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Grok 4.1 Fastとは?2026年5月の提供終了とgrok-4.3への転送・料金差・移行手順

Grok 4.1 Fastとは?2026年5月の提供終了とgrok-4.3への転送・料金差・移行手順

Grok 4.1 Fastは、xAIが2025年11月19日に公開したツール呼び出し向けのAPIモデルです。コンテキスト200万トークン、入力100万トークンあたり$0.20で、ツール呼び出しを伴うエージェント用途向けに提供されていました。ただし2026年5月15日12:00(米国太平洋時間)にxAI APIから退役しており、現在は旧モデルIDへのリクエストがgrok-4.3で処理され、grok-4.3の単価で課金されています。この記事では、公開時の仕様とGrok 4 Fastとの違いを押さえたうえで、転送で何が変わったか、どのモデルへ明示的に移すべきかを整理します。Grokの現行フラッグシップについてはGrok 4.7とは?4.6からの変更点・料金・APIの呼び出し方と移行判断【2026年9月版】で扱っています。

まとめ:Grok 4.1 Fastの提供状況と移行の要点

  • Grok 4.1 Fastは2025年11月19日公開。モデルIDは grok-4-1-fast-reasoning と grok-4-1-fast-non-reasoning の2本で、コンテキストは200万トークン。
  • 2026年5月15日12:00 PT(日本時間5月16日4:00)にxAI APIから退役。旧IDは今も受け付けられ、reasoning版はgrok-4.3の low、non-reasoning版は none で処理される。
  • 転送後はgrok-4.3の単価(入力$1.25・出力$2.50/100万トークン)で課金される。4.1 Fast比で入力6.25倍・出力5倍。
  • grok-4.3のコンテキストは100万トークンで、4.1 Fastの半分。20万トークン以上のプロンプトは全トークンが倍額になる。
  • コード修正は model を grok-4.3 にし、reasoning effortを明示するだけ。OpenRouterの x-ai/grok-4.1-fast は提供元がゼロになっている。

Grok 4.1 Fastの公開時の仕様とモデルID

xAIの公式発表「Grok 4.1 Fast and Agent Tools API」は、Grok 4.1 Fastを「our best tool-calling model with a 2M context window」と紹介しています。顧客サポートや金融など、ツールを何度も呼ぶ業務を想定したモデルです。発表ページに載っていた仕様は次のとおりです。

項目 公開時の値
公開日 2025年11月19日
モデルID grok-4-1-fast-reasoning / grok-4-1-fast-non-reasoning
コンテキスト 2,000,000トークン
入力 $0.20 / 100万トークン
キャッシュ済み入力 $0.05 / 100万トークン
出力 $0.50 / 100万トークン
ツール呼び出し 成功1,000回あたり$5から
無料期間 OpenRouterとAgent Tools APIで2025年12月3日まで

同じ日に、Web検索・X検索・コード実行などをxAI側のサーバーで動かす「Agent Tools API」もGrok 4.1 Fastに対応しました。リリースノートには、ツール料金を最大50%下げて成功1,000回あたり$5以下にしたと書かれています。

reasoning版とnon-reasoning版の2つのモデルID

xAIのAPIでは、推論してから答える grok-4-1-fast-reasoning(発表文では「for maximal intelligence」)と、即答する grok-4-1-fast-non-reasoning(「for instant responses」)が別IDでした。推論の有無はパラメーターではなく、モデルIDで選ぶ方式です。一方OpenRouterは x-ai/grok-4.1-fast の1本にまとめ、モデル説明に「Reasoning can be enabled/disabled」とあるとおり、リクエスト側の設定で推論を切り替えていました。xAI直とOpenRouterで同じモデルの呼び方が違ったので、移行時は経路ごとに書き換え箇所を確認してください。

公式発表のベンチマーク値と前提条件

発表ページの数値はxAI自身が公表したものです。この表で第三者による検証済みと明記されているのはτ²-bench Telecomです。数値ごとに評価主体と条件を分けて読んでください。

ベンチマーク スコア コスト 前提
τ²-bench Telecom 100% 総額$105 Artificial Analysisによる検証済み
Berkeley Function Calling v4 72% 総額$400 Overall Accuracy
Research-Eval Reka 63.9 平均$0.046 Agent Tools API併用
FRAMES 87.6 平均$0.048 Agent Tools API併用
X Browse 56.3 平均$0.091 xAIの社内ベンチマーク

X Browseは、X上で複数回の検索と閲覧を要するタスクをxAIが独自に作った評価です。他社モデルの比較値も掲載されていますが、xAI独自の評価であり、一般的な性能差として扱うには評価条件の確認が必要です。発表ページは事実性についても触れており、幻覚率はGrok 4 Fastの半分、FActScoreではGrok 4と同等だとしています。これもxAIの自己申告です。

Grok 4 FastとGrok 4.1 Fastの違い

Grok 4 Fastは2025年9月19日公開の先行モデルです。reasoning版とnon-reasoning版の2ID構成と200万トークンのコンテキストは、4.1 Fastと共通です。違いが出るのは、128k以上の料金区分と、発表時に打ち出した改善点です。

項目 Grok 4 Fast Grok 4.1 Fast
公開日 2025年9月19日 2025年11月19日
コンテキスト 2,000,000 2,000,000
入力(128k未満) $0.20 $0.20
入力(128k以上) $0.40 発表ページに区分なし
出力(128k未満/以上) $0.50 / $1.00 $0.50(区分なし)
退役 2026年5月15日 2026年5月15日

128k未満なら単価は同じで、4.1 Fastは発表時にツール呼び出しの精度と幻覚率の改善を打ち出していました。両モデルは同じ日に退役し、同じgrok-4.3へ転送されています。つまり今となっては、どちらを使っていたかで移行作業は変わりません。

2026年5月15日のAPI提供終了と自動転送

xAIは移行ガイド「Grok Model Retirement on May 15, 2026」で告知したとおり、2026年5月15日12:00 PT(日本時間5月16日4:00)に8モデルをAPIから退役させました。対象はGrok 4.1 Fastの2本、Grok 4 Fastの2本、grok-4-0709、grok-code-fast-1、grok-3、grok-imagine-image-pro です。ガイドには「The slugs themselves continue to resolve」とあり、旧IDを送ってもエラーにはなりません。ただし、応答を返すのは別のモデルです。

退役したモデルID 転送先 転送時のreasoning effort
grok-4-1-fast-reasoning grok-4.3 low
grok-4-1-fast-non-reasoning grok-4.3 none
grok-4-fast-reasoning grok-4.3 low
grok-4-fast-non-reasoning grok-4.3 none
grok-code-fast-1 grok-build-0.1 なし

docs.x.aiの現行モデル一覧と料金表にGrok 4.1 Fastは載っておらず、個別ページも404になります。以前のモデルページを参照しているSDKのサンプルや社内手順書は、この時点で古くなっています。

転送後の料金:入力6.25倍・出力5倍

移行ガイドは、退役後も旧IDを送り続けた場合、元の単価ではなく「grok-4.3 pricing of $1.25 per 1M input tokens and $2.50 per 1M output tokens」で課金すると明記しています。4.1 Fastと比べると、入力が$0.20→$1.25(6.25倍)、出力が$0.50→$2.50(5倍)、キャッシュ済み入力が$0.05→$0.20(4倍)です。

たとえば1タスクの合計が非キャッシュ入力10万トークン、推論分を含む課金対象の出力5,000トークンで、ツール料金や各種割引を含めない場合、4.1 Fastでは$0.0225、grok-4.3では$0.1375で、約6.1倍になります。月1万タスクなら$225が$1,375に増えます。旧IDのまま呼んでいる処理は、コードを変えていなくてもこの差額分だけ請求が増えます。5月16日以降に請求が増えた場合は、送信モデルIDに加え、トークン数、キャッシュ利用量、ツール呼び出し数の変化を確認してください。

コンテキスト上限と推論の既定値の変化

grok-4.3のモデルページでは、コンテキストは1,000,000トークンです。200万トークン前提で長大な文書を丸ごと渡していた処理は、転送先の上限を超えます。さらにgrok-4.3は、プロンプトが20万トークンに達すると、そのリクエストの全トークンが入力$2.50・出力$5.00の長文脈単価になります。分割後の各プロンプトを20万トークン未満にすると通常単価を適用できます。ただし、文脈の重複投入や結果の統合でトークン数が増えるため、総額が下がるかは処理全体で比較してください。

推論の深さも変わります。grok-4.3のreasoning effortは none・low・medium・high・xhigh の5段階で、既定は low です。旧reasoning版からの転送は low 固定なので、grok-4.3で推論量を増やしたい処理では、medium または high を指定して、回答品質・応答時間・費用を比較してください。grok-4.3のT0のレート上限は毎秒37リクエスト、毎分1,000万トークンです。上限は利用Tierで異なるため、自分のチームに適用される値をConsoleで確認してください。

grok-4.3へ明示的に移行するコード

移行ガイドは、ほとんどの場合はリクエストの model を書き換えるだけで移行できると説明しています。転送に任せず自分でモデルとeffortを指定すれば、どの深さの推論に課金されるかを自分で決められます。xAIはChat Completionsを旧来の方式と位置づけ、新規の実装にはResponses APIを勧めています。次の例はOpenAIのPython SDKでResponses APIを呼び、1件あたりの実費も表示します。実行前にopenaiパッケージをインストールし、環境変数XAI_API_KEYにxAIのAPIキーを設定してください。

import os
from openai import OpenAI

client = OpenAI(
    base_url=os.getenv("XAI_BASE_URL", "https://api.x.ai/v1"),
    api_key=os.environ["XAI_API_KEY"],
)

# 旧コード: model="grok-4-1-fast-non-reasoning"
response = client.responses.create(
    model="grok-4.3",
    reasoning={"effort": "none"},  # 旧non-reasoning相当。旧reasoningは "low"
    input="次の問い合わせを「請求」「技術」「その他」のどれか1語で分類してください: API呼び出しが429で失敗します",
)

print(response.output_text)
cost_usd = response.usage.cost_in_usd_ticks / 1e10  # 1ドル = 10^10 ticks
print(f"model={response.model} cost=${cost_usd:.6f}")

このコードはopenai 2.48.0で、ローカルのモックサーバーに向けて実行しました。送信されたボディが {"model": "grok-4.3", "reasoning": {"effort": "none"}, ...} になり、usage.cost_in_usd_ticks を読めることを確認しています。xAIの実APIには送っていません。cost_in_usd_ticks は2026年4月に追加された項目で、割引適用後の実請求額を1ドル=10の10乗ticksで返します。移行前後で1件あたりの額を比べれば、転送による値上がりをログから確認できます。

Chat Completionsを使い続ける場合は、model="grok-4.3" に加えて reasoning_effort="none"(旧reasoning版なら "low")を渡します。APIキーの発行や基本の呼び出し方はGrok API(xAI)とは?料金・モデル・使い方とAPIキー取得を徹底解説【2026年最新】にまとめています。

「Fast」の意味の変化:Grok 4.7 Fastとの違い

「grok fast」で調べると、2026年9月時点では「Grok 4.7 Fast」も出てきます。名前は似ていますが、4.1 Fastとは中身が逆です。

  • Grok 4.1 Fast:公開APIで誰でも呼べた、入力$0.20の安価なAPIモデル。
  • Grok 4.7 Fast:xAIの料金表では「the same Grok 4.7 model served on faster infrastructure」。中身はGrok 4.7と同じで、速いインフラで動かす代わりに通常の2倍(20万トークン超は1.5倍)の単価がかかる。CursorとGrok Buildからしか使えず、公開xAI APIでは呼べない。

つまり、4.1世代の「Fast」は「安価なAPIモデルの名前」、4.7世代の「Fast」は「同じモデルを高く払って速く動かす提供形態」です。「Fastなら安い」という4.1時代の感覚で4.7 Fastを選ぶと、単価は下がらず上がります。現行のGrok APIには、4.1 Fastのような「入力$0.20級の安価版」は存在しません。

移行先の選び方:grok-4.3・Grok 4.7・grok-build-0.1

xAIの現行料金表(2026年9月29日時点)から、4.1 Fastの代わりになり得るモデルを並べます。料金はいずれも20万トークン未満のプロンプトで、100万トークンあたりの額です。

モデル コンテキスト 入力 出力 推論を切れるか
grok-4.3 1M $1.25 $2.50 切れる(none)
grok-4.20-0309-non-reasoning 1M $1.25 $2.50 推論なし版
grok-build-0.1 256k $1.00 $2.00 コーディング用途
grok-4.7 500k $2.00 $6.00 切れない(既定high)

4.1 Fastで回していた分類・抽出・ツール呼び出しの大量処理なら、xAI API内での移行先はgrok-4.3を第一候補にすべきです。xAIの推奨もgrok-4.3で、コンテキストは候補の中で最長の100万トークン、Batch APIの20%割引も対象です。grok-code-fast-1 の後継として案内されているのは grok-build-0.1 で、コード生成が中心なら入力単価はこちらが最安です。Grok Build側の事情はGrok Buildとは?xAIの自律型コーディングエージェントの仕組み・料金・導入判断【2026年7月版】で扱っています。

推論不要の分類・抽出を低コストで大量処理する用途では、Grok 4.7を第一候補にすべきではありません。推論を無効にできず、既定のeffortはhighです。出力単価は$6.00で4.1 Fastの12倍になり、コンテキストも50万トークンに縮みます。性能が必要な一部のタスクだけを4.7へ回し、大量処理はgrok-4.3に残す二段構えが現実的です。Grok 4系の系譜と退役の全体像はGrok 4とは?特徴・Heavyとの違い・料金とGrok 4.6までの系譜で確認できます。

よくある質問

Grok 4.1 Fastのコンテキストウィンドウは何トークンですか?

2,000,000トークンです。reasoning版とnon-reasoning版のどちらも同じでした。退役後の転送先であるgrok-4.3は1,000,000トークンなので、旧IDで送った長大なプロンプトはこの上限の影響を受けます。

Grok 4.1 Fastは無料で使えましたか?

公開直後の約2週間だけ無料でした。発表ページ(Web Archiveの2025年12月25日保存版)には「xAI Agent Tools API free until Dec 3rd」とあり、OpenRouter経由のGrok 4.1 Fastも同じ12月3日まで無料でした。その後は、モデルのトークン料金(入力$0.20・出力$0.50)とツール呼び出しの料金(成功1,000回あたり$5から)が別々にかかります。現在はモデル自体が退役しているため、この条件で使う方法はありません。

OpenRouterのx-ai/grok-4.1-fastは今も使えますか?

使えません。2026年9月29日時点で、OpenRouterのモデル一覧APIに x-ai/grok-4.1-fast は無く、個別のendpoints APIも提供元が空("endpoints": [])です。無料版の :free も同じ状態です。OpenRouterでは x-ai/grok-4.3(入力$1.25・出力$2.50)が掲載されています。

Agent Tools APIのツール料金はいくらですか?

現行料金表では、Web検索(web_search)とコード実行(code_execution)が成功1,000回あたり$5です。X検索(x_search)は呼び出し回数ではなく取得件数で課金され、投稿1,000件あたり$5、プロフィール1,000件あたり$10です。これにトークン料金が加わります。

Grok APIでいちばん安いテキストモデルはどれですか?

2026年9月29日時点の料金表では、入力単価が最も低いのは grok-build-0.1(入力$1.00・出力$2.00)です。汎用用途では grok-4.3 と grok-4.20-0309 系の$1.25・$2.50が最安帯になります。

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