Arcの開発元The Browser Companyが作るAIブラウザ「Dia」は、2026年10月6日にWindows版(v1.0)が公開され、Windowsでも使えるようになりました。ただし対応するのはWindows 11だけで、Windows 10にはインストールできません。この記事では、Windows版の動作要件とインストール手順、料金のWindowsでの扱い、日本語で使うための言語設定を、公式サイトと配布パッケージの中身で確かめた内容をもとにまとめます(2026年10月20日時点)。
まとめ:DiaのWindows対応の要点
- Windows版:2026年10月6日にv1.0を公開。10月8日に1.1.0、10月15日に1.2.0と週次で更新中で、1.2.0でSkillsがWindowsにも来た。
- 動作要件:Windows 11(OSビルド22000以上)。x64とARM64の両方に対応し、Windows 10ではインストーラーが「Windows 11が必要」と表示して止まる。
- 入手先:公式サイト diabrowser.com のインストーラー(DiaInstaller.exe)だけ。「Dia for Windows」を名乗る別ブラウザの紹介ページがあるので配布元を確かめる。
- 料金:有料プランの開始はMacの新規ユーザーからで、公式FAQはWindows版を「当面は現状のまま」としている。
- 日本語:言語の設定画面は dia://settings/languages。AIチャットは日本語で使える。
- Mac・スマホ・Linux:MacはApple Silicon搭載機のみ。スマホ版とLinux版は出ていない。
DiaのWindows版の公開日と版の履歴
Diaは2025年にmacOS向けに公開され、Windows版は2026年7月29日に公式Xで「今秋」と予告されたあと、待機リストの受付を経て公式の変更履歴(Changelog)に2026年10月6日付で「Windows v1.0」が載りました。公式トップページの表記も「Available for macOS and Windows」に変わり、Windowsページは待機リストの登録フォームからダウンロードボタンに置き換わっています。
| 公開日 | Windows版 | 主な変更 |
|---|---|---|
| 2026-10-06 | 1.0 | 初版 |
| 2026-10-08 | 1.1.0 | Arc風の固定タブ・タブ切替の高速化 |
| 2026-10-15 | 1.2.0 | Skills対応・接続アプリの更新 |
Mac版は同じ10月15日時点で1.53.0まで進んでおり、版番号はOSごとに別々に振られています。Windows版の1.2.0の告知には「Skills come to Dia for Windows … matching the experience on macOS」とあり、Mac版で使える機能がWindows版へ順に移植されている段階です。Windows版で特定の機能を使いたい場合は、変更履歴の「Windows」タブにその機能が載っているかを確認してから判断するのが確実です。
Windows版の動作要件:Windows 11専用でx64とARM64に対応
公式のダウンロードページには「Currently available on macOS (Apple Silicon) and Windows 11.」と書かれています。Windows 10を除外しているかどうかは文面だけでは読み取りにくいため、配布されているパッケージの中身で確認しました。
MSIXパッケージが指定する最低ビルド
Windows版はMSIX形式で配布されています。公式の配布定義(Dia.x64.appinstaller)で現行版(2026年10月20日時点で1.2.0.441)とMSIXの取得先を確かめ、そのパッケージに含まれるAppxManifest.xmlを読むと、対応OSは次のように宣言されています。
<TargetDeviceFamily Name="Windows.Desktop"
MinVersion="10.0.22000.0" MaxVersionTested="10.0.22631.0"/>
ビルド22000はMicrosoftのリリース情報でWindows 11の最初の版(21H2)に当たり、Windows 10(ビルド1904x)はこの下限を満たしません。インストーラー(DiaInstaller.exe)にも「Sorry! Dia requires Windows 11」「To use Dia, please update to Windows 11.」という文言が組み込まれており、Windows 10のPCでは導入の段階で止まります。
x64とARM64のパッケージ
| 項目 | x64版 | ARM64版 |
|---|---|---|
| パッケージ | Dia.x64.msix | Dia.arm64.msix |
| サイズ(1.2.0.441) | 約779MB | 約751MB |
| 依存パッケージ | VCLibs 14.0.33728.0(x64) | VCLibs 14.0.33728.0(ARM64) |
| 主な対象 | Intel・AMDのPC | Snapdragon搭載PCなど |
インストーラーはPCのCPUを判定し、ARM64機なら「Installing Dia on ARM64」としてARM64版を選びます。ダウンロードは700MB台なので、テザリングや従量課金の回線では時間と通信量に注意が必要です。
Windows 10端末でのDia導入可否と移行先
Windows 10のままDiaを入れる方法は用意されていません。PCがWindows 11の要件を満たすならOSを上げ、満たさないならWindows 10で動く別のブラウザを使い続けることになります。Windows 10 Home・Proのサポートは2025年10月14日に終了しています。ブラウザの更新だけではOSの保護を補えませんが、対象のWindows 10 Pro端末では、組織向けESUへの加入によってセキュリティ更新を継続できる場合があります。
Windowsにインストールする手順
- diabrowser.com/windows の「Download Dia for Windows」から DiaInstaller.exe(約2.3MB)をダウンロードする。
- DiaInstaller.exe を実行する。OSの版とCPUを確認したうえで、本体のMSIXパッケージ(700MB台)を取得してインストールする。
- Diaを起動してアカウントを作成し、ほかのブラウザからブックマークやパスワードを取り込むかを選ぶ。
インストーラー自体は.NET Framework 4.8.1で動く小さな起動用プログラムで、本体は releases.diabrowser.com から取得されます。すでにDiaが入っているPCで実行すると、新規インストールではなく更新として動きます。
配布元を見分ける:「Dia for Windows」を名乗る別製品のページ
「dia for windows」「dia windows版」で検索すると、別のAIブラウザ(Tabbit)の紹介ページが「公式 · 無料 · Windows 10/11」といった見出しで表示されることがあります。そこに書かれた「Windows 10 / 11で利用可能」はTabbitの要件で、Diaの要件ではありません。Dia本体の入手先は diabrowser.com と、そこから取得される releases.diabrowser.com だけです。パッケージの発行者は「The Browser Company of New York」で、インストール前にファイルのプロパティの「デジタル署名」で署名者を確かめられます。
Arcから移行する場合(Windows)
Windows版ArcからDiaへの移行では、固定タブの整理方法と取り込み後の表示を確認できます。Windows版Diaの1.1.0では「Arc-Style Pinned Tabs」(お気に入りやグループの外にタブを固定する、Arcと同じ整理方法)が入り、1.2.0ではArcから取り込むとタブがArcと同じ縦型のサイドバー表示に切り替わり、ArcのGitHub Live FoldersもDiaのLive Groupsとして引き継がれるようになりました(Windows 1.2.0のリリースノート)。Arcは2025年5月に開発元が「以前のようには中核機能を開発していない」と表明しており、ArcのAI機能の現状はArcのAIアシスタント「Arc Max」の使い方で整理しています。
料金:有料プランの開始はMacの新規ユーザーから
公式の料金ページは3つのプランを並べています。
| プラン | 月額 | 内容 |
|---|---|---|
| Better Browser | 無料 | ブラウザ機能のみ(AI機能なし) |
| Better Answers | 10ドル/20ドル(表記が不一致) | ページやツールを横断するAIチャット |
| Better Days | 100ドル | Better Answersの6倍の利用量・Morning Brief・資料作成 |
Better Answersは料金カードが「$10 /month」、同じページのよくある質問が「$20/month」と食い違っています(2026年10月20日確認)。契約前に支払い画面の金額を確かめてください。利用量は「Task」という単位で測られ、使い切ると次の請求日までAI機能が止まります。追加は20ドル単位のクレジットで、購入から3か月まで繰り越せます。新規ユーザーにはクレジットカード不要で14日間のBetter Daysの試用が付きます。
Windowsで使う人にとって大事なのは、有料プランが「most new Mac users」から順に始まっている点です。料金ページのFAQは「I’m on Windows — does this apply to me?」に対して「Not yet. … Dia on Windows stays as it is for now」と答えており、Windows版に有料プランを適用する前には通知するとしています。
日本語で使うための言語設定
Diaの言語の設定画面は、アドレスバーに dia://settings/languages と入力すると開きます。DiaはChromiumベースですが、Chromeと設定画面が同一とは限りません。以下の操作項目が表示されるか、利用中のDiaで確認してください。
dia://settings/languagesを開く。- 「Preferred languages」の「Add languages」で日本語を追加する。
- 日本語の右の「︙」から「Move to the top」を選び、先頭に置く。
先頭に置いた言語は、複数の言語版を持つWebサイトで優先して表示される言語として使われます(Chromeヘルプの言語設定と同じ仕組み)。一方、ブラウザ自体の画面表示はOSによって扱いが違います。ChromeはWindowsに限ってこの画面から表示言語を切り替えられ、MacやLinuxではOSの言語に従います。
Dia独自UIの日本語対応状況
Windows版のパッケージにはChromium由来の日本語リソース(Locales/ja.pak)が入っていますが、サイドバーやチャットなどDia独自の画面を日本語化する設定は公式に案内されておらず、変更履歴にも多言語化の記載はありません。メニューやボタンの多くは英語のまま使うものと考えておくのが安全です。チャットへの質問は日本語で書け、日本語のページの要約や英語ページの翻訳にも使えます。
Diaとは:タブと業務アプリを横断するAIブラウザ
Diaは、ArcをつくったThe Browser Company of New Yorkが開発するChromiumベースのブラウザです。同社は2025年9月4日にAtlassianによる約6億1,000万ドル(現金)での買収合意を発表し、Atlassianの四半期報告書(10-Q)によれば2025年10月20日に買収が完了しました。
Diaの中心は、表示中のページや開いているタブ、接続した業務アプリをまとめて参照して答えるチャットです。公式サイトはSlack・Notion・Teams・Google Workspaceなどとの接続を挙げており、Mac版では2026年9月にFigma、10月にLoomとの連携が加わりました。
- ページとタブへの質問:表示中のページについて聞く、@でタブを指定して複数ページを比べる。
- Skills:よく使う指示を名前付きで保存して呼び出す。Windows版は1.2.0から自作のSkillsも使える。
- Morning Brief:予定・受信箱・関係するリンクを朝にまとめる(Better Daysの機能)。
- ブラウザ機能:プロファイル、タブグループ、分割表示、広告とトラッカーのブロック、端末間の同期(無料のBetter Browserに含まれる)。
AIに答えさせる以上、閲覧中のページや接続した業務アプリの内容はAIの処理対象になります。料金ページは有料プランの特徴に「データを保存しないモデルを使う」ことを挙げていますが、業務PCで使う場合は、社内の情報をどのツールまで接続してよいかを先に決めておく必要があります。
Mac・iPhone・Android・Linux版の状況
| 環境 | 状況(2026年10月20日) |
|---|---|
| Windows 11(x64・ARM64) | 提供中(1.2.0) |
| Windows 10 | 非対応 |
| Mac(Apple Silicon) | 提供中(1.53.0)・macOS 14以降 |
| Intel Mac | 非対応 |
| iPhone・Android | アプリなし |
| Linux | 提供なし |
Mac版の要件は、公式の学生向けページに「Dia runs on Apple macOS 14+ with M1 chips or later」とあります。公式のダウンロードページが挙げる対応環境は「macOS (Apple Silicon) and Windows 11」の2つだけで、スマートフォンで開くと「パソコンに戻ったときにインストールできるようリンクを自分に送る」案内が出ます。App StoreでもThe Browser Company名義のアプリはArc Searchだけで、Diaのアプリはありません。
DiaをWindowsで選ぶ条件と避ける条件
DiaはWindows版が出たばかりで、Mac版との機能差を週次の更新で埋めている途中です。次の条件で判断すると迷いにくくなります。
- 向いている:Windows 11のPCで、Slack・Notion・Google Workspaceなど接続先の業務ツールをまたいで調べ物やまとめをしたい人。WindowsでArcを使っていて、固定タブなどの整理方法を引き継ぎたい人。
- 向かない:Windows 10から上げられないPC。社内規程で閲覧中のページや業務データを外部のAIサービスへ送れない環境。ブラウザの画面表示まで日本語であることを必須とする人。
同じ「AIブラウザ」でも提供が終わった製品があります。OpenAIのChatGPT Atlasは2026年8月9日で提供を終え、Windows版は最後まで出ませんでした(ChatGPT Atlasの提供終了と移行先)。普段のChromeにAIの操作を足す方法としてはClaude in Chromeのような拡張機能もあり、ブラウザを乗り換えずに試せます。
よくある質問
DiaはWindows 10で使えますか?
使えません。配布パッケージの最低ビルドが10.0.22000(Windows 11)に設定されており、インストーラーもWindows 10では「Windows 11が必要」と表示して止まります。
Snapdragon搭載のARM版Windows PCでも動きますか?
動きます。公式はx64版とARM64版の2つのパッケージを配布しており、インストーラーがCPUを判定して自動で選びます。
Windows版のDiaは無料ですか?
無料でダウンロードできます。有料プラン(Better Answers・Better Days)はMacの新規ユーザーから始まっており、公式FAQはWindows版について「当面は現状のまま」で、変更前に通知するとしています。
Diaを日本語化できますか?
言語の設定画面(dia://settings/languages)では、Webサイトに伝える優先言語として日本語を指定できます。ただし、サイドバーやチャットなどDia独自の画面を日本語にする公式の設定は案内されていません。チャットへの質問は日本語で行えます。
DiaのiPhone版やLinux版はありますか?
ありません。公式が対応環境として挙げるのはMac(Apple Silicon)とWindows 11だけで、App StoreにもDiaのアプリはありません(2026年10月20日時点)。