Grok CLIとは?公式Grok Buildと非公式版の違い・インストール・料金【2026年最新】
「Grok CLI」で検索すると、内容の異なる2つのツールが混在してヒットします。ひとつはxAIが公式に提供するコーディングエージェント「Grok Build」、もうひとつはコミュニティ製のオープンソースCLI(grok-cli/現行パッケージ名 grok-dev)です。起動コマンドはどちらも grok で、環境変数や必要なサブスクは別物のため、情報を取り違えると導入でつまずきます。この記事では両者を明確に区別したうえで、Windows・macOS・Linuxでのインストール、「Grokをローカルで動かせるのか」という誤解の解消、料金、Claude CodeやCodex CLIとの比較までを、公式ドキュメントとnpm・GitHubの一次情報をもとに整理します。
目次
まとめ
- 2系統ある:公式はGrok Build(xAI、専用モデル grok-build-0.1)。非公式はgrok-cli(grok-dev)というOSS。どちらも起動は
grokなので同一マシンでは衝突しうる。 - インストール:公式はワンライナー(macOS・Linuxは install.sh、WindowsはPowerShell用 install.ps1)。非公式は bun/npm で導入する。
- ローカル利用の実態:CLI本体は手元で動くが、推論はクラウド(api.x.ai)経由。最新のGrok(grok-3以降)はオープンウェイト非公開で、家庭用PCでモデルごとローカル完結はできない。
- 料金:公式のサブスク(SuperGrok/X Premium+など)か、APIキーによる従量課金で使う。金額・モデル名は改定が速いため公式で最新確認が必要。
- 選び方:計画承認(Plan Mode)と並列サブエージェントを重視するなら公式Grok Build、X検索やメディア生成など実験的機能を素のAPI課金で試すなら非公式。
以下で、2つの「Grok CLI」の違いから順に掘り下げます。
Grok CLIの2系統|公式Grok Buildと非公式grok-cliの違い
「grok cli 公式」というクエリで検索する人が多いのは、公式か非公式かが判別しづらいためです。実際には提供元も認証方式も異なる別ツールが同じ「Grok CLI」の名前で語られています。まず全体像を1つの表で押さえます。
| 系統 | 名称/パッケージ | 提供元 | 起動 | APIキー変数 | 認証・課金 |
|---|---|---|---|---|---|
| 公式 | Grok Build(grok-build-0.1) | xAI | grok | XAI_API_KEY | SuperGrok/X Premium+ または API従量 |
| 非公式(現行) | grok-cli / grok-dev | superagent-ai(OSS) | grok | GROK_API_KEY | Grok APIキーで従量 |
| 非公式(フォーク) | 個人メンテのフォーク版 | コミュニティ有志 | grok | GROK_API_KEY | Grok APIキーで従量 |
非公式版のREADMEには「community-built, open-source, not affiliated with, endorsed by, or sponsored by xAI」と明記されています。名前が似ていても公式とは別プロジェクトである点が、混同を避ける最初のポイントです。
xAI公式「Grok Build」の位置づけ
Grok BuildはxAIが2026年5月に早期ベータとして公開した、ターミナル常駐型のコーディングエージェントです。専用モデル grok-build-0.1(コンテキスト長256K、テキストと画像入力に対応)を基盤に、コード生成だけでなくファイル編集・テスト実行・複数ステップのタスク遂行までを担います。Grok Build(grok-build-0.1)という製品・モデルそのものの仕組み・料金体系・導入判断は、Grok Buildとは?xAIの自律型コーディングエージェントの仕組みと導入判断で技術者向けに整理しています。Claude CodeやCodex CLIと同じ「タスクを自然言語で委任し、エージェントが自律的に読む・書く・検証する」系統のツールで、旧記事が説明していた「自然言語をUnixコマンドに変換するだけのツール」ではありません。既存の AGENTS.md・MCPサーバー・hooks・skillsをそのまま読み込める互換性も特徴です。
非公式OSS「grok-cli(grok-dev)」の位置づけ
非公式版はsuperagent-aiが公開するオープンソースのターミナルエージェントで、xAIのGrok APIを直接叩いて動きます。X(旧Twitter)検索・Web検索、画像や動画の生成ツール、サブエージェント、Telegramからのリモート操作といった実験的な機能を「全部入り」で試せるのが持ち味です。公式のサブスク認証を通さず、素のAPIキー(GROK_API_KEY)による従量課金で動かせるため、個人が手早く試すのに向きます。ただしxAI非公認のため、仕様変更やメンテ状況の影響を受けやすい点は理解しておく必要があります。
どちらを選ぶか|起動コマンド衝突と環境変数の違い
選択の分かれ目は「何を重視するか」です。実装案を並列で比較検討したい、実行前に計画を確認してから進めたい開発者は公式Grok Buildが適します。逆に、X検索連携やメディア生成など尖った機能をAPI課金だけで試したい場合は非公式版が候補になります。両方を1台に入れると起動コマンド grok が衝突するため、常用しない側はアンインストールするか実行パスを分けてください。認証も、公式は XAI_API_KEY、非公式は GROK_API_KEY と変数名が異なります。片方の手順でもう一方を設定しようとすると認証に失敗するので、参照している記事がどちらのツールを指しているかを最初に見極めることが重要です。
Grok CLIのインストール手順|Windows・macOS・Linux
インストール方法は公式と非公式で異なります。参照するコマンドを取り違えると存在しないパッケージを叩くことになるため、系統ごとに分けて示します。旧記事にあった brew install grok-cli や sudo apt install grok-cli といったコマンドは実在しません。
公式Grok Buildのインストール(install.sh/PowerShell)
公式はワンライナーで導入します。macOSとLinuxはシェルスクリプト、WindowsはPowerShell用のインストーラが用意されています。
# macOS / Linux
curl -fsSL https://x.ai/cli/install.sh | bash
# Windows (PowerShell)
irm https://x.ai/cli/install.ps1 | iex
導入後はプロジェクトのディレクトリで grok と入力すれば起動します。認証はSuperGrokまたはX Premium+のサブスクライバーであればブラウザ認証で通り、サブスクを使わない場合は環境変数 XAI_API_KEY を設定してAPI従量課金として動かせます。設定はホーム配下の .grok ディレクトリに保存されます。ベータ版のため、install.shの取得先やコマンド仕様は変わる可能性があり、最新は公式ドキュメント(docs.x.ai)で確認してください。
非公式grok-cli(grok-dev)のインストール|パッケージ名の世代交代に注意
非公式版はbunまたはnpmで導入します。ここで最大の落とし穴がパッケージ名の変更です。日本語の解説記事の多くは旧パッケージ @vibe-kit/grok-cli を案内していますが、現行はリポジトリ移行に伴い grok-dev に変わっています。旧パッケージは更新が止まっているため、これから入れるなら現行版を選びます。
# 現行(推奨)
bun add -g grok-dev
# 旧パッケージ(更新停止・多くの記事が案内)
npm install -g @vibe-kit/grok-cli
起動前に環境変数 GROK_API_KEY にGrok APIキーを設定します。ターミナル描画にBunベースのUIを使うため、WezTermやAlacrittyなど新しめの端末エミュレータのほうが表示が安定しやすい傾向があります。「その記事の手順どおりに入れたのに動かない」という場合、旧 @vibe-kit/grok-cli 前提の古い情報である可能性を疑ってください。
Windowsでの導入とWSL2の使いどころ
公式Grok BuildはPowerShell用のinstall.ps1が用意されており、建て付け上はWindowsネイティブに対応します。ただしベータ公開直後は「macOS・Linuxのみ」とする情報もあり、時期によって記述が割れてきました。挙動が不安定な場合や非公式版を使う場合は、WSL2(Windows Subsystem for Linux)上のLinux環境で動かすほうが確実です。非公式版のmacOS向けデスクトップ自動化機能などOS依存の一部機能は、Windowsでは利用できません。Windowsで「grok cli windows」と検索して情報が食い違うときは、PowerShellネイティブ導入とWSL2導入の2択があると理解しておくと迷いません。
Grokをローカル・オフラインで動かせるか
「grok ローカル」「grok cli ローカル環境」「grok オフライン」といったクエリが多く集まりますが、ここは誤解が生まれやすいところです。結論から言うと、CLIツール本体は手元のマシンで動きますが、モデルの推論はクラウド(api.x.ai)経由で、APIキーなしでは動きません。非公式版のREADMEも音声認識に至るまでxAIのAPIを使う設計だと明記しており、「ローカルで完結するオフラインAI」ではありません。
では「Grokのモデルそのものを自前GPUで動かす」ことは可能かというと、オープンウェイトが公開されているのは旧世代に限られます。grok-1はApache 2.0で重みが公開されていますが、314Bパラメータの実行にはH100級のGPUを8基程度必要とします。grok-2(2.5)も重みが公開(grok-1のApache 2.0とは別のコミュニティライセンス)されましたが、こちらも約500GB規模で複数GPU構成が前提です。一方、grok-3・grok-4・grok-build-0.1といった現行モデルはオープンウェイトが非公開で、家庭用PCでのローカル実行はできません。
したがって「Grok CLIをローカルで使う」とは、あくまで手元の端末でCLIが動くという意味であって、最新Grokをオフラインで走らせられるという意味ではありません。ネットワーク遮断環境で完結するローカルLLMが目的なら、Ollamaなどで動くLlamaやQwenといったオープンウェイトモデルを使うのが現実解で、Grok CLIとは用途が異なります。この棲み分けを最初に押さえておくと、導入後に「オフラインで使えない」と戸惑わずに済みます。
Grok CLIの使い方|grokコマンド・Plan Mode・並列サブエージェント
ここでは公式Grok Buildの基本操作を中心に、日常的に使う機能を実務の流れに沿って説明します。非公式版も基本の起動は grok で共通です。
起動と認証(grokコマンド)
作業対象のリポジトリ内で grok を実行すると対話モードが立ち上がり、やりたいことを自然言語で伝えると、エージェントがコードを読み、変更方針を立てて実装まで進めます。CI組み込みなど対話なしで回したい場合は、ヘッドレス実行のオプション(grok -p に続けて指示文を渡す形)を使い、出力をストリーミングJSONで受け取れます。認証は前述のとおり、サブスクのブラウザ認証か XAI_API_KEY のいずれかです。
Plan Modeで計画を承認してから実行
Grok Buildの実務的な強みがPlan Modeです。エージェントはいきなりコードを書き換えるのではなく、まず変更計画を提示し、開発者がそれを承認する、個別ステップにコメントして修正させる、あるいは全面的に書き直させる、といった制御ができます。変更内容はdiffで表示されるため、どのファイルがどう変わるかを実行前に把握できます。「AIに任せると意図しない変更が入る」という不安に対して、承認ゲートを挟めるのがこの機能の価値です。
並列サブエージェントとGit worktreeによる実装案の比較
Grok Buildは最大8体のサブエージェントを並列実行でき、各サブエージェントは独立したGit worktree(別ブランチ・別作業ディレクトリ)で動きます。これにより、同じ課題に対して複数の実装アプローチを同時に走らせ、結果を見比べてから採用ブランチをマージする、という進め方が可能です。並列で走らせるほどAPIコストは積み上がるため、コスト把握とセットで使うのが実務上の注意点になります。Git worktreeで並列エージェント開発を行う考え方は、Claude Codeのgit worktreeで並列エージェント開発を行う方法でも詳しく整理しているので、仕組みの理解に役立ちます。
Grok CLIの料金|SuperGrok・X Premium+・API従量課金
費用は大きく2通りです。ひとつはxAIのコンシューマ向けサブスクに含める形、もうひとつはAPIキーによる従量課金です。いずれも金額・モデル名は改定が速いため、以下はあくまで目安として、契約前に公式(console.x.ai/docs.x.ai)で最新額を確認してください。
| 料金体系 | 目安 | 位置づけ |
|---|---|---|
| SuperGrok | 月額約30ドル | Grok Buildアクセス対象の標準プラン |
| SuperGrok Heavy | 月額約300ドル | 最上位。レート上限が最も高い |
| X Premium+ | 月額約40ドル | X特典込みでGrok Buildにアクセス |
| API grok-build-0.1 | 入力1ドル/出力2ドル(100万トークン) | 従量課金。サブスク不要 |
APIモデルのラインナップはgrok-build-0.1やフラッグシップのgrok-4系など複数あり(初期に使われたgrok-code-fast-1は廃止済み)、2026年半ばにはモデル名が世代交代しています。料金を断定した古い記事をそのまま信じず、コスト試算は必ず公式の料金ページで行ってください。個人が試すだけなら、まずAPI従量課金で小さく始め、常用が決まった段階でサブスクへ切り替えると無駄がありません。
Claude Code・Codex CLIとの比較と選び方
Grok Buildは、AIコーディングCLIという競合の多い領域に後発で参入しました。同種のツールと比べたときの立ち位置を、実務の判断材料として整理します。
Grok Buildの差別化点は、最大8並列のサブエージェント×Git worktree隔離で複数実装案を同時に比較できること、Plan Modeによる承認制御、そして専用モデルgrok-build-0.1のコスト(入力1ドル・出力2ドル/100万トークン)です。一方、OpenAI Codex CLIやGemini CLIもそれぞれ強みを持ち、比較記事ではClaude Codeが最難関の推論や広いコンテキスト長で優位に挙げられることが多いです。CLI型エージェント全般の考え方はCoding Agentの全体像で押さえられます。
選び方の指針はこうです。既にxやSuperGrokを契約していて、複数案の並列比較を軸に開発したいならGrok Buildが噛み合います。逆に、推論の難易度が高い設計判断を任せたい、超長文のコンテキストを一括で読ませたいという用途では、現時点でGrok Buildを主力に据えるのは早計で、Claude CodeやCodexと併用しながら得意分野で使い分けるのが堅実です。ベータ段階で仕様変更が続くツールを唯一の開発基盤にするのは避け、まずは並列比較やアイデア出しといった失敗しても影響の小さいタスクから導入するのが安全です。
よくある質問(FAQ)
Grok CLIとは何ですか?
ターミナルで動くGrok連携のCLIツールの総称です。ただし中身は2系統あり、xAI公式のコーディングエージェント「Grok Build」と、コミュニティ製オープンソースの「grok-cli(現行パッケージ名 grok-dev)」が同じ名前で呼ばれています。提供元・認証方式・機能が異なるため、参照する情報がどちらを指すかを最初に確認してください。
Grok CLIの公式版はどれですか?
xAIが提供する「Grok Build」が公式です。x.aiのインストーラ(install.sh/install.ps1)から導入し、環境変数は XAI_API_KEY を使います。npmで配布される grok-cli/grok-dev はコミュニティ製の非公式ツールで、READMEにもxAI非公認と明記されています。
WindowsでGrok CLIは使えますか?
公式Grok BuildはPowerShell用のinstall.ps1が用意され、Windowsに対応します。ただしベータ段階で挙動が割れる場合や非公式版を使う場合は、WSL2上のLinux環境で動かすほうが安定します。macOS専用のデスクトップ自動化など一部機能はWindowsでは利用できません。
Grok CLIはnpmでインストールできますか?
非公式版はnpmまたはbunで導入できます。現行の推奨は bun add -g grok-dev で、旧パッケージ @vibe-kit/grok-cli は更新が止まっています。公式Grok Buildはnpmではなく、x.aiのワンライナー(install.sh/PowerShell)でインストールします。
Grok CLIの料金はいくらですか?
SuperGrok(月額約30ドル)やX Premium+(同約40ドル)などのサブスクに含めるか、APIキーによる従量課金で使います。grok-build-0.1のAPI料金は100万トークンあたり入力1ドル・出力2ドルが目安です。金額・モデル名は改定が速いので、契約前に公式(console.x.ai)で最新額を確認してください。
Grok CLIはオフラインやローカルで使えますか?
CLI本体は手元で動きますが、推論はxAIのクラウドAPI経由でオフラインでは使えません。オープンウェイトが公開されているのはgrok-1やgrok-2など旧世代のみで、いずれも複数GPUが必要です。現行のGrokを自前でローカル実行することはできないため、完全ローカルが目的ならOllama等で動くオープンウェイトモデルが現実的です。