Gemma 4は、Google DeepMindが2026年4月2日に公開したオープンウェイトのモデル群です。ライセンスはApache 2.0で、重みをダウンロードして自分のPCやサーバーで動かせます。この記事では、E2B・E4B・12B・26B A4B・31Bの5モデルの一覧と必要スペック(VRAM)を公式の数値で示したうえで、公式表に載っていない長文脈のKVキャッシュ量、Ollamaの各タグの実際のダウンロードサイズ、2026年4〜6月に揃ったMTPドラフターとQAT版の使い分けまで、2026年10月16日時点の一次情報で整理します。
まとめ:Gemma 4の5モデルと必要メモリ、最短の動かし方
Gemma 4は5サイズで、小型のE2B・E4Bは文脈長128K、12B・26B A4B・31Bは256Kです。4bit量子化時に重みを載せるメモリは公式表でE2B 2.9GB、E4B 4.5GB、12B 6.7GB、26B A4B 14.4GB、31B 17.5GBです。
- とりあえず動かす:
ollama run gemma4で既定のE4Bが入ります。GGUF版のダウンロードは6.58GBで、16GB RAMのPCで試す候補になります。実行時には文脈長や他のアプリの使用量に応じた追加メモリが必要です。 - VRAM 16GBのGPU:12Bが第一候補です。26B A4Bは重みだけで14.4GBあり、文脈を広げる余地がほぼ残りません。
- VRAM 24GBのGPU:31Bの4bitは載りますが、256K文脈ではKVキャッシュが約22GB(BF16)増えます。長文を扱うなら26B A4Bの方が向きます。
- 速くしたい:全モデルにMTPドラフター(
-assistant)があり、公式は最大3倍の高速化としています。Ollamaの既定タグには最初から同梱されています。 - APIで使う:Gemini APIで使えるのは31Bと26B A4Bだけで、無料枠のみ・有料枠なしです。
以下、位置づけ、モデル一覧、必要スペック、量子化、Ollama、MTP、ベンチマーク、API、用途別の選び方の順に説明します。
Gemma 4の位置づけ:Gemini 4 Argonとの違いとApache 2.0化
GemmaはGoogleが重みを公開しているオープンモデルで、Geminiは重みを公開せず、APIやGoogleの提供するアプリ・開発画面などを通じて利用するモデル群です。名前の数字は連動していません。2026年10月13日にGemini APIで一般提供が始まったGemini 4 Argon(gemini-4-argon)はGemini側のフラッグシップで、Gemma 4(2026年4月2日公開)とは別の製品です。「gemini 4」で検索してGemma 4にたどり着いた場合は、ダウンロードして手元で動かしたいならGemma 4、APIで最上位の性能を使いたいならGemini 4 Argonと考えてください。Gemini 3系の整理はGemini 3とは?Google最新AIモデルの特徴・ラインアップ・料金と3.1への進化にまとめています。
Gemma 3までとの最大の違いはライセンスです。Gemma 3以前は独自のGemma Terms of Use(再配布時に利用制限条項の継承などが必要)でしたが、Gemma 4はApache 2.0になりました。Hugging Faceでも同意なしで取得でき、CIでモデルを自動取得する構成が組みやすくなっています。Alphabetの2026年7月22日の決算説明では、Gemma 4のダウンロード数は4月の公開から3億回を超えたとされています。モデルカードによると学習データのカットオフは2025年1月で、それ以降の出来事は知らない前提で使います。
Gemma 4のモデル一覧(E2B・E4B・12B・26B A4B・31B)
2026年10月16日時点のGemma 4は次の5モデルです。公開時(4月)はE2B・E4B・26B A4B・31Bの4モデルで、12Bは6月に追加されました。数値はHugging Faceの公式モデルカードの構成表から引いています。Googleが配布するGemma 4はこの5サイズだけです。Hugging Faceの公式QAT版 gemma-4-31B-it-qat-w4a16-ct には「34B params」と表示されますが、モデルカード上の31Bのパラメータ数は30.7Bです。Hugging FaceのAPIでこのリポジトリの集計を見ると、4bit重みを格納したI32型が29,286,727,680要素、BF16型が4,310,857,580要素で、合計33.6Bがそのまま表示に使われています。パラメータが増えたわけではありません。「gemma-4-120b」を名乗るリポジトリは第三者の派生で、Googleの配布ではありません。
| モデル | 構造 | パラメータ | 層数 | 文脈長 | 入力 |
|---|---|---|---|---|---|
| E2B | Dense+PLE | 実効2.3B(埋め込み込み5.1B) | 35 | 128K | テキスト・画像・音声 |
| E4B | Dense+PLE | 実効4.5B(埋め込み込み8B) | 42 | 128K | テキスト・画像・音声 |
| 12B Unified | Dense・エンコーダなし | 11.95B | 48 | 256K | テキスト・画像・音声 |
| 26B A4B | MoE | 総25.2B・活性3.8B | 30 | 256K | テキスト・画像 |
| 31B | Dense | 30.7B | 60 | 256K | テキスト・画像 |
出力はどのモデルもテキストだけです。語彙は全モデル共通の262K、140以上の言語に対応し、全モデルが思考(thinking)モードの切り替えと関数呼び出しに対応しています。
E2B・E4Bの「E」と26B A4Bの「A」の意味
「E」はeffective(実効)パラメータです。E2B・E4BはPer-Layer Embeddings(PLE)で各層に小さな埋め込み表を持たせており、表そのものは大きいものの計算には参照しか使わないため、実効値が総数より小さくなります。メモリには総数ぶんが載るので、E2Bの重みはBF16で11.4GBあります。「A」はactive(活性)パラメータで、26B A4Bは128個のエキスパートのうち8個と共有1個を使い、1トークンあたり3.8Bだけを計算します。ただし全エキスパートをメモリに置くため、必要メモリは26Bクラスのままです。
12B Unifiedはエンコーダを持たない中型モデル
12B以外のモデルは画像用(約150M〜550M)や音声用(約300M)のエンコーダを別に持ちます。12Bはこれを持たず、画像パッチと音声波形を軽い線形層で直接埋め込み空間に入れます。中型で音声を扱えるのは12Bだけで、4bit時の重みは6.7GBと26B A4Bの半分以下です。12Bの実装やOllama APIでの使い方はGemma 4 12BでローカルAIを動かす|必要スペック・Ollama API実装・26B A4Bとの違いで詳しく扱っています。
Gemma 4の必要スペック:公式メモリ表とKVキャッシュの上乗せ分
Gemma 4の公式概要ページ(2026年7月8日更新)は、推論に必要なGPU/TPUメモリを次のように示しています。読み込み時のオーバーヘッド20%を含み、文脈(KVキャッシュ)の分は含みません。
| モデル | BF16 | SFP8(8bit) | Q4_0(4bit) | モバイル | モバイル(テキストのみ) |
|---|---|---|---|---|---|
| E2B | 11.4GB | 5.7GB | 2.9GB | 1.1GB | 0.84GB |
| E4B | 17.9GB | 8.9GB | 4.5GB | 2.5GB | 2.2GB |
| 12B | 26.7GB | 13.4GB | 6.7GB | – | – |
| 26B A4B | 57.7GB | 28.8GB | 14.4GB | – | – |
| 31B | 69.9GB | 34.9GB | 17.5GB | – | – |
モバイル列はLiteRT-LMで動かす場合の値で、E2B・E4Bだけにあります。FlutterアプリにGemma 4を組み込む定番だった flutter_gemma は、2026年10月5日の1.11.4を最終版として flutter_edge_ai に移行しており、LiteRT-LM形式(.litertlm)のモデルを読み込めます。これから組むなら新しいパッケージ名で始めてください。
文脈長ごとのKVキャッシュ量(config.jsonからの計算)
公式表には文脈の分が無いので、各モデルのconfig.json(層の種類、KVヘッド数、ヘッド次元、スライディングウィンドウ幅)から、KVキャッシュをBF16で保持した場合の量を計算しました。Gemma 4は直近512〜1,024トークンだけを見る局所層と、全文脈を見る全体層を組み合わせており、文脈が伸びて増えるのは全体層の分だけです。K・Vを別々に保持する実装を前提にした値で、KVキャッシュを8bitに量子化すれば約半分になります。
| モデル | 局所層/全体層 | 8K | 32K | 128K | 256K |
|---|---|---|---|---|---|
| E2B | 28/7 | 0.06GB | 0.21GB | 0.81GB | – |
| E4B | 35/7 | 0.16GB | 0.56GB | 2.17GB | – |
| 12B | 40/8 | 0.47GB | 0.87GB | 2.48GB | 4.63GB |
| 26B A4B | 25/5 | 0.38GB | 0.88GB | 2.89GB | 5.58GB |
| 31B | 50/10 | 1.51GB | 3.52GB | 11.58GB | 22.31GB |
31Bだけが桁違いです。全体層が10層あり、そのKVヘッドが4本×512次元と太いため、1トークンあたり80KiB増えます。256Kまで使うとKVキャッシュだけで約22GBになり、4bitの重み17.5GBより大きくなります。26B A4Bは全体層が5層・KVヘッド2本で、256Kでも約5.6GBです。E2B・E4Bは後半の層が前半の層のKVを共有する設計(E2Bは35層中20層)で、さらに小さく収まります。
VRAM 8GB・16GB・24GBで選べるモデル
重みとKVキャッシュを足すと、GPUごとの現実的な選択は次のとおりです。OSや表示に使う分を1〜2GB残す前提です。
- 8GB:E4BのQ4(4.5GB)が上限です。E2Bはスマートフォン向けのモバイル形式なら1.1GB(テキストのみなら0.84GB)まで下がります。
- 12〜16GB:メモリに余裕を残したい場合は12BのQ4(6.7GB)が第一候補です。単一系列・BF16保持の計算では、128KのKVキャッシュは約2.5GBです。26B A4BのQ4(14.4GB)は16GBに載りますが、文脈に回せるのは1GB程度です。
- 24GB:26B A4BのQ4は、単一系列・BF16のKVキャッシュを前提に、256Kで約20GB(14.4+5.6GB)と見積もれます。ただし、実行エンジンの追加バッファなどを含まないため、24GBでの動作保証ではありません。31BのQ4は載りますが、文脈は32K前後(KV 3.5GB)が目安で、128K以上は入りません。
- 48GB以上:31BのQ4で128K、または31BのSFP8(34.9GB)で短めの文脈が扱えます。BF16で31Bを動かすならH100 80GB級が必要です。
「16GBのGPUで31Bは動くか」という問いには、重み17.5GBが16GBを超えるのでGPUには載り切らず、CPUへのオフロードが前提になると答えます。速度を求めるならこの組み合わせは避けてください。
Gemma 4の量子化フォーマット:GGUF・QAT・AWQの選び方
Googleは、学習中に量子化の誤差を織り込むQAT(量子化対応学習)版を2026年6月5日に発表し、公式に配布しています。学習後に圧縮するPTQより品質の低下が小さいのが利点です。公式のQAT版は実行エンジンごとに名前の末尾が決まっています。
| 末尾 | 実行エンジン | 提供モデル |
|---|---|---|
| -qat-q4_0-gguf | llama.cpp・LM Studio | 5モデルすべて |
| -qat-w4a16-ct | vLLM・SGLang | E2B・E4B・12B・31B |
| -qat-mobile-ct / -qat-mobile-transformers | モバイル | E2B・E4B |
| -qat-q4_0-unquantized | MLXなどへの変換元 | 5モデルすべて |
| -qat-q4_0-unquantized-assistant | MTPドラフター | 5モデルすべて |
選び方は実行環境で決まります。手元のPCやMacでllama.cpp・LM Studio・Ollamaを使うならGGUFで、まず公式のQAT Q4_0を選びます。サーバーでvLLMを使い多数の同時リクエストをさばくなら、4bit重み・16bit活性のw4a16-ct(compressed-tensors形式)です。注意点として、26B A4Bには公式のw4a16-ctがありません。vLLMで26B A4Bを4bitにしたいなら、コミュニティのAWQ版などを使うことになり、その品質はGoogleの検証の外です。GGUFそのものの仕組みはGGUFとは?量子化モデルフォーマットの仕組みとGPTQ・AWQとの違い・採用判断を解説【2026年版】を参照してください。
コミュニティ版のQ4_K_Mと公式QATのQ4_0のどちらを選ぶかで迷ったら、公式QATを優先します。同じ4bitでも、QATは量子化を前提に学習し直した重みです。Apple SiliconのMacでは、-qat-q4_0-unquantized をMLX形式に変換した版や、OllamaのMLXタグが選択肢になります(MLXの導入はMLXとは?Apple SiliconでLLMを動かすmlx-lmの導入手順と採用判断)。「gemma4 guff」はGGUFの打ち間違いなので、ファイル名の綴りに注意してください。
OllamaでGemma 4を動かす:タグ一覧と実際のダウンロードサイズ
Ollamaのgemma4ライブラリには2026年10月時点で51のタグがあります。ライブラリページのサイズ表示は配布物ごとの幅(例:既定タグは6.6〜9.5GB)なので、Ollamaのレジストリから各タグのマニフェストを取得し、レイヤーの合計を実測しました(2026年10月15日UTC取得)。
| タグ | 合計 | 本体 | 画像処理 | MTPドラフター |
|---|---|---|---|---|
| gemma4(=e4b) | 6.58GB | 5.49GB | 0.99GB | 0.10GB |
| gemma4:e2b | 4.59GB | 3.50GB | 0.99GB | 0.10GB |
| gemma4:12b | 8.02GB | 7.38GB | 0.18GB | 0.47GB |
| gemma4:26b | 18.73GB | 17.07GB | 1.20GB | 0.46GB |
| gemma4:31b | 20.39GB | 18.67GB | 1.20GB | 0.52GB |
| gemma4:e4b-it-qat | 6.15GB | 5.16GB | 0.99GB | なし |
| gemma4:26b-a4b-it-qat | 15.63GB | 14.44GB | 1.20GB | なし |
| gemma4:31b-it-qat | 18.85GB | 17.65GB | 1.20GB | なし |
ollama run gemma4 # 既定のE4B
ollama run gemma4:12b # VRAM 12〜16GB向け
ollama run gemma4:26b-a4b-it-qat # 公式QAT版(MTPなし・15.63GB)
ollama run gemma4:31b-cloud # Ollamaのクラウドで実行
ほかに、Apple Silicon向けの -mlx、形式別の -nvfp4・-mxfp8、8bitの -it-q8_0、非量子化の -it-bf16 があります。12Bの gemma4:12b は8.02GBで、既定のE4B(6.58GB)より1.4GB大きいだけで中型モデルを試せます。
既定タグに同梱されたMTPドラフター
マニフェストを見ると、gemma4・gemma4:e2b・12b・26b・31b の既定タグには、本体と画像処理に加えて draft というレイヤーが入っています。設定レイヤーは {"draft_num_predict":3,"temperature":1,"top_k":64,"top_p":0.95} で、1回に3トークン先までドラフターに予測させる設定です。gemma4:26b の本体レイヤーは gemma4:26b-a4b-it-mtp-q4_K_M と同一でした。既定タグで ollama run すると、ドラフターとMTPの設定(draft_num_predict)まで入った状態で取得されます。一方、容量の小さい -it-qat タグにはドラフターが入っておらず、替えると配布容量は小さくなりますが、既定タグと同じMTP構成ではなくなります。QATとMTPを併用する場合は、対応する同精度のQATドラフターが必要です。
MTP(マルチトークン予測)でGemma 4を高速化する手順
MTPは、小さなドラフター(公式ガイドの例では4層)が数トークン先を予測し、本体(ターゲット)がそれをまとめて検証する投機的デコーディングの一種です。検証で合わなかったトークンは捨てるため、出力の品質は本体単独と変わりません。公式のMTPガイド(2026年6月4日更新)では、Hugging Face Transformersで本体と -assistant を2つ読み込み、generate に渡すだけで有効になります。
# 事前準備: python -m pip install -U torch transformers accelerate
import torch
from transformers import AutoProcessor, AutoModelForCausalLM
TARGET = "google/gemma-4-E2B-it"
ASSISTANT = TARGET + "-assistant"
processor = AutoProcessor.from_pretrained(TARGET)
target = AutoModelForCausalLM.from_pretrained(TARGET, dtype=torch.bfloat16, device_map="auto")
assistant = AutoModelForCausalLM.from_pretrained(ASSISTANT, dtype=torch.bfloat16, device_map="auto")
# ドラフト数を受理状況に応じて自動調整(全受理で+2、棄却で-1)
assistant.generation_config.num_assistant_tokens = 4
assistant.generation_config.num_assistant_tokens_schedule = "heuristic"
messages = [{"role": "user", "content": "投機的デコーディングを3文で説明して"}]
text = processor.apply_chat_template(messages, tokenize=False, add_generation_prompt=True)
inputs = processor(text=text, return_tensors="pt").to(target.device)
out = target.generate(**inputs, assistant_model=assistant, max_new_tokens=256, do_sample=False)
print(processor.decode(out[0][inputs["input_ids"].shape[1]:], skip_special_tokens=True))
ドラフト数を増やすほど当たれば速くなりますが、外れたときの無駄も増えます。最初は heuristic に任せるのが無難です。Googleは2026年5月5日の発表で高速化を最大3倍としています。これは上限の値で、受理率が下がる自由作文や高い温度設定では伸びが小さくなります。26B A4Bには例外があり、同じ発表はApple Siliconでバッチサイズ1だとMoEのルーティングが足を引っ張り、4〜8件を同時処理して初めて約2.2倍まで伸びると説明しています。1人で対話するだけの使い方なら、26B A4BでMTPの効果を大きく見込まない方が安全です。LM Studioでの設定はLM StudioのMCP設定とGemma 4のMTP設定|mcp.json・Web検索・動かない時の対処【2026年10月】、MTPの仕組みと受理率の読み方はMTP(Multi-Token Prediction)とは?LLMの複数トークン予測の仕組みと投機的デコーディングでの使い方で解説しています。
Gemma 3 vs Gemma 4:公式ベンチマークの差
公式モデルカードの指示チューニング版の値を抜粋します。Gemma 3 27Bは思考モードなし(no think)の値なので、推論系の差には思考の有無が含まれます。
| ベンチマーク | 31B | 26B A4B | 12B | E4B | E2B | Gemma 3 27B |
|---|---|---|---|---|---|---|
| MMLU Pro | 85.2% | 82.6% | 77.2% | 69.4% | 60.0% | 67.6% |
| AIME 2026(ツールなし) | 89.2% | 88.3% | 77.5% | 42.5% | 37.5% | 20.8% |
| LiveCodeBench v6 | 80.0% | 77.1% | 72.0% | 52.0% | 44.0% | 29.1% |
| GPQA Diamond | 84.3% | 82.3% | 78.8% | 58.6% | 43.4% | 42.4% |
| MMMLU(多言語) | 88.4% | 86.3% | 83.4% | 76.6% | 67.4% | 70.7% |
| MMMU Pro(画像) | 76.9% | 73.8% | 69.1% | 52.6% | 44.2% | 49.7% |
差が大きいのは数学とコードで、AIME 2026では31BがGemma 3 27Bの約4.3倍です。知識系のMMLU Proは差が小さく、それでもE4B(69.4%)がGemma 3 27B(67.6%)を上回ります。26B A4Bは活性3.8Bながら、掲載した6項目では31Bとの差が0.9〜3.1ポイントに収まっています。Gemma 3からの乗り換えで最も効くのは、思考モードが必要な推論・コード生成の用途です。日本語単体のベンチマークは公式に出ていないので、多言語のMMMLUを目安にしてください。Gemma 3世代の最小モデルとの違いはGemma 3 270Mとは?日本語での実測・性能・使い方とFunctionGemma・Gemma 4との違いで比べています。
Gemini APIでGemma 4を使う場合の条件
ローカルにGPUが無い場合は、Gemini API(Google AI Studio)から呼び出せます。対応モデルは gemma-4-31b-it と gemma-4-26b-a4b-it の2つだけです。
# 事前準備: python -m pip install -U google-genai
# Google AI Studioで取得したAPIキーを環境変数GEMINI_API_KEYに設定
from google import genai
client = genai.Client() # 環境変数 GEMINI_API_KEY を参照
response = client.models.generate_content(
model="gemma-4-26b-a4b-it",
contents="Gemma 4の特徴を3行で",
)
print(response.text)
Gemini APIの料金ページでは、Gemma 4の入出力は無料枠で無料、有料枠は「Not available」です。無料枠の欄には、送ったデータが「Google製品の改善に使われる」とあります。社外秘の文書や個人情報を入れる用途には使わないでください。有料で使うなら、Google CloudのGemini Enterprise Agent Platform(旧Vertex AI)に gemma-4-26b-a4b-it-maas があり、料金は100万トークンあたり入力0.15ドル・出力0.60ドルです。ただしこれは2026年10月時点でExperimental(試験提供)、ML処理の地域は米国、思考モードは非対応です。データを国内から出せない場合や31Bを使いたい場合は、ローカル実行か自社のクラウド環境へのデプロイになります。Gemma 4を社内システムへ組み込む検討から支援が必要な場合は、生成AI導入支援で要件整理から相談を受けています。
用途別のGemma 4の選び方:採用する構成と避ける構成
用途別の候補を、モデルの対応入力とメモリ容量を基準に整理します。
| 環境・目的 | 推奨 | 形式 | 容量の参考値(条件は下記) |
|---|---|---|---|
| スマホ・組込み | E2B | モバイル(LiteRT-LM) | 1.1GB |
| ノートPC(RAM 16GB) | E4B | Ollama既定 | 6.6GB |
| GPU 12〜16GB・音声も扱う | 12B | Q4(QATまたは既定) | 6.7GB+2.5GB(128K) |
| GPU 24GB・長文書 | 26B A4B | QAT Q4_0 | 14.4GB+5.6GB(256K) |
| GPU 24GB・短文で最高品質 | 31B | QAT Q4_0 | 17.5GB+3.5GB(32K) |
| vLLMで多数同時処理 | 31B | qat-w4a16-ct | 80GB級GPU |
スマホ行はモデル読み込みメモリ、ノートPC行はOllamaのダウンロード容量、GPU 12〜24GBの各行は公式の読み込みメモリにKVキャッシュの計算値を足した概算、vLLM行はGPUの総容量です。いずれも実行時の総使用量を測った値ではありません。
避けるべき構成は3つあります。1つ目は16GBのGPUに31Bを載せることで、重みだけで溢れます。2つ目は24GBのGPUで31Bに長い文書を読ませることで、128Kで重み17.5GBにKVが11.6GB加わり、29GBを超えます。長文の要約や社内文書の検索なら、256Kでも24GBの見積もりに収まる26B A4Bを選びます。3つ目は「活性3.8Bだから26B A4Bは軽い」と見て8GBのGPUに入れることで、全エキスパートを載せるため14.4GBが必要です。社内チャットボットはE4Bか12Bから評価を始め、実際の質問で回答精度・応答時間・同時利用数の要件を満たさない場合に31Bを検討してください。
よくある質問
Gemma 4のモデル一覧はどうなっていますか?
E2B、E4B、12B、26B A4B、31Bの5モデルです。E2B・E4Bは実効2.3B・4.5Bのエッジ向けで文脈長128K、12Bはエンコーダを持たない中型、26B A4Bは総25.2B・活性3.8BのMoE、31Bは30.7BのDenseで、この3つは文脈長256Kです。音声入力はE2B・E4B・12Bだけが対応します。各モデルに事前学習版と指示チューニング版(-it)、MTPドラフター(-assistant)があります。
Gemma 4の必要スペックはどのくらいですか?
公式メモリ表では、4bit(Q4_0)の重みでE2B 2.9GB、E4B 4.5GB、12B 6.7GB、26B A4B 14.4GB、31B 17.5GBです。ここに文脈の分のKVキャッシュが加わり、31Bは256Kで約22GB(BF16)と大きく増えます。VRAM 16GBなら12B、24GBなら26B A4Bか短い文脈での31Bが目安です。GPUが無い場合は、E2B・E4BのQ4がCPU実行の候補になります。
Gemma 4のGGUFとAWQはどちらを選べばよいですか?
手元のPCやMacでllama.cpp・LM Studio・Ollamaを使うならGGUFで、Google公式のQAT版(-qat-q4_0-gguf)を優先します。サーバーのvLLMで同時に多数のリクエストを処理するなら、公式のw4a16-ct(compressed-tensors)を使います。26B A4Bには公式のw4a16-ctが無いため、vLLMで4bitにする場合はコミュニティのAWQ版を使うことになり、品質はGoogleの検証外です。
Gemma 3とGemma 4の違いは何ですか?
ライセンスが独自規約からApache 2.0に変わり、再配布の条件が軽くなりました。全モデルが思考モードとsystemロールに対応し、数学・コードの性能が大きく伸びています(AIME 2026で31Bは89.2%、Gemma 3 27Bは思考なしで20.8%)。文脈長は中型以上で128Kから256Kに伸び、MTPドラフターによる高速化も加わりました。
Gemma 4とGemini 4は同じものですか?
別の製品です。Gemma 4は2026年4月2日に公開された、重みをダウンロードできるオープンモデルです。Gemini 4 Argonは2026年10月13日にGemini APIで一般提供が始まったモデルで、Google AI Studioからも利用できますが、重みは公開されていません。手元のPCやサーバーで動かしたい、データを外に出したくないならGemma 4を選びます。