LINE WORKS AiNoteとは|料金・60分制限・AI学習とv2.9新機能
LINE WORKS AiNoteは、LINE WORKS株式会社が提供するAI議事録・文字起こしツールです。録音した会議を自動で文字起こしし、話者を分けて表示し、AIが要約するところまでを一気に片づけます。無料のフリープランから月額162,000円のエンタープライズプランまで幅があり、「無料でどこまで使えるのか」「有償に上げる価値があるのか」「録音データはAIの学習に使われないのか」で判断が割れがちです。この記事では公式の料金表・利用規約・リリース情報を根拠に、導入前に必要な事実だけを整理します。2026年4月9日提供開始のv2.9で加わった自動話者認識・次のステップ(ToDo抽出)・外部連携APIも、プラン別の可否まで含めて扱います。
まとめ:LINE WORKS AiNoteの要点
- 旧CLOVA Noteの後継にあたる法人向けAI議事録ツール。LINE WORKSを契約していなくても、AiNote単体で利用できる。
- 料金はフリー(0円・月300分)/ソロ(年額契約で月1,440円・月600分)/チーム(同19,800円・月100時間)/ビジネス(同54,000円・月300時間)/エンタープライズ(同162,000円・月1,000時間)の5段階(税別)。ソロは1人利用、チーム以上は利用人数が無制限で、費用は人数ではなく会議時間で決まる。
- 見落としやすいのは1回あたりの上限。フリープランは1回の録音・アップロードが60分で打ち切られ、ソロ以上は180分。月300分が残っていても、90分の会議はフリーでは1本で通らない。
- フリープランは、録音した音声データがAI技術の性能向上(学習)に利用される場合があると規約に明記。有償プランは学習に利用しないと明記されており、「危険か」の答えはプランで変わる。
- 2026年4月9日のv2.9で自動話者認識(最大30名・チーム以上)、次のステップ=ToDo抽出(ソロ以上)、外部連携API(エンタープライズのみ)、音声記録のコピー機能が追加された。
- 文字起こし時間が足りない場合は100分単位で追加購入できる(年額契約の自動追加で月360円、スポットは440円)。追加のたびにAI要約が2回分付く。
AiNoteの位置づけ|CLOVA Note後継としての設計
AiNoteは、無料の文字起こしサービスとして知られたCLOVA Noteの流れをくむ、法人利用を前提としたAI議事録ツールです。会議を録音(またはWeb会議から自動録音)すると、音声認識で文字起こしし、誰の発言かを分けて並べ、AIが全体要約・トピック・ToDoまで生成します。人が担ってきた「録る→書き起こす→まとめる」の3工程が、そのままツール側に載っている構成です。
導入判断で最初に効いてくる特徴は3点あります。第一に、LINE WORKSの契約は必須ではないこと。AiNote単体で申し込めるため、他のグループウェアを使っている企業でも導入できます(LINE WORKSを使っていれば、カレンダーやメールとの連携が効きます)。第二に、対面会議に強いこと。Web会議の音声を拾うだけでなく、スマートフォンアプリで会議室の会話を録って話者を分離できるため、商談や現場打ち合わせの議事録化に向きます。第三に、チームプラン以上は利用人数が無制限で、ID課金ではなく「組織で使える文字起こし時間」を買う設計になっていることです。使う人数ではなく会議時間で費用が決まるため、全社に配ってもライセンス費が膨らみません。
提供元によれば、有償版の提供開始から1年で導入企業は2,900社を超えました。国内のAI議事録市場で、Notta・Rimo Voiceなどと並ぶ選択肢として使われている規模です。
料金プランと文字起こし時間(2026年時点)
AiNoteの料金は「何人で使うか」ではなく「月に何分文字起こしするか」で決まります。公式の料金表にもとづく5プランは次のとおりです(金額は税別。月額は年額契約時の月あたり金額と、月々契約時の金額を併記)。
| プラン | 月額(年額契約) | 月額(月々契約) | 文字起こし時間/月 | AI要約 | 利用人数 | データ保管期間 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| フリー | 0円 | 0円 | 300分(5時間) | 利用不可 | 最大30人 | 1年 |
| ソロ | 1,440円 | 1,600円 | 600分(10時間) | 月12回 | 1人 | 3年 |
| チーム | 19,800円 | 22,000円 | 6,000分(100時間) | 月120回 | 無制限 | 5年 |
| ビジネス | 54,000円 | 60,000円 | 18,000分(300時間) | 月360回 | 無制限 | 5年 |
| エンタープライズ | 162,000円 | 180,000円 | 60,000分(1,000時間) | 月1,200回 | 無制限 | 5年 |
時間単価に直すと、法人向けの3プランはチーム198円/時間、ビジネス180円/時間、エンタープライズ162円/時間で、上位ほど安くなります。1人利用のソロは144円/時間ですが、人数を増やせないため法人3プランとは別枠で考えてください。選定の目安は単純で、「月間の会議時間 ÷ プランの時間枠」で足りる最小のプランを選び、繁忙月だけ追加購入で埋めるのが最もコスト効率が良くなります。週5回・1時間の定例を持つ部署なら月20時間強なので、チームプラン(100時間)に複数部署を相乗りさせても余ります。
枠を使い切ったときは、文字起こし時間を100分単位で追加購入できます。年額契約で自動追加する場合は月360円、月々契約の自動追加は400円、都度のスポット購入は440円で、追加のたびにAI要約も2回分付与されます。フリープランで月300分を使い切った場合は、翌月の枠回復を待つか、有償プランへ切り替えることになります。
企業向けプラン(チーム以上)には30日間の無料トライアルが用意されており、AI要約やWeb会議録音を含めた機能を試してから契約できます。フリープランで評価してしまうと、後述の制限のせいで実力を過小評価しやすいため、法人導入の検討ではトライアルを使うのが正解です。
文字起こし精度と話者分離の実力・業種特化モデル
公式が公表している精度は、文字正解率90.8%、数字認識率80.3%です。ここで読み取るべきは、日本語の一般会話はほぼ実用域に入っている一方、金額・型番・日付といった数字は1〜2割ほど外すという非対称性です。議事録の中で数字だけは人が確認する、という運用前提を最初から組み込んでおくと事故になりません。
もうひとつの強みが話者分離です。AiNoteの話者分離技術は国際コンペティションDIHARD3で世界3位の評価を得た系譜にあり、1つのマイクで録った対面会議でも「誰が話したか」を分けられます。Web会議ツール側の議事録機能は参加者アカウントごとに音声が分かれているため話者を特定できますが、会議室に集まって1台のスマートフォンで録るケースでは分離できません。対面会議の比率が高い組織ほど、AiNoteを選ぶ理由がはっきりするのはこの点です。
精度をさらに上げる仕組みとして、業種特化型の音声認識モデルが用意されています。提供済みなのは建設業とIT・通信業で、金融・不動産・医療などは順次提供が予定されています。自社の業種のモデルがまだ無い場合でも、よく使う単語(社名・製品名・略語)を辞書登録しておけば、固有名詞の誤認識はかなり減らせます。専門用語の多い会議では、導入初月に辞書を整備するかどうかで体感精度が変わります。なお音声認識モデル自体は業界全体で日本語性能が急速に上がっている領域で、動向はLFM2.5-Audio-1.5B-JPとは|1.5Bで7.7B級を上回る日本語音声モデルの性能と使い方で扱っています。
2026年4月のアップデート(v2.9)で追加された機能
2026年4月7日に発表され、4月9日から提供が始まったv2.9は、AiNoteにとって大きな節目でした。要点はプラン別の可否まで含めて押さえておく必要があります。
| 機能 | 内容 | 対象プラン |
|---|---|---|
| 自動話者認識 | 最大30名の発話者を自動識別し、参加者名を自動補完 | チーム以上 |
| 次のステップ | AI要約の拡張。会議中に出たToDoを抽出して一覧表示 | ソロ以上 |
| 外部連携API | ノートの取得・削除、文字起こし時間やAI要約の利用量取得 | エンタープライズのみ |
| 音声記録のコピー | 全文コピー/要約のみコピーのメニューを追加 | 全プラン |
| AI要約の言語選択 | 日・英・韓・中(簡体字/繁体字)から出力言語を選択 | ソロ以上 |
実務で効くのは自動話者認識です。従来は「話者1」「話者2」として分離された発言に、あとから人が名前を割り当てる必要がありました。v2.9以降は、一度アドレス帳のメンバーを紐づけておけば、以降の会議ではAIが自動で名前を補完します。ただし対象は組織に登録されたメンバーで、社外の来訪者までは自動特定されません。誤認識は発言を長押しして参加者を選び直せば修正でき、その結果は次回以降に反映されます。この機能はチームプラン以上が対象で、ソロプランでは使えない点が、個人利用と組織利用の実質的な分かれ目になっています。
「次のステップ」は、要約に加えて会議中に決まったToDoを抜き出す機能です。議事録を読み返さずにタスクだけ拾えるため、要約を配布して終わりだったフローがタスク管理まで届きます。ソロプラン以上が対象で、個人でも使えます。
外部連携APIはエンタープライズプラン限定です。自社の日報システムやナレッジベースにノートを取り込みたい、部門ごとの文字起こし時間の消費量を可視化して予算配分したい、といった要件がある場合、事実上エンタープライズが前提になります。API連携を計画に入れているなら、プラン選定の時点でこの制約を織り込んでおく必要があります。
AiNoteの使い方|申込みから議事録の共有まで
1. 申し込みとアカウント作成
AiNoteの公式サイトから申し込み、アカウントを作成します。LINE WORKSの契約は不要です。法人で評価する場合は、この時点で企業向けプランの30日間無料トライアルを選ぶと、AI要約とWeb会議録音まで含めて検証できます。ブラウザ版とモバイルアプリ(iOS/Android)の両方が使え、同じアカウントでノートが同期します。
2. 会議を録音する(対面/Web会議)
対面会議は、スマートフォンアプリで録音を開始するだけです。会議室のテーブル中央に端末を置いて録れば、話者分離が働きます。Web会議は、Zoom・Microsoft Teams・Google Meet・Webex・LINE WORKSに対応しており、会議URLを登録しておくとAiNoteが自動で参加して録音します(この自動録音は有償プランの機能です)。過去の録音資産があるなら、m4a・mp3・wavなどの音声ファイルをアップロードしても文字起こしできます。
3. 話者と用語を整える
初回だけ、分離された話者にアドレス帳のメンバーを紐づけます。チームプラン以上なら、次回以降は自動話者認識が名前を補完します。あわせて、社名・製品名・略語をカスタム辞書に登録しておくと固有名詞の誤変換が減ります。この2つを最初にやっておくかどうかで、その後の手直し時間が大きく変わります。
4. AI要約とToDoを生成する
文字起こしが終わったら、AI要約を実行します。全体要約・主要トピック・区間要約に加え、v2.9以降は「次のステップ」として会議中のToDoが整理されます。要約の出力言語も選択できます。要約には月間の回数上限があるため、会議ごとに何度も回さず、確定版を1回作る運用が無駄がありません。
5. 共有して配布する
作成したノートは共有リンクで配布できます。パスワード設定やアクセス範囲の制限をかけられるため、社内メンバーだけに絞った配布が可能です。v2.9で追加されたコピー機能を使えば、全文または要約だけをコピーして、チャットやメールにそのまま貼り付けられます。
導入前に確認すべき制限と落とし穴
フリープランは1回60分で打ち切られる
月300分という枠に目が行きがちですが、フリープランは1回の録音・アップロードが60分で打ち切られます。ソロ以上は1回180分です。60分を超える会議をフリーで文字起こししたいなら、音声ファイルを分割してアップロードするしかありません。月300分が残っていても90分の会議は1本で通らない、というのが最大の落とし穴です。
フリープランではAI要約とWeb会議録音が使えない
フリープランで使えるのは文字起こし・話者分離・音声ファイルのアップロード・ノートの共有までです。AI要約と、ZoomやTeamsなどのWeb会議に自動参加して録音する機能は有償プランの機能です。「AI議事録として評価したい」のであれば、フリープランでは半分しか評価できません。
AI要約には月間の回数上限がある
ソロ12回、チーム120回、ビジネス360回、エンタープライズ1,200回(いずれも月あたり)です。文字起こし時間が余っていても要約回数が尽きることがあり、その場合は追加購入(100分あたりAI要約2回付与)で補います。会議のたびに全体要約と区間要約を何度も回す運用だと、想定より早く上限に届きます。
対応言語は5言語まで
日本語・英語・韓国語・中国語(簡体字・繁体字)に対応します。裏を返せば、これ以外の言語が混じる会議には向きません。多言語拠点を持つ企業では、対象言語の範囲を先に確認してください。
危険性の実態|フリーと有償で分かれるAI学習の扱い
「AiNoteは危険なのか」という疑問には、プランを分けて答えるのが正確です。核心はAI学習への利用可否にあります。
公式の「サービス向上のための音声データ活用について」はフリープラン向けの規約で、フリープランの利用にあたっては、エクスペリエンス向上および同社のAI技術(音声認識・自然言語処理)の性能向上のために、録音した音声データが利用される場合があることに同意する、と定めています。用途としては、一般的な音声認識の学習データ、ノイズキャンセルの改善、AI翻訳・通訳の開発などが挙げられています。一方、有償プランについては、LINE WORKS AiNoteサービス利用規約の第12条第4項が「有償プランにおいて、お客様から提供された音声データ等を、当社のAI技術(音声認識技術および自然言語処理技術)の性能向上を目的とした学習に利用しないものとします」と明記しています。
したがって判断はこうなります。機密性のある会議をフリープランで録るのは避けるべきで、逆に有償プランであれば「録音がAIの学習に流用される」という懸念は規約上否定されています。無料で試したい気持ちは分かりますが、社外秘の議題を含む会議を評価に使うなら、企業向けプランの30日間無料トライアルを選ぶのが筋の通ったやり方です。
組織運用の面では、管理者がノートと音声データの自動削除ポリシー(一定期間経過後の自動削除)を設定でき、不要なデータを残さない運用ができます。加えて、共有リンクへのパスワード設定やアクセス範囲の制限で、議事録の配布先を社内メンバーに絞れます。経営会議など機密性の高い場面では、「自動削除+共有制限+管理者による権限管理」を最初にセットしてから使い始めるのが安全側の設計です。
メリット・デメリットと他ツールとの選び分け基準
ここまでの事実を、導入判断の形に整理します。メリットは、(1)対面会議でも話者を分離できること、(2)チーム以上は人数無制限の時間課金で全社配布してもライセンス費が増えないこと、(3)有償プランは録音データを学習に使わないと規約で明記していること、(4)LINE WORKS契約が不要で単体導入できることの4点です。デメリットは、(1)フリープランの制限が強く無料のままでは実力を評価できないこと、(2)AI要約に月間回数の上限があること、(3)自動話者認識がチーム以上限定でソロでは使えないこと、(4)外部連携APIがエンタープライズ限定であることの4点に集約されます。
他ツールと比べる際の軸は3つです。会議の場所で見るなら、会議室に集まる対面会議が多い組織はAiNoteの話者分離が効きます。ほぼ全てがWeb会議なら、会議データを資料・ナレッジ化するところまで踏み込むツールも候補です。会議後の二次活用まで見据えるなら、Notta Brainとは|会議データを資料・ナレッジに変えるAIエージェントの仕組み・料金・活用法【2026年最新】で、要約の先にある使い道を比較しておくと違いが分かります。
課金の形も分岐点です。AiNoteのチーム以上は人数無制限の時間課金なので、「全社員に配りたいが1人あたりの会議時間は短い」組織では有利になります。逆に少人数で会議時間が長い組織では、ID課金型のほうが安く収まることもあります。自社の「人数×時間」を出してから比較してください。
最後にすでに持っているツールで足りないかを確認します。ChatGPTにも録音から議事録を作る機能があり、対応プランや時間上限はChatGPTで録音・議事録作成する方法|レコードモードの対応プラン・4時間上限と音声ファイル文字起こしの代替で整理しています。多言語の会議が中心なら、音声翻訳に特化したDeepL Voiceの料金と2製品の違い|法人向けリアルタイム音声翻訳の費用・使い方・導入条件のほうが要件に合う場合もあります。
よくある質問(FAQ)
LINE WORKS AiNoteは無料で使えますか?
フリープラン(0円)があり、月300分まで文字起こしできます。ただし1回の録音・アップロードは60分まで、AI要約とWeb会議録音は利用不可、データ保管期間は1年、利用人数は最大30人という制限があります。
個人でも使えますか?
使えます。無料のフリープランに加え、1人利用向けのソロプラン(年額契約で月1,440円・月600分・AI要約12回)があります。ただし自動話者認識はチームプラン以上が対象で、ソロプランでは利用できません。
LINE WORKSを契約していなくても使えますか?
使えます。AiNoteは単体で申し込めるため、他のグループウェアを使っている企業でも導入できます。LINE WORKSを利用している場合は、カレンダーやメールとの連携が追加で使えます。
録音した音声はAIの学習に使われますか?危険はありませんか?
プランによって異なります。フリープランは、音声認識・自然言語処理の性能向上のために録音データが利用される場合があると規約に明記されています。有償プランは、サービス利用規約 第12条第4項で、提供された音声データ等をAI技術の性能向上を目的とした学習には利用しないと明記されています。機密性の高い会議は有償プラン(または企業向けプランの無料トライアル)で扱ってください。
文字起こし時間が足りなくなったら増やせますか?
100分単位で追加購入できます(年額契約の自動追加で月360円、月々契約の自動追加で400円、スポット購入で440円)。追加のたびにAI要約が2回分付与されます。フリープランで月300分を使い切った場合は、翌月の枠回復を待つか、有償プランへ切り替えることになります。
話者の名前は自動で入りますか?
2026年4月9日提供のv2.9で自動話者認識が追加され、1回の会議で最大30名まで発話者を自動識別して名前を補完します。対象はチーム/ビジネス/エンタープライズプランで、組織に登録済みのメンバーが対象です。誤りは発言を長押しして参加者を選び直すことで修正でき、次回以降に反映されます。
会議のToDoは自動で抽出されますか?
AI要約の「次のステップ」が、会議中に示されたToDo事項を整理して表示します。ソロ/チーム/ビジネス/エンタープライズプランが対象です。
どのWeb会議ツールと連携できますか?
Zoom、Microsoft Teams、Google Meet、Webex、LINE WORKSに対応しています。会議URLを登録するとAiNoteが自動で参加して録音します(フリープランでは利用できません)。