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Claude Mythos(ミュトス)と3メガバンク|8月に利用再開したアクセス権と金融機関の9項目【2026年10月】

Claude Mythos(ミュトス)と3メガバンク|8月に利用再開したアクセス権と金融機関の9項目【2026年10月】

三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の3メガバンクは、Claude Mythos(クロード・ミュトス)を再び使えるようになっていたと、2026年8月27日に日本経済新聞と共同通信が報じました。6月に取得したとされるアクセス権は、同月12日の米政府の輸出管理指令でいったん止まっていました。そして10月6日、AnthropicはProject GlasswingをCyber Verification Program(CVP)に統合し、メガバンク以外の金融機関にも申請の道筋ができています。本記事は、5月の報道から10月までに確定した事実を時系列で示し、金融庁・日本銀行が全金融機関に求めている9項目と10月9日の注意喚起を一次情報から整理します。

まとめ:3メガは8月に利用可能、ほかの金融機関はCVPで申請する段階

  • 3メガバンクのアクセス権は6月初めに付与されたとされ、6月12日の米政府の輸出管理指令で停止、8月27日、利用可能になっていたことが報道されました。報道は関係者への取材に基づくもので、Anthropic・各行・政府の公式発表は出ていません。
  • Anthropicは9月1日、Mythos 5.1を「現時点では米国の一部組織のみ」に提供すると説明しています。報道と公式説明は対象モデルと時点が違うため、どちらかを誤りと決めつけず、両方を前提に読むのが安全です。
  • 10月6日、GlasswingはCVPの3区分(Defense/Red Team/Specialized)に統合されました。Glasswingの既存参加組織はSpecialized Accessへ再承認なしで移り、一般の金融機関も申請できる窓口ができました。ただし米国外の組織に何が承認されるかは審査次第です。
  • アクセス権の有無にかかわらず、金融機関が取り組むべきは金融庁・日本銀行が5月22日に要請した9項目です。金融庁は10月9日の注意喚起でこの要請を改めて引き、サードパーティリスク管理とインシデント対応態勢の点検を求めました。

3メガバンクのアクセス権の時系列

5月の報道から6月初めの付与まで

起点は5月12日の日米財務相会談です。来日したベッセント米財務長官との会合を受け、翌13日に日本経済新聞などが「3メガバンクがMythosのアクセス権を2週間程度で確保する見通し」と報じました。5月22日には片山さつき金融相が政府・金融機関への付与を表明します。

6月2日、AnthropicはProject Glasswingに15か国超の約150組織を新たに加えると発表し、翌6月3日に松本尚デジタル相が臨時閣議後の会見で日本政府のアクセス権取得を明らかにしました。政府はMythosを重要インフラ向けの対策パッケージProject YATA-Shieldとは?名称の由来・対象企業・9施策と自己点検・取組状況【2026年10月】に組み込む方針を示しています。

6月12日の輸出管理指令で外国籍ユーザー全員が停止

Anthropicは6月9日にFable 5を一般提供、Mythos 5をGlasswing参加組織へ限定提供します。3日後の6月12日、米政府は国家安全保障を理由に、米国の内外を問わず外国籍のユーザーによるFable 5とMythos 5の利用を停止する指令を出しました。Anthropicは国籍をリアルタイムに確認する手段を持たないため、両モデルを全顧客で無効化しています。

規制の単位が組織の所在国ではなくユーザーの国籍だった点は、金融機関の調達を考えるうえで重要です。米国拠点で働く外国籍の従業員も、Anthropic自身の外国籍社員も対象になりました。拠点を米国に置けば回避できる性質のものではありません。6月16日、松本デジタル相はアクセス権を得ていた3メガバンクなども停止の対象だと説明しています。

7月1日の再開から8月27日の利用可能化まで

6月30日に指令は解除され、7月1日に全世界へ戻ったのはFable 5です。Mythos 5については「6月26日の米政府の承認を受け、一部の米国組織へのアクセスを復旧した」とされ、国内外のより広いパートナーへの拡大は政府と調整中という扱いでした。原文の “domestic and international partners” のdomesticは米国内を指します。

この状態が動いたのが8月27日です。日本経済新聞は同日20時39分、メガバンクがMythosを利用できるようになったと報じ、共同通信も同日夜に「日本のメガバンク3行が使えるようになった」と配信しました。日経によれば、メガバンクは今後Mythosを脆弱性検出に使えるかを本格的に探るとされています。同じ記事は、米OpenAIも三菱UFJ銀行など3メガバンクにアクセス権を付与していると伝えています。OpenAI側のサイバー向けアクセス制度はOpenAI Daybreakとは?GPT-5.5-Cyberの実力と日本企業の現実的な対応【2026年6月】で扱っています。

日付 出来事 3メガバンクの状態
2026-04-07 Claude Mythos Preview公表(Glasswing) 対象外
2026-05-13 取得見通しを各社が報道 見込み
2026-05-22 片山金融相が付与を表明 付与決定
2026-06-02 Glasswingに約150組織を追加 日本も対象
2026-06-03 デジタル相が政府の取得を公表 付与済みとされる
2026-06-12 米政府の輸出管理指令 停止
2026-07-01 Fable 5再開、Mythos 5は米国組織のみ 停止のまま
2026-08-27 日経・共同が利用可能化を報道 利用可能(報道)
2026-09-01 Mythos 5.1発表(米国の一部組織のみ) 公式説明なし
2026-10-06 GlasswingをCVPへ統合 旧Glasswing参加行なら移行対象

停止と再開の経緯、Anthropicが追加した安全対策はClaude Fable 5とMythos 5提供再開:停止の経緯・新安全対策・利用条件に詳しくまとめています。

公式説明と報道が食い違って見える理由

8月27日の報道の5日後、AnthropicはMythos 5.1の発表で「現時点では米国の一部組織にのみ提供している」と書きました。一見すると報道と矛盾しますが、読み方は3つに整理できます。

  • 対象モデルが違う可能性:報道は「ミュトス」とだけ書き、Mythos 5かMythos 5.1かを特定していません。Anthropicの記述はMythos 5.1についてのものです。
  • 個別の付与は公表されない:全国銀行協会の加藤勝彦会長(みずほ銀行頭取)は6月18日の会見で、セキュリティの観点からアクセス権の有無は答えられないと述べています。銀行側が利用状況を公表しない方針である以上、公式の確認は今後も出にくいと考えるべきです。
  • 10月6日以降は制度が変わった:Glasswingの既存参加組織はCVPのSpecialized Accessへ移り、現行モデルの再承認は不要とされました。3メガがGlasswingの枠で付与を受けていたなら、この区分に移った扱いになります。

3メガの利用状況だけでは、他行が利用できるかは判断できません。自行が使えるかは、次章のCVPに申請して審査結果を見るまで分かりません。

金融機関がMythosを申請する方法:10月6日のCVP再編

10月6日の再編で、Mythosを含むCVPの申請対象が広がりました。AnthropicはGlasswingとCVPを1つのプログラムに統合し、3つの区分すべてでClaude Opus 5.5・Claude Sonnet 5.5・Claude Mythos 5.1を利用できるとしています。CVPそのものの仕組みとMythos 5.1の利用条件はClaude Mythos 5.1とは:Fable 5.1との違いとCVPでの利用条件【2026年10月】で扱っているので、ここでは金融機関がどの区分に当たるかに絞ります。

3つの区分と金融機関の当てはまり

区分 公式の対象例 審査の目安 金融機関での想定
Defense Access 自社システムを守る企業のセキュリティチーム、規模を問わない重要インフラ事業者 数日 地域銀行・信金のSOC、脆弱性の検証
Red Team Access 社内レッドチーム、ペネトレーションテスト会社 数週間 自行の侵入テスト部門
Specialized Access 航空運航・電力網・通信網・銀行間送金基盤・行政網の検証 米政府と個別審査 決済・勘定系の検証、旧Glasswing参加行

金融機関に直接関わるのは、Specialized Accessの対象例に「銀行間送金基盤(interbank transfer infrastructure)」が明記された点です。この区分は1組織ずつ米政府と共同で審査され、CVPのヘルプは「米国内外で対象組織を広げるため米政府と引き続き取り組む」としています。米国外の金融機関がSpecialized Accessを得るには、なお米政府の判断が要るということです。一方、Defense Accessは「規模を問わない重要インフラ事業者」を対象例に挙げ、数日での回答を目指すとしています。地域金融機関が最初に検討するのはこちらです。

CVP申請前のデータ保持・認証・利用範囲の制約

  1. データ保持が必須:CVPは悪用監視のためデータ保持を求め、Mythos 5.1は既定で30日間の保持に同意する必要があります。顧客情報を含むコードやログを入れる前に、FISC安全対策基準や自行の外部委託規程と照らしてください。保持なしで使えるのは、FableやMythosでゼロデータ保持の例外をすでに得ている組織に限られます。
  2. 認証の強化期限:CVPのヘルプによれば、Defense Accessは2026年12月15日までにフィッシング耐性のある多要素認証へ移行し、APIキーの利用をやめる必要があります。それまでAPIキーは7日ごとに失効します。
  3. 自組織のコードに限られる:CVPで許されるのは自組織のコード・製品・インフラへの作業です。顧客のコードやシステムにモデルを使う行為は別途の申請と承認が要ります。ITベンダーが銀行のシステムを診断する用途は、この「製品化」に当たる点に注意が必要です。
  4. 審査で見られる環境要因:審査では業務の性質・組織の確認可能性に加え、法規制の環境、能力が転用される危険、アクセスが強制される危険を考慮するとされています。国名による一律の除外は書かれていませんが、無条件で通るとも書かれていません。
  5. 提供経路による差:Google CloudやMicrosoft Foundry経由では、承認からMythosが使えるまで約5営業日かかります。Amazon BedrockでCVPを使えるのは、秋に提供予定のEnterprise Frontier Safeguards(EFS)の対象顧客に限られます。

Mythos 5.1のAPI料金は入力100万トークンあたり10ドル、出力100万トークンあたり50ドルです。モデルを直接使わない選択肢として、Anthropicの脆弱性スキャン製品Claude SecurityもMythos 5.1で動いています。対象プランや前提条件はClaude Securityとは?Mythos 5.1で動く脆弱性スキャンの使い方・料金とプラグイン版の違い【2026年10月】を参照してください。

金融庁・日本銀行が全金融機関に要請した9項目

メガバンクの動向を追うだけでは見落とす部分がここです。金融庁と日本銀行は2026年5月22日、金融機関等の代表者宛てに「フロンティアAIによる脅威変化を踏まえた金融機関等の短期的な対応」を要請しました。対象は3メガに限らず金融機関等全般で、Mythosのアクセス権を持たない地域金融機関にもそのまま適用されます。

経営トップの直接関与と「概ね1か月」の目安

要請文は、経営トップを含む経営層の直接関与のもとで取り組むよう求め、注記で「概ね1ヶ月程度を目途に対応を進めることが期待される」としています。5月22日起点なら6月下旬が目安で、すでに過ぎました。背景にあるのは、脆弱性が短期間に大量に見つかり、パッチが一斉に提供される事態への備えです。Anthropicは10月6日の発表で、Glasswingの参加組織が2026年4月から7月に少なくとも12万9,000件の検証済み脆弱性を見つけたと公表しており、この想定は数字の裏付けを得ています。

金融庁・日銀の9項目と実務上の対応

# 要請項目 実務上の焦点
① 経営課題として扱う CIO・CISOの直接関与
② 優先対応システムの特定 外部公開系を最優先
③ 技術負債の解消 特権ID削除・EOL更新
④ 人的リソースの追加 ベンダー要員も確認
⑤ 維持保守契約の確認 夜間・休日とSLA
⑥ パッチ適用のリスクベース化 CVSS偏重をやめる
⑦ パッチ以外の対策強化 仮想パッチ・EDR
⑧ 優先サービス停止への備え 能動的停止の判断基準
⑨ 外部連携の維持・強化 金融ISACでの共有

要請文はこれらを応急措置と位置づけ、中長期では脆弱性対応の自動化へ移る必要があると述べています。

⑥パッチ適用の優先順位とCVSS以外の評価軸

CVSSスコア中心で優先順位を決めている金融機関では、⑥への対応で評価手順の見直しが必要です。要請文はCVSSスコアが高くない脆弱性でも実際の攻撃に利用されている実態を挙げ、この傾向はフロンティアAIで加速すると指摘しています。求められているのは、スコア順の運用から、自組織のシステムへの影響と攻撃成立の蓋然性で順番を付ける運用への転換です。パッチ適用前のテストも、テスト不足による障害リスクと未適用のまま攻撃されるリスクを比べ、テスト内容の合理的な縮小を検討するよう求めています。テストを厚くし続ける現行運用のままでは、大量パッチの波は捌けないという判断です。日本経済新聞は10月2日、関係者への取材として、国内の複数の大手行で今夏の脆弱性の検知件数が前年の2倍になったと報じました(対象行と集計条件は明らかにされていません)。

10月9日の注意喚起:5月の要請を引き継いで点検を再要請

金融庁は10月9日、「現下の情勢を踏まえたサイバーセキュリティ対策の強化と各種取引申込等における対応について」を金融機関等に出しました。運転免許証などの本人確認書類の画像を含む顧客情報が、外部公開サービスへの不正アクセスで漏えいする事案が相次いだことが理由です。注意喚起は、金融分野のサイバーセキュリティガイドラインと5月22日の要請を踏まえた対応が「引き続き重要」と明記したうえで、次の3点を求めています。

  • 国家サイバー統括室の同日の注意喚起などを踏まえ、サードパーティリスク管理とインシデント発生時の対応態勢を含めて点検し、不十分なら速やかに措置する。
  • 非対面の本人確認で、本人確認書類と容貌の画像に不自然な点がないかを改めて確認する。
  • 2027年4月1日の犯罪収益移転防止法施行規則の改正で本人確認がICチップ読取に原則一本化されるのを待たず、可及的速やかに対応する。

5月の要請が「大量の脆弱性への備え」だったのに対し、10月の注意喚起は委託先と外部公開系の現実の被害に焦点を移しています。⑤の維持保守契約と②の外部公開系の特定を後回しにしていた金融機関は、ここで優先順位を上げる必要があります。

能動的停止と業務継続:全銀協が示した線引き

要請の⑧「優先サービス停止への備え」について、業界団体の立場を示したのが全国銀行協会の会長会見です。加藤会長は6月18日、重大な弱点が見つかった場合は影響の範囲や緊急性に応じて、各金融機関の経営判断でインターネットバンキングやATMなどの一部サービスを能動的に停止し、修正や安全確認を行うことも想定されると述べました。利便性と資産のどちらを優先するかについては「答えは明白」とし、停止する場合は事前の告知を会員行に促すとしています。

7月10日には、3メガバンクがシステム停止時に一部業務を他行が代替する仕組みを検討していると共同通信が報じました。これに対し加藤会長は7月16日の会見で、銀行界全体として業務の代替は現時点で検討していないと答えています。そのうえで、他行窓口やATMの案内を含むBCPを持つ行があること、全銀ネットには銀行側から振込電文を発信できない場合の代行発信のBCPがあることを挙げました。他行による代替を前提に停止判断を設計するのではなく、他行との既存の連携も含め、自行のBCPに停止中の顧客対応を具体化することが必要です。

6月18日の会見では、全銀協がフロンティアAIを踏まえた管理態勢の確認をITベンダーなど関係事業者に依頼する際の参考例を会員行向けに出したことも明らかにされています。⑤の契約確認に着手する金融機関は、まず自行が加盟する協会からこの種の参考例が届いていないかを確認すると早く進みます。

英国AISI評価の読み方:安全宣言ではない理由

立場を明確にします。Mythosは防御の堅い金融システムを即座に破る鍵ではなく、しかし安全宣言が出たわけでもありません。金融庁・日銀の要請文は英国AI Security Institute(AISI)の報告書を引き、現時点のフロンティアAIは十分に防御されたITシステムへの攻撃を達成できるとは言えない、と記しています。この一文だけから「危険性は誇張だった」と結論づけることはできません。AISIの評価には、検証環境に関する留保があります。

AISIの評価によれば、Mythos Previewは人間なら約20時間かかる32手順の企業ネットワーク攻撃シミュレーション「The Last Ones」を初めて最後まで解いたモデルで、10回中3回完遂しました。専門家級のCTF課題の成功率は73%です。そのうえでAISIは、検証環境には能動的な防御担当者や防御ツールが無いと断ったうえで、「十分に防御されたシステムを攻撃できるかどうかは確実には言えない」と書いています。「できない」ではなく「検証していないので断定できない」という意味です。

このMythos Previewの評価だけでは、十分に防御された金融システムへの攻撃の成否は判断できません。一方で、サポートが切れた製品、放置された外部公開システム、特権IDが残った古い環境は、要請が名指ししたとおり優先して塞ぐべき対象です。10月9日の注意喚起の契機が外部公開サービスへの不正アクセスだったことも、この読み方と一致します。攻撃側がAIで加速したときに起きることはAI製ゼロデイ攻撃とは|従来型攻撃との違い・手口・実例と防御策【2026年】で整理しています。

官民作業部会と地域金融機関の優先順位

作業部会は継続中、内容は非公表

金融庁は4月24日に「AI脅威に対する金融分野のサイバーセキュリティ対策強化に関する官民連携会議」を開き、5月14日に実務者レベルの作業部会を始めました。8月28日更新の公表ページでは、作業部会を「継続的に開催」しているとしつつ、詳細はサイバーセキュリティに関わるため非公表としています。参加組織には3メガバンク・セブン銀行・楽天銀行・日本取引所グループ、Anthropic Japan・OpenAI Japan・グーグル・日本マイクロソフト・AWSジャパン、NTTデータや富士通などの国内ベンダー、地銀協・第二地銀協・信金協会などの業界団体、日本銀行・財務省・国家サイバー統括室・AIセーフティ・インスティテュートが並びます。5月22日の9項目は、この作業部会の議論から出てきた成果物です。

実地の訓練も規模を広げています。金融庁は11回目の業界横断演習「Delta Wall 2026」を10月6日から22日に実施し、参加は過去最多の181先(予定)です。別添資料はフロンティアAIを含むAI技術の進展による攻撃の高度化・高速化を背景に挙げ、基幹システム等が攻撃を受けた場合の対応態勢の実効性向上を目的の一つとしています。

地域金融機関のベンダー契約点検とDefense Access申請

Specialized Accessの検討要否は金融機関の規模ではなく、検証対象と必要な権限、審査要件を満たせるかで判断します。パッチ適用を外部委託している金融機関では、⑤の維持保守契約の確認を優先します。複数の金融機関で大量のパッチが同時に出たとき、契約上のSLAを守れる要員がベンダー側にいるかは、事前に確かめないと当日には間に合いません。共同運営システムやクラウド事業者が提供するシステムでは、パッチの適用状況が自組織に報告される契約になっているかも同時に点検します。自行で外部公開系の弱点を洗い出す体制が足りない場合は、脆弱性診断・セキュリティ診断のような外部の診断を②③の棚卸しに組み込む方法もあります。

自行のセキュリティチームが脆弱性の検証を担っているなら、CVPのDefense Accessへの申請を検討する価値があります。Defense Accessはマルウェアの解析や脆弱性の分析・検証を対象業務に挙げており、Mythos 5.1まで承認されなくても、Opus 5.5やSonnet 5.5でこれらの作業が安全分類器に止められにくくなります。Claudeを顧客向けの業務に組み込む場合は、高リスク用途で人の確認とAI利用の通知を求めるClaude利用ポリシー2026年改定の要点|11月12日施行の変更点と開発企業の対応も契約前に確認してください。⑨の外部連携では、要請文自身が「自組織のみでの網羅的な把握は困難」と書いている以上、金融ISACなどで情報を受け取る体制を単独での追跡より先に整えるべきです。

よくある質問

金融機関はClaude Mythosを使えますか?

3メガバンクが再び利用可能になっていたことが、2026年8月27日に報じられています。ほかの金融機関は、10月6日に拡充されたCVPへ申請できます。ただしAnthropicは9月1日時点でMythos 5.1を米国の一部組織に限ると説明しており、米国外の金融機関にMythos 5.1まで承認されるかは審査結果を見るまで分かりません。

メガバンクはいつからMythosを使えるようになりましたか?

6月初めに付与されたとされ、6月12日の米政府の指示で停止しました。その後、利用可能になっていたことを8月27日に日本経済新聞と共同通信が報じています。Anthropicと各行は公式に発表しておらず、全国銀行協会の会長もセキュリティの観点からアクセス権の有無には答えないとしています。

Claude Mythosの導入費用はいくらですか?

Mythos 5.1のAPI料金は、入力100万トークンあたり10ドル、出力100万トークンあたり50ドルです。3メガバンクの契約条件は公表されていません。利用にはCVPなど審査付きの制度で承認を受ける必要があり、Mythos 5.1は既定で30日間のデータ保持に同意する必要があります。

どの国の組織がMythosを使えますか?

Anthropicの9月1日時点の説明では、Mythos 5.1は米国の一部組織のみで、国内外への拡大を米政府と調整中です。6月の輸出管理は組織の所在国ではなくユーザーの国籍を単位にしたため、米国内で働く外国籍の従業員も対象になりました。最も権限の大きいSpecialized Accessは、1組織ずつ米政府と共同で審査されます。

金融庁の要請にはいつまでに対応が必要ですか?

5月22日の要請は「概ね1ヶ月程度を目途」としており、目安はすでに過ぎています。金融庁は10月9日の注意喚起で、この要請を踏まえた対応が引き続き重要だとし、サードパーティリスク管理とインシデント対応態勢の点検を求めました。未着手であれば、経営層の直接関与の下で優先対応システムを特定し(②)、その技術負債を解消しながら(③)、人員・契約・停止時対応などの整備も並行して進めます。

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