2023年調査時の15%から0.4%まで下がりました。
一方、2024年第4四半期の43.9から41.0への低下は、配信品質が悪化したからではありません。コネクテッドTVを集計に含めた結果、計測不能・ビューアブルでない在庫の比率がそれぞれ3.8ポイント・3.5ポイント上がったことが要因です。同期間の取引コストはむしろ29.8%から26.1%へ3.7ポイント下がっています。透明性の指標そのものが、何を測定範囲に含めるかの定義に依存しているわけです。
2026年2月25日に公表された2025年第4四半期版では、指標の見せ方が変わりました。平均値ではなく広告主間のばらつきが示され、品質管理を徹底した広告主は投じた費用の56.7%を基準を満たす配信に転換できた一方、下位層は37.5%にとどまっています。同じ市場・同じ技術を使っても、運用の規律で20ポイント近い差がつくということです。
ここで効いたのは分散台帳ではなく、広告主がDSPと広告検証事業者の双方からログレベルデータを取り寄せてインプレッション単位で突合するという、地道な照合作業でした。
ads.txtとsellers.jsonが公開ファイルで解いた本人確認
「この広告枠を売る権利を本当に持っているのは誰か」という問題は、広告詐欺の中心にあります。これに対する業界の解は、IAB Tech Labが策定したads.txtでした。媒体社が自サイトのドメイン直下に、自社の在庫を販売する権限を持つ事業者を列挙したテキストファイルを置くだけの仕組みです。買い手はそのファイルを読めば、正規の売り手かどうかを確認できます。
アプリ向けにはapp-ads.txtが同じ考え方で用意されています。ads.txtとapp-ads.txtの共通仕様であるバージョン1.1では、OWNERDOMAINとMANAGERDOMAINという2つの値が追加されました。これにより、販売事業者を申告するsellers.jsonと組み合わせて、媒体社の所有関係・運営委託関係まで追跡できます。
技術的には、公開されたテキストファイルとその参照にすぎません。分散合意もトークンも使っていません。それでも普及したのは、導入する媒体社の側にコストがほとんどかからず、参加しないと買ってもらえないという非対称なインセンティブがあったからです。TradeLensが作れなかった参加動機を、ads.txtは持っていました。
規制と第三者認証が担う透明化
日本では制度側からの整備が進んでいます。総務省は2025年6月9日、「デジタル広告の適正かつ効果的な配信に向けた広告主等向けガイダンス」を公表しました。デジタル広告ワーキンググループでの検討を踏まえたもので、2025年4月2日から5月2日まで意見募集を経ています。広告主が自ら取引の適正性を確認する体制を求める内容で、国内では初めてのガイダンスです。
民間側の枠組みが、一般社団法人デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)による認証です。日本アドバタイザーズ協会・日本広告業協会・日本インタラクティブ広告協会の広告関係3団体が2020年12月に設立を表明し、2021年3月1日に設立、同年4月1日に事業を開始しました。2026年2月13日には品質認証事業者が200社を超えたと公表されています。広告主は発注先が認証を受けているかを登録者リストで確認できます。
透明性を担保する主体が、分散台帳から「規制と第三者認証」へ移ったと見るのが実態に近いところです。マーケティング手法全体のなかでの位置づけはマーケティング手法の一覧|代表的な種類と目的別の選び方を解説とあわせて確認してください。
BraveとBATに見る広告報酬トークン化の到達点
広告領域でトークンを使うモデルのうち、規模を保って運用が続いている数少ない例がBraveブラウザとBasic Attention Token(BAT)です。利用者はプライバシー保護型の広告を閲覧することを選べ、その対価としてBATを受け取ります。広告主には匿名集計の形で広告効果が提示されるため、個人を識別せずに効果測定が成立する設計になっています。
公式サイトが示すBAT Roadmap 4.0は、統合されたBrave WalletとBravePay、日常の買い物でBATが貯まるBrave Rewards Card、クリエイター報酬プロトコルの3本柱で構成されています。報酬の原資は、ウォレットやカード、決済事業の収益によるBATの買い戻しです。
ここで成立している理由ははっきりしています。Braveは広告の配信主体でありブラウザの提供者でもあるため、他社の合意を取り付けなくても仕組みを実装できます。業界横断の合意を必要とした構想が軒並み止まったのに対し、単一事業者が完結できる設計だけが残ったという対比です。トークンをファン向けの特典に使う事例はファントークンとは?仕組み・種類・買い方と日本での導入事例をわかりやすく解説で扱っています。
小売市場におけるブロックチェーンとトレーサビリティの現在地
小売トレーサビリティで普及が止まった理由
小売分野で最も引用されてきたのが、Walmartの食品トレーサビリティです。マンゴーの産地特定が7日から数秒に短縮されたという事例は、いまも多くの記事で紹介されています。
ただし、その後の展開はあまり語られません。PYMNTSは2022年、Wall Street Journalの報道として、2018年に始まったWalmart Food Traceability Initiativeで4年間に青果の追跡プラットフォームへ追加された品目が1つにとどまったと伝えています。Walmart自身が終了を発表したわけではありませんが、当初の想定どおりに対象品目が広がらなかったことは押さえておくべきです。
拡大が止まる理由は、実験段階では見えにくいところにあります。トレーサビリティの価値は参加していないサプライヤーがゼロになって初めて出ますが、サプライヤー側にはデータ入力の負担だけが増えます。1品目を追跡するために数十社に新しい業務を課すことになり、その調整コストが台帳技術の利点を上回ります。こうした調整コストを投資回収の観点から見積もる進め方は物流DX事例|倉庫・輸配送・情報連携の公表効果と投資回収の判断基準が参考になります。サプライチェーン管理の全体像はSCM(サプライチェーンマネジメント)とは?仕組み・効果・導入判断を実務目線で解説を参照してください。
EU電池規則の電池パスポートが定めた共有範囲
この状況を変えつつあるのが規制です。EU電池規則(規則 (EU) 2023/1542)は「デジタル電池パスポート」という独立した章を設け、第77条第1項で、2027年2月18日以降に上市または使用開始されるLMT用電池、容量2kWhを超える産業用電池、電気自動車用電池のそれぞれに電子的記録を持たせることを義務づけています。同じ2027年2月18日から、すべての電池にQRコードの表示も求められます。
設計上いちばん重要なのはアクセス制御です。附属書XIIIにもとづき、電池パスポートの情報は3つの層に分かれます。
| 層 | 閲覧できる主体 |
|---|---|
| 一般公開 | 誰でも |
| 限定公開 | 届出機関・市場監視当局・欧州委員会 |
| 正当な利益 | 解体・再生・リサイクル事業者など正当な利益を持つ者 |
ここが実務上の分岐点です。旧来のブロックチェーン解説は「ネットワークの全参加者が同じデータを共有する」ことを利点として説明してきましたが、規制が実際に求めたのは正反対の要件でした。企業秘密にあたる調達価格や取引先構成を晒さずに、当局と正当な利害関係者にだけ必要な範囲を開示する。この選択的開示をどう実装するかが設計の中心になります。台帳を全員で共有する構成では、そもそも要件を満たせません。
日本のウラノス・エコシステムとABtCの認定
日本側の受け皿が、官民協調のデータ連携の取り組みであるウラノス・エコシステムです。経済産業省は2024年9月2日、一般社団法人自動車・蓄電池トレーサビリティ推進センター(ABtC)を、情報処理の促進に関する法律第31条にもとづく「公益デジタルプラットフォーム運営事業者」として認定したと公表しました。同制度にもとづく認定はこれが初めての事例で、認定の適用日は2024年9月1日、認定期間は2026年8月31日までの2年間です。
認定審査事務は情報処理推進機構(IPA)が担い、審査では2024年7月23日にIPAが指定した「サプライチェーン上のデータ連携の仕組みに関するガイドラインβ版(蓄電池CFP・DD関係)」への準拠が確認されました。制度が求めているのは、安全性・信頼性・事業安定性・相互運用性の基準を満たす運営主体であって、特定の実装技術ではありません。実際、この経済産業省のリリースはABtCの基盤を一貫して「データ連携システム」と記述しています。
では実装にブロックチェーンは使われていないのかというと、そうではありません。ウラノス・エコシステムのファーストユースケースとしてNTTデータが2024年5月16日に提供を開始したバッテリートレーサビリティプラットフォームは、同社の報道発表によれば「ブロックチェーンのスマートコントラクト機能や自由なデータ流通機能等を高度に融合した共同利用型のサービス」です。
重要なのは、その使われ方が従来の解説と逆であることです。同発表はデータ主権の確保について、「ブロックチェーンのスマートコントラクト技術を用いて、ユーザーごとに独立した管理ができるデータ分散管理およびデータ所有者の開示指示に基づいてのみデータを連携する機構を実現」すると説明し、データ本体は「暗号化された状態で個社ごとの領域に保管し、データ所有者のみが閲覧可能」としています。台帳に全員分のデータを載せて共有するのではなく、データは各社の手元に置いたまま、誰に何をいつ開示するかの制御にスマートコントラクトを使う構成です。
ブロックチェーンの利点として長く語られてきた「参加者全員が同じデータを共有する」という説明は、少なくとも産業用トレーサビリティの現場では採用されていません。求められたのは共有ではなく、開示の制御でした。案件を検討するときは「ブロックチェーンで作るか」より先に「誰がどの範囲を閲覧できるか」を決めるほうが、要件定義として先に来ます。物流領域での投資判断は物流DX事例|倉庫・輸配送・情報連携の公表効果と投資回収の判断基準が参考になります。
ブロックチェーンでコスト削減が成立する理由と条件
コストが下がる条件
コスト削減が成立するのは、次の3つが同時に満たされる場合です。第一に、複数の企業がそれぞれ独自の台帳を持っていて、その突合作業が実際に人手で行われていること。第二に、その照合コストが、台帳を共同運用するコストを上回っていること。第三に、参加各社が書き込む動機を持っていることです。
電池パスポートのように規制が開示を義務づける領域では、第三の条件が制度によって満たされます。書かなければEU域内で売れないため、参加動機を市場側で作る必要がありません。これがいま実装が進んでいる領域の共通点です。
コストが下がらない条件
逆に、自社グループ内で完結する用途では下がりません。単一の主体がデータを管理していて構わない場面では、分散合意の計算・通信コストと運用体制がそのまま上乗せになります。改ざん検知だけが目的なら、データベースへの追記専用テーブルとハッシュチェーン、監査ログで足ります。この比較はブロックチェーンと従来のデータベースの違い|分散台帳とRDBを構造・改ざん耐性・性能で比較で構造面から整理しています。
「ブロックチェーンで中間業者を排除してコスト削減」という説明も、実態とはずれています。TradeLensで起きたのは中間業者の排除ではなく、中間業者が参加しなかったことによる撤退でした。中間業者が担っている与信・紛争解決・在庫リスクといった機能は、台帳を共有しても消えません。
マーケティング用途で採用を見送るべき場面
次のいずれかに当てはまるなら、ブロックチェーンの採用は見送るのが妥当です。
- 自社だけがデータを書き込む用途:会員ポイント、購買履歴、キャンペーン応募の管理。単一主体が管理して問題ない領域では、分散台帳は運用負荷を増やすだけです。
- 参加してほしい相手が競合、もしくは開示すると不利になる立場にある場合:広告の中間マージン開示がこれにあたります。技術ではなく利害の問題なので、実装しても書き込まれません。
- 個人データを載せたい場合:改ざんできないという性質は、削除できないことと表裏です。個人情報保護法やGDPRの削除請求と正面から衝突します。
- 目的が「先進性の訴求」である場合:2018年前後と違い、ブロックチェーンを使っていること自体はもはや話題価値を持ちません。
反対に、検討する価値があるのは、規制でデータ共有が義務づけられた領域、所有権の移転を記録する必要がある領域、複数事業者間の突合コストが実測できている領域です。デジタル資産の所有記録という用途についてはNFTアートとは?仕組み・作り方・販売と市場の現状をやさしく解説で扱っています。
よくある質問
ブロックチェーンのマーケティング利用はもう終わったのですか?
用途が絞り込まれたと表現するのが正確です。業界横断の合意を前提にした構想(広告取引の共通台帳、企業を越えたポイント流通)はほぼ止まりました。一方で、単一事業者が完結できる設計(BraveとBAT)と、規制がデータ共有を義務づけた領域(EU電池規則の電池パスポート)では実装が続いています。
広告におけるブロックチェーンで、アドフラウドは減りましたか?
アドフラウド対策として実際に効果を上げたのは、ads.txtやsellers.jsonによる正規販売者の確認と、MFAサイトへの出稿除外でした。ANAの実測では、品質要件を満たす配信に充てられた広告費の割合は2023年の36%から2025年第1四半期の41%へ5ポイント改善しており、ANAはその主因をMFAサイトへの出稿減としています。同期間にMFAサイトへ向かった広告費の比率は15%から0.4%へ下がりました。分散台帳の導入によるものではありません。
小売市場におけるブロックチェーンで、実際に動いている事例はありますか?
規制対応の領域が中心です。EU電池規則は2027年2月18日から電池パスポートを義務づけており、日本側ではウラノス・エコシステムの一環として、ABtCが2024年9月に「公益デジタルプラットフォーム運営事業者」の初認定を受けています。この基盤にはブロックチェーンのスマートコントラクトが使われていますが、役割はデータの共有ではなく、データ所有者の開示指示にもとづく連携の制御です。データ本体は各社の領域に暗号化して保管されます。
ブロックチェーンを導入するとコスト削減になる理由は何ですか?
複数企業がそれぞれの台帳を突き合わせる作業を人手で行っている場合、その照合コストが削減できるためです。逆にいえば、その突合作業が存在しない用途では削減効果は出ません。導入前に、現在その照合に何人日かかっているかを実測しておくと判断を誤りにくくなります。
SCMでブロックチェーンを使う場合、最初に決めるべきことは何ですか?
技術選定より先に、どの情報を誰に開示するかの区分を決めることです。EU電池規則の電池パスポートは、一般公開・当局のみ・正当な利益を持つ者のみという3層のアクセス制御を定めています。全参加者が同じデータを見る構成では企業秘密を守れないため、この区分が設計の前提になります。