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パパママ育休プラスとは?制度の仕組み・条件・育児休業給付金をわかりやすく解説【2025年改正対応】

パパママ育休プラスとは、夫婦がともに育児休業を取得することで、育休を取得できる期間を子が1歳2ヶ月になるまで延長できる制度です。通常、育児休業は子が1歳になるまでですが、両親が協力して育休を取ることで、合計2ヶ月分長く育児に専念できます。父親の育児参加を促し、母親に育児負担が偏らないようにすることが狙いです。本記事では、パパママ育休プラスの仕組み・対象者・取得条件・通常の育休や産後パパ育休との違い、そして気になる育児休業給付金(2025年に創設された新給付も含む)や申請方法まで、わかりやすく解説します。

パパママ育休プラスとは

パパママ育休プラスは、2010年の育児・介護休業法の改正で導入された特例制度です。男性の育児休業取得率が非常に低かった当時、父親の育児参加と母親の円滑な職場復帰を後押しする目的で作られました。

制度の核心はシンプルで、夫婦の両方が育児休業を取得する場合に限り、育休を取れる期間が子の1歳の誕生日から1歳2ヶ月まで延びるというものです。典型例は、母親が子の1歳まで育休を取り、入れ替わりで父親が1歳の誕生日から1歳2ヶ月になる日まで育休を取得するパターンです。これにより、子の誕生から1歳2ヶ月まで、切れ目なく両親のいずれかが育児に専念できます。

ただし注意点として、延長されるのは「育休を取得できる期間の上限」であり、各親が取得できる育休期間そのものは1人あたり最長1年間(母親は産前産後休業を含めて計算)というルールは変わりません。また、保育園に入れないなどの事情がある場合は、パパママ育休プラスを使った後でも、通常制度と同様に子が最長2歳になるまで延長できます。

通常の育児休業との違い

パパママ育休プラスを理解するには、通常の育児休業制度と比べるのが分かりやすいです。主な違いを整理します。

項目 通常の育児休業 パパママ育休プラス
取得できる上限 子が1歳まで(事情により最長2歳まで延長可) 子が1歳2ヶ月まで(後から取る親が対象)
延長の条件 保育園に入れない等の客観的な事情が必要 夫婦の両方が育休を取得すること
取得の前提 父母どちらか一方だけでも取得可能 夫婦の両方が育休を取得することが前提

最大の違いは、通常の育休延長が「保育園に入れない」などの外的な事情を必要とするのに対し、パパママ育休プラスは「夫婦で育休を取る」という家庭内の取り組みだけで2ヶ月の延長が認められる点です。延長されるのは夫婦のうち後から育休に入った方のみで、先に取得した親の終了時期は原則変わりません。

延長が認められる条件

パパママ育休プラスの延長が認められるには、次の条件をすべて満たす必要があります。

  • 夫婦の両方が育児休業を取得していること
  • 配偶者(先に取得する親)が、子の1歳の誕生日より前に育休を開始していること
  • 後から育休に入る親の開始日が、子の1歳の誕生日より前であること
  • 後から育休に入る親の開始日が、配偶者の育休開始日以降であること

特に重要なのが、後から取る親の育休開始日を子の1歳の誕生日より前に設定することです。1日でも過ぎると延長が認められないため、誕生日の前から休業に入るよう、余裕をもって計画する必要があります。

パパママ育休プラスの対象者

パパママ育休プラスを利用できるのは、育児休業を取得できる労働者で、夫婦の両方が育休を取得する場合です。育児休業制度は、正社員に限らずパートタイマーや契約社員など、雇用形態を問わず利用できます。したがって、非正規雇用でも条件を満たせばパパママ育休プラスの対象になります。

一方で、次のような場合は利用できません。

  • 夫婦の一方が専業主婦(主夫)の場合:働いていない人には「育児休業」という概念がなく、「夫婦ともに育休取得」の条件を満たせないため。
  • 夫婦の一方が自営業・フリーランスの場合:雇用関係がなく、育児休業制度の対象外のため。

つまり、両親がともに「雇用されて働いていて、育休を取れる立場」であることが前提です。なお、法律上の婚姻関係でなくても、事実婚(内縁関係)で共に子を養育している場合は対象になり得ますが、会社に関係を証明する書類の提出を求められることがあります。

労使協定で対象外となる場合

育児休業は法律上の権利ですが、労使協定によって一部の労働者を対象外とすることが認められています。具体的には、入社1年未満の社員、育休申出から1年以内に契約が終了することが明らかな有期雇用の社員、週の所定労働日数が2日以下の社員などです。これらに該当すると育休自体が取得できず、結果としてパパママ育休プラスも利用できないため、まず自身が対象かを確認しましょう。また、パートで育児休業給付金を受けるには、雇用保険に加入していることが前提になります。

取得パターンの例

パパママ育休プラスは、夫婦の状況に合わせて柔軟に取得パターンを組めます。代表的な2つを紹介します(具体的な日付は計画の目安です)。

交代取得パターン

母親が出産後から子の1歳の前日まで育休を取り、その後を引き継いで父親が子の1歳の誕生日から1歳2ヶ月になる日まで育休を取得するパターンです。夫婦の育休がリレーのようにつながり、子の誕生から1歳2ヶ月まで連続して育児に専念できます。育休期間を最大限に延ばせるため、保育園入園を遅らせたい家庭に向いています。

同時取得を含むパターン

父親が母親の育休終了前(子が11ヶ月頃など)から育休を開始し、一定期間を夫婦同時に過ごしてから、母親が復職、父親はそのまま子の1歳2ヶ月まで継続するパターンです。重複期間を設けることで、育児の引き継ぎがスムーズになり、母親の職場復帰準備もしやすくなります。一方、同時取得期間は世帯収入が一時的に減るため、家計面の検討が必要です。

産後パパ育休との違いと組み合わせ

パパママ育休プラスとよく混同されるのが、産後パパ育休(出生時育児休業)です。これは2022年10月にスタートした制度で、子の出生後8週間以内に、父親が最大4週間(28日間)の育休を取得できるものです。8週間以内であれば2回に分割して取得することもできます。

両者は目的とタイミングが異なります。産後パパ育休は出産直後の母子をサポートするための短期の休業で、パパママ育休プラスは育休終了間際に期間を延長するための仕組みです。産後パパ育休は通常の育休とは別枠のため、父親は出生直後に産後パパ育休を取り、その後あらためて子が1歳になるまでの通常の育休を取る、といった組み合わせも可能です。これらを組み合わせれば、出産直後と復職直前の両方で手厚い育児体制を作れます。

パパママ育休プラスと育児休業給付金

育休中の収入を支えるのが育児休業給付金です。雇用保険から支給され、パパママ育休プラスで延長した期間も支給対象になります。

給付率の基本(67%→50%)

育児休業給付金の給付率は、育休開始から180日(約6ヶ月)までは休業前賃金の67%、それ以降は50%です。給付金は非課税で、育休中は社会保険料も免除されるため、67%の給付でも手取りベースでは休業前の約8割相当になるとされています。給付率の起算は各親の育休開始日からなので、後から育休を取る父親は、その開始日から180日間は67%が適用されます。

【2025年4月から】出生後休業支援給付金で手取り約10割に

ここが最も重要な最新ポイントです。2025年4月、新たに「出生後休業支援給付金」が創設されました。一定の条件を満たすと、出生直後の最大28日間について、育児休業給付金の67%に13%が上乗せされ、合計80%が支給されます。給付金は非課税・社会保険料免除のため、手取りで約10割(休業前とほぼ変わらない手取り)に相当します。

主な支給条件は、夫婦がともに、子の出生後の一定期間に14日以上の育児休業を取得することなどです(配偶者が専業主婦(夫)などのケースでは要件が異なる場合があります)。この制度は「収入が減るのが不安」という理由で育休をためらう人、特に男性の取得を後押しするために作られました。パパママ育休プラスを検討する夫婦にとっても、出生直後に夫婦で育休を取れば手取りが大きく目減りしない、という後押しになります。

あわせて2025年4月には、育休後に時短勤務をする人を支援する育児時短就業給付も創設されています。制度は改正が続いているため、支給額や条件の詳細・最新情報は厚生労働省やハローワークの公式情報で必ず確認してください。

夫婦それぞれが受け取れる

夫婦でそれぞれ育休を取得した場合、給付金は各自に別々に支給されます。同時に育休を取っている期間は、母親・父親の双方が給付金を受け取れます。金額は各人の賃金に基づいて計算され、申請も各自の勤務先を通じて行います。

申請方法と進め方

パパママ育休プラスの利用は、計画的な準備が成功のカギです。基本的な流れを押さえましょう。

まず、夫婦で育休取得の計画を立てます。誰がいつからいつまで取るか、特に「後から取る親の開始日が子の1歳の誕生日より前」という条件を満たすスケジュールになっているかを確認します。次に、それぞれが自分の勤務先に育児休業申出書を提出します。申出の期限は、通常の育休が休業開始の1ヶ月前まで、産後パパ育休は2週間前までです。期限を過ぎると希望日に取得できないことがあるため注意します。

書類提出の前に、早めに直属の上司へ口頭で相談しておくと社内調整がスムーズです。その際、「いつからいつまで取得したいか」「業務の引き継ぎをどうするか」を具体的に伝えると、職場の理解を得やすくなります。延長や給付金の申請には、配偶者の育休取得状況を示す書類や、保育園に入れない場合の不承諾通知書などが必要になることがあります。なお、育児休業給付金などの手続きは、勤務先を通じてe-Gov電子申請などのオンライン手段で行われることもあります。手続きの詳細は勤務先の人事担当者やハローワークと確認しながら進めましょう。

利用時のメリットと注意点

パパママ育休プラスのメリットと注意点を整理します。

メリットは、育児に専念できる期間を2ヶ月延ばせること、父親が単独で育児を担う期間ができて父子の関わりが深まること、母親が早めに職場復帰してキャリアの中断を抑えられること、そして夫婦それぞれが育児休業給付金を受け取れることです。

一方の注意点として、夫婦双方の職場調整やスケジュール計画が必要で手間がかかること、休業が長引くと世帯収入が減る期間も延びること、そして延長で復職時期がずれると保育園の入園枠(多くは4月に集中)と合わなくなる場合があることが挙げられます。延長した結果かえって入園しづらくなることもあるため、保育園の入園計画とあわせて検討することが大切です。

なお、「パパママ育休プラスはメリットがない」という声を見かけることもありますが、これは家庭の状況によって恩恵の大小が変わるためです。たとえば夫婦が同時に子の1歳まで育休を取って同時に復帰する計画なら、延長を使う場面がないため恩恵を感じにくくなります。制度自体に利点がないわけではなく、自分たちの計画に当てはめて有用かを判断することが重要です。

まとめ

パパママ育休プラスの要点を整理します。

  • 夫婦の両方が育休を取得すると、後から取る親が子の1歳2ヶ月まで育休を延長できる制度(2010年導入)
  • 延長には「後から取る親の開始日を子の1歳の誕生日より前にする」などの条件がある
  • 夫婦どちらかが専業主婦(夫)・自営業の場合は対象外
  • 2025年4月から「出生後休業支援給付金」が創設され、夫婦で育休を取ると出生直後の最大28日間が実質手取り約10割に
  • 制度は改正が続くため、最新情報は厚生労働省・ハローワークの公式で確認を

パパママ育休プラスは、夫婦で協力して育児と仕事を両立させるための有効な制度です。条件や給付金のルールを正しく理解し、職場や保育園の状況も踏まえて、自分たち家族に合った取得プランを早めに設計しておくことが、制度を上手に活用するポイントです。

よくある質問(FAQ)

Q. パパママ育休プラスを使うと、いつまで育休を取れますか?
A. 夫婦の両方が育休を取得することで、後から育休に入る親が子の1歳2ヶ月になる日まで取得できます。保育園に入れない等の事情があれば、その後さらに最長2歳まで延長できます。

Q. 夫婦どちらも2ヶ月延長できるのですか?
A. いいえ。延長されるのは後から育休に入った親のみで、先に取得した親の終了時期は原則変わりません。各親の育休期間の上限が1人1年であるルールも変わりません。

Q. 妻が専業主婦でも使えますか?
A. 使えません。パパママ育休プラスは「夫婦の両方が育児休業を取得すること」が前提のため、一方が専業主婦(夫)や自営業の場合は対象外です。働いている側は通常の育休を取得できます。

Q. パートや契約社員でも利用できますか?
A. 育児休業を取得できる立場であれば、雇用形態を問わず利用できます。ただし入社1年未満や週2日以下勤務など、労使協定で対象外とされる場合があります。給付金には雇用保険への加入が必要です。

Q. 2025年からの「出生後休業支援給付金」とは何ですか?
A. 2025年4月に創設された給付で、夫婦がともに出生直後の一定期間に14日以上育休を取得するなどの条件を満たすと、最大28日間について育児休業給付金(67%)に13%が上乗せされ、合計80%(手取りで約10割相当)になる制度です。詳細は公式情報でご確認ください。あわせて、派遣社員についても解説しています。

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