シェルフテストは、競合商品と並んだ売り場の棚を再現し、自社商品が「見つけてもらえるか」「手に取られるか」「選ばれるか」を測る調査です。棚調査・陳列調査・模擬棚調査とも呼ばれます。パッケージ案を単品で見せる評価と違い、隣に並ぶ競合との比較のなかで結果が出る点に価値があります。この記事では、定義と測る指標、会場・オンライン・実店舗の3手法の選び方、調査会社が公開している料金の実額、棚の効果を測った査読論文の結果、棚割調査(シェルフマネジメント)との違いまでを、発注側が判断に使える形で整理します。
まとめ:シェルフテストの要点
- 競合と並べた棚で「見つかる・伝わる・選ばれる」を測る調査。棚調査・陳列調査・模擬棚調査はほぼ同じ意味で使われます。ただし、調査員が店舗を回って陳列状況を記録する「店頭調査」を棚調査と呼ぶこともあり、こちらは別物です。
- 手法は会場(CLT・模擬店舗)・オンライン(WEBシェルフ)・実店舗の3系統。実物を手に取った評価が必要な最終案の比較なら会場、画像で比べられる段階の候補の絞り込みならオンラインが向きます。
- 公開料金の例として、日本インフォメーションの模擬店舗調査は80名・30分・実査2日で150万円〜(税抜き)、クロス・マーケティングのWEBシェルフを含む衝動リサーチは500サンプルで150万円〜(税別)です。
- 棚のフェイス数を4から8に増やすと注視される確率は60%から76%に上がる一方、4から12に増やしても選択率は7.7%から8.8%の伸びでした(Chandonら、2009年)。注視と選択は別々に測るのが設計の要点です。
- FMOTの説明で定番の「3〜7秒」のうち、出所をたどれるのはGoogleの公式eBookが紹介する2005年の新聞記事の「7秒」で、3秒の下限の出所は確認できません。
- シェルフマネジメントは売り場全体の配置と陳列量を決める仕事、棚割調査はその棚割の良し悪しを確かめる調査です。個別商品の選ばれやすさを測るシェルフテストとは目的が違います。
以下、定義から順に根拠を示します。
シェルフテストの定義と測る指標
インテージの用語集は、シェルフテストを「実際の小売店の棚を模擬棚(シェルフ)を使い再現した環境で、消費者がどのように製品を選択するかを観察およびアンケートなどで把握し、商品配置やパッケージデザイン、価格戦略などを評価する」調査と定義しています(インテージ マーケティング用語集「シェルフテスト」)。日本インフォメーションの用語集は、スーパー・コンビニ・ドラッグストア等の売り場を再現した商品棚を調査会場内に置く形を挙げ、会場調査(CLT)で多用されると説明しています(日本インフォメーション 用語集「シェルフテスト」)。
要するに、評価の単位が「パッケージ単体」ではなく「競合に囲まれた棚の中の自社商品」であることが、通常のパッケージ評価調査との違いです。単体で見て魅力的なデザインが、同系色の競合に挟まれると埋もれる。この差は棚を再現しないと出てきません。
棚調査・陳列調査・模擬棚調査は同義、店頭調査は別物
棚調査・陳列調査・陳列効果調査・模擬棚調査は、いずれも「棚に並べた状態での選ばれやすさを見る」調査の呼び名で、発注時に区別する必要はほとんどありません。会場の一角に棚を置く形を超えて、売り場の通路ごと再現した会場で買い物をしてもらう形式は「模擬店舗調査」と呼ばれます。
注意したいのは、「棚調査」が店頭調査(ストアオーディット)を指して使われる場合です。クロス・マーケティングは店頭調査を「店舗における商品陳列・販促物・清掃状況・スタッフの接客態度などを把握するため行う調査手法」とし、派遣された調査員が店舗状況を撮影すると説明しています(クロス・マーケティング「店頭調査」)。こちらは実際の店で自社商品がどこに何フェイス置かれているかという実態を記録する調査で、消費者に選んでもらう実験ではありません。見積もりを依頼するときに「棚調査」とだけ書くと、どちらを求めているのか調査会社が判断できないので、「模擬棚での選択テスト」か「店頭の陳列実態の調査」かを明記してください。
測る指標と、選択率が低いときの原因の切り分け
シェルフテストの指標は、棚の前での行動を「見つける→読む→手に取る→選ぶ」の順に分解して取るのが基本です。選択率だけを見ていると、負けた理由が「そもそも目に入っていない」のか「見たが特徴が伝わっていない」のかを区別できず、デザインの直し方を誤ります。MRSは選ばれない原因を「見つけてもらえない」「見られても伝わらない」「伝わっても選ばれない」の3つで整理しています(MRS「シェルフテストで選ばれない原因とは?」)。各段階に対応する指標は次のとおりです。
| 段階 | 指標の例 | 取り方 | 低いときの打ち手 |
|---|---|---|---|
| 見つける | 初回注視までの時間・注視率 | アイトラッキング | 色・形・ロゴの大きさ |
| 読む | 注視時間・注視した面 | アイトラッキング | 情報の優先順位・コピー位置 |
| 手に取る | 手に取り率・クリック率 | 行動観察・操作ログ | 表面で訴求点が伝わるか |
| 選ぶ | 選択率・購入意向 | 模擬購買・アンケート | 価格・容量・競合との差 |
視線データには限界もあります。MRSは、視線が止まったことだけで商品への好意や情報の理解までは判断できないと明記しています。注視時間が長いのは「興味を持った」のではなく「何の商品か分からず読んでいた」場合もあるため、視線の記録は事後インタビューで本人に理由を確かめてから解釈します。
FMOTの「3〜7秒」と、一次資料で確認できる数字
シェルフテストが測る棚の前の瞬間は、P&GがFMOT(First Moment of Truth)と呼んだものです。P&Gは2004年6月期のForm 10-Kで、勝つべき瞬間を「when a consumer is shopping in the store」と書いています(P&G Form 10-K(2004年6月期))。国内の解説では「棚の前の3〜7秒で決まる」が定番ですが、Googleの公式eBookが紹介しているのは2005年のウォール・ストリート・ジャーナル記事の「7秒」で、これも計測研究の原典ではなく新聞記事の要約です。下限の3秒の出所は確認できません。秒数は目安の言い回しとして読み、調査の基準値には使わないでください。詳しい経緯はFMOT(エフモット)とSMOTの違いで一次資料ごとに整理しています。
秒数より確かな数字もあります。米国のPOPAIが2011年秋から2012年3月に店内で2,400人に聞き取った調査では、スーパーでの購買のうち店内で決まったものは76%(非計画購買55%、ブランドの切り替え6%、カテゴリーだけ決めていた15%)で、1995年の70%から上がっていました(POPAI「2012 Shopper Engagement Study」)。少なくとも米国のスーパーでは購買の4分の3が店内で決まっている、というのが秒数よりも実務に効く事実です。来店前のネット上の検討(ZMOT)とは別に、棚の中での見つけやすさを独立して測る理由はここにあります。
フェイス数と棚の段の効果:アイトラッキング研究の数字
「棚で目立てば売れる」は半分しか正しくありません。これを数字で示したのが、Chandon・Hutchinson・Bradlow・Youngの論文「Does In-Store Marketing Work?」(Journal of Marketing、2009年11月号)です(DOI: 10.1509/jmkg.73.6.1)。米国8都市のショッピングセンターで世帯の買い物担当者384人を募り、商用のパッケージテストで通常使われる手順でスーパーの棚画像を見せて視線を記録しました(技術的な問題と回答不備で36人を除外)。棚の上のブランドごとに、視線が向いたか(注視)、見直したか(再注視)、記憶・検討・選択に至ったかを分けて測っています。
フェイス数の増加による注視率と選択率の変化
同じブランドのフェイス(棚に正面を向けて並ぶ個数)を4から8に増やすと、注視される確率は60%から76%へ、再注視は38%から53%へ上がりました。ところが8から12に増やしても注視の上積みは76%から82%にとどまり、4から12に増やしたときの選択率は7.7%から8.8%への上昇でした。見られる量は増えても、選ばれる量はそれほど増えないということです。
効き方には偏りもあります。4から12フェイスへの増加で、シェアの低いブランドの選択率は1.9%から3%へと6割増えた一方、シェアの高いブランドは13.4%から14.7%で1割弱の増加でした。この実験では、フェイスを増やしたときの選択率の伸び率は、シェアの低いブランドのほうが大きかったことになります(増加幅は1.1ポイントと1.3ポイントで同程度です)。
棚の段による注視とブランド評価の違い
段の位置の効果は、注視と評価で食い違いました。論文の要旨は、上段と中段は下段より注視を集めるものの、ブランドの評価にまでつながるのは上段だけだったと結論づけています。横方向では、棚の左側と右側の比較では注視にも評価にも差が出ませんでした。一方で、棚の中央寄りに置くことは注視と評価の両方を高めたと報告されています。「目線の高さの中段に置けば売れる」という店頭の通説は、注視については正しく、選択については支持されなかったことになります。
シェルフテストの設計に落とすと、結論は1つです。注視の指標だけで合否を決めない。見られたかどうかと選ばれたかどうかを別々に測り、両方で比べてください。アイトラッキングを付けた調査で「注視率が上がったから改善」と報告されたら、選択率も伸びているかを必ず確認します。
会場・オンライン・実店舗の3手法と選び方
シェルフテストは、棚をどこに作るかで3系統に分かれます。現実への近さ、条件の揃えやすさ、集められる人数、費用が手法ごとに違うため、検証したい問いで選びます。
| 手法 | 棚の作り方 | 人数の目安 | 強み | 弱み |
|---|---|---|---|---|
| 会場(CLT・模擬店舗) | 実物の棚・什器 | 数十〜百数十名 | 実物を手に取れる・条件を統制 | 会場費・人件費 |
| オンライン(WEBシェルフ) | 画面上の棚画像 | 数百名〜 | 来場不要・広域から募集できる | 質感・大きさが伝わらない |
| 実店舗テスト | 実際の売り場 | 来店客全体 | 実購買のデータ | 条件を揃えにくい・小売の協力が要る |
選ぶ基準は、実物を手に取った評価が必要かどうかです。質感や大きさまで含めて最終案を決めるなら会場型、画像で比べられる段階の候補の絞り込みならオンライン、発売後の陳列変更の効果を確かめるなら実店舗、という使い分けが基本です。
会場型(CLT・模擬店舗)による実物パッケージの比較
会場型は、対象者を会場に集め、実物の商品を並べた棚の前で選んでもらう方式です。実物を手に取れるため、パッケージの質感・サイズ感・開けやすさまで評価に入ります。日本インフォメーションの模擬店舗会場「NI Shopper Lab.」は、コンビニとドラッグストアの売り場を再現し、模擬購買のあと隣接するCLT会場で中身の試飲・試食評価までつなげる使い方を紹介しています(日本インフォメーション「NI Shopper Lab.」)。会場運営の流れやリクルートの決まりごとは会場調査(CLT)の費用内訳・進め方にまとめています。
弱みは、対象者が「調査に呼ばれた」と分かっている点です。普段より棚を丁寧に見る可能性があるため、注視時間の絶対値ではなく、案どうしの差で読むのが安全です。
オンライン(WEBシェルフ)による候補案の絞り込み
オンライン型は、アンケート画面に棚の画像を表示し、気になる商品や買いたい商品を選んでもらう方式です。クロス・マーケティングの「衝動リサーチ」は、通常のWEBシェルフが「どの商品が気になるか」という意識の聴取に限られるのに対し、「クリックした商品」「クリックしたけど買わなかった商品」といった操作ログを取ると説明しています(クロス・マーケティング「衝動リサーチ」)。クリック率が出れば、選ばれない理由を「検討されたのに買われなかった」と「そもそもクリックされなかった」に分けられます。上の表でいえば「手に取る」と「選ぶ」を切り分けられるのが、操作ログの価値です。ただし、クリックされなかった商品が目に入っていなかったのかどうかは操作ログでは分からず、「見つける」段階を測るには視線の計測が別に要ります。
画面上の模擬売り場で得た選択がどこまで実購買を予測できるかは、古くから検証されています。Burkeらは、同じ消費者の7か月間の実際のスーパーでの購買と、それを再現したコンピュータ上の模擬売り場で1回の実験セッションにまとめて行った一連の購買を比べ、個々の予測には系統的なずれがあるものの、消費者全体で集計したブランドの市場シェアと販促への反応は相応に予測できたと報告しています(Journal of Consumer Research 19巻1号、1992年)。この研究が支持しているのは集計した市場シェアの予測までで、一人ひとりの行動の予測ではありません。研究は30年以上前のパソコン上の模擬店舗が対象で、今のWEBシェルフにそのまま当てはまる保証もないため、オンライン型の結果は案ごとの選択シェアの差として読むのが安全です。
画面の画像では、商品の大きさ・質感・立体感を実物と同じ条件で確かめられません。容器の形状やエンボス加工で差別化する商品は、オンラインだけで最終判断をしないでください。
シェルフテストの費用:公開されている料金例
シェルフテストの費用は設計次第で大きく変わりますが、料金例を公開している調査会社もあります。2026年10月時点で各社の公式ページに掲載されている例は次のとおりです。
| サービス | 形式 | 人数・時間 | 料金例 |
|---|---|---|---|
| 日本インフォメーション 模擬店舗 パターンA | 模擬購買+評価 | 80名・30分・実査2日 | 1,500,000円〜(税抜き) |
| 日本インフォメーション 模擬店舗 パターンB | 模擬購買+インタビュー | 10名・60分・実査2日 | 800,000円〜(税抜き) |
| クロス・マーケティング 衝動リサーチ | WEBシェルフ+パッケージ評価 | 500サンプル | 1,500,000円〜(税別) |
日本インフォメーションのパターンAは、15分の模擬購買と15分の購入商品の評価で構成され、設計・リクルート・会場設営・実査運営・ローデータとクロス集計表の作成までを含みます。スケジュールは最短21営業日です。パターンBは15分の模擬購買のあと45分のインタビューを行う定性型です。クロス・マーケティングの例はレポーティングまでを含み、WEBシェルフとパッケージ評価のどちらか一方だけの依頼もできるとしています。
会場型の80名で150万円、オンラインの500名で150万円という水準は、1名あたりの単価で見ると会場型が約6倍です(日本インフォメーションの例は報告書がオプションで、レポーティングまで含むクロス・マーケティングの例と納品範囲は揃っていません)。単価の差の内訳は料金例からは分かりませんが、会場型には対象者1人ごとにかかるリクルート費・謝礼に加え、会場費と運営スタッフ費が実査日数に応じてかかります。CLTの費目の内訳は会場調査(CLT)の費用内訳でアスマークの公開見積もりをもとに分解しています。
費用を押し上げる4つの条件
見積もりが料金例から大きく上振れするのは、主に次の条件が重なったときです。
- 対象者の出現率が低い:特定ブランドの購入者など条件が細かいほど、リクルート費が上がります。条件の絞り方はスクリーニング調査の設計と必要サンプル数で扱っています。
- 比較する棚パターンが多い:1人に何パターンも見せると前の棚の印象が残るため、パターンごとに対象者を分けるのが原則で、そのぶん人数が増えます。
- アイトラッキングやインタビューを足す:MRSの視線深掘りシェルフテストは、1会場日あたり10名程度を想定し、眼鏡を着用している人は機器の条件で対象外です。人数が限られる分、全員ではなく一部の対象者に追加する形になります。
- 試作品の手配:実物の試作パッケージを棚の数だけ用意する費用は、調査会社の見積もりに含まれないことが多い項目です。
シェルフテストの設計と発注前に決めること
調査会社に相談する前に、社内で次の4点を決めておくと見積もりの往復が減ります。
- 判断したいこと:「A案とB案のどちらで発売するか」なのか「現行品のリニューアルで見つけやすさが上がるか」なのか。前者は選択率、後者は初回注視までの時間が主指標になります。
- 棚に並べる競合:実際の売り場で隣に並ぶ商品と、その並び順・フェイス数。ここを実態と違えると結果が使えません。店頭の実態が分からなければ、先に店頭調査で記録しておきます。
- 提示の方式:1人に1パターンだけ見せるか、複数パターンを順に見せるか。順番の影響を避けたいなら前者が原則です。方式の違いはモナディックテストとシークエンシャルの使い分けで解説しています。
- 合格ライン:選択率が何%なら採用するか。社内に過去の調査結果が蓄積されていれば、それを比較の基準にできます。基準値の作り方はノーム値(ノルム値)の計算例を参照してください。
合格ラインは必ず実査の前に決めてください。結果が出てから基準を決めると、都合のよい解釈に流れます。
シェルフテストとシェルフマネジメント(棚割調査)の違い
シェルフマネジメントは、小売店の限られた棚スペースに、どの商品を・どの位置に・何フェイス並べるかを決めて管理する仕事です。棚割(プラノグラム)の作成がその中心で、主に小売側やメーカーの営業・カテゴリー担当が、POSデータなどの販売実績をもとに行います。棚割調査は、その棚割の良し悪しを売上や来店客の行動で確かめる調査を指します。
| 項目 | シェルフテスト | シェルフマネジメント(棚割) |
|---|---|---|
| 問い | この商品は選ばれるか | この棚全体で売上・利益が最大か |
| 主な担い手 | メーカーのマーケティング・開発 | 小売・メーカー営業 |
| 主なデータ | 選択率・視線・アンケート | POS・在庫・棚スペース |
| 実施時期 | 発売前・リニューアル前 | 定期の棚替え |
研究でも、両者は違う答えを出しています。実際のスーパーで棚割を変える実験を行ったDrèze・Hoch・Purk(Journal of Retailing 70巻4号、1994年)は、欠品を防ぐ最低限を超えてフェイスを増やしても売上への効果は小さく、縦の位置では目や手の高さが最も良く最下段が最も悪いと結論づけました。これに対し前章のChandonらは、フェイス数は注視を通じて選択を押し上げると報告し、食い違いの理由を「自分たちはカテゴリーを買うと決めた人のブランド選択を測り、Drèzeらは購入の有無や数量まで含むブランドの販売個数を測った」と説明しています。棚割は売上の総量で、シェルフテストは棚の前での選択で効果を測るため、同じフェイス数でも見え方が変わります。
両者がつながるのは、メーカーが小売へ棚割を提案する場面です。「この位置・このフェイス数なら自社商品が見つかりやすい」という根拠をシェルフテストで作り、棚割の商談資料に使う、という順番になります。
シェルフテストを使うべきでない場面
シェルフテストは万能ではありません。次の条件に当てはまるなら、別の調査を選ぶほうが費用に見合います。
- 来店前に買う銘柄を決めている客が多いと分かっているカテゴリー:棚での見つけやすさより指名の強さが購買を左右するため、知りたいのが銘柄の指名率なら、購買履歴やブランド調査のほうが直接答えます。
- EC販売が主のブランド:検索結果やおすすめ枠で選ばれる商品に、実店舗の棚を再現しても判断材料になりません。EC画面の一覧を再現したテストに置き換えます。
- 中身の評価が決め手の段階:味や使用感で勝負が決まる段階では、棚の前の評価より、家庭で一定期間使ってもらうホームユーステスト(HUT)の結果が重要です。
- デザイン案の差がわずかなリニューアル:ロングセラー品の微修正のように似通った案どうしでは、通常のパッケージ評価では有意差が出ないことも多いと、クロス・マーケティング自身が書いています。反応速度など別の指標を設計に入れないなら、実施しても結論が出ない可能性が高いです。
よくある質問
シェルフテストと棚調査・陳列調査は同じ意味ですか?
競合と並べた棚で自社商品の選ばれやすさを測る調査を指す場合は、ほぼ同じ意味です。陳列効果調査・模擬棚調査も同じ範囲で使われます。ただし「棚調査」は、調査員が実際の店舗を回って陳列状況や販促物を記録する店頭調査(ストアオーディット)の意味でも使われます。調査会社に依頼するときは「模擬棚で消費者に選んでもらうテスト」か「店頭の陳列実態の記録」かを明記すると、見積もりの行き違いを防げます。
シェルフテストの費用はどれくらいかかりますか?
公開されている料金例では、日本インフォメーションの模擬店舗調査が80名・30分・実査2日で150万円〜(税抜き)、10名のインタビュー型が80万円〜(税抜き)、クロス・マーケティングのWEBシェルフを含む調査が500サンプルで150万円〜(税別)です。出現率の低い対象者、棚パターンの数、アイトラッキングやインタビューの追加で上振れします。正確な額は設計を固めたうえで見積もりを取ってください。
シェルフマネジメント(棚割)とシェルフテストの違いは?
シェルフマネジメントは、棚全体でどの商品をどの位置に何フェイス並べるかを決める管理の仕事で、主にPOSや在庫のデータを使って小売やメーカー営業が行います。シェルフテストは、その棚の中で特定の商品が見つかり選ばれるかを、消費者に選んでもらって測る調査です。メーカーが棚割を提案するとき、シェルフテストの結果を根拠に使う関係にあります。
オンラインと会場、どちらでシェルフテストをすべきですか?
実物を手に取って評価する必要があるかで決めます。候補案を絞り込む段階ならオンライン、手に取ったときの質感や大きさまで含めて最終案を決める段階なら会場型が基本です。公開料金の例では、オンラインのクロス・マーケティング「衝動リサーチ」が500サンプルで150万円〜(税別)、会場型の日本インフォメーションの模擬店舗が80名で150万円〜(税抜き)でした。容器の形や素材感で差をつける商品は、最終判断を会場型で行ってください。
シェルフテストで一度に何案まで比較できますか?
1人に見せる棚は1パターンにし、パターンごとに対象者を分けるのが原則です。複数の棚を順に見せると、最初に見た棚の印象が後の評価に影響するためです。各案に同じ人数を割り付ける場合、案を1つ増やすごとにその人数分の対象者が必要です。何名ずつ要るかは、案どうしの選択率の差を何ポイントまで見分けたいかで決まります。案が多い場合はオンラインで絞り込み、残った案だけを会場型で比べる二段構えにすると、会場型の人数を抑えられます。