Amazon Location Serviceとは?地図・検索・ルート・追跡の機能と料金・Google Mapsとの違い【2026】
Amazon Location Serviceは、地図表示・住所検索・経路計算・位置追跡といった位置情報の機能を、AWS上でアプリに組み込めるサービスです。AWSを使う開発現場では、Google Maps Platformの代替候補になります。2024年11月にMaps・Places・Routesを直接呼び出せる新しいAPI群へ刷新されており、以前の使い方から変わった点もあります。この記事では、Amazon Location Serviceの機能・料金・使い方と、Google Mapsとの違いを最新情報で整理します。
まとめ:Amazon Location Serviceの要点
- AWSの位置情報サービス。地図(Maps)・検索/ジオコーディング(Places)・経路(Routes)・追跡(Trackers)・ジオフェンス(Geofences)を提供する。
- 現在はMaps/Places/Routesを直接呼び出せるスタンドアロンAPIが中心。以前のように地図リソースやPlace indexを事前作成しなくてよくなった。
- Placesは住所・POI・営業時間などの検索、Routesはライブ交通や通行料まで考慮した経路計算に対応する。
- 料金は前払い・最低料金なしの従量課金。月間利用が5,000ドルを超えると数量割引がある。
- AWS(IoT CoreやLambda)と組み合わせやすいのが強み。地図・検索の主要データはGoogle Mapsが優位な場面もあり、用途で選ぶ。
Amazon Location Serviceの位置づけ:AWSネイティブの位置情報基盤
Amazon Location Serviceは、位置情報にまつわる機能をまとめてAWSから使えるようにしたサービスです。地図を表示する、住所を座標に変換する、2地点間の経路と所要時間を出す、車両や人の現在地を追跡する、特定エリアの出入りを検知する——こうした「位置」に関わる処理を、自前で地図データや経路エンジンを持たずに実装できます。
提供機能は大きく5つに分かれます。地図表示のMaps、検索・ジオコーディングのPlaces、経路計算のRoutes、位置追跡のTrackers、そしてエリア監視のGeofencesです。AWSの一員なので、認証(IAM)や他サービスとの連携が前提から揃っているのが、独立系の地図サービスと違う点です。
主要API:Maps・Places・Routes(スタンドアロンAPIへ刷新)
以前と使い方が変わった点です。かつてのAmazon Location Serviceは、地図リソースやPlace index、Route calculatorといったリソースを事前に作成してから呼び出す方式でした。2024年11月に機能拡張された新API群では、Maps・Places・RoutesがそれぞれAPIとして独立し、直接呼び出せるようになっています。古い解説記事の「まずリソースを作る」手順は、新APIでは不要です。
| API | 役割 |
|---|---|
| Maps | 動的・静的な地図の描画。自前データの重ね合わせ |
| Places | 住所・POI・営業時間などの検索とジオコーディング/逆ジオコーディング |
| Routes | 経路計算・ETA・最適化。ライブ交通や通行料も考慮 |
刷新では、ルート最適化や通行料計算、GPS軌跡の道路スナップ、近接検索、入力補完(予測サジェスト)など多数のAPIが追加されました。CLIのサービス名もgeo-maps/geo-places/geo-routesに分かれています。たとえば住所や地名の検索は、次のように呼び出せます。
aws geo-places search-text --query-text "東京駅" --region ap-northeast-1
実行にはIAMの資格情報が必要です(Amazon Location ServiceはAPIキーではなくIAMで認可します)。アプリからはAWS SDK(JavaScript・Pythonなど)の各言語クライアントで同じAPIを呼び出せます。パラメータの詳細は変わり得るため、実装時はAWS公式のAPIリファレンスで最新の指定方法を確認してください。
追跡(Trackers)とジオフェンス(Geofences)
Trackersは、デバイスの位置を時系列で記録・更新する機能です。配送車両や作業員のスマホから位置を送り続ければ、現在地と移動履歴を管理できます。Geofencesは地図上に仮想の境界を引く機能で、対象がその内外に出入りしたときにイベントを発火させられます。「配送車が指定エリアに入ったら通知」「立入禁止区域を出たらアラート」といった監視を、位置監視のロジックを自前で書かずに実現できます。
この2つは、IoTデバイスと組み合わせると効果的です。デバイスからの位置データをAWS IoT Coreで受け取り、TrackersとGeofencesで監視・通知につなげる構成が、車両管理や資産追跡の定番になります。
Amazon Location Serviceの料金
料金は前払いや最低利用料がなく、使った分だけ支払う従量課金です。課金はAPIの種類ごと(地図の表示回数、検索リクエスト数、経路計算数、追跡・ジオフェンスの更新数など)に積み上がります。月間の利用額が5,000ドルを超える規模になると、数量割引が適用されます。
小さく始めて使った分だけ払える設計なので、試作や小規模から導入しやすいのが利点です。ただし課金単位はAPIごとに異なり、地図の表示が多いアプリと経路計算が多いアプリではコスト構造が変わります。正確な単価と無料枠の有無は変動するため、見積もりは公式の料金ページと料金計算ツールで確認してください。
Google Maps Platform・Mapboxとの違い
位置情報サービスの選択では、Google Maps PlatformやMapboxと比較されます。ざっくりした住み分けは次のとおりです。
| 観点 | Amazon Location Service | Google Maps Platform |
|---|---|---|
| 強み | AWS統合・IAM認証・従量課金 | 地図/POIデータの網羅性・知名度 |
| 向く場面 | 基盤がAWS・車両追跡やジオフェンス | 店舗検索・一般ユーザー向け地図 |
| 認証 | IAM(AWSの権限管理) | APIキー |
判断の軸はシンプルです。すでにAWSで基盤を組んでいて、IAMでの権限管理やIoT・Lambdaとの連携を活かしたいなら、Amazon Location Serviceが噛み合います。一方、日本国内の店舗・POIデータの網羅性が要件だと、現状のPlacesでは取りこぼす場面があり、その場合はGoogle Maps Platformが有利です。一般消費者に馴染んだ地図表示を最優先する場合も同様です。追跡・ジオフェンスを主目的にするならAmazon Location Serviceの守備範囲です。「AWSを使っているか」「地図データの網羅性と監視機能のどちらを重視するか」で選ぶのが実務的です。
よくある質問
Amazon Location Serviceで何ができますか?
地図表示(Maps)、住所・POI検索とジオコーディング(Places)、経路計算(Routes)、位置追跡(Trackers)、エリア出入りの検知(Geofences)ができます。位置情報に関わる処理をAWS上でまとめて実装できます。
以前と使い方が変わりましたか?
変わりました。現在はMaps/Places/Routesを直接呼び出すスタンドアロンAPIが中心で、これらの新APIでは以前のように地図リソースやPlace indexを事前作成する必要がありません。古い記事の手順は最新APIでは当てはまらない場合があります。
料金はどのくらいですか?
前払い・最低料金なしの従量課金です。地図表示・検索・経路計算・追跡などAPIごとに課金され、月5,000ドル超で数量割引があります。正確な単価は公式料金ページで確認してください。
Google Maps Platformとどちらを使うべきですか?
基盤がAWSで、IAM認証やIoT・Lambda連携、車両追跡・ジオフェンスを重視するならAmazon Location Serviceです。地図・POIデータの網羅性や一般ユーザー向け地図を最優先するならGoogle Maps Platformが有利な場面があります。
IoTデバイスの位置追跡に使えますか?
使えます。デバイスの位置をAWS IoT Coreで受け取り、TrackersとGeofencesで現在地の管理とエリア監視・通知につなげる構成が定番です。関連する内容として、LBSもご覧ください。