Google Vidsとは?無料でできる範囲と料金プラン別の上限・商用利用の条件【2026年8月版】
Google Vidsは、ブラウザ上で業務用の動画を作成・編集するGoogleのアプリです。2024年11月の一般提供開始から仕様が何度も変わり、いまは個人のGoogleアカウントでも無償で使える範囲があります。この記事では、無償で何がどこまでできるのか、プランごとに決まっている生成回数の上限、対応ブラウザとスマホの扱い、そして作った動画を業務や販促に使うときのストックメディアの許諾範囲までを、Googleの公式ドキュメントの記述に沿って整理します。
まとめ:無償枠は月50クレジットとAI動画クリップ10本、生成回数の上限はプランで決まる
Google Vidsの提供範囲は、2025年8月の無償版公開と2026年4月の生成AI開放で二段階に広がりました。現在の到達点を先に示します。
- 個人のGoogleアカウントでも基本エディタを使え、生成AI機能には毎月50クレジットが付与されます。AI動画クリップは月10本、AIアバターは月10個までです。
- Google AI ProはAI動画クリップが月50本、AIアバターが月100個。音楽生成は個人の無償アカウントでは使えず、AI Pro以上が条件です。
- 組織で使う場合はGoogle Workspace Business/Enterpriseのプランが対象で、上限はエディションごとに別建てで決まっています。
- 作成と編集はパソコンのブラウザ限定です。スマホは視聴のみで、外出先の端末だけで仕上げる運用は成立しません。
- 1本あたりの尺は2026年2月25日の発表で10分から30分へ拡大されました。Googleが用意するストックメディアは商用目的でも使えますが、素材単体の配布やロゴへの組み込みは禁止されています。
以下、プラン別の上限から順に、判断に必要な条件を具体的に見ていきます。
料金プラン別に決まっているGoogle Vidsの生成回数の上限
「Google Vidsは無料か」に一言で答えられないのは、無償枠の中身が2025年から2026年にかけて二度変わり、いまは機能ごとに回数上限が別建てで決まっているためです。公式ヘルプ「Google Vids における Gemini 機能の提供状況」が定める主要な数値を並べます。
| プラン | AI動画クリップ | AIアバター | 音楽生成(30秒/3分) |
|---|---|---|---|
| 個人のGoogleアカウント | 月10本 | 月10個 | 対応なし |
| Google AI Pro | 月50本 | 月100個 | 月50回/月20回 |
| Google AI Ultra(5倍) | 月250本 | 月125個 | 月250回/月100回 |
| Workspace Business Standard | 月50本 | 月25個 | 月20回/月10回 |
見落としやすいのは、個人の無償アカウントでもAIアバターが月10個まで使える点です。Google AI Pro以上でなければ触れないのはアバターそのものではなく、演出の作り込みと音楽生成のほうだと理解しておくと、無償枠で試す価値を見誤りません。各プランの月額は公式ページ側で地域や時期により変わるため、契約前にGoogle OneまたはGoogle Workspaceの料金ページで確認してください。
個人アカウントの毎月50クレジットとアクション別の単価
個人のGoogleアカウントで生成AI機能を使うと、回数上限とは別にクレジットを消費します。公式ヘルプは「毎月 50 クレジットを利用できます。上限は毎月 1 日の午前 0 時(太平洋時間)にリセットされます」と定め、他のユーザーとの共有も翌月への繰り越しもできないと明記しています。
単価は次のとおりです。Geminiに構成から作らせる動画作成サポートが1回の使用につき5クレジット、AIナレーションがナレーション1つにつき1クレジット、画像の生成と編集が画像アクション1回につき1クレジット、AIナレーション付きでスライドをVidsへ変換する操作が1回の使用につき5クレジットです。つまり動画作成サポートは月10回で枠を使い切ります。無償枠で試せるのは「作り込む」ではなく「型を掴む」までだと考えておくのが実態に近い見積もりです。
無償でVeo 3.1の生成が使えるようになるまでの経緯
2025年8月27日にGoogleが公開した無償版は、当時の説明ではAI機能を除いた基本のVidsエディタでした。テンプレートやアップロード素材を組み合わせる編集はできても、生成AIには触れられない状態です。これが動いたのが2026年4月2日の発表で、Googleは英語版のブログで、Googleアカウントを持つ誰もが最新の動画生成モデルVeo 3.1を使って無償で動画クリップを生成できるようになったと説明しました。Chrome拡張機能による画面録画と、完成した動画をYouTubeへ直接公開する機能も、この時点で全ユーザーが無償で使えます。生成モデル側の仕様はグーグル、AI動画生成モデル「Veo 3.1」を大幅強化 – 縦型動画(9:16)と4K出力にネイティブ対応で整理しています。
Google AI Pro・Ultraで解放されるLyria 3の楽曲生成
有償の個人向けプランで質的に変わるのは音楽です。Lyria 3およびLyria 3 Proによるカスタム楽曲生成が使えるようになり、動画の雰囲気に合わせて30秒の短尺から3分のトラックまで作れます。既存のストック音源を尺に合わせて切るのではなく、尺に合わせて曲側を作る発想です。楽曲生成モデル側の制限や商用利用の条件はGemini音楽生成で30秒以上(最大3分)を作る方法|Lyria 3 Proの制限・料金・商用利用で詳しく扱っています。
生成本数の上限については、2026年4月2日の発表でGoogle AI UltraとWorkspace AI UltraのVeo動画生成が月最大1,000本とされました。ただし公式ヘルプが定めるVids内の「AI動画クリップ」の枠はGoogle AI Ultra(5倍)で月250本と別建てなので、Vidsの中で何本作れるかを見るときはヘルプ側の数値で判断してください。
Google Workspaceでの提供エディションと管理コンソールの確認場所
組織利用の起点は2024年11月7日で、この日からBusiness Standard/Plus、Enterprise Standard/Plus、Essentials系、Education Plus、およびGemini系アドオンの利用者に向けて段階的に展開されました。公式製品ページの現在の記述では、Google Workspace BusinessとEnterpriseのすべてのプランで一般提供されています。
加えて2026年2月4日には、読み上げ用テレプロンプター、トランスクリプトトリム、スタイル付き字幕の3機能が、Workspaceのエディションを問わず全ユーザーへ開放されました。Rapid Releaseドメインは2026年2月2日から、Scheduled Releaseドメインは同年2月20日から順次反映されています。対象エディションなのにメニューに出てこない場合は、管理者が無効化している可能性があるので、管理コンソールの「アプリ」→「Google Workspace」→「ドライブとドキュメント」→「Google Vids」で状態を確認してください。
8つの作成モードと尺・ファイル形式の上限
Vidsの編集画面は、白紙から作るツールというより「どこから始めるか」を選ぶ設計になっています。ここを理解しておくと、既存資産をどう再利用できるかが判断できます。
AI生成からスライド変換まで選べる8つの起点
新規作成時にはまず横向き・縦向き・スクエアの形式を選び、続いて「AI 動画を作成」「動画を編集」「AI アバター」「スライドを変換」「録画」「アップロード」「テンプレート」「空白の動画」から起点を選びます。すでにGoogleスライドで作った提案資料があるなら、「スライドを変換」がもっとも手数の少ない入口です。
尺の上限は2026年2月25日に引き上げられました。それまで10分だったプロジェクトの最大長が30分になり、Vidsの録画スタジオで直接作るクリップも30分まで扱えます。外部から取り込む動画はさらに長く、95分または4GBまで対応します。Rapid Releaseドメインは2026年3月3日、Scheduled Releaseドメインは3月17日から適用されました。取り込める動画形式はmp4、ogg、quicktime、webm、画像はPNG、JPEG、GIFです。完成後はVidsファイルとして共有するほか、GoogleドライブにMP4として書き出す、ダウンロードする、YouTubeに公開する、の4通りで配布できます。
スライド資産を動画にする最短手順
- Vidsで新規作成を開き、配信先に合わせて横向き・縦向き・スクエアのいずれかを選ぶ。
- 起点として「スライドを変換」を選び、対象のGoogleスライドを指定する。
- シーンごとに割り当てられた原稿を確認し、読み上げ用テレプロンプターかAIナレーションでナレーションを入れる。
- トランスクリプトトリムで不要な発話を文章側から削り、映像を同時に詰める。
- GoogleドライブにMP4として書き出すか、共有相手を指定してVidsファイルのまま配布する。
AIナレーション付きの変換は1回で5クレジットを消費します。無償枠で回すなら、原稿を固めてから変換する手順にしたほうが枠を無駄にしません。
全ユーザーへ開放されたテレプロンプターと字幕スタイル
ナレーション収録の負担を下げる機能は、有償プラン限定から全ユーザー向けへ移りました。読み上げ用テレプロンプターは原稿をカメラ目線のまま読める補助、トランスクリプトトリムは文字起こし側で不要な発話を削ると映像も同時に詰まる編集方式です。動画編集の経験がない担当者にとっては、タイムライン上で波形を見ながら切るより文章を消すほうが速く、この2つが実務での作業時間を最も削ります。スタイル付き字幕も同時に開放され、自動生成したキャプションに装飾を当てられます。
対応ブラウザとスマホでできることの線引き
「スマホで使えるか」は検索でもよく問われますが、公式ヘルプの回答は限定的です。動作環境は先に押さえておく価値があります。
Chrome・Firefox・Edgeの対応範囲とSafariの制限
パソコンでの対応ブラウザは、Chrome、Firefox、Microsoft Edge(Windowsのみ)の最新版またはその1つ前のバージョンです。Edgeの対応がWindows限定である点は見落としやすい条件です。Safariでは処理が完了した動画の再生はできるものの、編集やコメントの追加はできないと明記されているため、Macを主端末にしている組織はChromeかFirefoxを前提に運用を組む必要があります。
モバイルは視聴のみ・作成と編集はパソコン限定
モバイルではウェブブラウザからの動画視聴のみが可能で、編集はできません。Googleは公式製品ページで、仕事用の動画を作成・閲覧する場面としてもっとも多いのがデスクトップであるため、初期の機能をデスクトップ向けに最適化したと説明しています。表示はパソコンとモバイルの両方に対応するので、「PCで作ってスマホで見せる」使い方が想定された設計です。外出先の端末だけで動画を仕上げる運用は、現時点では成立しません。
ストックメディアの許諾範囲から見る商用利用の条件
作った動画を販促や社外配布に使う場合、判断が必要なのは「Vidsを商用で使ってよいか」ではなく「中に入れた素材をその形で配ってよいか」です。ここは上位の解説記事がほとんど触れていない領域なので、公式の記述をそのまま押さえます。
個人・教育・商用で使える範囲と明示された禁止用途
GoogleスライドとGoogle Vidsで使えるストックメディア(画像・動画・音声)について、公式ヘルプは「個人、教育、商用目的で使用できます」と定めています。ただし利用にはGoogleの不正使用に関するプログラムポリシーとGoogle Workspace利用規定への準拠が求められ、次の用途は明示的に禁止されています。
- ストックメディアを単体で一般公開したり、配布したり、販売したりすること
- 第三者に提供されるテンプレート内で使用すること
- ロゴ、企業ID、商標、サービスマークに組み込むこと
- 人物が写ったストックメディアを、その人物にとって不快な形や過度に物議を醸す形で使用すること
実務で引っかかりやすいのは1番目から3番目です。制作代行やテンプレート販売を手がける事業者が、Vidsのストック素材を含んだ雛形を納品する形は禁止に当たります。ブランドロゴのモチーフにストック素材を使うのも同様です。完成した動画として公開する分には商用でも問題ありませんが、素材を素材のまま渡す形は避けてください。
ウェブ画像とAI生成クリップで利用者側が負う確認責任
検索から挿入するウェブ画像は扱いが異なります。公式ヘルプは「メディアを再利用する際は、画像の利用が許可されていることと、ライセンスに記載されている再利用の具体的な条件を事前に確認してください」と求めたうえで、「Googleでは、それぞれの使用が許可を得たものかどうかを知ることはできないため、各コンテンツの合法的な許可については一切表明しません」と明記しています。権利確認の責任は利用者側にあると読むのが正確です。
生成AIで作ったクリップにも前提が1つあります。Googleの公式ヘルプによれば、SynthIDは「Google AI モデルによって生成されたコンテンツにデジタル透かしを直接埋め込むツール」で、画像・動画・音声が対象です。Vids上でVeoが生成した映像は、見た目には分からない透かしを含んだまま配布されると考えてください。AI利用の開示ルールを持つ取引先や媒体に納品する場合は、この点を先に共有しておくと手戻りがありません。
GoogleフォトやスライドとGoogle Vidsの使い分け
「Googleで動画編集」と考えたとき候補になるのはVidsだけではありません。用途が違うので、選び間違えると余計な手間が増えます。
| 用途 | 適したツール | 使える端末 |
|---|---|---|
| 撮影済み動画の切り出し・速度変更 | Googleフォト | スマホ中心 |
| 資料をその場で見せる | Googleスライド | パソコン・スマホ |
| ゼロから業務用動画を構成 | Google Vids | パソコンのみ |
| スライド資産の動画化 | Google Vids(スライドを変換) | パソコンのみ |
撮影済み動画の切り出しと速度変更はGoogleフォト
すでに撮った動画を短くしたい、傾きを直したい、といった手直しはGoogleフォトの領域です。公式ヘルプによると、カットハンドルをドラッグして残す範囲を選ぶトリミング、アスペクト比を変えた切り抜き、90度回転と傾きの微調整、2x・4x・¼x・½xの速度変更、ミュート、動画からのフレーム書き出しが行えます。動作要件は基本編集がRAM 1GB以上かつAndroid 6.0以降、調整・エフェクト・フィルタはRAM 3GB以上かつAndroid 8.0以降です。編集結果は元ファイルを残したままコピーとして保存されます。
なお、1本の動画を複数ファイルへ分割する操作は、Googleフォトの公式ヘルプに記載がありません。前後を切って別々に保存する回避策はありますが、分割を前提にした編集は別のツールを検討したほうが確実です。
スライド資産の動画化と社内配布はGoogle Vids
既存の提案資料や研修スライドを動画にして配りたい場合は、逆にVidsが向きます。「スライドを変換」で骨組みを持ち込み、テレプロンプターでナレーションを入れ、共有相手を絞ったままGoogleドライブ経由で配布する、という流れが最短です。Googleフォトにはナレーション録音も共同編集も権限管理もないため、社内配布を伴う制作をフォトで組もうとすると必ず行き詰まります。
Google Vidsを選ぶべき組織と、避けたほうがよい用途
導入判断は割り切って考えたほうが早いです。Vidsが強いのは、すでにGoogle Workspaceを使っていて、社内向けの説明・研修・報告動画を「作れる人を増やしたい」組織です。ドライブの権限設計をそのまま使えるので、動画だけ別のSaaSに置いて共有範囲を二重管理する事態を避けられます。無償枠でも基本エディタは触れるため、まず情報システム部門の数名で試して運用に乗るかを見極める進め方が現実的です。
一方、次のいずれかに当てはまるなら別の選択肢を検討してください。第一に、30分を超える尺や、フレーム単位の追い込みが必要な映像制作。Vidsの上限と編集精度では要件を満たせません。第二に、外出先や撮影現場でスマホだけ完結させたい運用。作成と編集がパソコン限定である以上、回避策はありません。第三に、生成回数の上限を超えて量産したいケース。この場合は上位プランへの課金か、Runwayとは?Gen-4.5のAPI実装とクレジット課金を解説【2026年7月版】のようなクレジット課金型のツールとの比較が必要になります。他社を含めた選定軸は動画生成AIランキング|業務利用で選ぶ主要ツール比較と生産投入の判断基準【2026年最新】で整理しています。
よくある質問
Google Vidsは無料ですか?
Googleアカウントがあれば基本エディタは無償で使えます。2025年8月27日に公開された無償版は当初AI機能を含みませんでしたが、2026年4月2日の発表でVeo 3.1による動画クリップの生成が加わりました。現在は個人アカウントに毎月50クレジットが付与され、AI動画クリップは月10本、AIアバターは月10個までです。Chrome拡張機能での画面録画とYouTubeへの直接公開も無償で使えます。一方、Lyria 3による楽曲生成は無償枠では使えず、Google AI Pro以上が条件です。組織で使う場合はGoogle Workspace BusinessまたはEnterpriseのプランが対象になります。
Google Vidsの読み方は何ですか?
「グーグル ヴィッズ」と読みます。vidsは英語で動画を指すvideoの口語的な短縮形videosにあたる語です。Googleの日本語版製品ページやヘルプでも表記は「Google Vids」で統一されており、カタカナの公式表記は使われていません。Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドと同じ「ドキュメント エディタ」群に属するアプリとして位置づけられているため、社内文書で表記を揃える場合は公式に合わせて英字のままにしておくのが無難です。
Google Vidsは危険ですか?
組織のデータ管理という観点では、管理コンソールの「アプリ」→「Google Workspace」→「ドライブとドキュメント」→「Google Vids」で管理者が有効・無効を切り替えられるため、利用範囲を統制できます。注意すべきなのはむしろ生成物の扱いです。Googleの公式ヘルプによると、SynthIDはGoogle AIモデルが生成したコンテンツに直接デジタル透かしを埋め込む仕組みで、画像・動画・音声が対象です。生成した映像は透かしを含んだまま配布されるため、AI生成物の使用可否について取り決めがある取引先向けの制作では事前確認をおすすめします。
Google AI Studioとは何が違いますか?
Google AI Studioは、公式サイトでGeminiを使った開発を始めるための最速の方法と説明されている開発者向けの環境で、APIキーの取得やプロンプトの検証が中心です。Google Vidsは動画の編集画面とタイムラインを持つ業務アプリで、公式ヘルプもGoogleドキュメント エディタ ヘルプの配下に置かれています。生成AIで動画を作るという入口が似ているため検索では混同されがちですが、成果物をそのまま社内共有・配布まで持っていきたいならVids、モデルをアプリケーションに組み込みたいならAI Studioという住み分けです。モデル側の世代差はGemini 3とは?Google最新AIモデルの特徴・ラインアップ・料金と3.1への進化を参照してください。
スマホだけでGoogle Vidsの動画を作れますか?
作れません。モバイルではウェブブラウザからの視聴のみが可能で、作成と編集はパソコンに限られます。スマホで撮った素材を使いたい場合は、Googleフォトやドライブ経由でパソコンに渡してからVidsに取り込む流れになります。撮影した動画を短くする、速度を変える、といった手直しだけであればGoogleフォトのモバイルアプリで完結するので、目的が編集の仕上げなのか動画の構成なのかで使うアプリを分けてください。