Ubuntu(ウブントゥ)は、英Canonical社が開発するDebian系の無料Linuxディストリビューションです。現行の長期サポート版は2026年4月公開の「Ubuntu 26.04 LTS」で、デスクトップ版の最低メモリは4GBから6GBに上がりました。この記事では、Ubuntuの特徴と版の選び方、推奨スペックの確かめ方、ISOの検証からUSB起動・BIOS設定までのインストール手順、日本語化、そしてアプリセンター(App Center)で日本語が□(豆腐)や化けた文字になるときの直し方を、コマンド付きで説明します。アプリセンターの文字化けには、フォント不足とは別に、arm64機でしか起きない不具合と、検索欄で日本語入力が化ける不具合があります。数値と状況は2026年10月17日時点の公式情報で確認しました。
まとめ:Ubuntu導入前に押さえる推奨スペックと文字化け対策の要点
- どの版を入れるか:新規導入なら26.04 LTS(標準サポート2031年5月まで)。2026年10月15日に出た26.10は2027年7月までの9か月版なので、業務PCや1台目には向きません。
- 推奨スペック:26.04は2GHzデュアルコア・RAM 6GB・空き25GB。24.04 LTSはRAM 4GB。ISOは64bit(Intel/AMD用とARM用)だけです。
- インストール:ISOをSHA256SUMSで検証し、12GB以上のUSBに書き込んで起動します。ディスクが見えないときはBIOSのRST(RAID)設定、Windowsと並べるときはBitLockerを先に確認します。
- 日本語化:
language-pack-ja・fonts-noto-cjk・ibus-mozcを入れ、ロケールをja_JP.UTF-8にします。 - アプリセンターの文字化け:Intel/AMD機では、まずフォントと表示言語を確認します。検索欄で入力が崩れる場合は、別途IMEの問題を切り分けます。arm64機(Raspberry Pi、Apple Silicon上の仮想マシンなど)はフォントを入れても直らないFlutterの不具合で、2026年10月8日配信の更新で解消済みです。
sudo snap refresh snap-storeで更新してください。
Ubuntuの特徴:Debian系Linuxと26.04 LTS・26.10の違い
Ubuntuは、Linuxカーネルにデスクトップ環境やアプリを組み合わせた「ディストリビューション」の1つです。Debianのパッケージ形式(.deb)とAPTを受け継ぎ、GNOMEデスクトップ・日本語を含む翻訳・ハードウェアドライバの自動検出を最初から整えている点がDebianとの違いです。ライセンス費用はかかりません。Linux全体の仕組みと他のディストリビューションとの関係はLinuxとは?仕組み・ディストリビューション・サーバー用途を実装目線で解説で扱っています。
LTSと中間リリースの違い:26.04 LTSは2031年5月、26.10は2027年7月まで
Ubuntuは毎年4月と10月に新版を出し、偶数年の4月版がLTS(長期サポート)になります。Canonicalのリリースサイクル表と26.10のリリースノートに載っている期限は次のとおりです。
| 版 | 公開 | 標準サポート | Ubuntu Pro(ESM) | Legacyアドオン |
|---|---|---|---|---|
| 24.04 LTS | 2024年4月 | 2029年5月 | 2034年5月 | 2039年5月 |
| 26.04 LTS | 2026年4月 | 2031年5月 | 2036年5月 | 2041年5月 |
| 26.10(Stonking Stingray) | 2026年10月15日 | 2027年7月 | 対象外 | 対象外 |
26.10は新しいカーネル(7.3)やGNOME 51を早く使いたい人向けです。中間リリースは約6か月間隔で登場し、各版のサポートは9か月なので、期限までに後継版へ更新します。業務PCや学習用の1台目にはLTSを勧めます。ただし、LTSで対応していないハードウェアや新機能が必要なら、中間リリースを検討します。日本語のjp.ubuntu.comのダウンロードページは26.04.1の期限を「2031年4月まで」と書いていますが、リリースサイクル表は2031年5月です。
26.04 LTSで変わった点:カーネル7.0・GNOME 50・sudo-rs・Rust版coreutils
LTS利用者向けの変更点まとめによると、24.04から乗り換える人が気づく主な変化は次のとおりです。
- カーネルが6.8系から7.0へ、デスクトップがGNOME 46から50へ上がった。
sudoの実体がRust製のsudo-rsになり、従来版はsudo.wsという名前で残る。違いと元に戻す手順はsudo-rsとは|Ubuntu 26.04・26.10既定のRust製sudoとの違い・脆弱性・元に戻す手順にまとめています。- 基本コマンドがRust製のrust-coreutilsになった。ただし26.04では
cp・mv・rmの3つだけGNU版のまま残っている(26.10で全面Rust化)。 - 標準デスクトップはWaylandセッションのみになり、GNOMEをX.orgで起動する選択肢がなくなった。
- APTが2.7から3.1に上がった。
日常の操作でコマンドの書き方が変わる場面はほとんどありません。注意が要るのは、X.orgセッションを前提にした画面共有・リモート操作ツールです。業務で手放せないツールがあるなら、動作を確かめるまで24.04を使い続けてください。Waylandで何が変わるかはWaylandとX11の違いとは|構造・セキュリティ・確認方法と2026年の移行状況を解説で説明しています。新機能の全体像はUbuntu 26.04 LTS(Resolute Raccoon)とは|リリース日・新機能・24.04からのアップグレードを参照してください。
Ubuntuの推奨スペックを確認する:26.04と24.04 LTSのRAM・CPU・容量
デスクトップ版の要件比較:RAMは4GBから6GBへ
26.04 LTSのリリースノートは、快適に使う条件を「2GHzのデュアルコアCPU、最低6GBのRAM、25GBの空き容量」としています。24.04 LTS当時の公式ダウンロードページ(2024年10月の保存版)はRAM 4GBでした。差はメモリだけです。
| 項目 | 24.04 LTS | 26.04 LTS |
|---|---|---|
| CPU | 2GHz 2コア以上 | 2GHz 2コア以上 |
| RAM | 4GB | 6GB |
| ストレージ | 25GB | 25GB |
| ISO(Intel/AMD 64bit) | ― | 5.9GB |
| ISO(ARM 64bit) | ― | 3.9GB |
対応するCPUアーキテクチャを見ると、ubuntu.comのダウンロードページで配っているデスクトップ版ISOは「Intel or AMD 64-bit」と「ARM 64-bit」の2種類だけで、32bitのCPUには入りません。要件はどちらのISOでも同じです。
紛らわしいのは、日本語のjp.ubuntu.com/downloadが、26.04.1 LTSを配っている同じページで推奨システムを「4 GBシステムメモリ」と書いたままになっている点です(2026年10月17日に確認)。英語のページとリリースノートは6GBなので、4GBを見て「26.04で足りる」と判断しないでください。6GBは「下回ると快適に使えない」という目安で、インストーラーが4GB機を弾くわけではありません。それでもブラウザで数タブ開けばメモリは数GB埋まります。手元が4GBなら24.04 LTSか、XubuntuやLubuntuといった軽量デスクトップのフレーバーを選ぶほうが長く使えます。Ubuntu Studioなどのフレーバーはデスクトップ環境が違うので、要件は各フレーバーの公式サイトで確かめてください。
手元のPCが要件を満たすか確かめるコマンド
後述の起動USBでUbuntuを「試用」状態で立ち上げ、ターミナルで確かめると、Ubuntuから見えるハードウェアがそのまま分かります。
# 利用可能な処理単位数・アーキテクチャ・メモリ量・現在のルート領域の空き容量を確認する
# 試用環境のdfはインストール先ディスクの空き容量を示さない
nproc
uname -m
free -h
df -h /
# 無線LANとGPUがドライバ付きで認識されているか確認する
lspci -k | grep -A 3 -E 'Network|VGA'
nprocで使える処理単位の数、free -hのMem行のtotal欄でメモリ総量を確認できます。ただし、この2項目だけでは要件を満たすと判定できません。CPUの物理コア数・動作周波数も確認し、インストール先の空き容量はインストーラーのディスク選択画面で確かめてください。uname -mがaarch64ならARM版で、後述するアプリセンターの文字化けの確認が要ります。lspci -kの出力に「Kernel driver in use」の行がない無線LANやGPUは、インストール後に「追加のドライバー」アプリでドライバを入れます。
Ubuntuをインストールする:ISOの検証・起動USB・BIOS設定の手順
公式ISOのダウンロードとSHA256SUMSによる破損・改ざんの確認
ISOはUbuntu Desktopの公式ダウンロードページから入手します。26.04系の最初のポイントリリース26.04.1は2026年8月27日に出ています。ダウンロードしたISOの破損や改ざんを確認するため、書き込む前に公式の検証手順どおりにハッシュを照合します。
# ISOを置いたフォルダで、チェックサムと署名をダウンロードする
wget https://releases.ubuntu.com/26.04/SHA256SUMS https://releases.ubuntu.com/26.04/SHA256SUMS.gpg
# Ubuntuの署名鍵を取得し、SHA256SUMSが本物か検証する
gpg --keyid-format long --keyserver hkp://keyserver.ubuntu.com --recv-keys 0x46181433FBB75451 0xD94AA3F0EFE21092
# 鍵のフィンガープリントを表示し、公式の検証手順に載っている値と照合する
gpg --keyid-format long --list-keys --with-fingerprint 0x46181433FBB75451 0xD94AA3F0EFE21092
gpg --keyid-format long --verify SHA256SUMS.gpg SHA256SUMS
# ISOのハッシュを照合する(「OK」と出れば一致)
sha256sum -c SHA256SUMS 2>&1 | grep OK
gpg --verifyで「Good signature」と出ることに加え、署名鍵のフィンガープリントを公式手順の値と照合すると、Ubuntuの署名鍵によるチェックサム一覧であることを確認できます。Windowsだけで済ませる場合は、PowerShellでGet-FileHash .\ubuntu-26.04.1-desktop-amd64.iso -Algorithm SHA256を実行し、表示された値がSHA256SUMS内の同名ファイルの行と一致するかを突き合わせます。
起動USBを作る手順と12GB以上推奨の理由
現行の公式インストールチュートリアルは、USBメモリを12GB以上推奨としています。24.04向けの旧チュートリアルは8GB以上でしたが、Intel/AMD用ISOだけで5.9GBあるので、これから買うなら16GBの製品を選んでおくと迷いません。
- WindowsならRufus、macOSやLinuxならbalenaEtcherを公式サイトから入手する。
- USBを挿し、検証済みのISOとUSBを選んで書き込む。USBの中身はすべて消える。
- PCを再起動し、F12・F2・Esc・F10のいずれか(メーカーで異なる)で起動メニューを開いてUSBを選ぶ。
- 「Try or Install Ubuntu」を選ぶと、PCを変更しない試用状態でデスクトップが立ち上がる。
コマンドラインのddで書き込む方法や、1本のUSBに複数ISOを入れられるVentoyとの使い分けは、Arch LinuxのISOをUSBに書き込む手順|dd・Rufus・Ventoyの使い分けとインストールまでで比べています。
インストーラーの選択肢:ディスク消去・Windowsとの併存・手動構成
試用画面のインストーラーでは、言語・キーボード・ネットワークの後に「Interactive installation」(対話式)か「Automated installation」(設定ファイルで自動化)を選びます。個人のPCなら対話式で、アプリは「Default selection」で十分です。ディスクの扱いは次の3つから選びます。
- Erase disk and install Ubuntu:ディスク全体をUbuntu専用にする。いちばん失敗が少ない。
- Install Ubuntu alongside:既存のWindowsを残してデュアルブートにする。起動時にGRUBの画面でOSを選ぶ。
- Manual partitioning:パーティションを自分で切る。
/homeを分けたい場合などに使う。
デュアルブートの前には、Windows側の「ディスクの管理」でパーティションを縮小して空き領域を作り、データのバックアップを取っておきます。
インストーラーが先へ進まないときのBIOS・BitLocker設定
初心者がつまずく場所は、Ubuntu側よりもPCのファームウェア(BIOS/UEFI)とWindows側の設定です。症状ごとに見る場所が決まっています。
- インストール先のディスクが表示されない:ストレージがIntel RST(RAID)で動いている。公式ドキュメントのIntel RSTの項は、ファームウェアでRSTを切りAHCIに変える方法を案内しています。同じ文書が、RSTからAHCIに変えるとWindowsが起動しなくなる場合があると警告しているので、Windowsを残すならWindows側をAHCIで起動できるようにしてから切り替えます。設定項目の名前はメーカーごとに違います。
- 「Install Ubuntu alongside」で止まる:WindowsのBitLockerが有効だと、インストーラーはドライブの中身を読めません。公式チュートリアルはWindowsでBitLockerを無効化してからインストーラーをやり直すよう案内しています。回復キーを控えてから作業してください。
- 起動メニューにUSBが出ない:UEFI設定でUSB起動が許可されているか、起動順を確認します。Ubuntuは署名付きのブートローダーを使うため、通常はセキュアブートを切る必要はありません。仕組みはセキュアブートとは?UEFIが署名でOSの起動を守る仕組みと有効化・確認・サーバー運用まで実装目線で解説にあります。
USBに書き込まずに試す方法:VirtualBoxとWSL2
PCのディスクに手を入れたくない場合は、無料の仮想化ソフトVirtualBox(バーチャルボックス)とは|無料の仮想化ソフトの使い方・インストールにISOを読み込ませれば、デスクトップ版をウィンドウの中で動かせます。仮想マシンにも6GBのメモリを割り当てるため、ホスト側に16GB程度ないと両方が重くなります。Apple Silicon(M1以降)のMacで仮想マシンを作るときはARM 64-bit版のISOを使うことになり、次章のアプリセンターの文字化けに当たりやすい環境です。
デスクトップ画面は不要で、コマンドや開発環境としてUbuntuを使いたいだけなら、PowerShellでwsl --install -d Ubuntuを実行する方法が手軽です。違いはWSL2とは?WSL1との違い・仕組み・インストール手順で説明しています。
Ubuntuを日本語化する:翻訳・フォント・Mozcの導入とロケール設定
インストール時に日本語を選べば翻訳とフォントは入りますが、英語で入れた場合や最小構成で入れた場合は自分で足します。
日本語化の設定手順:翻訳パッケージ・Mozc・ロケール
次のコマンドは、システムとGNOMEの日本語の翻訳、日本語フォント、日本語入力(Mozc)をまとめて入れ、ロケールを日本語にします。使うパッケージはいずれも26.04の公式リポジトリ(language-pack-ja・language-pack-gnome-ja・fonts-noto-cjk・ibus-mozc)にあります。
sudo apt update
sudo apt install -y language-pack-ja language-pack-gnome-ja fonts-noto-cjk ibus-mozc
sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8
# 入力ソースを「日本語キーボード+Mozc」にする(GUIで設定する場合は不要)
gsettings set org.gnome.desktop.input-sources sources "[('xkb', 'jp'), ('ibus', 'mozc-jp')]"
# ログアウトして再ログインした後に確認する
locale | grep -E '^LANG='
GUIで行う場合は「設定→システム→地域と言語」で言語を日本語にし、「キーボード→入力ソース」に「日本語(Mozc)」を追加します。英字配列のキーボードなら'jp'を'us'に置き換えます。全角/半角キーで入力が切り替われば完了です。
Fcitx5に切り替える場合の手順とIBusのままにすべき場面
Ubuntuデスクトップの標準はIBusで、GNOMEに組み込まれているため追加設定なしで変換候補が正しい位置に出ます。古い記事に多いfcitx-mozcは旧世代のFcitx 4系向けで、今から入れるならfcitx5-mozcです。
sudo apt install -y fcitx5-mozc fcitx5-config-qt
# 入力メソッドの仕組みをFcitx5に切り替える
im-config -n fcitx5
# 再ログイン後、設定ツールで「Mozc」を入力メソッドに追加する
fcitx5-configtool
Fcitx5を選ぶ理由があるのは、KDEなどGNOME以外のデスクトップを使う場合と、特定のアプリでIBusの入力が効かない場合だけです。標準のGNOMEで困っていないなら、IBusのままにしてください。
アプリセンターの文字化けを直す:3つの原因の切り分けと対処
アプリセンター(App Center、snapの名前はsnap-store)はFlutterで作られたアプリで、文字化けの原因は3つに分かれます。どれに当たるかで直し方がまったく違うので、先に切り分けます。
| 症状 | 当たる環境 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|---|
| アプリセンター以外の日本語も□になる | 全機種 | 日本語フォント不足 | fonts-noto-cjkを入れる |
| メニューが英語のまま | 全機種 | 表示言語や翻訳パッケージの設定 | ja_JP.UTF-8にして再ログイン |
| アプリセンターだけ日本語が□になる | arm64機 | FlutterのARM64版の不具合 | snap-storeを更新する |
| 検索欄で入力した文字が重複・崩れる | Mozc利用時 | 検索欄とIMEの未解決の不具合 | 端末のsnap findで探す |
フォント不足とロケールの不一致を確かめるコマンド
まず、システム全体に日本語フォントがあるかとロケールを見ます。
# 表示言語と文字コードの設定を確認する(日本語以外のUTF-8ロケールでも日本語表示は可能)
locale
# 日本語を表示できるフォントが入っているか確認する(何も出なければフォント不足)
fc-list :lang=ja family | head -n 5
# CPUアーキテクチャを確認する(aarch64 ならarm64機の不具合を疑う)
uname -m
フォントもロケールも問題がないのにアプリセンターだけ□になるなら、フォント不足ではありません。フォントを入れ直しても直らないので、次の対処に進みます。
arm64機で日本語が□(豆腐)になる場合:Flutterの不具合とApp Centerの更新
Raspberry Pi、Apple Silicon上の仮想マシン、ARM版のノートPCなどarm64のUbuntuでは、アプリセンターやファームウェア更新アプリの日本語・中国語・韓国語がすべて□で表示される不具合がありました。2026年8月の報告(ubuntu/app-center #2175)では、ホストにNoto Sans CJKがあり、snapの中からもfc-list :lang=zhで89件のフォントが見えているのに□になると切り分けています。
原因はアプリ側ではなくFlutterのエンジンでした。flutter/flutter #180235の説明によると、ARM64 Linux向けのエンジンはx64版と違ってfontconfigを有効にせずにビルドされていたため、システムのフォントを探せませんでした。26.04のインストーラーでもarm64機で同じ□が出ており、Launchpadのバグ2146562に「The App Center is also displaying tofu, too.」というコメントがあります。
App Center側は、Flutterの修正版を待たずに回避策を入れました。#2182(2026年9月7日マージ)でsnapにfonts-noto-cjkを同梱し、#2187(9月17日マージ)でロケールに合わせて代わりのフォントを選ぶようにしています。#2182の時点では中国語用(SC・TC・HK)の字形しか並んでいませんでしたが、#2187で日本語ロケールならNoto Sans CJK JPを最初に使うよう変わりました。snap-storeの2/stableで2026年10月8日に配信されたリビジョン(amd64は1447、arm64は1448)は版表記が0+git.d7d3fbe8で、#2187のマージより後のコミットからビルドされているため、2つの修正が含まれています。
# 開いているアプリセンターを終了してから更新する
pkill snap-store
sudo snap refresh snap-store
# Tracking欄とRev欄を確認し、対象チャネルの修正版か照合する
# すでに最新版なら更新前後でRevは変わらない
snap list snap-store
更新後もファームウェア更新アプリ(firmware-updater)が□のままなら、同じ手順でsudo snap refresh firmware-updaterも実行します。Intel/AMD機でアプリセンターだけが□になることはこの不具合では起きないので、その場合は前の項目のフォントとロケールを見直してください。
検索欄で日本語入力が化ける場合:未解決の不具合と回避策
もう1つは表示ではなく入力の問題です。アプリセンターの検索欄でMozcを使って「しごと」と打って「仕事」に変換すると、「仕事しごとしごt…」のように変換前の文字が残って崩れる、という報告がubuntu/app-center #1148にあります。2023年3月の報告で、2026年10月17日時点でも未解決(open)のままです。
アプリセンターの検索欄では日本語で探さず、英語のアプリ名で検索するのが確実です。日本語の説明文から探したいときは、端末のsnap findを使えばIMEの問題を避けられます。
# 端末からsnapを検索して入れる(例:VLC)
snap find vlc
sudo snap install vlc
Ubuntuの基本的な使い方:GNOMEの操作と最初に覚えるコマンド
標準のGNOMEでは、Superキー(Windowsキー)を押してアプリ名を打てば検索できます。「ファイル」アプリではドラッグ&ドロップでコピーし、削除したものはゴミ箱に入ります。ディスプレイ・ネットワーク・ユーザー追加は「設定」アプリにまとまっています。
コマンドを使うと、手順をそのまま記録して再実行できます。最初は次の表の範囲で足ります。
| コマンド | 用途 |
|---|---|
| ls / cd / pwd | 一覧表示/移動/現在地確認 |
| cp / mv / rm | コピー/移動・改名/削除 |
| chmod / chown | 権限変更/所有者変更 |
| ps / top / kill | プロセス確認/監視/停止 |
| apt / snap | パッケージの導入・更新・削除 |
| sudo | 管理者権限で1回だけ実行 |
システム全体に関わる操作は、先頭にsudoを付けて自分のパスワードで管理者権限を借ります。オプションまで含めた一覧はLinuxコマンド一覧|用途別早見表48選とUbuntu 26.04での変更点にあります。
アプリの導入と更新:App Center・apt・Snapの使い分けとアップグレード手順
App Centerとaptの使い分け
LibreOffice、Firefox、VLC、Visual Studio Codeなどの無料アプリは、2通りの方法で入れられます。
- App Center:アプリを検索してボタンで入れる。主にSnap形式で、Visual Studio CodeやSlackのような提供元が公式に出しているアプリが探しやすい。
- apt:
sudo apt install vlcのように名前を指定する。Ubuntuのリポジトリにあるものを依存関係ごと入れられ、手順を記録しやすい。
リポジトリにあるものはapt、無いものはApp Centerと決めておけば迷いません。
apt update・upgrade・full-upgradeの違いとPPAの注意点
システムを最新に保つ基本は、sudo apt updateでパッケージ一覧を取り直し、sudo apt upgradeで更新を当てる2段です。古いパッケージの削除を伴う更新まで当てるならsudo apt full-upgradeを使います。Snapのアプリは自動で更新されますが、すぐ当てたいときはsudo snap refreshを実行します。
標準リポジトリに無いソフトはPPA(sudo add-apt-repository ppa:提供者/名前)で追加できます。ただしPPAは個人や有志の配布所で、Canonicalが中身を保証するものではありません。開発元の公式サイトが案内しているPPAに限って使ってください。
24.04から26.04 LTSへのアップグレード手順
24.04 LTSから26.04.1 LTSへの通常のアップグレードは、2026年9月29日のubuntu-announceで有効化されました。24.04を使っている人は次の手順で移れます。
# 現行版を最新にしてから、次のLTSへのアップグレードを開始する
sudo apt update && sudo apt full-upgrade -y
sudo do-release-upgrade
# 再起動後にバージョンを確認する
grep -E '^(NAME|VERSION)=' /etc/os-release
途中で止めると起動できなくなることがあるため、電源をつないで時間に余裕を取り、事前にホームフォルダをバックアップします。メモリが4GBの機械は、要件の差を考えると24.04に留まるほうが安全です。版の確かめ方はLinuxのバージョン確認:OS確認コマンドの早見表とos-release・unameの使い分けにまとめています。
Ubuntuの採用判断:業務アプリと端末管理への適合性
採用してよいのは、作業がWebブラウザ・文書作成・プログラミング学習・開発環境で完結する場合です。サポートの切れたWindows 10機でも、CPUとメモリが要件を満たせば26.04 LTSで2031年5月まで更新を受けられます。サーバーの練習台として、SSH接続と公開鍵認証まで手元で試すのにも向いています。
見送るべきなのは2つの場合です。1つ目は、Adobe系やMicrosoft 365のデスクトップ版、会計ソフトなど、Windows版しかない業務アプリが仕事の中心にある場合です。Wineや仮想マシンでの代替は動作保証がなく、業務が止まるリスクを負ってまで移る価値はありません。2つ目は、社内で必須のWindows向け管理ポリシーをUbuntuで実現できない場合です。IntuneはUbuntuにも対応するため、利用中という理由だけで除外せず、必要な管理機能への対応を確認します。管理の仕組みごと作り直す覚悟がないなら、Ubuntuは開発者の個人機に留めます。
個人のPCではなく、社内の検証環境や公開サーバーをUbuntu Serverでクラウド上に組む段階に進むと、OSの選定に加えてネットワーク設計・更新計画・監視が必要になります。一創のインフラ構築(AWS・Google Cloud・Azure)では、こうしたクラウド上のサーバー構築を設計から請け負っています。
Ubuntuのよくあるトラブルと対処:起動しない・ネット不通・日本語入力不可
- 起動しない・フリーズ:起動時にShift(UEFI機はEsc)を押してGRUBを出し、「Advanced options」から「recovery mode」へ入る。GRUB自体が壊れていれば試用状態のUSBから修復する。
- ネットにつながらない:
nmcli deviceで状態を見て、sudo systemctl restart NetworkManagerで再起動する。無線LANはドライバとPC本体の物理スイッチも確認する。 - 日本語入力できない:IBusなら「設定→キーボード→入力ソース」に「日本語(Mozc)」があるかを見る。Fcitx5なら
fcitx5-configtoolでMozcが入力メソッドに入っているかを見て、無ければ追加して再ログインする。 - aptがエラーで止まる:App Centerなど他の更新を終了し、
sudo dpkg --configure -aとsudo apt --fix-broken installで中断した処理を片付ける。 - 画面がちらつく・解像度がおかしい:「追加のドライバー」アプリから推奨のGPUドライバを入れて再起動する。
原因が分からないときは、journalctl -b -p errで今回の起動以降に記録されたエラーだけを一覧できます。
よくある質問
Ubuntuの読み方は?無料で使える?
「ウブントゥ」と読みます。ズールー語で「他者への思いやり」を意味する言葉が由来です。個人でも会社でもライセンス費用はかかりません。LTS版は標準で5年間のセキュリティ更新が無償で提供され、Ubuntu Pro(個人は5台まで無償)を有効にすると10年に延びます。
Ubuntuの推奨スペックは?古いPCでも動く?
26.04 LTSは2GHzのデュアルコアCPU、6GBのメモリ、25GBの空き容量が目安です。24.04 LTSはメモリが4GBで、ほかは同じです。メモリ4GBの古いPCなら、24.04 LTSか、XubuntuやLubuntuなどの軽量フレーバーを選びます。現行のISOは64bit版だけなので、32bitのCPUには入りません。
アプリセンターの日本語が文字化けします。直し方は?
システム全体で日本語が□になるなら、sudo apt install language-pack-ja fonts-noto-cjkとsudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8を実行して再ログインします。アプリセンターだけが□になるarm64機では、フォントを入れても直りません。sudo snap refresh snap-storeで2026年10月8日以降のリビジョンに更新してください。
Ubuntuのインストール方法は?USBは必要?
USBで実機に入れる場合、公式手順では12GB以上のUSBメモリを推奨しています。公式サイトからISOをダウンロードしてSHA256SUMSで検証し、RufusかbalenaEtcherでUSBに書き込んで、PCをUSBから起動します。USBを使わずに試したいならVirtualBoxなどの仮想マシンかWSL2を使います。
Windowsと一緒に使えますか?
使えます。インストーラーで「Install Ubuntu alongside」を選ぶとデュアルブートになり、起動時にどちらのOSを使うか選べます。BitLockerが有効な場合は、回復キーを控えてからWindows側で無効化します。ディスクが見つからないときはBIOSのRST設定を確認してください。