DeepMindとOpenAIは、どちらも汎用人工知能(AGI)を掲げる研究組織として出発しました。一方、AnthropicはOpenAIを離れた研究者が2021年に立ち上げた会社です。いまは3社とも大規模言語モデルを企業に提供していますが、誰が会社を支配しているか、上場にどこまで進んでいるかは大きく違います。本記事では2026年11月1日時点の公式発表と、Anthropicが10月26日に米証券取引委員会(SEC)へ提出した登録届出書(Form S-1)の本文をもとに、3社の違いと関係を整理します。
まとめ:3社の違いと関係を設立順・支配の仕組み・上場の段階で比較
- 設立順:DeepMind(2010年)→OpenAI(2015年)→Anthropic(2021年)。DeepMindは2014年にGoogle傘下に入り、2023年にGoogle Brainと統合されて現在のGoogle DeepMindになりました。
- OpenAI:非営利のOpenAI Foundationが、営利の公益法人OpenAI Group PBCを支配する二層構造です。Microsoftが再構成時点で約27%を持った大株主で、2026年6月8日に非公開の登録届出書(S-1の草稿)を提出したと公表しました。
- Google DeepMind:独立した会社ではなく、上場企業Alphabetの社内組織です。資金調達も上場も、Alphabetとして行われます。
- Anthropic:OpenAI出身者が設立した公益法人(PBC)です。2026年10月26日に公開のS-1を提出し、Nasdaqにティッカー「ANT」で上場する計画を示しました。AmazonとGoogleは議決権のない株式で5%超を持つ出資者です。
関係を一言でいえば、OpenAIとMicrosoftは資本で、OpenAIとAnthropicは人で、Google DeepMindとAlphabetは組織としてつながっています。そのうえでGoogleとAmazonは、自社でAIを作りながらAnthropicにも出資しています(S-1によればMicrosoftも出資者です)。社内規定で利用できるクラウドが決まっている企業では、モデルの性能差より先に「そのクラウドから呼べるか」で候補が絞られる点も押さえておいてください。
| 項目 | OpenAI | Google DeepMind | Anthropic |
|---|---|---|---|
| 設立 | 2015年 | 2010年(DeepMind) | 2021年 |
| 法人の形 | 財団+公益法人(PBC) | Alphabetの社内組織 | 公益法人(PBC) |
| 取締役を選ぶ側 | OpenAI Foundation | Alphabet | LTBT(上場後は創業者LLCも) |
| 上場の段階 | 非公開申請を公表 | 親会社が上場済み | 公開S-1を提出 |
| 主な製品 | ChatGPT・GPT | Gemini | Claude |
設立の順番と系譜:DeepMind・OpenAI・Anthropicの成り立ちと人のつながり
DeepMind:2010年創業、2014年にGoogle傘下、2023年にGoogle Brainと統合
Google DeepMindは公式サイトの紹介ページで、自らを「Google BrainとDeepMindという2つのAI研究所を、Demis Hassabis CEOが率いる単一のチームに統合したもの」と説明しています。DeepMindは2010年に汎用AIを目指す研究所として始まり、Google Brainは2011年にGoogleのX(ムーンショット部門)で立ち上がりました。
DeepMindがGoogleに買収されたのは2014年1月で、2023年4月にGoogle Brainと統合されました。囲碁AIのAlphaGoはこの統合前のDeepMindの成果で、経緯はAlphaGo(アルファ碁)とは?仕組み・イ・セドル戦の解説と開発者たちの今後で扱っています。設立順を問われたら、DeepMindがOpenAIより5年早いと答えて差し支えありません。
OpenAI:2015年に非営利で設立、2019年に営利子会社、2025年10月に資本再構成
OpenAIは2015年に非営利組織として設立され、2019年に営利部門を設けました。2025年10月の資本再構成では、非営利側が「OpenAI Foundation」、営利側が「OpenAI Group PBC」という公益法人になりました。OpenAIの発表は「非営利は引き続き営利事業を支配する」と明記し、財団が持つ営利側の持分を約1,300億ドル相当としています。
Anthropic:2021年にOpenAI出身者を中心とする7人が共同創業
AnthropicのS-1は、同社が2021年に「AIの多くのブレークスルーを担った研究者のチーム」によって設立されたと述べ、共同創業者としてDario Amodei、Daniela Amodei、Tom Brown、Jack Clark、Jared Kaplan、Sam McCandlish、Christopher Olahの7人を挙げています。CEOのDario Amodei氏はOpenAIで研究担当バイスプレジデントを務め、GPT-2やGPT-3の開発を率いた人物です。「AnthropicとOpenAIの関係」とは、資本ではなくこの人の系譜を指します。
社名は「アンソロピック」と読みます。日本法人のAnthropic Japan合同会社も、自社配信のプレスリリースでこの表記を使っています。共同創業者のDaniela Amodei氏はStripeのインタビューで、社名を選んだ理由の一つは「anthropicが人間に関するという意味を持つこと」だと語っています。日本語の記事では「アンスロピック」という表記も見かけますが、指している会社は同じです。
資本と統治の比較:3社の取締役の選任権と大手テック企業の持分
3社を比べるときは、持分の大きさと、取締役を選ぶ権利を分けて確認してください。議決権のない株式では株主総会で取締役を選べませんが、資金の提供や計算資源の契約を通じた影響力は別に残ります。3社はこの2つの設計がまったく違います。
| 企業 | 取締役を選ぶ仕組み | 大手テック企業との資本関係 |
|---|---|---|
| OpenAI | 財団が任免権を単独で保有 | Microsoftが約27%(再構成時点) |
| Google DeepMind | Alphabetの経営判断に従う | Alphabetの一部門 |
| Anthropic | LTBTが過半数(上場後は残りを創業者LLC) | Amazon・Googleが無議決権で5%超 |
OpenAI:財団26%・Microsoft約27%(再構成時点)と財団の取締役任免権
OpenAIの組織構造ページによると、再構成の完了時点でOpenAI Foundationが26%、Microsoftが約27%を持ち、残る47%を現・元従業員と投資家が保有しています。財団は持分では筆頭ではありませんが、OpenAI Groupの取締役を任免する特別な権利を単独で持ちます。持分と支配権を分けて設計している点が、OpenAIの統治の核心です。
この比率は再構成時点のものです。OpenAIは2026年3月31日に1,220億ドルの資金調達を投資後評価額8,520億ドルで完了したと発表しており、Microsoftも2026年度(6月期)の年次報告書で、再構成とその後の資金調達によってOpenAIへの保有割合が下がり、転換後ベースで約25%になったと開示しています。「Microsoftが約27%」と書く資料は再構成時点の数字なので、時点を添えて使ってください。
Anthropic:長期利益信託(LTBT)の取締役選任権と創業者LLCの議決権50.1%(上場後の予定)
AnthropicのS-1は、上場後の統治を次のように説明しています。2023年に導入した長期利益信託(Long-Term Benefit Trust、LTBT)は、金銭的な利害を持たない5人の受託者で運営する設計で、特別な株式(Class T)を通じて取締役の過半数を選任・解任できます。さらに上場の直前に、共同創業者7人が構成員となるLLCへ特別な株式(Class F)を1株発行し、この1株に株主総会での議決権の50.1%を持たせる計画です。上場後は、LTBTと創業者LLCを合わせて取締役全員を選べる形になります。
出資者の側では、S-1は普通株転換後にAmazonとGoogleがそれぞれ発行済み株式の5%超を持つと記載しています。ただし両社が持つのは議決権のないClass N株です。転換社債の契約にも保有比率の上限があり、Amazonは資本の12%、Googleは14.99%(2026年の契約)を超えないように株式の発行を抑える条件です。この上限は、いずれも出資者の側が自らの判断で適用を外せる条件として書かれています。株式の種類が定めているのは株主総会での議決権だけです。S-1自身も、Amazon、Google、Microsoftの3社がAnthropicに多額の出資をしたうえで、計算資源の提供元であり、顧客でもあり、競合する企業にも出資しうるという「多面的で複雑な」関係だと説明しています。議決権がないことと、影響力がないことは同じではありません。
Google DeepMind:資金と人事を握るAlphabetの経営判断
Google DeepMindはAlphabetの研究組織で、外部の投資家から独自に資金を集める立場にはありません。研究の成果はGoogle検索、Workspace、Google Cloudといった既存の製品に組み込まれ、投資判断はAlphabetの経営と株主が下します。モデルの技術情報をどこまで公開するかもAlphabetの方針の範囲内で決まり、その実態はGemini 3のパラメータ数は非公開|開発元Google DeepMindとモデルカードの公開範囲で整理しました。
上場への動き:Anthropicは公開S-1、OpenAIは非公開申請の段階
「Anthropicは上場を選び、OpenAIは財団支配のまま」という見方は正確ではありません。OpenAIも上場の準備に入っており、違いは手続きの段階にあります。
Anthropic:6月の非公開申請から5回の修正を経て、10月26日に公開S-1
SECの提出書類一覧では、Anthropic, PBCは2026年6月1日に非公開の登録届出書(DRS)を出し、7月から10月にかけて5回の修正を重ねたあと、10月26日に公開のS-1を提出しています。Anthropicの発表によると、上場先はNasdaq Global Select Market、ティッカーは「ANT」で、募集する株数と価格帯は未定です。2026年11月1日時点で、価格帯を記載した修正版(S-1/A)は提出されていません。
S-1に記載された数字のうち、取引先審査で確認したいものは次のとおりです。
| 項目 | 数値 | 期間・時点 |
|---|---|---|
| 売上高 | 4,100万ドル | 2023年 |
| 売上高 | 3億8,600万ドル | 2024年 |
| 売上高 | 46億ドル | 2025年 |
| 売上高 | 163億ドル(前年同期12億ドル) | 2026年1〜6月 |
| 営業損失 | 6億9,300万ドル(前年同期21億ドル) | 2026年1〜6月 |
| 純損失 | 807億ドル | 2026年1〜6月 |
| 従業員数 | 約5,300人(2024年末は約940人) | 2026年9月30日 |
| 年間10万ドル以上の顧客 | 1万1,900社超 | 2026年9月30日 |
| 年間1,000万ドル以上の顧客 | 約250社 | 2026年9月30日 |
純損失807億ドルという数字だけを見て、資金繰りが危ういと判断するのは早計です。S-1によると、このうち724億ドルは転換社債などの公正価値の変動によるもので、企業価値の上昇に伴って帳簿上の負債が膨らんだ結果です。本業の赤字幅を示す営業損失は6億9,300万ドルで、前年同期の21億ドルから縮小しています。また、日本の読者にとって見落とせない記載として、S-1は今回の募集に日本での公募を含める一方、日本の取引所への上場は予定していないと明記しています。
OpenAI:2026年6月8日に非公開のS-1提出を公表、時期は未定
OpenAIは2026年6月8日、非公開のS-1を提出したと公表しました。発表文は「漏れると予想されるので先に発表する」としたうえで、「時期はまだ決めていない。非公開企業のほうが進めやすいこともあるので、しばらく先になるかもしれない」と述べています。非公開申請の段階では財務情報は公開されず、2026年11月1日時点でOpenAIの公開S-1はSECの一覧に載っていません。
OpenAIが上場しても、財団が取締役の任免権を持つ設計がどう引き継がれるかは、公開S-1が出るまで判断できません。報道で評価額や上場時期が先行しても、確定情報として扱えるのはSECの公開書類と各社の公式発表だけです。
人材の流れ:SignalFire 2025年調査に見るOpenAI・DeepMindからAnthropicへの移籍
「人でつながる」関係は、創業時だけの話ではありません。ベンチャーキャピタルのSignalFireが2025年5月20日に公表したState of Talent Report 2025によると、エンジニアがOpenAIからAnthropicへ移る可能性は逆方向の8倍、DeepMindからAnthropicへは約11倍でした。入社から2年後も在籍している人の割合は、Anthropicが80%、DeepMindが78%、OpenAIが67%(比較対象のMetaは64%)です。
この調査は2025年に公表されたもので、各社が出した人事統計ではなくSignalFireが独自に集計した推計です。在籍率は入社から2年が経った時点の数字で、その後の移籍の動きは反映していません。それでも、3社の研究者が互いの会社を行き来していること、とくにAnthropicに人が集まる傾向があったことは読み取れます。研究体制の詳細はAnthropic Instituteとは?Jack Clark率いる研究機関の4領域と公表成果【2026年10月】で扱っています。
モデルラインナップの比較:2026年11月時点の公式一覧で見る3社の階層
3社とも「最上位/上位の次点/バランス型/軽量」の階層を持っていますが、名前の付け方がまったく違います。下表は各社の公式モデル一覧(OpenAI・Gemini API・Claude)に2026年11月1日時点で載っている主要モデルです。
| 位置づけ | OpenAI | Google DeepMind | Anthropic |
|---|---|---|---|
| 最上位 | GPT-6 Astra | Gemini 4 Argon | Claude Fable 5.1 |
| 上位の次点 | GPT-6.1 Sol | Gemini 3.1 Pro(プレビュー) | Claude Opus 5.5 |
| バランス型 | GPT-6.1 Terra | Gemini 3.8 Flash | Claude Sonnet 5.5 |
| 軽量・低コスト | GPT-6 Luna | Gemini 3.5 Flash-Lite | Claude Haiku 5.5 |
OpenAIの一覧は、迷ったら「複雑な推論とコーディング向けのフラッグシップ」であるGPT-6 Astraから始め、知能とコストの均衡ならGPT-6.1 Sol、大量処理ならGPT-6 Lunaを選ぶよう案内しています。Anthropicは多くの用途でClaude Opus 5.5から始め、難しい推論や長時間のエージェント処理にFable 5.1を使うよう勧めています。Claudeの一覧に載る入力100万トークンあたりの料金は、Fable 5.1が10ドル、Opus 5.5が4ドル、Sonnet 5.5が2ドル、Haiku 5.5が0.10ドルからです。上の表は汎用モデルに絞っており、AnthropicにはこのほかにClaude Mythos 5.1があります。提供条件はClaude Mythosとは?最新版Mythos 5.1とFable 5.1の違い・使える条件・料金【2026年10月】を参照してください。
バージョン番号が新しさや上下関係を表さないケース
3社の比較で最も誤解しやすいのは、番号の大小で上下を決めてしまうことです。2026年11月時点の公式一覧には、その例が3社すべてにあります。
- OpenAI:最上位のAstraとLunaは「6」、SolとTerraは「6.1」です。公式の説明では6.1 Solは「Astraに近い性能を低コストで」であり、Astraより上ではありません。
- Google DeepMind:Flashは3.8まで進んでいますが、Pro系は3.1 Proがプレビューのまま残り、最上位は別系統のGemini 4 Argonです。
- Anthropic:Opus・Sonnet・Haikuは5.5ですが、最上位のFableは5.1です。
Flashは高速・低コスト帯、Proは高精度帯というように、系統(ティア)が先にあり、番号は系統ごとに独立して進みます。系統名を先に見てから、同じ系統の中で番号を比べてください。社内の選定資料には、モデル名と一緒に「何年何月時点の公式一覧か」を必ず書き添えることを勧めます。2026年8月から11月の3か月で、3社とも最上位モデルが入れ替わっています。
提供クラウドの違い:Azure・AWS・Google Cloudでの3社モデルの提供先
| 企業 | 自社API | 主要クラウドでの提供 |
|---|---|---|
| OpenAI | OpenAI API | Microsoft Foundry・Amazon Bedrock |
| Google DeepMind | Gemini API | Google Cloud(Vertex AI) |
| Anthropic | Claude API | Bedrock・Google Cloud・Foundry |
Claudeの公式モデル一覧は、各モデルのIDをClaude API、Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundry、Claude Platform on AWSのそれぞれについて載せています。OpenAIは「Azureだけ」という理解が古くなっており、AWSの発表では2026年9月8日にGPT-6 AstraがAmazon Bedrockで一般提供になりました。本稿で確認した範囲では、主力モデルを3大クラウドすべてで提供しているのはAnthropicだけです。Google Cloudは2025年8月13日にOpenAIのオープンウェイトモデルgpt-ossをVertex AIで提供すると発表しましたが、GPT-6 AstraなどのGPT主力モデルをGoogle Cloudで提供するという公式発表は見つかりませんでした。
ここで資本関係と提供経路が重なっている点に注意してください。AnthropicはAmazonとGoogleの両方から出資を受け、S-1によれば計算資源もAWS Trainium、Google TPU、NVIDIA GPU、AMD GPUを組み合わせて使っています。Bedrock上でClaudeとOpenAIのモデルをどう選び分けるかはAWS Bedrockのモデル選定|Claude・Nova・OpenAI・Gemmaの選び分けと切替判断で、Azure経由でOpenAIのモデルを使う場合はAzure OpenAI Serviceとは?ChatGPTとの違い・できること・料金・導入事例で詳しく扱っています。
安全性フレームワークの比較:しきい値の定め方と最新版の時点
3社とも、危険になりうる能力の水準と、それに応じた対策を整理した枠組みを公開しています。ただし、どこまでを自社の義務とし、どんな条件で対策を発動するかは各社で異なります。名称と最新版の時点は次のとおりです。
| 企業 | 枠組みの名称 | 最新版と時点 |
|---|---|---|
| OpenAI | Preparedness Framework | Version 2(2025年4月15日) |
| Google DeepMind | Frontier Safety Framework | 3.1(2026年4月17日) |
| Anthropic | Responsible Scaling Policy | 3.4(2026年7月8日発効) |
OpenAIのPreparedness Frameworkは、生物・化学、サイバーセキュリティ、AIの自己改善の3領域を追跡対象カテゴリとし、脅威モデルや評価手法の研究がまだ必要な領域を「Research Categories」として別に扱います。Google DeepMindのFrontier Safety Frameworkは、深刻な危害につながりうる能力水準をCritical Capability Levels(CCL)として定め、3.1では兆候を早めに捉えるTracked Capability Levels(TCL)を加えました。AnthropicのResponsible Scaling Policyは、2026年2月の3.0から構成を大きく変えました。業界全体に必要と考える対策の提言と、他社の動向に関係なく自社が実施する計画を分け、提言のほうは単独では約束できないと明記しています。ASL(AI Safety Level)の区分は現行の対策水準を示す用語として残っていますが、将来の能力水準について必須の対策リストを定める形はやめています。2026年だけで3.0から3.4まで5つの版が発効しました。
改訂日の新しさは、リスク対応の熱心さを直接示すものではありません。安全性ポリシーを調達審査に使うなら、3社それぞれ「いつ時点のどの版で判断したか」をそろえて記録してください。Anthropicについては、S-1でも安全対策がモデル公開の遅れにつながりうるとリスク要因に挙げています。国防総省との契約をめぐる対立の経緯はAnthropicとトランプ政権の対立とは?AI軍事利用で譲らなかった2つの条件と経緯で扱っています。
選定と調達での使い分け:クラウド・取引先審査・上場前後の判断基準
3社の最上位モデルは数か月ごとに入れ替わるため、「どれが一番賢いか」で選ぶと判断が安定しません。前提条件から絞るほうが実務的です。
- 既存のクラウドに寄せたい:Azure中心ならOpenAI、Google Cloud中心ならGemini。請求・権限管理・監査ログを既存基盤にまとめることが社内要件なら、要求精度を満たすモデルの中からそのクラウドで使えるものを選ぶのが近道です。AWS中心ならClaudeとOpenAIの両方をBedrockで選べます。
- クラウドを固定したくない:主力モデルを3大クラウドで提供しているClaudeが、移行の自由度で有利です。
- 取引先の財務情報を審査に使いたい:AnthropicはS-1で監査済みの財務諸表が読めるようになり、GoogleはAlphabetの開示で確認できます。OpenAIは公開S-1が出るまで財務の一次資料が限られます。
- 大量処理でコストを抑えたい:分類や定型項目の抽出のような処理なら、まずGPT-6 Luna、Gemini 3.5 Flash-Lite、Claude Haiku 5.5の軽量帯で試し、要求精度に届かないときだけ上位モデルへ上げる順番が費用を抑えます。
Anthropicの上場申請は、Claudeの利用を止めたり急に増やしたりする理由にはなりません。見直すべきなのは、料金・データの扱い・提供終了予定が変わったときです。Claudeの公式一覧には「この日より前には終了しない」という形で提供終了の約束日が載っており、Fable 5.1は2027年9月1日、Haiku 5.5は2027年10月7日以降です。更改計画はこの日付を起点に組めます。逆に、自社の代表的なタスクを10〜20件用意し、各社の同じ価格帯のモデルに同じ指示で通して結果を比べる検証は、どの時点でも有効な選び方です。
個人や部署でチャット型サービスを選ぶ段階なら、料金と学習設定の違いを対話型AIサービス比較とおすすめ|ChatGPT・Gemini・Claude・Copilotの料金・無料版・学習設定【2026年10月】で比べるのが近道です。全社でベンダーを1社に絞るか併用するか、どのクラウド経由で契約するかまで決めたい場合は、一創の生成AI導入支援で、代表タスクを使った比較検証から社内ガイドラインの整備まで一緒に進められます。
よくある質問
DeepMindとOpenAIはどちらが先に設立されたのですか?
DeepMindが先です。DeepMindは2010年、OpenAIは2015年に設立されました。DeepMindは2014年にGoogleに買収され、2023年にGoogle Brainと統合されて現在のGoogle DeepMindになっています。
AnthropicとOpenAIはどういう関係ですか?
資本関係のない別会社で、つながりは人です。AnthropicのCEOであるDario Amodei氏は、OpenAIで研究担当バイスプレジデントとしてGPT-2やGPT-3の開発を率いていました。2021年にOpenAI出身者を中心とする7人でAnthropicを共同創業しています。いまは企業向けのモデル提供で直接競合しており、AnthropicのS-1も主な競合としてGoogleとOpenAIを名指ししています。
Anthropicの読み方と社名の意味は?
「アンソロピック」と読みます。英単語のanthropicは「人間の、人類に関する」という意味の形容詞です。AIチャットのClaudeは「クロード」と読みます。
Anthropicは上場したのですか?日本から株を買えますか?
2026年11月1日時点では上場していません。10月26日にS-1を提出し、Nasdaqにティッカー「ANT」で上場する計画ですが、株数と価格帯は未定です。S-1は今回の募集に日本での公募を含めると記載していますが、日本の取引所への上場は予定していません。購入方法や時期は、効力発生後の目論見書と取扱証券会社の案内で確認してください。
3社のうちAGI(汎用人工知能)に最も近いのはどこですか?
公開情報から順位は付けられません。AGIには業界共通の到達基準がありません。3社の安全性フレームワーク(Preparedness Framework、Frontier Safety Framework、Responsible Scaling Policy)は危険な能力への対策を整理した文書で、AGIへの近さを測る物差しではなく、対策を発動する条件も各社で異なります。比べるなら、各社のモデルカードで同じ評価項目の結果と時点をそろえて見るのが現実的です。