ULSSAS(ウルサス)とは?6つのステップとAISASとの違い・実践手順を解説
ULSSAS(ウルサス)とは、SNSマーケティング支援のホットリンクが提唱した、UGC(ユーザーの投稿)を起点に購買が循環していくSNS時代の購買行動モデルです。頭文字はU・L・S・S・A・Sの6つ。AISASやAIDMAのような一直線のファネルではなく、購買が次のUGCを生んで回り続ける「フライホイール(弾み車)」で捉えるのが最大の特徴です。この記事では6ステップの意味、AISASとの違い、ステップ別の施策手順、事例、そして導入が向かない商材までを整理します。
まとめ:この記事の要点
- ULSSASの6ステップは U:UGC(投稿)→ L:Like(いいね)→ S:Search1(SNS検索)→ S:Search2(検索エンジン検索)→ A:Action(購買)→ S:Spread(拡散)。読み方は「ウルサス」。
- 提唱はホットリンク。AISAS/AIDMAが一方向のファネルなのに対し、ULSSASはSpread(拡散)が次のUGCを生む循環(フライホイール)型。
- 回すカギは、企業発信の広告ではなくユーザー起点のUGCとLike、およびSNS検索(Search1)と指名検索(Search2)の二段構えの検索を両方押さえること。
- UGCが自然発生しにくいBtoB・高単価・低頻度・機密性の高い商材では回りにくく、無理に当てはめないほうがよい。
ULSSASとは|UGCを起点に購買が循環するSNS購買行動モデル
ULSSAS(ウルサス)は、ホットリンクが提唱したSNS時代の購買行動モデルです。従来のAIDMA(1920年代)やAISAS(2004年に電通が提唱)は「認知→購入」へ一方向に進むファネルでしたが、SNSでは購入した人の投稿が次の人の認知になり、購買がぐるぐると回り続けます。この「回り続ける」動きを6つの頭文字で表したのがULSSASです。
ULSSASを構成する6つのステップ
各ステップの読み方と意味は次のとおりです。U・L・S・S・A・Sの順で、SはSearch1(SNS内の検索)とSearch2(GoogleやYahoo!などの検索エンジン)を分けて数える点が肝になります。
| 記号 | 要素 | 意味 |
|---|---|---|
| U | UGC | ユーザーが投稿した口コミ・写真・動画。循環の起点 |
| L | Like | いいね・保存・シェアなどの反応で投稿が広がる |
| S | Search1 | SNS内での検索(ハッシュタグ・キーワード検索) |
| S | Search2 | 検索エンジンでの指名検索(Google・Yahoo!) |
| A | Action | ECサイトや店舗での購買行動 |
| S | Spread | 購入者が再び投稿し、次のUGCとして拡散 |
具体的な流れはこうです。あるユーザーが買った商品の写真をSNSに投稿し(UGC)、それを見た別のユーザーがいいねを押し(Like)、興味を持ってSNS内で商品名を検索する(Search1)。さらに詳しい情報や購入先を検索エンジンで調べ(Search2)、ECや店舗で購入し(Action)、その人がまた投稿する(Spread)。この最後の投稿が次のUGCになり、ループが始まります。起点となるUGCの考え方はUGCとCGM・VOCの違いとその関連性も参考になります。
ファネルではなくフライホイールで捉える
ULSSASの独自性は、購買行動を漏斗(ファネル)ではなく弾み車(フライホイール)として設計する点にあります。ファネル型は認知した母数が購入に向かうほど減っていく前提ですが、ULSSASではSpread(拡散)でループの出口が入口に戻るため、UGCが増えるほど次の認知母数が積み上がり、広告費に依存せず回転が続くことを狙います。企業からの「1対n」の発信ではなく、ユーザー同士の「n対n」の情報流通を主役に置く考え方です。
ULSSASとAISAS・AIDMAの違い
ULSSASはAISASの発展形として語られますが、検索の数え方とゴールの置き方が異なります。AISASの「S(Search)」は検索エンジンを主に想定しますが、ULSSASはSNS検索(Search1)と指名検索(Search2)を分けて2回数えます。またAISASが最後の「Share(共有)」で終わるのに対し、ULSSASのSpread(拡散)は次のUGCを生む起点として循環に戻る点が決定的に違います。
| モデル | ステップ | 構造 | 主戦場 |
|---|---|---|---|
| AIDMA | Attention→Interest→Desire→Memory→Action | 一方向ファネル | マスメディア |
| AISAS | Attention→Interest→Search→Action→Share | 一方向ファネル | Web・検索 |
| ULSSAS | UGC→Like→Search1→Search2→Action→Spread | 循環(フライホイール) | SNS |
使い分けの目安は明確です。テレビCMや検索広告で認知から刈り取りまで設計するならAIDMA・AISASの発想が合い、SNS上の口コミ連鎖で継続的に売上を生みたいならULSSASが向きます。各ファネル型モデルの詳細はAIDMAモデルとAISASモデルの違いとその活用方法で整理しています。
ULSSASを回すための6ステップ別の施策
ULSSASは「作れば回る」ものではなく、各ステップに詰まりを作らない施策設計が要ります。6ステップを起点づくり・検索の二段構え・購買と再拡散の3つの役割に分けて、実務での打ち手を挙げます。
| ステップ | 詰まりの原因 | 主な施策 |
|---|---|---|
| U・L | 投稿が生まれない | ハッシュタグ設計/投稿募集/公式引用 |
| Search1・2 | 検索しても情報が薄い | 商品名の露出/指名検索の受け皿整備 |
| A・Spread | 買って終わる | 購入導線の短縮/投稿を促す体験設計 |
UGCとLike:投稿といいねの起点をつくる
循環の入口はUGCなので、ここが枯れると全体が止まります。ゼロから待つのではなく、公式アカウントによるユーザー投稿の引用リポストや、指定ハッシュタグでの投稿募集、購入者が撮りたくなるパッケージ・同梱カードなど、投稿の理由と型を用意します。Likeは投稿の質と初速で決まるため、まず公式が反応して露出を後押しする運用が有効です。
Search1とSearch2:SNS検索と指名検索の二段構え
ULSSASでもっとも見落とされやすいのがここです。投稿を見て気になったユーザーは、まずSNS内で商品名やブランド名を検索します(Search1)。このとき検索結果に十分なUGCが出てこないと離脱します。次に、より確かな情報や購入先を求めて検索エンジンで指名検索します(Search2)。そのため、SNS上での商品名の露出量を増やす施策と、指名検索で着地する公式サイト・EC・比較記事の整備を、両輪でそろえる必要があります。どちらか一方だけでは循環が途切れます。
ActionとSpread:購買導線と再拡散でループを閉じる
Action(購買)では、SNSやSNS検索から来た温度の高い流入を逃さないよう、購入までのステップ数を減らすことが要点です。そしてULSSASの生命線はSpread(拡散)で、購入者が再び投稿してはじめてループが閉じます。購入後に投稿を促すフォローや、レビュー投稿の特典、開封体験の演出などで「買って終わり」を防ぎます。この再拡散を狙う打ち手はバズマーケティングの考え方とも共通します。
ULSSASの事例と成功パターン
ULSSASが機能しやすいのは、日常的に写真・動画で投稿されやすい商材です。提唱元のホットリンクは、コスメ・食品・アパレルなどのD2C/消費財ブランドでの支援事例を公開しています。共通する成功パターンは、広告出稿を増やすのではなく、まずUGCが生まれる仕掛け(投稿しやすいハッシュタグ、体験の演出、ユーザー投稿の公式引用)に投資し、そこからSNS検索と指名検索の両方で受け皿を整えている点です。
逆に失敗しやすいのは、Spread(拡散)の設計を省いてキャンペーン期間だけ投稿を集めるケースです。UGCが一過性で止まると弾み車が回らず、広告を止めた瞬間に流入が消えます。事例を読む際は「一時的なバズ」か「回り続ける仕組み」かを区別すると、自社に転用できる要素が見えます。
ULSSASを導入すべきでない場面
ULSSASはあらゆる商材の万能フレームではありません。次のような条件では循環の起点であるUGCがそもそも生まれにくく、無理に当てはめると施策が空回りします。
- BtoB・高額な業務用商材:購入者が実名SNSで使用実態を投稿しにくく、UGCが積み上がらない。
- 購入頻度が極端に低い商材:住宅・車・冠婚葬祭など、再投稿による循環が起こりにくい。
- センシティブ・機密性の高い商材:金融・医療・コンプレックス商材など、公開投稿が敬遠される領域。
これらでは、検索意図に沿ったコンテンツで刈り取るAISAS型や、指名検索・比較検討を軸にした設計のほうが合います。ULSSASは「ユーザーが自発的に語りたくなる商材か」を先に見極めてから採用するのが実務上の判断基準です。
よくある質問
ULSSASの読み方と意味は?
「ウルサス」と読みます。U(UGC)・L(Like)・S(Search1=SNS検索)・S(Search2=検索エンジン検索)・A(Action=購買)・S(Spread=拡散)の6要素の頭文字で、SNS時代の購買行動を循環で捉えるモデルです。
ULSSASとAISASの違いは?
AISASは検索を1回(主に検索エンジン)とし、最後のShareで終わる一方向のファネルです。ULSSASは検索をSNS検索と指名検索の2回に分け、最後のSpreadが次のUGCを生んで循環する点が異なります。
ULSSASは誰が提唱したモデルですか?
SNSマーケティング支援を手がけるホットリンクが提唱しました。同社は自社サイトでモデルの解説と支援事例を公開しています。
ULSSASの事例にはどんなものがありますか?
コスメ・食品・アパレルなど、日常的に写真投稿されやすいD2C/消費財ブランドでの活用が中心です。共通点は、広告よりも先にUGCが生まれる仕掛けへ投資し、SNS検索と指名検索の受け皿を整えていることです。
UGCが自然に生まれない場合はどうすればよいですか?
指定ハッシュタグでの投稿募集、購入者への投稿特典、公式アカウントによるユーザー投稿の引用リポストなどで最初のUGCを意図的に作ります。それでも投稿が続かない商材は、ULSSAS以外のモデルを検討したほうが得策です。