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AWS Snowballとは?2025年の新規提供終了と現行デバイス・移行手段の選び方

AWS Snowballは、ネットワーク経由では現実的でないテラバイト〜ペタバイト級のデータを、物理デバイスに書き込んでAWSへ運び込むためのオフライン移行サービスです。ただし2024年から2025年にかけてラインナップが大きく整理され、Snowball Edgeは2025年11月7日をもって新規のお客様には提供されなくなりました。この記事では、いまSnowballがどういう状態にあるのか(提供終了と現行デバイス)、そして新規で大容量データを移行したい場合にどの手段を選ぶべきかを、公式情報にもとづいて整理します。

まとめ:Snowballの現状と、いま選ぶべき移行手段

  • 新規提供は終了:AWS Snowball Edgeは新規のお客様には提供されません(2025年11月7日以降)。既存で利用中の環境には影響しません。
  • 現行デバイスは2機種のみ:既存顧客が対象のSnowball Edge Storage Optimized 210TBと、Compute Optimized 104 vCPUに集約されました。Snowconeと旧モデル3種は提供終了です。
  • 新規のデータ移行は代替手段へ:オンラインならAWS DataSync、物理的なオフライン転送ならAWS Data Transfer Terminalやパートナー製品、エッジ処理ならAWS Outpostsが公式の移行先です。
  • 選び方の軸:回線帯域・信頼性・データ量の3点で判断します。回線が細い/量が大きいほど物理搬送、回線が確保できるならDataSyncが有利です。

AWS Snowballとは:Snowファミリーにおける物理データ移行の役割

AWS Snowballは「Snowファミリー」と呼ばれる物理デバイス群の中核でした。数十テラバイト以上のデータをインターネット回線でS3へ送ると、帯域と時間の制約で数週間〜数か月かかることがあります。Snowballは、AWSから送られてくる耐タンパー筐体のストレージデバイスにオンプレミス側でデータを書き込み、そのデバイスをAWSへ返送してS3へ取り込む、という「データを物理的に運ぶ」発想で回線制約を回避します。

Snowballが向くのは、回線帯域に対してデータ量が大きすぎるケースです。目安として、利用可能な回線でオンライン転送が1週間以上かかるなら物理搬送を検討する、というのが従来からの判断基準でした。データセンター閉鎖に伴う一括移行、映像・ゲノム・センサーなどの大容量アーカイブ移行、通信が不安定な現場でのデータ収集などが典型的な用途です。移行前に自社サーバー群の構成と依存関係を棚卸しする段階では、AWS Application Discovery Serviceによる移行前アセスメントと組み合わせて計画を立てます。

2024〜2025年の提供終了と現行ラインナップ

Snowballを検討・利用するうえで最重要の変化が、Snowファミリーの整理です。デバイスの選択肢が段階的に絞られ、最終的に新規提供そのものが終了しました。古い記事の「まずSnowballを申し込む」という前提は、2026年時点では成り立ちません。

新規提供の終了(2025年11月7日)と既存顧客の扱い

AWSは、Snowball Edgeを新規のお客様には提供しないと公式に案内しています。これによりSnowファミリーのデバイスは、新規に注文できるものが無くなりました。一方で、すでにSnowball Edgeを利用している顧客の運用には影響しません。AWSは既存顧客向けにセキュリティと可用性の改善を継続するとしていますが、公式には新規のニーズについては後述の代替サービスの評価を推奨しています。

提供終了したデバイスと日付

先行して、2024年11月12日に次のデバイスが提供終了となりました。

デバイス 扱い 時期
Snowcone(SSD/HDD) サービス終了・新規/既存とも注文不可 2024年11月12日
Snowball Edge Storage Optimized 80TB(旧モデル) 提供終了(EOL) 2024年11月12日
Snowball Edge Compute Optimized 52 vCPU(旧モデル) 提供終了(EOL) 2024年11月12日
Snowball Edge Compute Optimized with GPU(旧モデル) 提供終了(EOL) 2024年11月12日

これらEOLモデルを利用していた既存顧客へのサポートは2025年11月12日まで継続とされました。そのうえで2025年11月7日、Snowball Edge全体が新規提供終了となっています。

現在の2機種とスペック

整理の結果、Snowball Edgeのハードウェアは次の2機種に集約されました(いずれも既存顧客向け)。

機種 主な用途 ストレージ コンピュート 転送性能
Snowball Edge Storage Optimized 210TB 大容量データ移行 210TB(NVMe) 最大1.5GB/秒
Snowball Edge Compute Optimized 104 vCPU エッジ処理/演算 28TB(NVMe SSD) 104 vCPU/最大416GB RAM

旧モデルにあったHDDベースやGPU付きの構成は姿を消し、フルSSD(NVMe)の高速機に統一されたのがポイントです。「Snowball Edgeにどんな種類があるか」を調べている場合、参照すべきは基本的にこの2機種になります。

Snowballの代替手段:新規に大容量データを移行する場合の選び方

新規にSnowballを注文できない以上、これから移行を計画するなら別の手段を選びます。AWSが公式に示す移行先は、オンライン・オフライン・エッジ処理で分かれます。「AWSのデータ移行ツールを比較したい」というニーズには、この3系統を回線とデータ量で切り分けるのが実務的です。

オンライン転送:AWS DataSync

回線がある程度確保できるなら、まず検討するのがAWS DataSyncです。オンプレミスのNFS/SMB共有、HDFS、自己管理のオブジェクトストレージなどから、S3・EFS・FSxへデータを移動します。増分転送・インライン圧縮・スパースファイル検出・転送中の検証と暗号化といった最適化を持ち、単一タスクで10Gbpsの回線を使い切れる設計です。ソフトウェアライセンスや保守費が不要で、使った分だけの課金になります。帯域がボトルネックなら、AWS Direct Connectの専用線と併用して速度と信頼性を底上げできます。

オフラインの物理転送:AWS Data Transfer Terminal/パートナー

回線では現実的でない量を物理的に運びたい場合の後継が、AWS Data Transfer Terminalです。自分のストレージデバイスを最寄りの拠点へ持ち込み、専用の場所で高速にS3などへアップロードします。AWSコンソールから予約し、予約時間に来訪してアップロードする流れで、Snowballのように筐体を郵送するのではなく「データを持ち込む」方式です。加えて、SeagateやTsecondなどのパートナーが、AWS Marketplace経由でオフライン転送サービスを提供しています。

エッジコンピューティング:AWS Outposts

Snowball Edge Compute Optimizedをエッジやハイブリッド用途の演算基盤として使っていた場合の代替は、AWS Outpostsです。2Uのサーバー型から42Uのラック型まであり、オンプレミスにAWSと同じインフラ・API・サービスを持ち込めます。EC2互換の環境をオンプレミスへ延伸し、クラウドと同じツールで運用できるため、低遅延処理・データの所在地要件・現地システム連携が必要な移行に向きます。

目的 手段 向くケース
オンライン移行 AWS DataSync(+Direct Connect) 回線を確保できる・増分転送
オフライン物理転送 AWS Data Transfer Terminal/パートナー 回線が細い・大容量を短時間で
エッジ処理・ハイブリッド AWS Outposts 低遅延・データ所在地・現地演算

選定でよくある失敗は、回線帯域を確保できないままDataSyncを選び、転送が数週間に伸びて移行計画が破綻するパターンです。オンライン転送に必要な帯域と所要時間を先に見積もり、間に合わないなら迷わずData Transfer Terminalなどの物理搬送へ倒すのが安全です。どの手段でも、まず移行対象の棚卸しと移行方式(リホスト・リプラットフォーム等の6R)を決めることが先決で、全体の進め方はクラウド移行の進め方の手順を参照してください。

Snowball Edgeの仕組みとセキュリティ(既存顧客向けの要点)

既存顧客がSnowball Edgeを運用する際の基本の流れは、AWSコンソールでジョブを作成→デバイスが届く→専用クライアントやNFSマウント経由でデータをコピー→AWSへ返送→S3へインポート、という順序です。返送後はAWS側で取り込みが行われ、完了後にデバイス上のデータは消去されます。

セキュリティ面では、データはデバイス上で256ビットの暗号化がかかり、暗号鍵はAWS KMSで管理されてデバイス本体には保存されません。筐体は耐タンパー設計で、輸送時の改ざんを検知できるようになっています。移動中の紛失・盗難があっても、鍵がデバイスと分離しているため中身を読み取られないのが物理搬送でも安全性を保てる理由です。とはいえ新規利用ができない以上、これから移行する場合は前掲の代替手段で同等のセキュリティ要件(転送中・保管時の暗号化)を満たす設計にするのが現実的です。

よくある質問(FAQ)

AWS Snowballは今も使えますか?

新規のお客様には提供されていません(Snowball Edgeは2025年11月7日以降、新規注文不可)。すでに利用中の既存顧客の運用は継続できます。これから移行するならDataSyncやData Transfer Terminalなどの代替手段を使います。

Snowball EdgeとSnowballの違いは何ですか?

現在「Snowball」として案内されているのは実質Snowball Edgeです。旧世代の無印Snowballや旧モデル(80TB/52 vCPU/GPU付き)は提供終了し、現在の選択肢はStorage Optimized 210TBとCompute Optimized 104 vCPUの2機種に集約されています。

新規でSnowballが使えない場合、大容量データ移行はどうすればよいですか?

回線を確保できるならAWS DataSync(必要に応じてDirect Connect併用)、回線が細く物理搬送したいならAWS Data Transfer Terminalやパートナー製品、エッジ演算が目的ならAWS Outpostsが公式の移行先です。データ量と回線帯域で選び分けます。

Snowconeは使えますか?

使えません。SnowconeのSSD/HDDは2024年11月12日にサービス終了となり、新規・既存とも注文できません。

Snowballの料金はどれくらいですか?

料金はジョブ単位の利用料と、規定日数を超えた分の日額、データ転送などで構成されます。改定されるため、正確な金額はAWSの公式料金ページで最新の値を確認してください。

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