CData Syncは、SaaSやデータベースのデータを、データベースやデータウェアハウス(DWH)へ定期的に複製するETL・ELTツールです。価格はStandardが年1,280,000円、接続を2つに絞ったプランが年640,000円で、さくらのクラウド経由なら月66,000円(税込)から月単位で使えます。この記事では、公式ドキュメントの版26.4(2026年10月29日時点)と価格ページの記載をもとに、費用の決まり方、導入から最初のジョブ実行までの手順、差分同期の仕組みと運用で効く既定値を順に整理します。
まとめ
- 価格はStandardが年1,280,000円、2コネクション限定プランが年640,000円。ProfessionalとEnterpriseは個別見積です。さくらのクラウドでは月額66,000円(Standard)から使えますが、サーバーとディスクの料金は別にかかります。
- Standardの上限はコネクション5+、月1億レコード、ユーザ5、CPUコア8。1ジョブでデータソースと同期先の2コネクションを消費します。
- 動作要件はRAM 4GB以上(大量処理は8GB以上)とJDK 17以降。管理画面は既定でポート8181です。
- 差分の取り方は、更新日時などを見る差分チェックカラムと、ログを読むCDCの2つ。CDCに対応するデータソースは12種類です。
- 26.4のドキュメントでは、CDCエンジンの停止条件が「ステージ10GB」からディスク空き容量の監視に変わり、スケジュールは1ジョブ3本まで持てるようになりました。
- 削除の反映は既定で同期先の行を消すHard Delete。履歴を残したいならジョブ作成時にSoft Deleteかヒストリーモードを選びます。
CData Syncとは?SaaSとDBのデータをDWHへ複製するETL/ELTツール
CData Syncは、米国のCData Software社が開発するデータレプリケーションツールです。同社はSalesforceやkintoneなどへODBC・JDBCで接続するドライバー製品で知られています。Syncはそのドライバー群を土台に、抽出したデータを別のデータベースへ定期的に書き込むところまで受け持ちます。ドライバーが「その場でSQLを投げるための接続口」、Syncは「向こう側のデータを自社のDWHへ寄せておく仕組み」と考えると違いがはっきりします。
データソースは244、同期先は43(26.4の日本語ドキュメント)
製品ページの表記は「250以上の利用可能なソース」です。実際に何が使えるかは公式ドキュメントで数えられます。CData Syncの公式ドキュメントの版26.4(日本語)には、データソースの個別ページが244本、同期先が43本あります。ほかにCSVなどのファイル系データソース向けに、ファイルの置き場所を指定する接続タイプが10種類(Azure Blob Storage、Google Drive、SFTP、SharePoint Onlineなど)用意されています。
データソースには、SalesforceやNetSuiteのような海外SaaSに加えて、kintone、Garoon、Sansan、Backlog、クラウドサイン、スマレジ、PCA会計、au PAY マーケット、Yahoo!ショッピングといった国内サービスが並びます。国内SaaSを集約する場合は、必要なサービスのコネクタが揃っているかを比較すると、個別API実装が必要な範囲を判断できます。
同期先はSnowflake、Google BigQuery、Amazon Redshift、Databricks、Azure Synapse、SQL Server、Oracle、PostgreSQL、MySQL、ClickHouse、Amazon S3など、DWH・データベース・オブジェクトストレージが中心です。ここにApache KafkaやAzure Event Hubsといったメッセージ基盤と、Salesforce・kintone・HubSpotなど書き戻し先としてのSaaSが加わります。
提供形態は自己ホストとSync Cloudの2系統
価格ページの「ご提供形態」は、オンプレミスや自社のクラウド環境へインストールする形と、CDataがホストするフルマネージドのSync Cloudの2つです。Sync Cloudには制約があり、SAP ERP、CSV(同期先)、Teradata、Quickbooks、Infomix(公式表記のまま)の各コネクタは使えません。dbt連携もSync CloudではSaaS版のdbt Cloudのみで、dbt Coreには対応しません。SAP ERPコネクタが必要な場合や、dbt Coreで変換を組んでいる場合は自己ホストを選びます。
CData Syncの価格:Standardは年1,280,000円
公開されている金額はStandardだけで、上位プランは見積もりです。CData Syncの価格ページの記載を並べると次のとおりです。
| 項目 | Standard | Professional | Enterprise |
|---|---|---|---|
| 価格 | 1,280,000円/年 | 個別お見積 | 個別お見積 |
| 2コネクション限定 | 640,000円/年 | 設定なし | 設定なし |
| コネクション数 | 5+(限定プランは2) | 10+ | 20+ |
| レコード数 | 1億レコード/月 | 制限なし | 制限なし |
| ユーザ数 | 5 | 制限なし | 制限なし |
| CPU Cores (vCPU) 数 | 8 | 8+ | 8+ |
コネクション数とCPUコア数はアドオンで調整できると注記されています。接続先が6つになった時点で上位プランへ移る必要はありません。価格ページにはこの上限とは別に機能の対応表もあり、ロールベースアクセス管理、クラスタリング構成、シングルサインオン、Gitバージョン管理などにプラン差があります。必要な機能が下位プランに入っているかは、金額と合わせて確認してください。
Standardの月1億レコード上限と差分同期
プランを分ける項目のうち、運用中に膨らむのはレコード数です。数えられるのは同期したレコードなので、全件洗い替えを続けるテーブルは毎回テーブル全体の行数を消費します。差分レプリケーションが効いていれば変わった行だけで済むため、上限に対する余裕は差分が効くかどうかで桁が変わります。Standardの枠に収める設計は、そのまま同期時間とDWHの課金を抑える設計でもあります。
2コネクション限定プランの接続数と追加時の制約
年640,000円の2コネクション限定プランについて、価格ページはコネクションを「利用できるデータソース/同期先の接続数」とし、「1ジョブで2コネクションを消費」という例を添えています。「SalesforceからSnowflakeへ」の1経路で枠が埋まるため、後からデータソースを1つ足したくなった時点で足りなくなります。
月単位の利用:さくらのクラウド版の月額
年契約の前に試したい場合や、移行作業の数か月だけ使いたい場合は、さくらのクラウド上のサーバーで利用することを前提に、マーケットプレイスで月単位の契約ができます。さくらのクラウドのCData Syncページの料金は、Standardが月額66,000円、Enterpriseが月額198,000円(いずれも税込)です。サーバーとディスクの料金は別途かかります。Standardを12か月使うとライセンス分は792,000円で、CDataの年額(1,280,000円)より低い数字になります。ただし、さくら版のページにはコネクション数やレコード数の上限が書かれておらず、プラン名が同じでも中身が同じとは限りません。長期で使う前提なら、上限値とサーバー費用を含めた総額を両方で見積もって比べてください。
CData Syncの使い方:インストールから最初のジョブ実行まで
流れは「インストールして起動」「ライセンスを登録」「接続を2つ作る」「ジョブを作って実行し、スケジュールを設定する」の4段階です。ライセンスは初回ログイン後、システム設定のライセンスタブで「新しいライセンスをインストール」から登録します。その先のレプリケーション設定はGUIで行え、SQLの記述は要りません。
動作要件:RAM 4GBとJDK 17
インストールと設定のページが挙げる要件は、推奨される最小RAMが4GB(大量のトラフィックが発生する場合は8GB以上)と、JDK 17以降です。Windowsのインストーラーで入れた場合はJDKが同梱され、標準インストールでは次のパスに置かれます。
C:\Program Files\CData\CData Sync\jre\jdk-17.0.19+10\bin\java.exe
メモリの割り当ては26.4で整理されました。メモリ管理のページによると、本体のSync JVMがシステムRAMの25%、データ移動を担うReplicate Agentとの合算でRAMの60%が既定です。Delta ParquetやApache Icebergへ書き込むLakeBridgeジョブは、この枠の外で1ジョブあたり4GBを使います。8GBのサーバーでLakeBridgeジョブを同時に2本走らせると、それだけで残り40%の枠を超える点に注意が必要です。合算の割合はMemoryBudgetPercentageで変えられます。
インストールと起動:Windowsはサービス、Linuxはservice.sh
Syncは組み込みのEclipse Jetty上で動くため、外部のアプリケーションサーバーは要りません。Windowsでは既定でサービスとしてインストールされ、スタートメニューのショートカットかコマンドで操作します。コマンドの場合はコマンドプロンプトでインストール先フォルダへ移動して実行します。開始はハイフン1つ、停止と再起動はハイフン2つでサービス名を付けます。
sync.exe -start
sync.exe --stop --ServiceName "CData Sync"
Linuxでは、展開したアーカイブのルートにあるservice.shでサービスを登録し、その後、利用するサービス管理方式に応じて有効化と起動を行います。起動後はブラウザで管理画面を開きます。待ち受けポートはsync.propertiesのcdata.http.portで、記載例は8181です。
http://localhost:8181/
本番ではsync.propertiesでTLSを有効にしてから公開します。同じファイルで、LDAP認証やアプリケーションデータベースの指定、機密値の暗号化も設定できます。
接続の作成からジョブ実行までの手順
はじめてのレプリケーションジョブの設定に沿うと、管理画面での操作は次のとおりです。
- 接続ページで接続を追加し、データソースタブから使うコネクタを選んでインストールする
- 接続情報を入力して「作成およびテスト」で疎通を確認する。同期先も同じ手順で作る
- ジョブページで「新しいジョブを追加」を選び、データソースと同期先を指定する。ジョブの種類の既定は「標準(個別設定)」
- ジョブのタスクタブで、複製するテーブルをタスクとして追加する
- 概要タブで差分の開始値(日付ベースか数値ベース)を決める
- タスクタブで実行するタスクにチェックを入れ、黒いタスクバーの「実行」をクリックする。成功の表示と同期先のテーブルを確認してから、概要タブでスケジュールを追加する
コネクタは使うものだけをその場でインストールする方式です。サーバーを社内ネットワークに置く場合、コネクタのダウンロードに外部への通信が要るかどうかを事前にネットワーク担当と確認しておくと、初日に止まらずに済みます。
差分レプリケーションの2方式:差分チェックカラムとCDC
初回のジョブで対象データを丸ごと取り込み、2回目以降は前回から追加・変更された分だけを取りに行きます。差分の取り方は2通りあり、どちらを使えるかはデータソース側の事情で決まります。
差分チェックカラムの条件:更新日時と増加する数値
1つ目の差分チェックカラムは、レコードが更新されるたびに値が増えるカラムを基準に、前回保存した最大値より新しい行だけを取ります。対象はLast Modifiedのような更新日時のdatetimeカラムか、更新のたびに値が増える数値カラムです。追加時にしか増えない自動採番IDを使うと、新しい行は拾えても既存行の更新は追跡できません。26.3からは、差分チェックカラムをソートして返せるデータソースで開始値の指定が不要になり、中断した実行は最後にコミットした値から再開するようになりました。
CDC対応データソース12種類と仕組み
2つ目のCDC(変更データキャプチャ)は、テーブルに問い合わせるのではなく、データベースが書き出す変更ログを読んで挿入・更新・削除を拾います。更新日時カラムが無くても差分が取れるのが利点です。変更データキャプチャのページで対応が示されているのは次の12種類で、データソース側でログや変更追跡を有効にしておく必要があります。
| データソース | 使用する仕組み |
|---|---|
| Oracle(Native) | Oracle LogMiner |
| SQL Server | CDCまたは変更の追跡 |
| PostgreSQL(Native) | 論理レプリケーション |
| MySQL・MariaDB | バイナリログ |
| DB2(Native) | 補足ロギング |
| DB2 for i(Native) | ジャーナリング |
| Informix(Native)・SAP ERP | 変更データキャプチャAPI |
| SAP Gateway | OData V4デルタトークン |
| SAP HANA | トリガーベースのCDC |
| Microsoft Dynamics 365 | 変更の追跡 |
SQL ServerでCDCと変更の追跡の両方が有効なテーブルでは、SyncはCDCを使います。SAP Gatewayは26.4で加わったソースです。CDCが効くのは基本的にデータベースと一部の業務システムで、SalesforceやkintoneのようなSaaSは差分チェックカラム側で扱います。「CDCでリアルタイムに近い同期ができる」という説明を見たら、繋ぎたいデータソースがこの表に入っているかを先に確認してください。
CDCエンジンの停止条件とディスク容量監視
CDCのうちニアリアルタイムで変更をストリームするソースは、CDCエンジンが変更イベントをステージングエリアへファイルとして溜めてから処理します。以前のドキュメントでは、ステージが既定10GBの上限に達すると全CDCエンジンが止まるという仕組みでした。26.4ではこの上限設定(stagemaxsize)が非推奨になり、ディスクの空き容量を見て止める方式に変わっています。
具体的には、ステージングフォルダとアプリケーションデータのディスク使用率が既定95%のしきい値に達するか、空き容量がsuspenddiskfreespacegb(既定10GB)を下回ると、ジョブスケジュールを一時停止し、実行中のCDCエンジンをすべて止めます。停止中は30秒ごとに容量を確認し、空きがしきい値を10%以上上回ると自動で再開します。ステージングファイルの破損を防ぐための仕組みなので、しきい値を0か100にして保護を外す設定は避けるべきです。CDCジョブを置くサーバーは、アプリケーションのディスクと別にステージ用の容量を見積もっておきます。
同期先のデータ管理:削除方式・履歴保存・型推論
既定値のままだと、同期先のテーブルは「元と同じ最新状態」になります。分析で過去の値や消えた事実を残したい場合は、ジョブを作る段階で選び直します。
削除の挙動3種と既定のHard Delete
Syncは削除されたレコードを、API呼び出しや変更の追跡機能を使ってデータソースから取得します。CDC専用の機能ではありません。検知した削除をどう反映するかは機能ページにある3択から選びます。
| 設定 | 同期先での扱い |
|---|---|
| Hard Delete(既定) | 行を削除する |
| Soft Delete | _cdata_deleted を true にする |
| Skip Delete | 削除を無視して行を残す |
監査目的で消えた事実を残すなら、ジョブ作成時にSoft Deleteへ変えておきます。APIの仕様上、削除を検知できないデータソースではこの設定自体が効きません。その場合の対処として、26.4では後述の定期再同期をスケジュールに組み込めるようになりました。
ヒストリーモードの履歴保存と最大5本の追加カラム
値の変遷を追うにはヒストリーモードを使います。通常は既存の行をマージして上書きしますが、ヒストリーモードでは更新のたびに新しい行を追加します。テーブル単位で有効化でき、同期先には_cdatasync_active、_cdatasync_start、_cdatasync_endなどのシステムカラムが最大5本追加されます。
派生オプションは2つあります。古い行を一切書き換えない「追記専用」は、Avro・CSV・Parquetの同期先では自動的に有効になります。「Include Before Update」は、更新前イメージに対応するCDCソースで使うオプションで、追記専用との併用も条件です。ヒストリーモードの前提は、差分チェックカラムがdatetimeであること、疑似カラムでないこと、ソーステーブルが主キーを持つことです(追記専用なら主キーは不要)。
型情報のないカラムに対するRowScanの型推論
SQL ServerやOracleのようにスキーマが明確なデータソースでは、型をそのまま同期先に作ります。CSVのように型情報を持たないソースでは、RowScanの走査範囲内で値を比較し、必要に応じて候補の型を広げて推論します。サイズ不明の文字列型の既定は2000で、SQL Serverが同期先ならvarchar(2000)になります。後から長文が流れてくる可能性があるカラムは、型を明示しておくほうが安全です。
ジョブの実行設計:スケジュール・並列処理・自動再試行
運用の勘所はジョブの概要タブに集まっています。
ジョブスケジュールの登録上限と実行間隔
ジョブのスケジューリングによると、間隔は分・毎時・毎日・毎週・毎月・カスタム(Cron式)から選びます。分の間隔は1、5、10、15、20、30分の6値だけで、正時起点です。Cron式では毎時0・7・14・21・28・35・42・49・56分などを指定できますが、この指定では時をまたぐ間隔が4分となり、常に7分間隔にはなりません。
26.4では1つのジョブに最大3つのスケジュールを持てるようになりました。平日は毎時、土曜は週1回のように、曜日や時間帯で頻度を変えられます。さらにスケジュールの1本を「定期的な再同期」にでき、スナップショットモード(差分・フル・スキップ)、開始位置、書き込みモード(DROP・TRUNCATE・MERGE)を指定します。削除を報告しないDynamics 365のようなソースで、週1回だけ全件を取り直して消えた行を反映する、といった使い方です。
注意したいのは重なったときの挙動です。実行中のジョブが間隔より長くかかると、次の実行はスキップされます。10分毎のジョブの1回が15分かかれば、その間の実行は行われません。同時実行が積み上がる事故は起きない反面、「10分毎のつもりが実質20分毎」という状態が静かに続くことがあるため、ジョブ履歴で実行時間を見ておきます。
並列処理のワーカープール設定とメタデータキャッシュ
概要タブの設定で並列処理を有効にし、ワーカープールに数を入れると、その数だけタスク(テーブル)を同時に処理します。テーブル数の多いジョブほど効きます。コネクタ単位のメタデータキャッシュも併用でき、リフレッシュ間隔の既定は毎時です。キャッシュはスキーマ変更をリアルタイムに検知しないため、カラムを追加したら手動でリフレッシュしないとレプリケーションエラーの原因になります。
自動再試行の対象と回数
ジョブの自動再試行を有効にすると、一部成功で終わったタスクや、タスクエラー・ネットワークの問題で失敗したタスクが再実行されます。再試行はそのジョブに対して一度だけで、キャンセルしたジョブは対象外です。瞬断は救えても恒常的な失敗には効かないので、メール通知とセットで設計します。
データ変換と書き戻し:ETL・ELT・リバースETL
変換には、同期先へ移す途中で処理するETL(In-Flight)変換と、全データを移してから同期先で実行するELT(Post-Job)変換があります。ELT側はSQL Transformationのほか、dbt Coreとdbt Cloudの既存プロジェクトを呼び出せます。前述のとおり、Sync Cloudではdbt Cloudのみです。個人情報のマスキングも変換オプションとして用意されています。
リバースETLの対応範囲:ソース7種・同期先7種
DWHに集めたデータを業務システムへ書き戻すリバースETLは、リバースETLのページにある組み合わせに限られます。
- ソース:Amazon Redshift、Google BigQuery、SQL Server、MySQL、Oracle、PostgreSQL、Snowflake
- 同期先:HubSpot、Kintone、Microsoft Dynamics 365、Sage Intacct、Salesforce、Veeva Vault、Zoho CRM
書き込みモードはInsert・Upsert・Update・Deleteから選びます。リバースETL全般の設計はリバースETLとは?同期モードと差分検出の仕組み・API制約から実装判断を解説【2026年版】で整理しています。
CData Sync 26.3・26.4の機能追加と互換性変更
公式ドキュメントは26.3の時期に、従来のオンラインヘルプ(cdn.cdata.com)からdocs.sync.cdata.comへ移りました。26.3は2026年7月のリリース(ビルド26.3.9734)です。主な追加は次のとおりです。
- Apache Dorisを同期先に追加。Apache Kafka同期先はスキーマレジストリが任意になった
- スナップショットの動作を選ぶ
SnapshotMode(Incremental・Full・Skip)を追加 - パイプラインのステップを並列実行できるようになった
- SQL Server CDCで複数のCDCインスタンスに対応し、スキーマ変更をまたいで取り込みが続くようになった
- 実行中のタスクで、同期先へコミットしたレコード数がリアルタイムに表示されるようになった
26.4の内容は、2026年10月29日時点では英語版のリリースノートに載っています(日本語の最新リリースノートは26.3の内容のまま)。運用に響くのは次の点です。
- ジョブあたり複数スケジュールと定期再同期(前述)
- CDCエンジンの停止条件をディスク空き容量の監視に変更し、
stagemaxsizeを非推奨に - 接続文字列やスクリプトの外で秘密情報を管理するVault(
{vault:item}の形で参照) - 大きなテーブルをDELETEではなくTRUNCATE TABLEで空にする
TruncateTableMode - パイプライン成功時のステータスが
SUCCEEDからSUCCESSに変わる破壊的変更。外部の監視スクリプトがこの文字列で判定しているなら修正が要る
MCPサーバーの読み取り専用診断ツールと接続条件
26.4のドキュメントにはリモートMCPサーバーのページがあり、Claude Desktop、GitHub Copilot、OpenAI CodexなどのMCPクライアントを実行中のSyncに繋げます。公開されるのは10個の読み取り専用の診断ツールで、ジョブや接続、ログを調べたり、稼働状態を確認したりできます。エンドポイントは/mcp.rscで、認証トークンを付けて接続します。読み取り専用なので、AIクライアントからジョブの設定を書き換えることはできません。失敗したジョブのログをチャットで要約させる、といった運用の補助に向いた機能です。
導入判断:向くケースと向かないケース
向く構成:国内SaaSの集約とRDBMS起点の差分同期
第一に、kintone・Garoon・Sansan・PCA会計など国内SaaSを含む複数のデータソースをDWHへ集めたい場合です。APIを叩くコードを書かずに済みます。第二に、オンプレミスのデータベースを社外のサービスに通したくない場合です。自社サーバーに入れて動かせます。第三に、Oracle・SQL Server・PostgreSQLを起点にした差分同期です。この3つはCDCとパラレルパーティション読み取りの両方に対応しているため、初回の全件取り込みを並列化で短くし、その後はログから差分だけを流す構成が組めます。こうしたDWH集約の基盤づくりを外部に任せたい場合は、データ分析基盤構築・MLOps構築支援のような構築支援を使う選択肢もあります。
避けるべき構成:CDCも差分チェックカラムも使えないテーブル
注意すべきは、CDCを使えず、必要な追加・更新を検知できる日時または数値の差分チェックカラムもない場合です。全件取得が必要になると、月1億レコードの上限にも同期時間にも響きます。契約前に、対象テーブルに差分チェックカラムとして使えるカラムがあるかを確認してください。
費用面では、同期経路が1本なら、まず年640,000円の2コネクション限定プランで必要な機能を満たせるかを確認します。単一のSaaSからDWHへ流すだけなら、iPaaSとETLの違いを実装視点で判定|連携方式5種の選定表と分岐条件で扱う他方式のほうが安く付く場合があります。目的が承認フローや通知を含む業務の自動化なら、データを複製する製品であるSyncは向きません。kintoneのデータ連携を実装視点で選ぶ|4方式の判定表とAPI制限の設計のように目的から方式を選び、オンプレミスの基幹システムとの接続が主眼ならDataSpiderとは?アダプタ棚卸しからScriptRunner実行・移行時期の逆算までを実装解説で扱う国産のEAI製品も比較に入れます。
よくある質問
CData Syncの価格はいくらですか?
Standardが年1,280,000円、コネクションを2つに限定したプランが年640,000円です。ProfessionalとEnterpriseは個別見積です。さくらのクラウドでは月額66,000円(Standard・税込)から月単位で使えますが、サーバーとディスクの料金が別にかかります。
CData Syncはどこの会社の製品ですか?
米国のCData Software社の製品です。日本では日本法人のCData Software Japanが販売とサポートを行い、日本語の製品ページとドキュメントを公開しています。
対応しているデータソースはいくつありますか?
製品ページの表記は250以上です。版26.4の日本語ドキュメントで数えると、データソースの個別ページが244本、同期先が43本あります。同期先はソースより少なく、DWH・データベース・オブジェクトストレージが中心です。
CData Syncのドキュメントはどこにありますか?
現在はdocs.sync.cdata.comで公開されており、版(26.2・26.3・26.4など)と言語を切り替えて読めます。以前のcdn.cdata.comのオンラインヘルプは古い版のものなので、仕様を確かめるときは使っている版に合わせてください。
CDCはどのデータベースで使えますか?
Oracle、SQL Server、PostgreSQL、MySQL、MariaDB、DB2、DB2 for i、Informix、SAP ERP、SAP Gateway、SAP HANA、Microsoft Dynamics 365の12種類です。データソース側でバイナリログや論理レプリケーションなどを有効にしておく必要があります。
ジョブが失敗したとき自動で再実行されますか?
自動再試行を有効にしておけば、失敗したタスクと一部成功で終わったタスクが一度だけ再実行されます。キャンセルしたジョブは対象外です。実行が次のスケジュール時刻に食い込んだ場合、その回はスキップされます。