Google Meetの「Gemini に相談」(英語名 Ask Gemini in Meet)は、会議中にAIへ質問して、議論の要約や決定事項をその場で受け取れる機能です。パソコンでは会議画面の左下にあるテキストボックスから開きます。2026年5月26日から順次この位置に変わったため、以前の「右上のアイコン」を探しても見つかりません。この記事では、パソコンとスマホでの出し方、2026年10月時点の対象プラン、表示されないときの確認順、主催者・管理者のオフ設定までを、Googleの公式ヘルプと公式ブログをもとに整理します。
まとめ:左下のテキストボックスから開き、対象はBusiness Standard以上
パソコンのMeetでは、会議の左下にある[Gemini に相談]のテキストボックスをクリックして質問します。参加者が2人以上になると自動で開始され、1人だけの会議では使えません(Geminiベータ版プログラムの組織を除く)。スマホのMeetアプリでは、Androidは「その他」アイコン、iPhone・iPadは「メニュー」アイコンから[Gemini に相談]を選びます。
使えるのはGoogle WorkspaceのBusiness Standard・Business Plus・Enterprise Standard・Enterprise Plusです。無料のGoogleアカウントでは使えません。日本語には2026年2月2日からの順次展開で対応しましたが、1回の会議で扱える言語は1つだけです。
ボタンが出ないときは、自分の側(スマート機能・管理者設定)だけでなく、会議の主催者の側(主催者のエディション、主催者によるオフ)も確認します。公式ヘルプのトラブルシューティングが挙げる5つの原因のうち2つは、主催者側の条件です。
Google Meetの「Gemini に相談」でできること
Google Meetヘルプ「Google Meet の『Gemini に相談』」が挙げる用途は3つです。進行中の会話の要約と特定の人の発言の振り返り、重要なポイント・決定事項・タスクの一覧化、遅れて参加したときのそれまでの内容の確認です。質問と回答は本人にだけ表示され、ほかの参加者には見えません。
要約・決定事項の整理・遅れて参加したときのキャッチアップ
質問は日本語で入力できます。たとえば「ここまでの議論を3行で要約して」「決まったことと担当者を一覧にして」「佐藤さんは予算について何と言っていた?」のように聞きます。表示される質問の候補を選ぶこともできます。
遅れて参加したときのキャッチアップには条件があります。自分が参加する前から「自動メモ生成」(Take notes for me)がオンになっていた場合だけ、参加前の議論に答えられます。オフのままなら、Geminiが答えられるのは自分が入った後の発言に限られます。途中参加が多い定例会議では、主催者が自動メモ生成をオンにしておくと、遅れて入った人が状況を確認できるようになります。
回答の参照元と会議後に残るもの
回答は、会議の字幕、本人が閲覧権限を持つWorkspaceのファイル(ドキュメント・スプレッドシート・スライド・カレンダー・Gmailなど)、Google検索と公開ウェブサイトの内容から作られます。会議の発言だけでなく、自分が見られる資料をもとに「この案件の前回の結論は?」と聞ける一方、自分が見られない資料は参照されません。
会議後に残るのはプロンプトと回答で、Geminiの会話の履歴に保存されます。字幕データは会議の終了後に保存されず、この機能を使っても録画は始まりません。公式ヘルプは、人物に関する内容を含めて回答が不正確な場合があるため、出力を確認するよう求めています。
自動メモ生成・文字起こしとの使い分け
3つの機能は役割が違います。公式ヘルプは「Gemini に相談」を文字起こし用ではないと明記しており、逐語の記録が必要なら文字起こし機能を使います。
| 機能 | 見られる人 | 残るもの | 向く用途 |
|---|---|---|---|
| Gemini に相談 | 質問した本人だけ | 自分の会話の履歴 | 会議中の確認・要約 |
| 自動メモ生成 | 主催者と共有先 | Googleドキュメントのメモ | 会議後の共有用メモ |
| 文字起こし | 主催者と共有先 | Googleドキュメントの逐語録 | 発言の記録 |
自動メモ生成のメモは、会議終了後に主催者のGoogleドライブの「Google Meet」フォルダ内の会議ごとのサブフォルダに保存され、カレンダーの予定にも添付されます(Meetヘルプ「自動メモ生成」)。「メモはどこ?」と探すときは主催者のドライブを見ます。議事録づくりの手順はGeminiで議事録を作る方法|Meet自動メモ・対面会議・話者分離の手順と機密の線引き【2026年10月】で扱っています。
「Gemini に相談」の出し方:パソコンとスマホの手順
対象プランで管理者がオフにしていなければ、利用者側で事前の設定は要りません。参加者が2人以上になると自動で開始されます。Geminiベータ版プログラムに参加している組織では、最初の参加者が入った時点で使えます。
パソコン:会議画面の左下にあるテキストボックス
- Google Meetの会議に参加します。
- 画面左下の[Gemini に相談]テキストボックスをクリックします。
- 質問を入力するか、表示される質問の候補を選びます。候補をほかにも見るときはGemini に相談アイコンをクリックします。
オンにならないときは、左下の「オフ」を示すアイコンにカーソルを合わせ、[今すぐ開始]をクリックします。
入口は2026年5月に変わりました。Google Workspace Updatesの2026年5月27日の告知によると、それまでは画面右上のアイコンにカーソルを合わせたときだけ開けましたが、5月26日から順次(表示まで最大15日)左下のテキストボックスへ移りました。機能そのものは変わっていません。古い解説の「右上」を探して見つからない場合は、左下を確認してください。
Android・iPhoneのMeetアプリでの開き方(2026年2月9日〜)
モバイルアプリは2026年2月9日から順次対応しました。公式ヘルプのモバイル向け手順は次のとおりです。
- Android(スマホ・タブレット):Meetアプリで会議中に「その他」アイコンをタップし、[Gemini に相談]をタップします。
- iPhone・iPad:Meetアプリで会議中に「メニュー」アイコンをタップし、[Gemini に相談]をタップします。
開いたパネルで、会議について非公開で質問できます。2026年1月の告知では「会議中に右上のGeminiアイコンをタップ」と案内されていたため、アプリの版によって入口が異なる可能性があります。メニューに見当たらないときは、Meetアプリを最新版に更新してください。
日本語で使うときの1会議1言語の制約
対応言語は英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語の8つです。ただし1つの会議で扱える言語は1つで、複数の言語が話される会議には対応していません。英語のプレゼンを日本語で議論するような会議は対応外なので、この機能には頼りません。言語の混在する会議の通訳には、Meetの音声翻訳を扱ったGemini 3.5 Live Translateの使い方|Google翻訳・Meet・APIの始め方【2026年最新】のほうが合います。
対象プランと提供の経緯:無料では使えない
「Gemini に相談」は対象のGoogle Workspaceエディションでのみ使えます。GoogleのGemini機能とプランの比較表では、Ask Gemini in Meetの対象はBusiness Standard・Business Plus・Enterprise Standard・Enterprise Plusの4つで、Business Starterは含まれません。教育機関向けはGoogle AI Pro for Educationアドオンで提供されます。
| エディション | Gemini に相談 |
|---|---|
| Business Standard | 対象(2026年1月26日から順次) |
| Business Plus | 対象 |
| Enterprise Standard | 対象 |
| Enterprise Plus | 対象 |
| Business Starter | 対象外 |
| Education(各エディション) | AI Pro for Education追加時のみ |
| 個人向けGoogle AI Pro・Ultra | 比較表に記載なし |
| 無料のGoogleアカウント | 対象外 |
管理者向けヘルプ「Meet の『Gemini に相談』をオンまたはオフにする」は2026年10月時点でも対応エディションを「Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus」と書いており、Business Standardが載っていません。Business Standardへの拡大を告げた2026年1月21日の公式告知と上の比較表に対して、管理者ヘルプのエディション欄は拡大に追随していないとみられます。
提供範囲は段階的に広がってきました。
| 時期 | 変更 |
|---|---|
| 2025年9月17日 | 発表(英語・パソコンのみ) |
| 2026年1月26日〜 | Business Standardへ拡大 |
| 2026年2月2日〜 | 日本語など7言語を追加 |
| 2026年2月9日〜 | Meetモバイルアプリに対応 |
| 2026年5月26日〜 | パソコンの入口を左下へ移動 |
2026年以降の変更はいずれも即時リリース・計画的リリースの両ドメインで、表示まで最大15日の段階展開です。同じ会社でも人によって表示時期がずれることがあります。
「Gemini に相談」が表示されない・出てこないときの確認順
公式ヘルプの記載をもとに、確かめやすい順に並べます。
- 参加者が自分1人:2人目が入るまで開始されません。1人で開いたテスト会議では確認できません。
- 主催者がこの会議でオフにしている:主催者は会議中やカレンダーの予定から、参加者全員に対してオフにできます。
- 主催者のエディションが対象外:自分のプランだけでなく、会議の主催者のWorkspaceエディションも条件です。自社が対象プランでも、社外の人が主催する会議では使えないことがあります。
- 自分または主催者のスマート機能がオフ:スマート機能を無効にした利用者は質問できません。主催者のスマート機能がオフの場合も使えません。
- 管理者がオフにしている:組織・組織部門・グループ単位で無効にできます。有効にした直後は反映まで最長24時間かかることがあります。
- ブレイクアウトセッション中:ブレイクアウトでは使えません。メインの会議に戻ります。
- アプリが古い:会議前に「Gemini に相談」の事前通知を受け取るには、Meetアプリを最新版にします。モバイルで項目が見当たらないときも、まず更新します。
主催者・管理者のオン/オフ設定と会話履歴の削除
主催者:会議中とカレンダーの予定からのオフ設定
会議中は[主催者向けの設定]を開き、[Gemini]セクションでオン/オフを切り替えます。会議の前にオフにするときは、パソコンでGoogleカレンダーの予定を開いて編集し、「ビデオ通話オプション」の[Gemini]で[会議の参加者に「Gemini に相談」の使用を許可する]をオフにします。主催者でない参加者は、主催者にオフを依頼できます。
管理者:管理コンソールで組織部門・グループ単位に設定する
管理者は、管理コンソールの[アプリ]>[Google Workspace]>[Google Meet]>[Gemini の設定]でオン/オフを選びます。既定はオンです。組織部門(主に部署)かグループ単位で設定でき、グループの設定は組織部門の設定より優先されます。変更の反映には最長で24時間ほどかかることがありますが、通常はそれより短時間で反映されます。
会話履歴の削除手順と自動で消える条件
パソコンでは、ブラウザの再読み込み、会議を閉じて開き直す、パソコンがオフラインになる、のいずれかで画面上のプロンプトと回答は消えます。保存済みの会話を個別に消すときは、[Gemini に相談]テキストボックスの左上の「その他」アイコンから[すべて表示]を開き、消したい会話の右側の「その他」から削除します。
社内で使う前に決めておくこと:社外会議・スマート機能・共有範囲
この機能は既定でオンなので、導入を決めなくても対象プランの組織ではすでに使える状態にあります。運用ルールが無いまま使われる前に、次の点は決めておくべきです。
1. 社外の参加者がいる会議の扱い。公式ヘルプは、外部の参加者がいる会議で「Gemini に相談」を使う場合に主催者が同意を確認するよう求めています。参加者には会議内に同意のバナーが表示され、電話で参加した人にはアナウンスが流れます。取引先との商談や採用面接のように発言の扱いに気を使う会議では、カレンダーの予定の段階でオフにしておくのが安全です。
2. スマート機能を自分だけ切っても防げない点。スマート機能をオフにすると自分は質問できなくなりますが、ほかの参加者は引き続き「Gemini に相談」で会議全員の発言を処理できます。発言を分析されたくない会議では、個人の設定ではなく主催者がオフにする必要があります。
3. 参照されるファイルの範囲。回答は本人が閲覧できるWorkspaceのファイルも参照します。共有設定が広すぎるドライブの資料は、会議中の回答に引用される可能性があります。導入時に共有設定を見直すのが先です。全社でのルールづくりや展開の順番に迷う場合は、生成AI導入支援のような外部の支援を使う手もあります。
Meet以外の「Gemini に相談」との違い:Google チャット・ドライブ
「Gemini に相談」という名前はMeet専用ではありません。日本語の公式ヘルプでは、Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・スライド・ドライブでもGeminiを開くアイコンが「Gemini に相談」と表記されており、いずれも画面右上にあります(Gmail、ドキュメント、スプレッドシート、スライドの各ヘルプ)。Meetだけが会議画面の左下です。出し方を検索しても手順が合わないときは、どのアプリの機能かを確かめます。
- Google チャット:2026年8月26日から順次(表示まで最大15日)、チャットのGeminiサイドパネルが「Gemini に相談」(Ask Gemini in Chat)に置き換わりました。左側の[ショートカット]から開くか、Windows・ChromeOSはCtrl+G、macOSはCommand+Gで呼び出します。ただし公式告知とチャットのヘルプのとおり英語のみの提供で、Googleアカウントの言語が日本語の人には表示されず、従来のサイドパネルが残ります。
- Googleドライブ:右上の「Gemini に相談」アイコンから、全画面のワークスペースが開きます(ドライブのヘルプ)。対象プランや表示されない原因はGoogleドライブのAI による概要とは?使い方・対象プラン・表示されない原因【2026年9月】にまとめています。
GmailのGemini機能は個人と法人で使える範囲が大きく違います。詳しくはGmailのGemini機能|日本で使える範囲と無料・有料の違い、AI Inboxの提供状況【2026年10月】を参照してください。
Gemini に相談のよくある質問
Gemini に相談の出し方は?
パソコンは会議画面の左下にある[Gemini に相談]テキストボックスをクリックします。Androidは「その他」アイコン、iPhone・iPadは「メニュー」アイコンから[Gemini に相談]をタップします。参加者が2人以上になると自動で開始されます。
Google MeetのGeminiは無料で使えますか?
「Gemini に相談」は無料のGoogleアカウントでは使えません。個人向けのGoogle AI Pro・Ultraも、Googleのプラン比較表ではこの機能の対象に載っていません。対象はGoogle WorkspaceのBusiness Standard・Business Plus・Enterprise Standard・Enterprise Plusです。自分のプランに加えて会議の主催者のエディションも条件なので、社外の人が主催する会議では使えないことがあります。
Gemini に相談の会話は他の参加者に見られますか?
見られません。質問と回答は本人にだけ表示されます。ただし機能が有効な会議では参加者全員に同意のバナーが表示されるので、誰かが使える状態にあること自体は全員に伝わります。
Gemini に相談の履歴を消すには?
テキストボックス左上の「その他」アイコンから[すべて表示]を開き、会話ごとに「その他」から削除します。ブラウザの再読み込みや会議を開き直したときにも、画面上のやりとりは消えます。
途中参加でもそれまでの内容を聞けますか?
自分が参加する前から自動メモ生成がオンになっていた場合だけ聞けます。オフのときは、自分が参加した後の発言についてしか答えられません。
Geminiに悩みや雑談の相談をしたいときは?
Meetの「Gemini に相談」は会議の内容について聞く機能で、個人的な相談相手としては使えません。日常の相談や雑談は、Geminiアプリ(ウェブ・Android・iPhone)で行います。アプリの呼び出し方はGeminiの使い方|バックグラウンド処理の停止・キャッシュクリア・マイク設定・呼び出し方【2026年10月】にまとめています。