Logseq(ログシーク)は、無料で使えるオープンソースのアウトライナー型ノートアプリです。箇条書きの1行を「ブロック」として扱い、[[ページ名]]の双方向リンクでメモ同士をつなぎます。2026年4月に、データベースで動く新しい「Logseq」(DB版)と、従来どおりMarkdownファイルで保存する「Logseq OG」の2つのアプリに分かれました。いまから始める人は、まずどちらを入れるかを決める必要があります。この記事では2026年10月13日時点の公式リリースと公式ドキュメントをもとに、料金、使い方、DB版とOG版の違いと選び方、Obsidian・Notionとの比較を整理します。
まとめ:Logseqの要点(2026年10月時点)
- Logseq本体は無料でオープンソース(AGPL-3.0)。業務で使う場合も商用ライセンスは不要です。
- 2026年4月24日に、DB版「Logseq」とMarkdown版「Logseq OG」の2アプリへ分割されました。OGはセキュリティ修正とElectronの更新だけを受け、新機能は追加されません。
- 最新版はDB版が2.0.2(2026年10月7日・Beta)、OGが1.0.0(2026年4月15日)。DB版は正式版に至っていません。
- 公式の有料機能には、同期のLogseq Syncとページ公開のLogseq Publishがあります。DB版のSync(リアルタイム同期のRTC)は、2026年7月13日からOpen Collectiveで毎月支援している人(月5ドル以上)に開放されています。
- DB版ではタスクを
TODOと打つ代わりに/todoで作り、クエリは{{query}}ではなく/Queryで作ります。OGの書き方はそのままでは通じません。 - 毎日の記録とタスクを箇条書きで積み上げるならLogseq、長文を自由に書くならObsidian、チームでデータベースを共有するならNotionが向きます。
Logseqとは:ブロック単位のアウトライナーとローカル保存
Logseqは「プライバシー優先のオープンソースの知識管理ツール」として開発されているアプリで、ソースコードはGitHubのlogseq/logseqで公開されています。2026年10月時点でスター数は4万5千を超えます。ふつうのノートアプリのように段落を書き連ねるのではなく、箇条書きをインデントして階層にしていく「アウトライナー」形式が基本です。
ブロックとページ、双方向リンクの関係
Logseqでは箇条書きの1項目がブロックで、ブロックの集まりがページです。本文中に[[会議メモ]]のように書くとそのページへのリンクになり、リンク先のページの下部には「どこから参照されているか」(Linked References)が自動でたまります。リンクの網を図にしたグラフビューでは、参照の多いページが中心に集まります。人名・案件名・テーマをページにして日々のメモからリンクしておくと、後からそのページを開くだけで関連する記録がまとめて読めます。
データの保存場所(OGはMarkdown、DB版はSQLite)
どちらの版もクラウドではなく自分の端末にデータを置くため、オフラインでも動きます。違うのは保存形式です。OGはグラフ(ノートの保管フォルダ)の中にページごとのMarkdownファイルを置くので、他のエディタやGitでも中身を読めます。DB版のデスクトップアプリは~/logseq/graphs/グラフ名/の下に、全データを入れたdb.sqliteと添付ファイルのassets/を置く構成に変わりました(DB版の変更点ドキュメント)。保存形式の選び方が後の乗り換えにどう効くかは、Personal Knowledge Base(PKB)とは?ローカルLLMで組む5層構成と実装判断【2026年版】のstorage層の項で扱っています。
DB版「Logseq」とMarkdown版「Logseq OG」の違い
Logseqは2026年4月24日の公式告知で、ファイルで保存するグラフ(file graph)を「Logseq OG」、データベースで保存するグラフ(DB graph)を「Logseq」として別々のアプリに分けると発表しました。理由は、2つの保存方式を1つのアプリで維持すると技術的な複雑さが大きくなるためです。告知では、Markdownのグラフを使っている人は「すぐには何も変わらない」とし、DB版への移行を強制しないとしています。
2つのアプリの最新版と提供状況
| 項目 | Logseq(DB版) | Logseq OG |
|---|---|---|
| 保存形式 | SQLite(db.sqlite) | Markdownファイル |
| 最新版 | 2.0.2(2026年10月7日) | 1.0.0(2026年4月15日) |
| リリース表記 | Beta Testing | Beta Testing |
| 配布元 | GitHub logseq/logseq | GitHub logseq/og |
| 今後の開発 | 新機能を追加する本流 | 保守のみ(新機能なし) |
| 同期 | Logseq Sync(RTC) | Git・クラウドストレージ等 |
DB版の最初のベータは2.0.1(2026年7月13日)で、2.0.2のリリースノートは保存前の編集内容の保護、undoで削除したブロックを戻す処理、Windows 11 24H2以降でインストーラーが落ちる不具合の修正などを挙げています。配布物はmacOS・Windows・Linux・AndroidのAPKで、Web版はapp.logseq.com、iOSはTestFlightのベータが案内されています(10月7日のリリースノートでは、2.0.2のApp Store版は審査中と記載)。OGはlogseq/ogの1.0.0として配布されており、分割前の単一アプリの最終版は0.10.15(2025年12月1日)です。
DB版で変わる操作の対照表
DB版はOGの延長ではなく、書き方が変わる機能があります。OGの解説記事や書籍の手順をDB版でそのまま試すと動かない箇所が出るので、主な違いを公式の変更点ドキュメントから抜き出しました。
| 機能 | Logseq OG | Logseq(DB版) |
|---|---|---|
| タスクの作成 | 行頭にTODO・DOINGと書く | /todo コマンドか #Task |
| タスクの状態 | TODO/DOING/DONE、NOW/LATER | Backlog・Todo・Doing・In Review・Done・Canceled |
| シンプルクエリ | {{query …}} マクロ | /Query コマンド(クエリビルダー) |
| ブロック参照 | ((ブロックID)) | [[ ]] に統一 |
| テンプレート | template プロパティ | #Template タグ |
| Org mode | 使える | 非対応 |
| ホワイトボード・スライド | 内蔵 | 削除(プラグイン化の予定) |
| フラッシュカード | 旧方式 | 新アルゴリズム(履歴は移行されない) |
DB版ではプロパティの型指定とタグによるプロパティ定義が追加されています。プロパティに数値・日付・チェックボックスなどの型を持たせられ、タグには「このタグを付けたブロックが持つプロパティ」を定義できます。たとえば#Taskを親にした#ProjectTaskタグを作り、案件名のプロパティを足せば、案件付きのタスクを表で管理できます。表はスプレッドシートのように直接編集できる形式に置き換わりました。
DB版を本番で使う前に確かめる条件
既存のMarkdownファイルで記録を持ち続けたい人はOGを選び、DB版は今の記録とは別のグラフで試すことを勧めます。DB版は2.0.2でも「Beta」の表記で、2.0.2のリリースノートが修正点の1番目に「未保存の編集内容を保護する」修正を挙げているとおり、データの扱いを詰めている段階です(OGのリリースも表記はBeta Testingです)。次のどれかに当てはまる人は、DB版へ本番の記録を移すのを待ってください。
- Org modeでノートを書いている(DB版はMarkdownのみ)
- ホワイトボードやスライドを使っている(DB版では削除済み)
- Markdownファイルを直接Gitやほかのエディタで編集する運用をしている
- フラッシュカードの復習履歴を残したい(DB版へは移行されない)
逆に、プロパティの型やタグ付きの表でタスク・読書記録・案件を管理したい人、複数端末でリアルタイムに同期したい人はDB版の利点が大きいです。OGを使い続けることは公式に認められていますが、新機能は追加されません。DB版の機能が必要になったときのために、移行手順(後述)を一度試しておくと判断しやすくなります。Org modeの書き方はorg-modeとは?.orgファイルの書き方とTODO管理・エクスポートの使い方で解説しています。
Logseqの料金:本体は無料、有料はSyncとPublish
Logseq本体は無料で、双方向リンクもプラグインもPDF注釈も料金なしで使えます。Open CollectiveのLogseqページの無料枠には、個人利用でも企業利用でも商用ライセンスは不要と書かれています。お金がかかるのは、公式の同期サービスLogseq Syncと、ページを公開するLogseq Publish(Syncと同じアカウントが必要)です。
| 区分 | 月額 | 得られるもの |
|---|---|---|
| 無料 | 0円 | 全機能・ローカル保存 |
| Backers | 5ドル | DB版ベータとRTC Syncへの参加 |
| Sponsors | 15ドル | 同上+開発支援 |
| Bronze以上 | 100ドル〜 | READMEなどへのロゴ掲載 |
Logseq SyncはOpen Collectiveでの継続支援と引き換えに使う形で、一般向けの料金表はありません。2026年4月の告知時点ではSponsors(月15ドル)に招待が送られ、2026年7月13日の更新で毎月支援している人全員にDB版ベータとRTC Syncが開放されました。DB版のドキュメントでは、Syncは招待制の有料機能で、同期サーバーを自分で立てる(セルフホスト)こともできると説明しています。
費用をかけずに複数端末で使う方法は版で分かれます。OGはグラフがMarkdownファイルの集まりなので、iCloud Drive・Dropbox・Git・Syncthingなどでフォルダごと運べます。DB版はグラフが1つのdb.sqliteにまとまるため、公式が案内する同期手段はLogseq Sync(またはそのセルフホスト)です。
Logseqの使い方:インストールから日付ページ・タスク・クエリまで
インストールと日本語表示の設定
DB版はlogseq/logseq、OGはlogseq/ogのGitHubリリースページから、OSに合うインストーラー(macOSは.dmg、Windowsは.exe、LinuxはAppImage)を入れます。初回起動でグラフを作るとすぐ書き始められます。表示言語は設定(Settings)の「General」にある「Language」で日本語に切り替えられ、DB版2.0.2にも日本語の翻訳ファイルが含まれています。ページ名やタグにも日本語を使えます。
日付ページ(Journals)への記録とリンク設定
起動するとその日の日付のページ(Journals)が開きます。思いついたことはまずここに書き、関係するページへ[[ ]]でリンクするのが基本の流れです。DB版では[[Today]]や[[Next Friday]]のように自然な英語で日付ページを指せるほか、/Date pickerに「next week」と入れて日付を挿入できます。日付ページに散らばった記録は、リンク先のページを開けば時系列で集まっています。
タスクの書き方(OGとDB版)
OGでは行頭にTODOやDOINGと書くとタスクになり、クリックでDONEに切り替わります。DB版ではタスクは#Taskタグの付いたブロックで、/todoと打つか、文末に#Taskを付けて作ります。状態(Status)はCmd-EnterでTodo・Doing・Doneを順に切り替えられ、優先度(Priority)・期限(Deadline)・予定日(Scheduled)もプロパティとして付きます。期限を設定するときに「Repeat task」を選ぶと繰り返しタスクになり、Doneにすると状態がTodoに戻って、期限が「その時点の日時+繰り返し間隔」に移ります。
クエリによる未完了タスクの集約
OGでは、次の1行を1つのブロックに書くと、状態がTODOかDOINGのタスクが一覧になります(NOW・LATERの流儀で書いている場合は状態名を置き換えます)。2行目は別のブロックに書く例で、ページ「プロジェクトA」にリンクしているタスクだけに絞ります。
{{query (task TODO DOING)}}
{{query (and (task TODO DOING) [[プロジェクトA]])}}
DB版では{{query}}マクロは使わず、/Queryコマンドでクエリビルダーを開いて条件を選びます。OGで書いたクエリを手で書き換える場合、(page-tags)は(tags)、(page-property)は(property)、(priority A)は(priority high)に変わり、sort-byは廃止されて並べ替えは表の側で行います。Datalogで書く高度なクエリ(Advanced Query)は/Advanced Queryで作り、属性名が:block/contentから:block/titleに変わるなど、一部は書き直しが必要です。
OGのグラフをDB版へ移す手順と注意点
OGのMarkdownグラフは、DB版のインポート機能で新しいDB graphに変換できます。元のMarkdownファイルは残るので、まず変換して中身を見比べ、問題がなければ乗り換える進め方が取れます。
- DB版の右上の三点メニューから「Import」を選ぶ
- 「File to DB graph」を押し、表示されたダイアログで新しいグラフ名を入れて、OGのグラフのフォルダを指定する
- タグを全部DB版のタグにする(Import all tags)か、指定したタグだけにするかを選ぶ
- 変換後、タスク・クエリ・添付ファイルを開いて抜けがないかを確かめる
変換時、タスクの状態はLATERがTodo、NOWとIN-PROGRESSがDoing、WAITとWAITINGがBacklogに読み替えられます。1つのブロックに複数のクエリや埋め込みを書いていた場合は、最初の1つだけが取り込まれる制限があります。プロパティの型(数値・日付・チェックボックス・URLなど)は自動で判定されます。
DB版に移った後にMarkdownで中身を読みたい場合は、デスクトップ版の設定にある「Markdown Mirror」をオンにすると、編集したページのMarkdownの写しがグラフ内のmirror/markdown/に書き出されます。あくまで写しで、編集しても取り込まれません。バックアップはデスクトップ版ではグラフ内のbackupsフォルダに自動で取られ、直近12世代が残ります。
LogseqとObsidian・Notionの違い
| 観点 | Logseq | Obsidian | Notion |
|---|---|---|---|
| 書き方 | 箇条書き(アウトライナー) | 自由なMarkdown文書 | ブロック型ページ |
| データの場所 | 端末内 | 端末内 | クラウド |
| ソース公開 | オープンソース | 非公開 | 非公開 |
| 本体の料金 | 無料 | 個人・業務とも無料 | フリープランあり |
| 同期の料金 | 公式Syncは支援者向け(月5ドル〜) | 月4ドル(年払い) | 無料プランでも端末間同期に対応 |
| タスク管理 | 内蔵 | チェックリスト内蔵・高度な管理は拡張 | データベースで作る |
料金は各社の公式ページの表示です。Obsidianの料金ページではSyncが年払いで1ユーザー月4ドル(月払いは5ドル)、Publishが1サイト月8ドル(月払いは10ドル)で、業務での利用に商用ライセンスの購入は必須ではありません。Notionの料金ページは、プラスを1メンバーあたり月1,650円、ビジネスを3,150円と表示し、年払いにすると最大20%安くなると案内しています(2026年10月13日確認)。Notionはクラウドのサービスなので、フリープランでも端末間で同じページを使えます。
選び方ははっきり分かれます。その日の作業ログやタスクを箇条書きで書き、あとから人名や案件のページで振り返る使い方ならLogseqが合います。タスクが標準機能で、クエリで集計まで完結するからです。記事や設計書のような長い文章を書く、既存のMarkdownファイルを抱えている、プラグインの数を重視するならObsidianです。Obsidianを使い込む方法はObsidianカスタマイズ完全ガイド|テーマ・外観設定・CSSスニペット【1.14対応】にまとめています。チームで同じページを編集し、権限や共有を管理する用途ではNotionが向いており、個人の知識をローカルに置くLogseqとは目的が違います。ブラウザで共同編集できる国産ツールとしてはHelpfeel Cosense(旧Scrapbox)とは?読み方・料金・使い方と法人導入の判断も候補になります。
AIとつなぐ場合の違い(MCPサーバー)
生成AIからノートを読み書きさせたい場合、DB版のLogseqは設定の「AI」でMCP Serverをオンにし、ローカルのHTTPサーバー(http://127.0.0.1:12315/mcp)に認証トークンを付けて接続します。公式ドキュメントでは、ページ・タグ・プロパティの作成と一覧、ブロックの追加と編集、検索に対応し、ページやプロパティの編集は今後の対応としています。LM Studioへの登録方法はLM StudioのMCP設定とGemma 4のMTP設定|mcp.json・Web検索・動かない時の対処【2026年10月】の手順がそのまま使えます。Obsidian側の同じ用途はClaude CodeとObsidianの連携方法|Vault直結・内蔵MCP・公式CLIの実装手順【2026年9月】とCursorとObsidianを連携する方法|Vault直開き・MCP・CLIの設定手順【2026年9月】で解説しています。
よくある質問
Logseqは無料で使えますか?
使えます。本体は無料のオープンソースで、業務利用でも商用ライセンスは要りません。有料なのは同期のLogseq Syncとページ公開のLogseq Publishで、SyncはOpen Collectiveで毎月支援している人(Backers月5ドル・Sponsors月15ドル)に提供されています。
Logseqの読み方と日本語対応は?
読み方は「ログシーク」です。表示言語は設定の「General」にある「Language」で日本語にでき、ノートの本文・ページ名・タグも日本語で書けます。
LogseqとObsidianはどちらが良いですか?
日々の記録とタスクを箇条書きで管理するならLogseq、長文を書く・既存のMarkdownを活かす・プラグインの多さを重視するならObsidianです。どちらも端末内にデータを置き、オフラインで使えます。
DB版とOG版はどちらを入れればいいですか?
既存のMarkdownファイルやOrg modeを使い続けたい場合はOG版(1.0.0)を選んでください。DB版(2.0.2)はベータで、Org mode・ホワイトボードにも対応しません。プロパティの型付きの表やリアルタイム同期を使いたい場合は、DB版を別グラフで試してから移行を判断してください。
スマホ(iPhone・Android)でも使えますか?
使えます。公式は2アプリともiOSとAndroidで提供する方針です。DB版2.0.2はGitHubでAndroid用のAPKを配布し、iOSはTestFlightのベータが案内されています。端末間で同じグラフを使うには、OGはクラウドストレージやGit、DB版はLogseq Syncで同期します。