Gemma 4とは|モデル一覧・必要スペック(VRAM)・量子化(GGUF/AWQ)・ローカル実行を解説【2026年版】
Gemma 4は、GoogleがApache 2.0ライセンスで公開したオープンモデル群で、フラッグシップのGemini 3の研究を継承して構築されています。2026年4月初頭に登場し、ファミリー全体で累計1.5億回以上ダウンロードされています(Google公式ブログ)。この記事は「Gemma 4とは何か」から、検索で混同されやすい「Gemini」との違い、E2B〜31Bまでのモデル一覧と必要スペック(VRAM)、GGUF/AWQといった量子化フォーマット、Ollama・LM Studio・Transformersでのローカル実行、Gemma 3からの変化点までを、Google公式ドキュメント(ai.google.dev、2026年6月8日更新)とOllama公式モデルカードの一次情報に基づいて整理します。仕様が動きやすい領域のため、本番導入前は必ず公式の最新値を確認してください。
まとめ:Gemma 4の要点と、自分の環境で動かす最短ルート
結論から示します。Gemma 4は5サイズ(E2B / E4B / 12B / 26B A4B MoE / 31B Dense)で構成され、ライセンスはApache 2.0、コンテキストは小型が128K・中型が256Kトークンです。最高品質を狙うなら31B Dense、品質と速度を両立したいなら26B MoE(総25.2B・活性3.8B)、ノートPCやモバイルならE4B/E2Bを選びます。
- とりあえず試す:Ollamaで
ollama run gemma4。既定はE4B(約9.6GB)で、16GB RAMのPCでも動きます。 - VRAMで選ぶ:4bit量子化なら31B=約17.5GB、26B=約14.4GB、E2B=約2.9GB(Google公式メモリ表・重みのみ)。256Kフル活用時はKVキャッシュが別途必要です。
- 配布フォーマット:ローカルGUI/CPUはGGUF、クラウドの高並列はAWQ等の4bit。公式はQAT版GGUF(
-qat-q4_0-gguf)を提供します。
以降では、Gemini(Gemini 3)との違い、モデル一覧、VRAM早見表、量子化、実行ツール、Gemma 3との比較、用途別の選定基準を順に解説します。
Gemma 4とは何か:Gemini(Gemini 3系)・Gemma 3との位置づけ
Gemma 4は、Googleのフラッグシップである最新のGemini 3の研究基盤を引き継いだ「オープンウェイト」モデル群です(2026年4月公開)。重みが公開されているため、自分のサーバーやPCにダウンロードして動かし、商用利用やファインチューニングも行えます。クローズドなAPI専用モデルであるGemini本体とは、この一点で性格が大きく異なります。
「gemini 4」は誤記・混同:正しくはGemma 4とGemma 3の整理
まず前提を正します。2026年6月時点でGoogleの最新フラッグシップはGemini 3系であり、「Gemini 4」という製品はリリースされていません。検索クエリの「gemini 4」は、オープンモデルであるGemma 4の誤記・混同とみてよく、両者を比べたい場合の正しい対象はGemini(Gemini 3)とGemma 4です。Geminiはクラウド経由で使う非公開モデル、Gemmaは重みを配布するオープンモデルで、Gemma 4はそのGemini 3の研究成果を継承しています。この区別さえ押さえれば取り違えません。Gemma 4はテキストに加え画像を全モデルで、音声をE2B/E4B/12Bでネイティブに扱うマルチモーダル対応で、140言語以上をサポートします。Gemma 3との最大の違いはライセンスがApache 2.0へ変わった点と、全モデルが設定可能なThinking(思考)モードを備えた点です。詳細は後半の比較章で扱います。
Gemma 4のモデル一覧(E2B・E4B・12B・26B MoE・31B)
Gemma 4は用途別に5サイズあります。「E」はeffective(実効)パラメータの意味で、Per-Layer Embeddings(PLE)により小型でも効率を高めた設計です。サイズ選びを誤ると、過小なら品質不足、過大ならVRAM不足で起動すらできません。まずは構成を把握してください。
| モデル | 種別 | 総パラメータ | コンテキスト | 音声入力 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| E2B | edge | 5.1B(実効2.3B) | 128K | 対応 | モバイル・ブラウザ |
| E4B | edge | 8B(実効4.5B) | 128K | 対応 | ノートPC・T4 GPU |
| 12B | unified | 12B | 256K | 対応 | マルチモーダル |
| 26B A4B | MoE | 25.2B(活性3.8B) | 256K | 非対応 | 高スループット推論 |
| 31B | Dense | 30.7B | 256K | 非対応 | 最高品質・微調整基盤 |
31B Denseは60層・語彙262Kの最上位で、ファインチューニングの土台に向きます。26B A4Bは128エキスパート中8個+共有1個を使うMoEで、総25.2Bを読み込みつつ生成時は約3.8Bしか動かさないため、31B並みの品質を高い速度で得られます。E2B/E4Bはモバイル・エッジ専用、12Bはマルチモーダル統合型です。
Gemma 4の必要スペック(VRAM早見表)
「gemma4 vram」「gemma 4 26b vram」「gemma4 16gb」は実需の高いクエリです。Google公式のメモリ表(重みの読み込みのみ・約20%のオーバーヘッド込み、2026年6月時点)を基準に整理します。実際にはこれにKVキャッシュ(文脈長ぶんのメモリ)が上乗せされる点に注意してください。
| モデル | BF16(16bit) | 8bit | 4bit(Q4_0) | モバイル |
|---|---|---|---|---|
| E2B | 11.4GB | 5.7GB | 2.9GB | 1.1GB |
| E4B | 17.9GB | 8.9GB | 4.5GB | 2.5GB |
| 12B | 26.7GB | 13.4GB | 6.7GB | – |
| 26B A4B | 57.7GB | 28.8GB | 14.4GB | – |
| 31B | 69.9GB | 34.9GB | 17.5GB | – |
読み取り方は単純です。31BをBF16でそのまま動かすにはH100 80GBクラスが要りますが、4bit量子化なら約17.5GBに収まり、RTX 3090/4090(24GB)の手元GPUでも現実的に動きます。「16GBで31Bを動かせるか」という問いには、重みは載っても文脈を広げるとすぐ足りなくなる、というのが正確な答えです。16GBクラスのGPUなら26Bの4bit(約14.4GB)が安全圏です。E2Bは4bitで2.9GB、モバイル版は1.1GBまで下がり、4GB RAMのAndroidでも動作します。
注意点を一つ。26B A4Bは活性3.8BのMoEですが、ルーティング高速化のため総25.2B分の重みをすべてメモリに載せる必要があります。「活性4B=4Bモデル並みの軽さ」ではない点が、サイズ選定でつまずきやすい落とし穴です。
Gemma 4の量子化と配布フォーマット(GGUF・AWQ・QAT)
「gemma4 gguf」「gemma4 awq」「gemma4 4bit」も検索の中心です。量子化は重みの精度を落としてメモリと速度を稼ぐ手法で、どのフォーマットを選ぶかは実行環境で決まります。
GGUF・AWQ・QATの使い分け
- GGUF:llama.cpp / LM Studio / Ollama 系で使う標準形式。CPU・Apple Silicon・コンシューマGPUでのローカル実行で最も実績が多く、Q4_K_Mが品質と容量のバランス点です。
- AWQ(4bit):vLLMなどクラウドの高並列推論向け。同じビット幅ではGPTQより精度が出やすく、31B AWQ-4bitは実測で約20GB前後の配布サイズです。
- QAT(量子化対応学習):Googleが公式提供する、学習段階で量子化を織り込んだ版。後段で圧縮するPTQと違い品質劣化が小さく、
-qat-q4_0-gguf(ローカル)や-qat-w4a16-ct(vLLM/SGLang)として配布されています。
判断基準はシンプルです。手元のPCやMacで動かすならQAT版GGUF、サーバーで多数の同時リクエストを捌くならAWQまたはcompressed-tensors(w4a16)。「とにかく省メモリで動けばよい」段階ではGGUFのQ4から始め、品質が足りなければ8bitやBF16へ上げる順序が無駄になりません。なお「guff」はGGUFの誤記なので、ダウンロード時はファイル名のスペルを確認してください。
Gemma 4のローカル実行ツール(Ollama・LM Studio・Transformers)
Gemma 4は公開初日からOllama、LM Studio、Hugging Face Transformers、vLLM、llama.cpp、MLX、Transformers.js、SGLang、LiteRT-LMなどに対応しました。代表的な3経路を挙げます。
Ollama:コマンド一発で動かす最短経路
最も手軽なのがOllamaです。タグは gemma4:31b(約20GB)、gemma4:26b(約18GB)、gemma4:12b(約7.6GB)、gemma4:e4b(約9.6GB)、gemma4:e2b(約7.2GB)。クラウド実行用に gemma4:31b-cloud もあります。サイズを省くとE4Bが既定で入ります。
ollama run gemma4:31b
Ollamaはチャットテンプレートやサンプリングを内部処理するため、Thinkingモードの制御トークンを手書きする必要はありません。Claude CodeやCodex、OpenCodeといったエージェント系ツールへ ollama launch(Ollama v0.15以降)で接続することもできます。
LM Studio:GUIで量子化を選んで試す
GUIで使うならLM Studioが向きます。全サイズのGGUFをアプリ内のセレクタから選べ、量子化レベルを切り替えながら生成速度を比べられます。LM Studio側のGemma 4対応はバージョンで改善が続いており、当社では関連の更新内容を別記事で整理しています(後述の関連記事を参照)。
Transformers・MLX・Colab・API
Pythonで推論・微調整するならHugging Face Transformersのany-to-anyパイプラインが使えます。Apple SiliconのMacBookではMLX版(gemma4:e4b-mlx 等やmlx-communityの4bit版)が高速です。学習・検証はGoogle Colab、ブラウザ内実行はTransformers.js、Flutter製モバイルアプリにはflutter_gemmaが選択肢になります。クラウドAPIとしてはGemini API経由でGemma 4を呼び出せます。AMD GPUはROCm、NVIDIAはCUDA、GoogleはTPUに対応します。
Gemma 3 vs Gemma 4:性能とベンチマークの差
「gemma3 vs gemma4」「gemma3 thinking」の比較需要に答えます。Gemma 4はGemma 3から推論性能が大きく伸び、特に数学・コーディングで差が開きました。Ollama公式モデルカードのベンチマーク(指示チューニング版)を抜粋します。
| ベンチ | 31B | 26B A4B | E4B | E2B | Gemma 3 27B |
|---|---|---|---|---|---|
| AIME 2026 | 89.2% | 88.3% | 42.5% | 37.5% | 20.8% |
| LiveCodeBench v6 | 80.0% | 77.1% | 52.0% | 44.0% | 29.1% |
| GPQA Diamond | 84.3% | 82.3% | 58.6% | 43.4% | 42.4% |
| MMLU Pro | 85.2% | 82.6% | 69.4% | 60.0% | 67.6% |
数学のAIME 2026では31BがGemma 3 27Bの約4.3倍、コーディングのLiveCodeBenchでも約2.7倍に達します。LMArenaのテキストランキングでは31Bがオープンモデル3位、26Bが6位に位置します(具体スコアは更新が速いため公式の最新値を確認してください)。質を分けるのはThinkingモードです。Gemma 4は全モデルがシステムプロンプト先頭の制御トークンで思考の有無を切り替えられ、Gemma 3より構造化された対話を扱えます。
用途別Gemma 4の選び方:採用すべき構成と避けるべき構成
ここからは一次情報を踏まえた当社の判断です。SERP上位の解説はスペックの羅列に留まりがちで、「結局どれを選べばよいか」の言い切りが手薄です。VRAMと品質要件から、現実的な最小構成を提示します。
| 環境・目的 | 推奨モデル | フォーマット | 目安メモリ |
|---|---|---|---|
| スマホ・組込み | E2B | モバイル/Q4_0 | 1〜3GB |
| ノートPC・T4 | E4B | QAT GGUF Q4 | 約4.5GB |
| 16GB GPU | 26B A4B | GGUF Q4_K_M | 約14.4GB |
| 24GB GPU | 31B | QAT GGUF Q4 | 約17.5GB |
| サーバー高並列 | 31B | AWQ / w4a16 | 80GB級GPU |
なお、24GB GPUで31Bの4bit(重み約17.5GB)を使う構成は短〜中文脈向けです。17.5GBはあくまで重みのみの値で、256Kに近い長文脈ではKVキャッシュが上乗せされるため、長文を扱うなら24GBでも余裕を見て文脈長を絞るか、26Bへ落とす判断が無難です。明確に言い切ります。16GBのGPUに31Bを載せるのは避けるべきです。重みだけで17.5GBを要し、文脈を広げればすぐ破綻します。この帯域では26Bの4bitが正解です。逆に、社内チャットボット程度の用途で31Bをフル精度で構える必要もありません。多くの実務はE4BかQAT版31B Q4で足り、過剰投資を避けられます。失敗パターンの典型は「活性3.8Bだから26Bは軽い」と誤解してVRAMを過小見積もりするケースで、前述のとおり総25.2B分が必要です。なお、コミュニティ派生として無修正(uncensored)モデルが存在しますが、安全層を外す利用は商用・コンプライアンス上のリスクを伴うため本記事では推奨しません。
よくある質問(FAQ)
Gemma 4とは何ですか?
GoogleがApache 2.0ライセンスで公開したオープンウェイトのAIモデル群です。Geminiの研究基盤を継承し、テキスト・画像(および一部モデルで音声)を扱うマルチモーダル対応で、140言語以上をサポートします。E2B/E4B/12B/26B MoE/31Bの5サイズがあり、重みをダウンロードして自分のPCやサーバーで動かせます。クラウド専用のGemini本体とは異なり、商用利用やファインチューニングが可能です。
Gemma 4の必要VRAMはどのくらいですか?
Google公式のメモリ表(重みのみ)では、4bit量子化で31B=約17.5GB、26B A4B=約14.4GB、E2B=約2.9GBです。BF16では31Bが約69.9GBでH100 80GB級が必要になります。これに文脈長ぶんのKVキャッシュが上乗せされるため、24GB GPUでは31Bの4bit、16GB GPUでは26Bの4bitが安全圏です。256Kフル活用時はさらに余裕が必要です。
Gemma 4のGGUFとAWQはどう違いますか?
GGUFはllama.cpp・LM Studio・Ollamaで使うローカル実行向けの標準形式で、CPUやApple Silicon、コンシューマGPUに適します。AWQはvLLMなどクラウドの高並列推論向けの4bit量子化で、同ビット幅ではGPTQより精度が出やすい傾向です。手元で動かすならGGUF(特に公式QAT版)、サーバーで同時多数を捌くならAWQまたはcompressed-tensorsを選びます。
Gemma 3とGemma 4の違いは何ですか?
主な違いは3点です。第一にライセンスがGemma独自規約からApache 2.0へ変わり、法務上の障壁が下がりました。第二に全モデルがThinking(思考)モードを備え、推論性能が大幅に向上しました。例えばAIME 2026では31BがGemma 3 27Bの約4.3倍です。第三にネイティブのシステムプロンプト対応が加わり、エージェント構築がしやすくなりました。
Gemma 4はどのツールで動かせますか?
公開初日からOllama、LM Studio、Hugging Face Transformers、vLLM、llama.cpp、MLX、Transformers.js、SGLang、LiteRT-LMなどに対応しています。最も手軽なのはOllamaで ollama run gemma4 の一行で始められます。Apple SiliconはMLX、ブラウザはTransformers.js、サーバー運用はvLLMやVertex AIが向きます。