Typstの縦書き・ルビ・和文組版はできる?日本語での使い方とLaTeXとの違い
Typstは、Rust製のモダンな組版システムで、LaTeXの代替として文書やレポートをコードで作成できます。日本語ユーザーがまず気にする縦書き・ルビ(ふりがな)は、最新の0.15(2026年6月15日公開)時点でも標準では未対応で、縦書きは仕様提案(RFC・Issue #5908)が議論されている段階です。一方、文字間を詰めて行末を揃える均等割り(ジャスティフィケーション)は0.14.0で導入され、和文の行組版は実用域に近づきました。本記事では、縦書き・ルビ・均等割り・禁則といった和文組版の現状と代替手段、Windows・Mac・Linuxでのインストール、VS Code環境、LaTeXとの違いまでを整理します。
目次
- 1 まとめ:Typstの和文組版と使い方の要点
- 2 Typst 0.14.0の新機能紹介:アクセシビリティ対応やPDF機能強化など最新アップデート情報
- 3 Typst 0.14.0の変更点まとめ:アップデートによる機能改善と過去バージョンからの変更内容の詳細解説
- 4 PDF/UA-1対応について:TypstによるアクセシブルなPDF標準準拠出力の実現方法と解説
- 5 title()要素関数の追加:ドキュメントタイトルを自動表示する新機能の活用方法と実例ガイド
- 6 日本語組版の改善点:文字間調整や翻訳対応による和文ドキュメント組版品質向上への取り組み解説
- 7 VS Code拡張機能の導入方法:Typst用プラグインを用いた開発環境構築手順を詳しく解説ガイド
- 8 TypstとLaTeXの違い:直感的な記法とモダンな機能による新旧ツールの特徴を徹底比較解説
- 9 Typstのインストール手順:Windows・Mac・Linux向けセットアップ方法を詳しく解説ガイド
- 10 テンプレート・見出しのカスタマイズ方法:Typstで文書デザインを自由に調整するテクニックを詳しく解説
- 11 表・図・数式の挿入方法:Typstで画像や表組み、数式を扱う基本テクニックとラベル付けのコツ解説ガイド
- 12 よくある質問(FAQ)
- 13 関連記事
まとめ:Typstの和文組版と使い方の要点
- 縦書き:0.15時点で標準未対応。縦書きモード(writing-mode)はRFC(Issue #5908)で提案・議論中で、リリース時期は未定。縦書きが必須の文書はLaTeX等の併用が現実的。
- ルビ(ふりがな):専用構文なし。
placeやboxを組み合わせた疑似配置や、コミュニティ製のrubbyパッケージで対応する事例はあるが、標準サポートは今後の課題。 - 均等割り(両端揃え):0.14.0で文字単位のジャスティフィケーションに対応し、単語間の空白がない和文でも行末が揃いやすくなった。
- 禁則・改行:ユーザーが直接制御する機能は未提供だが、
~(ノーブレークスペース)や改行要素で手動調整できる。 - インストール:Windowsは
winget install typst、Macはbrew install typst、Linuxはsnap install typst等。導入後typst --versionでバージョンを確認する。 - LaTeXとの違い:Markdownに近い記法・Rust製で高速・単一バイナリで環境構築が容易。縦書きや分野特化パッケージが必須ならLaTeXが有利。
Typst 0.14.0の新機能紹介:アクセシビリティ対応やPDF機能強化など最新アップデート情報
Typstはバージョン0.14.0で数多くの新機能を導入し、ドキュメント制作の利便性と品質を大きく向上させました。特に注目すべきはアクセシビリティ(閲覧容易性)の強化とPDF関連機能の改善です。以下ではTypst 0.14.0の主な新機能について詳しく紹介し、エンジニアの皆さんが最新版のメリットを把握できるよう解説します。
アクセシビリティ対応の強化:PDF/UA-1準拠のタグ付きPDFをデフォルトで出力可能に
Typst 0.14.0ではアクセシブルなPDFを標準で生成できるようになりました。具体的には、これまで明示的な設定が必要だったPDFのタグ付け(構造化情報埋め込み)がデフォルトで有効化され、画面読み上げソフトなどでも文書構造を理解しやすいPDFが出力されます。さらに、オプションとしてPDFをPDF/UA-1標準に準拠させることも可能になりました。PDF/UA-1はユニバーサルアクセシビリティの規格であり、このオプションを有効にするとTypstが文書内のアクセシビリティ上の問題を検出し、必要に応じて警告を表示します。例えば文書タイトルが設定されていない場合や見出しの階層構造に誤りがある場合、また画像に代替テキスト(alt属性)がない場合などを指摘してくれます。これにより、作成したPDFが各種法規制(例:EUのEAAや米国ADA)に準拠し、誰にとっても利用しやすい文書となるようサポートされます。
PDFエクスポート設定ダイアログにおいて、PDF/UA-1準拠オプションが追加された様子。Typst 0.14.0ではタグ付きPDFをデフォルト生成し、PDF/UA-1を有効にするとアクセシビリティチェックが行われる。
PDFを画像として埋め込み可能に:image()関数でPDFファイルを図として挿入
Typst 0.14.0では新たにPDFファイルを画像として文書内に埋め込む機能が追加されました。従来はPDFを利用する際、一旦他の形式(例:SVGやPNG)に変換する必要がありましたが、今回のアップデートでimage()関数にPDFファイルを直接指定できるようになりました。使い方はJPEGやPNG画像を挿入する場合と同様で、ファイルパスを渡すだけでOKです。
たとえば#image("diagram.pdf")と記述すると、PDFファイルの1ページ目を画像として挿入できます。またpage:3のようなオプションを指定すれば、PDFの特定ページを取り込むことも可能です。これにより、他の資料やベクター図を埋め込んで再利用する際の手間が大幅に削減されます。ただし注意点として、埋め込むPDFファイルのバージョンが出力時のPDFバージョン以下である必要があります。例えばTypstのデフォルト出力はPDF 1.7相当なので、それより新しいPDF 2.0形式のファイルを埋め込む場合は、Typst側の出力設定を変更する必要があります。また、PDF/UA-1や特定のPDF/A標準でエクスポートする際にはPDF画像の埋め込みは現在サポートされない点にも留意してください。
文字単位の均等割付をサポート:字間調整による美しい組版の実現
文字レベルでの均等割付(ジャスティフィケーション)もTypst 0.14.0の重要な新機能です。従来、欧文組版では単語間のスペース調整で行間の調整を行いますが、日本語や中国語などスペースのない言語や、単語間隔の大きな変化を避けたい場合には、文字同士の間隔を微調整する「字間調整」が有効です。Typstではこの文字間調整を用いて段落全体を均等に配置するアルゴリズムが実装されました。これにより、行によって空白が目立つ「川」ができたり、逆に行間が詰まりすぎる問題が軽減され、視覚的に均一で美しい段落組版が可能となります。
HTMLエクスポート機能の改善:Web出力での要素対応強化と型付きHTML APIの追加
Typst 0.14.0では、PDFだけでなくHTMLへのエクスポート機能も強化されました。前バージョン0.13では実験的実装だったHTMLエクスポートですが、多くの組み込み要素(脚注、アウトライン、引用など)がHTMLに正しくマッピングされるようショウルールが追加され、Webドキュメントとして出力した際の構造が改善されています。これにより、Typstで書いた文書をそのままWebページとして公開する際にも、見出しやリストが適切なHTMLタグ(<h2>、<ul>等)に変換されるなど、セマンティクスが保たれた状態で出力されます。
さらに、新たに型付きHTML APIが導入された点も注目です。Typstのhtmlモジュールにhtml.divやhtml.videoといった関数が追加され、属性に対して型安全な値を指定できるようになりました。従来はhtml.elem("video", attrs: (width: "720", ...))のようにすべて文字列で属性を書いていましたが、html.video(width: 720, ...)のように数値や真偽値を直接渡せるため、コーディング時のミスを減らし可読性も向上します。これらのHTML機能改善によって、Typstは単なるPDF生成ツールに留まらず、Webコンテンツ制作にも利用できる汎用的なドキュメントエンジンへと進化しています。
その他の新機能:複数ヘッダ対応のテーブルや分数表記スタイル追加など
上記以外にもTypst 0.14.0には様々な新機能が盛り込まれています。例えば、テーブル機能の拡張として表に複数行のヘッダやサブヘッダを設定できるようになりました。これにより、複雑な表組みでも見出し行を階層的に構築可能となり、データの種類ごとにヘッダをグループ化することができます。また、アクセシビリティ向上の一環で、テーブルに要約説明(table.summary)を付与する機能も追加されました。さらに数式表現では、新たに分数のスタイルを指定するプロパティが追加され、通常の縦組み分数だけでなく斜め線や横組みでの分数表記が選択可能です。frac.styleプロパティで"skewed"(斜線分数)や"horizontal"(横組み分数)を指定すれば、目的に応じた分数の見せ方が簡単に実現できます。
他にも、ページ番号付きの見出しをPDFのしおり(ブックマーク)に含める改善や、pdf.embed関数のpdf.attachへの名称変更(古い名前も0.15までは後方互換で利用可)、リンクの空文字列をエラー扱いにする安全策など、細かな改良が多数行われています。すべての変更点は公式の変更ログに詳細が掲載されていますので、興味のある方や特定の機能について知りたい方は参照するとよいでしょう。
Typst 0.14.0の変更点まとめ:アップデートによる機能改善と過去バージョンからの変更内容の詳細解説
前節で新機能を紹介しましたが、Typst 0.14.0では既存機能の改良や一部挙動の変更も行われています。ここではアップデートに伴う変更点をまとめ、以前のバージョンから何が変わったのかを明確にします。幸い0.14.0は大きな破壊的変更の少ない安定リリースであり、ほとんどのドキュメントは修正なしで動作する見込みです。しかし細かな非互換や非推奨化がいくつか存在するため、移行時の注意点も含めて解説します。
互換性に影響する変更:非推奨機能の改名や厳密化されたバリデーション
Typst 0.14.0では下位互換性に関わる小さな変更がいくつか実施されています。代表的なものとして、PDF添付機能の関数名が変更になりました。従来pdf.embedという名前だった関数がpdf.attachに改名されており、今後はこちらを使用します。旧名称も当面の間(0.15までは)エイリアスとして動作しますが、新規のコードではattachを使うようにしましょう。また、コマンドラインオプション--make-depsが非推奨となり、代わりに--deps(オプション値make)に統合されました。
加えてバリデーションの厳密化も行われています。例えばlabelやリンクURLに空文字列を渡すとエラーになるよう仕様が変更されました。以前は空でも無視されていましたが、0.14.0ではミスや不備を早期に検出するため、空のラベルや空リンクは許容されません。同様にフォント指定リストで空のフォント名を与えることもエラーとなるなど、入力データの検証が強化されています。これらは一見不便に思えるかもしれませんが、文書品質と信頼性を高めるための措置であり、エラー表示を通じて問題箇所を明確にしてくれます。
フォントと組版周りの改善:数式中のフォント混在対応や用語の日本語化
Typst 0.14.0では、フォントと組版に関するいくつかの改善が行われています。まず、数式内でのフォント混在の扱いが向上しました。従来、数式モード中で漢字などラテン文字以外を含む場合のフォント指定は困難でしたが、0.14では複数のフォントを組み合わせて使用できるよう改良されています。例えば、数式内でLatin文字は数学用フォント、中国語・日本語文字は別のCJKフォントというように、math.equationの表示設定でフォントカバー範囲を指定することで、適切なフォントに自動切替して組版できるようになりました。これにより、和文や中韓文混じりの数式でも豆腐(□)が表示されたり不自然なフォントになる問題が解消されています。
次に組版用語の多言語化も進展しています。Typstは内部で「Section」や「Figure」といった用語を持ちますが、0.14.0ではLaTeXパッケージから多数の言語の訳語を取り込み、日本語を含む多くの言語でこれらの用語をローカライズしました。例えば、日本語環境ではSection 1が「第1節」のように自動翻訳されるようになります(※厳密な適用範囲は今後改善予定ですが)。この対応により、日本語で文書を書いた際にも自動生成される章番号や参考文献の接頭辞などが自然な日本語表記になります。ドキュメント全体の一貫性が増し、ユーザが手を加えなくても和文らしい表現が得られるのは便利なポイントです。
テーブル機能の拡張:複数ヘッダ・表要約など表組み関連の強化
前述したように、表組み(テーブル)機能にも改良が入りました。特に大きいのは複数ヘッダ行への対応です。Typstではtable()関数で表を生成しますが、0.14.0からは最初の行以外にもヘッダ(見出し行)を設定でき、二段組みのヘッダやセクション分けされた表を作成可能になりました。これによってデータカテゴリごとにヘッダを付けたり、大項目と小項目でヘッダを2行構成にするといった柔軟なレイアウトが組めます。
また、アクセシビリティ向上のため表の要約を提供するtable.summaryプロパティが実験的に追加されています。複雑な表では視覚的に構造を理解しづらい場合がありますが、この要約テキストを設定しておくと、スクリーンリーダー等はそれを読み上げて表の内容概要をユーザに伝えることができます。さらにpdf.data-cellやpdf.header-cellといったPDFタグ付け用の関数も追加されており、表データをアクセシブルに記述するための準備が進められています。これらは現状実験的機能ですが、将来的に標準テーブル機能に統合される予定です。
PDF出力エンジンの刷新:バグ修正と安定性向上による品質改善
Typst 0.14.0ではPDF生成エンジンの内部実装が一新されました。新たにRust製のPDFライブラリ「krilla」を導入し、これまで報告されていた様々な不具合を解消するとともに、将来的な拡張に備えた土台を築いています。この変更により、例えばPDF内で日本語テキストをコピー&ペーストした際に正しくテキスト抽出されるようになったり(以前は文字化けするケースがありました)、埋め込み画像の扱いが改善されファイルサイズが削減されるなどのメリットが得られています。実際、PDF出力に関する多数の不具合修正(選択テキストのコピー問題や線幅スケーリングの修正等)がこのアップデートに含まれています。
エンジン刷新によって細部の挙動が変わったため、既存文書で予期せぬレイアウト変化が生じる可能性もありますが、大半の場合は見た目が良くなる方向での変化です。万一レイアウトの崩れなど問題が発生した際には、Typst公式のGitHubリポジトリで報告することで迅速に対応してもらえるでしょう。全体として、新PDFエンジンは信頼性と性能の向上に寄与しており、プロダクション用途にも耐えうるクオリティのPDFを安定して生成できるようになりました。
移行ガイドの紹介:既存のTypst文書を0.14.0へアップグレードするポイント
既存の文書をTypst 0.14.0でコンパイルする際、基本的には大きな問題なく動作する見込みですが、上記のような変更点に関連してチェックすべきポイントがあります。Typst公式ブログでは「Migrating to Typst 0.14」と題した節で、アップグレード時の注意事項がまとめられています。たとえばpdf.embed使用箇所をpdf.attachに置換する、空のlabelがないか確認する、特定の非推奨シンボル(記号)が使われていれば差し替える、といった点です。幸いTypstコンパイラは非推奨機能を使用していると警告を出してくれるため、アップデート後にコンパイルログを確認すれば修正箇所がわかります。
またWebアプリ版でプロジェクトを開いている場合、これまでは自動的に最新バージョンに切り替わっていましたが、0.14.0ではアップデート検知と通知の仕組みが改善されています。プロジェクトを開いた際に「新しいバージョンにアップデートしますか?」といったダイアログが表示され、ユーザーが任意のタイミングでアップグレードを実行できるようになりました。これは突然のバージョン変更で文書が崩れるのを防ぐ配慮です。いずれにせよ、Typst 0.14.0への移行は比較的スムーズに行えるはずですが、念のため公式の変更ログやマイグレーションガイドに目を通し、該当事項がないか確認すると安心です。
PDF/UA-1対応について:TypstによるアクセシブルなPDF標準準拠出力の実現方法と解説
前述の新機能紹介でも触れましたが、Typst 0.14.0の目玉の一つがPDF/UA-1対応です。ここではPDF/UA-1とは何か、その重要性とTypstでの具体的な対応方法、利用上の注意点について掘り下げます。アクセシビリティ要件に準拠したドキュメントを作成することは、公共機関や企業の技術文書にも求められるケースが増えており、エンジニアにとっても知っておくべきトピックです。
PDF/UA-1とは何か:アクセシビリティPDF標準の概要と目的
PDF/UA-1は「PDF/Universal Accessibility」の略称で、PDF 1.7規格をベースにアクセシビリティ(ユニバーサルアクセス)に関する要件を定めた国際標準規格です。簡単に言えば、視覚障害者の方がスクリーンリーダーで内容を読み上げたり、小さな画面で構造化表示したりする際に支障なく利用できるPDFを作るためのルールセットです。具体的には、文書に見出しや段落、リストなどの構造タグを埋め込むこと、画像には代替テキストを付与すること、表には見出し行をマークアップすること、言語属性を正しく指定すること等が含まれます。
PDF/UA-1に準拠したPDFは、一見通常のPDFと変わりませんが、その内部に論理構造ツリーやタグ情報を持っている点が異なります。これにより、スクリーンリーダーは見た目のレイアウトではなく論理構造に従ってテキストを読み上げ、またアクセシビリティ対応ビューアではユーザーが見出し単位でナビゲーションすることが可能になります。欧州や米国では公共調達や法令でPDFのアクセシビリティが求められており(例:EUのEuropean Accessibility Act、米国ADA改定案)、ITエンジニアもこの規格を念頭においてドキュメントを作成する必要が出てきています。
TypstでのPDF/UA-1対応方法:タグ付きPDF出力とオプション設定
Typst 0.14.0では、基本的なタグ付きPDFが既にデフォルトで生成されるようになっています。つまり、見出しには<H1>~<H6>に相当するタグが、自動番号にはリストタグが、段落には<P>タグが内部的に付与されます。ユーザーは特別な操作をしなくても、Typstの組版要素(heading()やリスト記法など)を使っていれば自動的にタグ付けされたPDFになるわけです。
さらに、PDF/UA-1準拠のチェックを有効にするには、CLIで--pdf-standard PDF/UA-1オプションを付けてコンパイルするか、TypstのWebアプリでエクスポート時に「PDF/UA-1」を選択します。これによりTypstは追加の検証を行い、アクセシビリティ上の不備がないか確認します。例えば、document()関数でtitleプロパティ(文書タイトル)が設定されていない場合に警告したり、画像にaltテキストが欠けていればエラーを出します。また、見出しレベルが飛んでいないか(H1の次にH3が来ていないか)といった論理構造上の問題もチェックされます。
Typstでアクセシビリティ情報を付加するために、いくつかの機能が提供されています。例えば画像や図には#figure(..., alt: "説明", caption: [Caption])のようにalt属性を与えることができます。これにより視覚に頼らないユーザにも図の意味を伝えられます。また複雑な表では、先述のtable.header関数で見出しセルをマークアップしたり、pdf.table-summaryで要約を提供することが推奨されます。Typstはまだ発展途上ですが、これらの仕組みを駆使することでPDF/UA準拠ドキュメントを比較的簡単に作れるようになっています。
PDF/UA-1対応のメリット:法規制(EAAやADA)への準拠とユーザビリティ向上
PDF/UA-1に対応する最大のメリットは、各種アクセシビリティ関連法規制に準拠できる点です。欧州連合のEUアクセシビリティ指令(EAA)では公共部門のみならず民間企業にもアクセシビリティ対応が求められる場面があり、2025年6月までに対応必須となっています。また米国でもADA(障害者法)の改定で電子文書のアクセシビリティガイドラインが示される予定です。ITエンジニアが提供するソフトウェアマニュアルや技術資料がこれらに該当する場合、PDF/UA-1準拠は事実上必要条件となりえます。
もう一つのメリットは、規制云々を抜きにしてもユーザビリティの向上につながることです。アクセシブルなPDFは障害の有無に関わらず多くの人にとって利用しやすい文書です。例えば小さなデバイスで閲覧する場合でもタグ付きPDFならリフロー表示が可能ですし、目が疲れた時に音声読み上げで内容を耳から取得する、といった使い方もできます。TypstでPDF/UA対応をすることで、より包括的にユーザーフレンドリーなドキュメントを提供できるのです。これは製品やサービスの印象向上にも寄与し、技術文書にも社会的価値を与える取り組みと言えます。
PDF/UA-1出力時の注意点:タイトルや代替テキスト設定など作成上のポイント
TypstでPDF/UA-1を有効にして文書をエクスポートする際には、いくつか注意すべきポイントがあります。まず第一にドキュメントタイトルの設定です。PDFには文書プロパティとしてタイトルを埋め込むフィールドがあり、Typstではdocument(title: [\"タイトル\"])を設定するか、#set document(title: ...)でタイトルを指定します。これがないとPDF/UA検証で「タイトルが欠落しています」と指摘されます。また、画像や図表の代替テキストも必須です。Typstではimage()を単独で使う場合はalt: "説明"オプションを付け、figure()環境で使う場合もfigure( ... alt: "説明", caption: [...])のように代替テキストを入れましょう。これにより視覚的に見えない情報もスクリーンリーダーが伝えてくれます。
さらに、論理構造の階層にも気を配ります。見出しは順序どおり(H1→H2→H3…)に使うこと、リストは適切にネストさせることなど、文書全体が正しいアウトラインになるように心がけます。Typstは自動的にタグ付けしますが、人間が内容構造を崩してしまわないよう注意が必要です。また表については、可能であればtable.headerを用いて見出し行を設定し、そうでない場合も先頭行を手動で太字(strong())にするなど区別をつけるとよいでしょう。最後に、完成したPDFはAdobe AcrobatやPAC3等のアクセシビリティチェッカーで確認するのがおすすめです。Typstの検証をすり抜ける細かな点(例:言語設定が英語のまま等)もあるため、第三者ツールでチェックすることで完璧を期せます。
アクセシビリティガイドの活用:より良い文書を作成するための参考情報
Typst公式サイトにはアクセシビリティに関するガイド文書も用意されています。新機能のaltテキストの書き方や、図と画像のどちらにaltを付与すべきか(答え:図に全体の説明、画像個別には付けないなど)といったTipsが詳しく説明されています。アクセシビリティ対応PDFを初めて作る際には一読しておくと良いでしょう。
またコミュニティフォーラムでも、Typstを使ったアクセシブルドキュメント作成の知見が共有されています。実際にPDF/UA-1検証を通したユーザからのフィードバックもあり、例えば「見出しに自動採番を付けるとブックマークに番号も入る」といった細かな仕様も報告されています。こうした情報を収集しながら文書を調整することで、完成度の高いアクセシブルPDFを効率よく作成できるでしょう。
title()要素関数の追加:ドキュメントタイトルを自動表示する新機能の活用方法と実例ガイド
Typst 0.14.0では、新しい要素関数title()が追加されました。この関数は文書全体のタイトルを表示するためのもので、従来は見出しheading()などでタイトルを書いていた箇所を置き換えることができます。title()関数の導入によって、ドキュメントのメタ情報として設定したタイトルを自動的に紙面上に反映できるようになり、特にテンプレート化で威力を発揮します。以下、title()関数の使い方と活用メリット、既存文書への取り入れ方について説明します。
title()関数の役割:文書タイトルを自動挿入する仕組み
title()関数は、Typst文書内に文書タイトルを表示するために使用します。その役割は、document()関数で設定したtitleプロパティ、すなわちドキュメントの公式タイトルを所定の位置に出力することです。通常、論文やレポートの冒頭に大きく文書タイトルを配置しますが、Typstではこれまで= タイトルのように見出しとして直接記述していました。0.14.0からは、例えば表紙テンプレート上で#title()と書くだけでDocument Titleが差し込まれます。
title()関数は引数を取らず、シンプルに#title()と記述します。こうすると、内部的にはdocument(title: ...)の値を参照してタイトルテキストを展開します。なお、#title[カスタムタイトル]のように角括弧で任意のタイトルを指定することも可能ですが、Typstではdocumentの<title>フィールドにメタ情報として保持されるタイトルを使う方が推奨されています。そうすることでPDFのプロパティにも正しくタイトルが埋め込まれ、アクセシビリティや検索性の面で有利だからです。
document.titleプロパティの利用:タイトル設定とPDFメタデータへの反映
Typst文書のタイトルは、document()関数のtitleプロパティで設定します。例えば冒頭で#set document(title: [Typst 0.14.0 新機能紹介])と書けば、その後#title()を使った箇所に「Typst 0.14.0 新機能紹介」という文字列が出力されます。同時に、この情報はPDFを出力した際にPDFファイルのメタデータ「Title」としても埋め込まれます。その結果、PDFリーダーでプロパティを開いた際にタイトルとして表示されたり、ブラウザでPDFを開くとウィンドウタイトルになる、といった効果があります。
これは地味ですが重要なポイントです。従来heading等でタイトルを書いていた場合、それはあくまでページ上の文字であってPDFのタイトルメタ情報には反映されませんでした。document.titleを設定しtitle()で出力する方法に切り替えることで、ページ表示とメタデータの両方にタイトルを記録できます。検索エンジンによるインデックスや、アクセシビリティ支援技術が参照する情報にもなるため、公式タイトルは必ずdocument(title: ...)で設定しておくと良いでしょう。
title()とheading()の違い:見出し要素との使い分けと利点
一見するとtitle()関数は大見出し(heading())と似た役割に思えますが、いくつか明確な違いがあります。まず、title()は文書につき一箇所だけ使われることを想定した特殊な要素です。これに対しheading()は各章や節に何度も使います。title()は文書タイトルという性質上、その内容は目次(TOC)には含まれませんし、アウトライン上も最上位とは別枠で扱われます(論文で言えば表紙のタイトル部分)。一方、heading()でタイトルを書いた場合、それは通常は章や節と同列の扱いになってしまいます。
またtitle()は前述の通りPDFメタデータとも連動していますが、heading()にはそのような機能はありません。さらにスタイルの適用範囲にも違いがあります。Typstではデフォルトテンプレートでtitle()に大きなフォントとセンタリングが適用されるようになっているケースがあり(テンプレート次第ですが)、headingとは別個にデザインしやすくなっています。要するにtitle()は文書全体のタイトル専用要素であり、heading()はそれ以下の階層の見出し用、と使い分けるのが適切です。
もちろん、既存文書でheading(1)をタイトルに使っていても問題はありませんが、長期的にはtitle()を活用した方がメンテナンス性や他機能との連携で有利でしょう。特に今後Typstが文書プロパティを増やしていくことが予想され、タイトル以外にも著者authorや日付date等がメタ情報化される可能性があります。それらも含めてテンプレートに柔軟に組み込むためにも、title()を早めに取り入れておく価値があります。
既存テンプレートへの導入方法:title()を用いたタイトル表示への変更手順
既にTypstでテンプレートやドキュメントを作成済みの場合、title()関数を導入するには以下の手順を踏みます。まず、ドキュメントの先頭付近でdocument(title: [ドキュメントのタイトル])を設定します。次に、これまでタイトルを表示していた箇所(例えば表紙ページの大見出しなど)を#title()に置き換えます。もし#heading[タイトル]と書いていたなら、その行を#title()のみに変更します。
注意点として、タイトルのスタイルが以前と変わる可能性があります。heading用にサイズや余白を調整していた場合、title()に対して同じスタイルが適用されないためです。Typstの組版ルールでは、title()には独自のスタイルセットが割り当てられることもあるので、必要に応じて#show title: style(...)や#set title(...)で書式を調整します。例えばフォントサイズを変更したい場合、#set title(size: 24pt)のように記述できます。なお、title()自体はページ内で1回しか出現しないため、テンプレート中の特定の位置(表紙など)で確実に呼び出すよう配置しましょう。
タイトル出力のカスタマイズ:フォーマットやスタイルを調整する方法
Typstでtitle()の見た目やフォーマットをカスタマイズする方法はいくつかあります。簡単なものでは、document()のsubtitleプロパティを使ってサブタイトルを設定し、タイトルと一緒に表示させることができます。テンプレート次第ですが、#title()を使うとタイトルとサブタイトルの両方が出力されるデザインも可能です。サブタイトルを設定するにはdocument(subtitle: [サブタイトル文字列])とします。
また、title()自体のスタイルはtitle.styleというスタイルキーで変更できます。ドキュメント全体で適用するには#set title(size: 30pt, align: center)のように指定します。個別に変更したい場合は、title()をさらに他のブロック要素で囲む方法もあります。例えば枠で囲むなら#box[ title() ]とすることでボックス効果を与えるなどです。ただし一般的にはテンプレート側でタイトルのレイアウトは固定しておく方が望ましいでしょう。
最後に応用例として、title()を利用したテンプレートの初期化コマンドがあります。VS Code拡張機能などでは、新規Typstプロジェクトを作成するときにtitle()を含むテンプレートを挿入できる機能があります。これを使えば、プロジェクト開始時からtitle()対応の雛形が手に入り、表紙や目次が自動生成された構成で執筆を始められます。自前でテンプレートを管理する際も、このtitle()を組み込んだ版を用意しておくと毎回のタイトル書き換えミスを防げて便利です。
日本語組版の改善点:文字間調整や翻訳対応による和文ドキュメント組版品質向上への取り組み解説
Typstは元々欧文中心に開発が進められてきましたが、日本語を含むCJK(中日韓)組版への対応も徐々に改善されています。バージョン0.14.0では前述した文字間の均等割付機能が実装された他、用語の翻訳対応など和文組版に関わる改良も見られます。ここでは日本語文書を綺麗に組版する観点で、Typst 0.14.0で進歩した点と現時点での課題、それを踏まえた上手な使い方について解説します。
字間の自動調整:均等割付機能が和文組版に与える効果
先にも説明した通り、Typst 0.14.0では文字単位の間隔調整が可能になりました。これは日本語組版において大きなメリットをもたらします。和文は欧文のような単語単位の空白がなく、一行の長さを揃える際には文章中の読点やカギ括弧などを詰めたり、行末の句読点を前行に送る「禁則処理」を行います。しかし、それでも収まらない場合に、句間のわずかな空きや文字間隔を広げる処理(いわゆる和文詰め組み)が行われます。
Typstの文字間調整機能は、まさにこの和文詰め組みに近い効果を自動で実現します。結果として、例えば一部にアルファベットや数字が含まれる和文テキストでも、行端がきれいに揃いやすくなりました。特に、固定幅フォントではなくプロポーショナルフォント(可変幅フォント)で和文を組む場合、微小な空きによる行長調整は不可欠です。Typst 0.14.0ならその調整を組版エンジンが自動的に最適化してくれるため、手動でのhspace調整等に悩まされることが減るでしょう。
もっとも、この機能はあくまで行を揃えるための微調整であり、過度な字間の拡大は避けるよう設計されています。したがって、極端に短い文章を無理やり両端揃えにしようとする場合は不自然になる可能性もあります(例えば一行に2〜3文字しかないような場合)。通常の段落組版においては、自然な範囲で字間が調節されるので、読者に違和感を与えることなく美しい組版を提供できるでしょう。
禁則処理と改行ルール:Typstにおける和文特有のレイアウト対応
日本語組版では「行頭禁則・行末禁則」と呼ばれる特有の改行ルールがあります。句読点や閉じ括弧類が行頭に来ないようにする、逆に開き括弧類やダッシュ(長音記号)が行末に来ないようにする、といった規則です。Typstにおいては、現時点でこれらの禁則処理をユーザーが直接制御する機能はまだありません。しかし、Typstの改行アルゴリズム(Knuth-Plassベース)は基本的に不自然な場所での改行を避ける傾向があり、日本語文中でも致命的におかしな改行は起きにくいようです。
例えば、「(このように)」と括弧で囲まれたテキストがある場合、日本語TeXでは「(」が行末にあると次行頭に「)」だけ来る事態を避けるため調整が入ります。Typstでは組版時にそのようなケースでも前後の単語間スペースや字間調整で上手く吸収しようと試みるようです。ただ完全ではないため、どうしても不適切な改行が起きる場合は、nonbreakable space(ノーブレークスペース、Typstでは~で表現)を入れるなど手動対応が必要になるでしょう。将来的にはTypstにも和文禁則をカバーする改良が期待されます。
用語の日本語化対応:セクション名など自動翻訳された組版用語
Typst 0.14.0では、組版用語の日本語対応が改善しました。これは前述の通り、LaTeXのbabelパッケージ等から既存訳語を取り込んだ成果で、例えば自動生成される文言が各言語向けにローカライズされています。日本語について具体例を挙げると、outline()(目次)で出力される「Contents」が「目次」になったり、参考文献リストのデフォルトタイトルが「References」から「参考文献」になります。また、章番号の接頭辞として”LaTeXでは「第…章」などを生成する仕組みがありますが、Typstでも近いことが可能になりつつあります。
注意点として、Typstでの用語日本語化は完全ではありません。現状では脚注のマーク(例えばLaTeXだと「*」が「注」になったりしますが)など、一部は英語のままのケースもあるようです。ただ、バージョンを重ねるごとに改善されてきており、Typstのドキュメント表示において日本語環境でも違和感の少ない出力が得られる方向です。開発者も和文組版に対して認識しており、コミュニティのGitHub Issueでも日本語対応に関する提案が出されています。これからTypstを日本語で使う利用者が増えるほどフィードバックも集まり、より洗練された和文サポートが実現するでしょう。
未対応機能と今後の課題:縦書きやルビなど日本語組版で残された課題
Typstは現時点で縦書き(縦組)やルビ(ふりがな)に対応していません。これらは日本語組版の高度な機能であり、LaTeXでもパッケージを必要とする分野ですが、Typstでも需要が高い機能として認識されています。公式のロードマップやフォーラムでは明言されていないものの、将来的な実装候補と考えられます。縦書きに関しては、テキスト方向を変えるwriting-mode的なプロパティを導入する必要があり大掛かりですが、段組みやページレイアウトへの拡張として検討されているかもしれません。
ルビ(振り仮名)は技術文書ではさほど頻出しませんが、小説等では重要です。Typstでは現在これを直接サポートする構文はありません。ただ、aboveやbelowのレイアウト関数を組み合わせて疑似的に実現しているユーザ事例もあるようです。しかし理想的にはruby(base, text: \"ふりがな\")のような組込み関数が提供されるのが望ましいでしょう。これも今後のバージョンで追加される可能性があります。
その他、段落の字下げ(インデント)を和文では全角2文字下げにする習慣や、組文字(合字ではなく一つに組み合わせた表現)など、和文特有の要件はいくつかあります。これらはTypstが今後日本語コミュニティの声を取り入れて発展していく中で、徐々に解決されていくと期待されます。
美しい日本語文書作成のコツ:フォント選択や手動調整のTips
現状のTypstで美しい日本語組版を行うには、いくつか実用的なコツがあります。まずフォント選びです。Typst標準では欧文用フォントしかバンドルされていないため、日本語フォントはシステムに依存します。Windowsなら游ゴシック/游明朝、macOSならヒラギノ角ゴなど、Linuxでも適切なNoto系フォントが利用されますが、必要に応じて#set text(font: ...)で指定フォントを明示するとよいでしょう。特に本文用フォントと数式用フォントのペアは、前述のmath.font設定でうまく切り替わるようにすることが重要です。
次に、行間(行送り)の調整もポイントです。和文フォントは欧文に比べて視覚的な大きさが異なるため、デフォルト行間ではやや詰まりすぎる/開きすぎる場合があります。#set leading(value: 1.2em)のように行送り倍率を変えてみて、読みやすさを確認すると良いでしょう。
禁則やルビがない点については、どうしても気になる箇所は手作業で対応します。例えば行頭の句読点を避けたい場合、直前のスペースを~(非改行スペース)に置き換えて改行を抑制する、改行させたい箇所では逆にline break要素を挿入して強制的に改行を入れる、などです。また、分かち書きしない日本語では検索性のためにスペースを空けることもありますが、Typstのハイフネーションや行分割には影響しないので、過度にスペースを入れなくても大丈夫です。
最後に、日本語組版に関する情報はTypst日本語ドキュメントサイトや有志ブログ記事でも紹介されています。特にZennやQiita上にはTypstで和文を扱うTipsが徐々に共有され始めていますので、最新の知見をキャッチアップして自分の文書に取り入れるとよいでしょう。
VS Code拡張機能の導入方法:Typst用プラグインを用いた開発環境構築手順を詳しく解説ガイド
Typstで効率よく文章を書くには、Visual Studio Code(VS Code)向けの拡張機能を利用するのがおすすめです。VS Codeは多機能なエディタで、Typst用の言語サポートプラグインを導入することでシンタックスハイライトや自動補完、プレビューなど強力な開発環境を構築できます。ここでは、TypstのVS Code拡張機能とは何か、導入方法と基本的な使い方、さらに快適に執筆するためのTipsを紹介します。
Typst拡張機能とは:VS Code上でTypstを扱うためのプラグイン概要
VS Code拡張機能の一つである「Typst」プラグインは、VS Code上でTypst言語を第一級で扱うための追加ソフトウェアです。具体的には言語サーバープロトコル (LSP) に対応しており、Typstのソースコードを解析して構文の色分け(シンタックスハイライト)や補完候補の提示、エラーの下線表示などを提供します。また、ドキュメントの構造(見出し一覧)をアウトラインビューに表示したり、コマンドパレットからコンパイルを実行したりといった機能も備えています。要するに、VS CodeでTypstを快適に編集・コンパイルするための一連の機能を提供するプラグインと言えます。
代表的なTypst拡張機能としては、以前はTypst LSP (nvarner氏作)が知られていましたが、現在ではTinymist Typstという拡張が積極的に開発・更新されています。Tinymist Typst拡張は独自にコンパイラも内蔵しており、Typstのバイナリを別途インストールしていなくてもプレビューが動くという特徴があります。公式にはコミュニティ提供プラグインとして位置づけられており、Typst開発チームもFAQでTinymistを最も人気のあるプラグインと紹介しています。
拡張機能のインストール手順:マーケットプレースからの導入方法
VS CodeへのTypst拡張インストールは非常に簡単です。まずVS Codeを起動し、左側の拡張機能ビュー(四つのブロックアイコン、Ctrl+Shift+X)を開きます。検索ボックスに「Typst」と入力すると、関連する拡張機能のリストが表示されます。その中から「Typst」(または「Tinymist Typst」)という名前の拡張を選択し、Installボタンをクリックするだけで導入できます。
一度インストールすると、自動的にTypstファイル(.typ拡張子)に対して言語モードが適用され、エディタ上で色分け表示されるようになります。また、拡張機能が必要とするTypstコンパイラがシステムに見つからない場合、初回起動時にダウンロードするか確認されることがあります。Tinymist拡張の場合、基本的にはプラグインにコンパイラが内蔵されているため追加の設定は不要です。しかし、環境によってはtypst.exeやtypstコマンドへのパス指定が必要なケースもあるため、その際はVS Codeの設定画面でTypst拡張の設定項目(Typst Pathなど)を確認してください。
基本機能の紹介:シンタックスハイライトや補完、エラーチェックの提供
Typst拡張機能を導入すると、エディタ上で様々な便利機能が利用可能になります。まず目に見えて分かるのがシンタックスハイライトです。Typstのキーワード(例えば#setや#import)、関数名(image()やtable()など)、文字列やコメントが色分けされるため、コードが読みやすくなります。また、入力補完機能も充実しており、#imと打てば#importの候補が出る、imaと書けばimage()関数が提案される、といった具合に素早くコマンドを入力できます。
さらに、括弧の対応チェックや引用符の閉じ忘れなど、Typstコードの構文エラーが即座に表示されます。例えば#set page(width: 100mmのように閉じ括弧を忘れると、その場で赤い波線が表示され、エラーメッセージもツールチップで確認できます。これにより、コンパイルして初めて気づくようなミスを事前に防げます。ラベルの重複や未定義参照など、より高度な問題もLSPが検出して警告する場合があります。
コードナビゲーション機能も便利です。コマンドGo to Definition(F12)で自作関数や参照先のラベル位置にジャンプできるため、文書が長くなっても素早く編集箇所を見つけられます。総じて、Typst拡張機能はエディタ上での執筆体験を格段に向上させ、LaTeXのような専用エディタに引けを取らない快適さを提供します。
PDFプレビュー環境の構築:リアルタイムプレビューとtypst watchの活用
VS CodeでTypstを使う魅力の一つが、リアルタイムのPDFプレビューです。Typst拡張にはビルトインでプレビュー機能が含まれており、サイドバーにPDFを表示したり、コードとPDFを並べて表示しながら編集することが可能です。プレビューを開くには、コマンドパレット(Ctrl+Shift+P)から「Typst: Preview」を選択するか、ショートカットCtrl+K V(Open Preview to the Side)を使います。これでエディタ画面の横に現在のTypst文書がコンパイルされたPDFが表示されます。
プレビューはドキュメント保存時または編集時に自動更新されます(設定で変更可)。内部的にはtypst watchコマンドと連携しており、ファイルが保存されるたびに再コンパイルを走らせ、その結果を表示している形です。このライブプレビューにより、文章を書き進めながら逐一出来栄えを確認でき、微調整が容易になります。また、拡張機能によって、エディタ内のカーソル位置とPDF側の対応箇所が同期する(ジャンプする)機能もあります。例えばコード内のある段落にカーソルを置くと、PDFプレビューが自動でその段落付近までスクロールして表示してくれるため、位置合わせの手間がありません。
リアルタイムプレビューを快適に使うためのポイントとして、PDFビューアの選択があります。VS Codeのプレビューでも十分ですが、外部ビューア(SumatraPDFやSkimなど)を使う場合はtypst watchを手動で実行し、外部ビューアでPDFを開いておくと、自動リロードされます。WindowsではSumatraPDFが、macOSではSkimが自動リロード対応でおすすめです。ただし、VS Code拡張があるなら基本的には内蔵プレビューで事足りるでしょう。
トラブルシューティング:拡張機能利用時のよくある問題と対策
TypstのVS Code拡張機能は比較的安定していますが、環境によっては問題が起こることもあります。ここではよくあるトラブルとその対処法をいくつか挙げます。
- プレビューが更新されない/表示されない: まずTypstコンパイラが正しく動作しているか確認します。拡張機能の設定でTypstのパスが通っているか(もしくはTinymist拡張の場合は自動組み込みが有効か)をチェックしてください。エラーコンソールにメッセージが出ている場合はその内容を読むと原因が分かることがあります。また、一度拡張機能を無効化→有効化したり、VS Code自体を再起動すると解決することもあります。
- コンパイルエラーが出続ける: Typstのコード上にエラー箇所があるとプレビューが更新されません。エディタ中の赤い波線や、エラー時にはプレビュー画面に直接エラーメッセージが表示される場合もあります。その内容を確認し、コードミスを修正してください。特に非ASCII文字(全角スペース等)が含まれていたりするとエラーになることがあるので注意。
- 拡張機能そのものが動かない: VS Codeのバージョンが古すぎる場合、拡張が有効化されないことがあります。最新のVS Codeに更新してください。また複数のTypst関連拡張を同時に入れていると競合する可能性があります。できればTinymist拡張1つに絞るか、不要なものは無効化しましょう。
- コンパイルが遅い: 大規模文書や画像大量貼り付けの場合、プレビュー更新に時間がかかることがあります。Typst自体のパフォーマンスによるものですが、Tinymist拡張では内部コンパイラ使用時に極端に遅くなる不具合報告もありました。対策として、外部で
typst watchを動かし、拡張機能側ではそれを利用する設定にする、といった方法があります(上級者向け)。
以上のように、問題発生時はまず原因を切り分けてみることが大事です。場合によってはTypst公式フォーラムやGitHubで質問すると回答が得られるでしょう。幸いコミュニティは活発で、Tinymist拡張の開発者もフィードバックに対応しているようです。安心して作業できる環境を整え、Typstでの執筆を快適に楽しんでください。
TypstとLaTeXの違い:直感的な記法とモダンな機能による新旧ツールの特徴を徹底比較解説
Typstは「モダンなLaTeX代替」として注目されるだけに、既存のTeX/LaTeXとの違いが気になる方も多いでしょう。本節ではエンジニア向けにTypstとLaTeXの比較を行います。文法や学習コスト、組版機能の差異、開発コミュニティの動向など、多角的に両者を見ていきます。LaTeX経験者にはTypstがどれほど使いやすいかを伝え、未経験者には従来ツールとの比較を通じてTypstのメリットを理解してもらうことが目的です。
文法の比較:Typstの直感的なマークアップとLaTeXのコマンド構文
まず文法・記法の違いから見てみましょう。LaTeXはご存知の通り、\section{タイトル}や\textbf{強調}のようにバックスラッシュ始まりのコマンドと波括弧で書式を指定します。一方TypstはもっとMarkdownに近い感覚で、= 見出しと書けば章タイトルになりますし、強調で太字、/斜体/で斜体になります。このようにTypstは直感的なマークアップを採用しており、可読性が高いのが特徴です。
また、Typstは計算式をコード内に直接書ける強力な機能もあります(組版言語でありながらプログラミング的要素を持ちます)。例えば、#let x = 10と定義しておけば#(x * 2)で20と出力するといったことが簡単にできます。LaTeXでもLuaTeXやPythonTeXのようなアプローチはありますが、Typstは標準でこうした評価機能を備えている点が新しいです。
一方で、LaTeXでは膨大なパッケージが用意されており、特殊な記法や環境も多数存在します。Typstは現状機能セットがシンプルで、例えば化学式用のmhchemパッケージに相当するものや、楽譜組版などはまだありません。しかしTypstは基本機能内である程度のことは実現でき、複雑な表現も自作関数やループなどでカバー可能です。文法のシンプルさは習熟の速さにつながり、LaTeXに比べ遙かに短時間で使い始められるでしょう。
学習コストと生産性:シンプルなTypstの使い心地と開発効率
LaTeXは強力ですが、その学習曲線は急勾配です。膨大なコマンド群と、些細な記法ミスでコンパイルが止まる厳密さは、初心者には大きなハードルとなります。その点Typstはコマンド数自体が少なく、前述のようにMarkdownライクな書き方が中心のため、学習コストが低いと言えます。公式ドキュメントのチュートリアルを一巡すれば、基本的な文書は書けるようになるでしょう。
また生産性の観点でも、Typstはモダンなエディタ連携やリアルタイムプレビューなどの点で優れています。LaTeXも近年はVisual Studio Code + LaTeX Workshop拡張などでかなり快適になりましたが、それでもエラー時の解析やパッケージ依存解決など、手間のかかる場面があります。Typstは単一のバイナリ+標準ライブラリのみで完結し、エラーメッセージも比較的読みやすいため、トラブルシューティングに費やす時間が少なくて済みます。加えて、TypstはRust製でコンパイルが非常に速いことも開発効率に寄与します。大きな文書でも数秒でPDFが生成され、LaTeXのように複数回コンパイルして参照を解決…といった必要もありません(Typstは自動で参照解決してくれます)。
組版機能の違い:Typstの最新機能とLaTeXの伝統機能の差異
組版エンジンとしての機能差も比較しましょう。LaTeX(というよりTeXエンジン)は何十年にも渡り改良され、多くの高度な組版機能を備えています。例えば行間の微調整(マイクロタイポグラフィ)はLuaTeXの段階で取り入れられ、文字拡張やカーニング調整も可能です。一方TypstはまさにそのようなLaTeXの強みを研究しつつ取り入れている印象です。前述の文字間調整(LaTeXでは未対応)も然り、またTeXでは難しいマルチカラムの柔軟な操作(途中で1カラムに戻す等)もTypstではcolumns()関数で容易にできます。縦中横や段組内のグリッドレイアウトといった機能も、Typstではプログラミング的アプローチで対応可能です。
ただし、LaTeXには電気回路図や楽譜、化学構造式など、特定分野に特化したパッケージが揃っているというアドバンテージがあります。Typstで同等のものを実現するには、SVG画像を作成してimage()で挿入するか、コミュニティ提供のパッケージ(Typstでも外部ライブラリを読み込めるTypst Universeという仕組みがあります)を利用する必要があります。現時点ではTypst Universeは発展し始めた段階で、LaTeXのCTANに匹敵する充実度には至っていません。とはいえ、一般的な文書作成における組版機能はTypst単体でほぼカバーされています。表計算データの差し込みやグラフ描画もCSV/JSON読み込みと図形描画機能で対応できますし、脚注や参考文献も標準機能で利用できます。つまり、LaTeXが長年培ってきた標準機能の多くはTypstにおいても実装されており、それらはより使いやすいAPIとして提供されているのです。
拡張性と環境構築:依存関係やツールチェーンに見る両者の違い
LaTeX環境の構築といえば、TeX LiveやMiKTeXなど大規模なディストリビューションをインストールするのが通例です。GB単位のストレージが必要で、アップデート時も時間がかかります。一方Typstの環境構築は極めてシンプルで、Typstの単一バイナリ(数十MB程度)をダウンロードするだけで完了します。依存するパッケージマネージャ等もなく、CLIひとつで動作する軽量さは大きな違いです。
拡張性という面でも差があります。LaTeXはパッケージを追加することで何でもできる反面、相互の互換性問題やバージョン差異に悩まされることもあります。Typstは標準ライブラリ+組み込み関数で完結させる方針のため、自作マクロはあくまで自分のプロジェクト内で閉じています。ただ、Typst Universeというオンラインパッケージ集が整備され始めており、コミュニティが作ったスタイルや関数を取り込めるようになる可能性があります。現時点では、Typstは外部依存が少ない分、トラブルシューティングが容易で環境依存も起きにくい利点があります。複数人でTypst文書をGit管理する際も、みなが同じTypstバージョンであれば動作が統一されます(LaTeXだと「お使いの環境では動くのに別の人の環境ではコンパイルエラー」といったことが起こりえます)。
コミュニティと開発動向:Typstの活発なアップデートとLaTeXの歴史
最後に、開発コミュニティとリリース頻度の違いにも触れておきます。LaTeXはご存知のとおり1980年代から続く歴史あるツールで、安定性は抜群ですが革新的な変化は少なめです。年に一度程度のアップデートやバグ修正はありますが、大きな機能追加は長いスパンで見ても数えるほどでしょう(近年ではLuaTeXやUnicode対応などは大きなトピックでした)。対してTypstは非常に活発で、0.x版の段階から頻繁にリリースが行われています。2022年末に初公開されて以来、数ヶ月ごとに新バージョンがリリースされ、多くの機能拡張が行われています。0.14.0もその一環で、今後も0.15、0.16とリリースが続く見込みです。開発チームも積極的にコミュニティの声を取り入れており、GitHubのIssueやディスカッションでユーザ提案がなされ、それが数週間で実装されるケースもあります。
コミュニティ規模としては、LaTeXは長年のユーザ層が広く、文献も日本語含め大量に存在します。Typstはまだ新興ですが、GitHubスター数の増加やDiscordの参加者数から見てもかなり注目度が高まっています。日本語コミュニティも有志による日本語ドキュメント整備やブログ記事執筆が進んでおり、これから利用者が増えていくでしょう。モダンなオープンソースプロジェクトらしく、Typst開発は透明性が高くロードマップも公開されています。今後実装予定の機能(例えば数式レンダリングの改良やさらなるパフォーマンス改善など)も示唆されており、将来性という意味ではTypstは非常に明るいと言えます。
結論として、LaTeXは伝統的で信頼性の高いツールですが、学習コストや近代的な機能面で課題があります。一方Typstは新しいだけに洗練された使いやすさと現代的な機能を備えており、特にゼロから始めるユーザや、より直感的な文書作成を求めるエンジニアに適した選択肢です。それぞれ長所短所がありますが、目的に応じて使い分けたり、LaTeXユーザがTypstを試してみることで生産性向上が見込める場面も多いでしょう。
Typstのインストール手順:Windows・Mac・Linux向けセットアップ方法を詳しく解説ガイド
Typstを使い始めるには、まずインストールが必要です。幸いTypstの導入はシンプルで、Webブラウザ上で使える公式Webアプリも提供されています。ここではオフラインで利用できるローカル環境(Typstコンパイラ)のインストール手順をOS別に説明します。Windows、Mac、Linuxそれぞれでのセットアップ方法と、インストール後のアップデート方法についても触れます。
インストール方法の選択肢:Webアプリ vs ローカルCLIの利用
TypstにはWebアプリ版とローカルコンパイラ版の2つの利用形態があります。Webアプリはブラウザ上で動作し、ソフトウェアをインストールせずにすぐ試せる利点があります。一方ローカルコンパイラは自分のPCでコマンドラインからTypstを使える実行ファイルで、エディタ連携や自動スクリプト組版に利用できます。まず初心者にはWebアプリで触ってみるのも良いですが、本格的に使うならローカル環境を整えることをおすすめします。以下ではローカルコンパイラのインストール手順を述べます。
Windowsへの導入:パッケージマネージャ(winget等)を使ったセットアップ
Windows環境でTypstコンパイラを導入するには、公式サイトから直接バイナリをダウンロードする方法と、パッケージマネージャ(WingetやScoop)を使う方法があります。手軽なのはWinget(Windowsパッケージマネージャ)を用いる方法です。コマンドプロンプトやPowerShellでwinget install typstと入力すれば、自動的に最新のTypstがインストールされます。Winget利用にはWindows 10以降でApp Installerの更新が必要な場合がありますが、最新環境ならそのまま使えるでしょう。
Winget以外では、Scoopというコマンドラインインストーラでscoop install typstとする方法もあります。また、GUIで行いたい場合はTypst公式サイトからWindows用ZIPアーカイブをダウンロードし、中に入っているtypst.exeを取り出してパスの通ったディレクトリ(例えばC:\Windows\system32や任意のプログラムフォルダ)に配置する手もあります。いずれにせよ、インストール後はコマンドプロンプトでtypst --versionと打ち、バージョン情報が表示されれば成功です。
Macへの導入:Homebrewによるインストール手順
Mac(macOS)では、人気のパッケージ管理ツールHomebrewを使ってインストールするのが便利です。ターミナルを開いてbrew install typstと実行すれば、自動的にTypstコンパイラがダウンロード・配置されます。Homebrewを利用している開発者ならお馴染みの手順ですね。インストール完了後、typst --helpでヘルプメッセージが表示されれば導入成功です。
Homebrewを使わない場合は、公式のGitHubリリースページからmacOS用バイナリ(.tar.gzファイル)をダウンロードし、解凍して出てきたtypst実行ファイルを/usr/local/binなどパスの通った場所に置く方法もあります。この際、実行権限を付与(chmod +x typst)するのを忘れないようにしてください。
Linuxへの導入:パッケージマネージャまたはバイナリ直ダウンロードによる設定
Linuxではディストリビューションによってインストール方法が異なりますが、基本はパッケージマネージャ経由か、GitHubからのダウンロードです。UbuntuなどDebian系では、2025年現在まだ公式リポジトリにTypstパッケージはないため、Homebrew on Linuxを使うか(上記Mac手順と同じbrew install typst)、Snapパッケージとして提供されているものを利用する手があります。snap install typstとすることで、Snap対応のLinuxなら簡単に導入できます。
Arch Linuxユーザの場合、AURにコミュニティメンテインされたTypstパッケージが存在している可能性がありますのでyay -S typst等でインストールできるでしょう。Fedora等RPM系では現状直接のパッケージは無いようなので、GitHubからリリースバイナリ(例えばtypst-0.14.0-x86_64-linux.tar.gz)をダウンロードし、解凍して/usr/bin等に配置してください。重要なのは、配置後にPATHが通っていることと実行権限です。これさえクリアすればどの方法で入れても動作に差はありません。
Typstのアップデート方法:最新バージョンへの更新手順
Typstは積極的にバージョンアップが行われます。そのため、定期的にアップデートして新機能や不具合修正を取り込みたいところです。アップデート方法はインストール方法に応じます。Wingetで入れた場合はwinget upgrade typstで最新版にできます。Homebrewの場合もbrew upgrade typstで更新可能です。Snapならsnap refresh typst、AUR経由ならyay -Sy typstといった具合です。
GitHubから直接バイナリを置いた場合は、最新のリリースページから新バージョンのファイルをダウンロードし、既存のtypst実行ファイルと差し替えてください。Typstは後方互換性に配慮して開発されていますが、バージョン間で微細な文法変更が起こることもあります(詳細は変更ログ参照)。そのため、プロジェクトごとにバージョンを固定したい場合もあるでしょう。TypstではCLIに--version指定はなく常に最新版が動きますが、あえて古いバージョンを保持したい場合は実行ファイル名をリネーム(例:typst0.13)して複数併存させることもできます。基本的には常に最新版を使う方が恩恵が大きいので、適宜アップデートチェックを行うようにしましょう。
テンプレート・見出しのカスタマイズ方法:Typstで文書デザインを自由に調整するテクニックを詳しく解説
Typstはデフォルトでも整った文書デザインを提供しますが、用途に応じてテンプレートや見出しスタイルをカスタマイズすることで、より思い通りのレイアウトを実現できます。技術ブログや論文など、それぞれ求められる体裁が異なるため、自分専用のテンプレートを作成しておくと便利です。本節ではTypstにおけるテンプレート機能の仕組みと、見出しデザインを含めたカスタマイズの方法について具体的に紹介します。
テンプレート機能の概要:文書のフォーマットを統一する仕組み
Typstのテンプレート機能とは、一言で言えば「複数の文書で共通の書式・構造を再利用する仕組み」です。Typstではdocument()関数にタイトルやマージンなどドキュメント全体のプロパティを設定できますが、テンプレートではこうした設定や共通の前文・後文をひとまとめにしておき、各プロジェクトで読み込むことができます。具体的には、テンプレート用の.typファイルを作成し、その中に#setや#showによるスタイル設定、表紙や目次の生成ロジック、セクションのレイアウト定義などを書いておきます。それを各文書から#import \"テンプレート.typ\"で読み込めば、同じフォーマットが適用されるという寸法です。
たとえば会社の報告書テンプレートなら、社名ロゴ画像や決まった表紙レイアウト、段組設定などをテンプレートに盛り込みます。Typstのテンプレート機能は自由度が高く、単にスタイルを共有するだけでなく、マクロ(関数)も定義できます。共通の段落スタイルや注意書きボックスなどを関数化してテンプレートに入れておけば、各文書では#WarningBox(\"警告本文\")のように一行で統一デザインのボックスを出せるようになります。テンプレートを活用すれば、チーム全体で文書の体裁を揃えたり、ブログ記事を毎回同じ構造で書き始めたりと、効率と一貫性が向上します。
組み込みテンプレートの活用:既定スタイルの利用と部分調整
Typstには公式に「組み込みテンプレート」というものはありませんが、ドキュメントによっては最初からプリセットのスタイルが効いている場合があります。例えばheadingのフォントが太字・大サイズであることや、リストの記号が黒丸になることなどがそれです。これらはTypst標準のスタイルシートが背景で適用されているためで、ユーザが何もしなくても整った見た目になります。
しかし、場合によってはこの標準スタイルを部分的に調整したいこともあるでしょう。例えば見出しの色だけ変えたい、箇条書きのマーカーを三角にしたい、などです。そういった部分調整には#setや#show構文を使います。#set heading(numbering: \"1.\")とすれば見出し番号にピリオド付きのスタイルに変えられます。#show list.item: ...でリスト項目のプレフィックスをカスタム記号に変えることも可能です。組み込みテンプレート(標準スタイル)をベースに小さな変更を加えたい場合、このようにピンポイントで指示を出すのが簡便です。
なお、TypstにはLaTeXのような「クラスファイル」に相当する単位はありませんが、非公式に有志が公開しているテンプレート集があります。またTypst公式サイトのUniverseにもサンプルテンプレートが掲載され始めています。それらを参考に、自分のニーズに合った部分だけ取り入れるのも良いでしょう。
独自テンプレートの作成:共通レイアウトを再利用する方法
自作のテンプレートを作るには、通常のTypst文書としてテンプレート内容を記述し、それを他の文書に組み込む形を取ります。例えばmytemplate.typというファイルを用意し、以下のような内容を書きます:
#set page(size: \"A4\", margin: 20mm)
set heading(numbering: \"1.\")
let WarningBox(content) = block(fill: yellow)[
= *注意:* #content
]
上記は単純な例ですが、A4用紙マージン20mm、見出しに「1.」形式の番号付与、そして注意書きボックスを定義しています。これを実際の文書report.typ側で#import \"mytemplate.typ\"と記述すれば、その文書にはこれらの設定が反映されます。以降、#WarningBox(\"内容\")を呼べば黄色背景の注意枠付きで「注意: 内容」が表示されるわけです。
テンプレートには他にも、表紙用の内容や定型文も入れられます。report.typの先頭でテンプレートを読み込めば、テンプレート内に書かれた文章(例えば表紙デザイン)がそのまま差し込まれます。これにより、一から書式を作らなくても定型部分が自動で生成される利点があります。Typstは柔軟なので、条件分岐を用いて「タイトルや著者名が設定されていれば表紙に表示する」といったロジックも可能です。テンプレート作成はやや高度ですが、しっかり作っておけば何度も再利用でき、生産性向上に寄与します。
見出しスタイルの変更:段落番号や書式をカスタマイズする手順
文書の見出しデザインを変えることはよく行われます。例えば章番号をローマ数字にしたり、見出しに下線を引いたり、といった変更です。Typstでは見出しはheading()要素として扱われ、スタイルキーheadingで全般設定ができます。先ほど例に出た#set heading(numbering: \"1.\")は、デフォルトでは「1.1」などピリオド区切りだった節番号を「1.」形式(一段番号)にする指定です。他にもheading(depth: 3)とすれば深さ3までの見出しに番号を付与する、といった調整ができます。
書式については、#set heading(text-style: (font: \"メイリオ\", weight: bold))のようにフォントや太字・色を指定できます。各段レベル個別に変えたい場合、heading(level: 1, text-style: ...)とlevel引数で指定可能です。また、見出し前後の余白もheading(indent: 0pt)やheading(spacing: 12pt)といったプロパティで調整できます。
より高度なカスタマイズでは、#show heading: it -> box[ ... ]のように描画そのものを変えてしまう方法もあります。例えば見出しテキストの下にラインを引きたければ、#show heading: it -> [ #it ]のように一旦テキストを取得して装飾することも理論上は可能です。ただしここまでやると複雑なので、まずは基本の#set heading(...)で指定できる範囲から調整すると良いでしょう。
プロジェクト全体への適用:テンプレート共有と管理のコツ
複数の文書で同じテンプレートを使い回す場合、そのテンプレートファイルを各プロジェクトにコピーする方法もありますが、Typstにはパッケージ管理の仕組みもあります。Typst Universeを通じて公開・共有する方法はまだ簡易ではありませんが、自分のPC内であれば共通のテンプレートフォルダを作り、そこにテンプレート.typを置いて、各プロジェクトから相対パスや絶対パスで読み込むこともできます。たとえばC:\Typst\Templates\mytemp.typを作り、プロジェクト側で#import \"C:/Typst/Templates/mytemp.typ\"とすれば利用できます。
複数人チームでテンプレートを共有する場合、Gitリポジトリでテンプレートファイルを管理し、各自のプロジェクトにそれを取り込む方式が考えられます。Typstはファイル間インクルードができますから、一箇所を更新すれば全員の文書に反映できます。注意点として、テンプレートの変更が既存文書の見た目に影響を与える可能性があるため、バージョン管理をしっかり行い、必要に応じてテンプレートのバージョン固定(変更時にファイル名を変える等)も検討すると良いでしょう。
最後に、Typstはまだ若いプロジェクトであるため、今後テンプレート機能も公式に強化されるかもしれません。現状でも工夫次第で様々なカスタマイズができますが、将来的にはGUIからテンプレートを選択できたり、Universe上でテンプレートをインストールできたりといった進化も期待できます。常に最新情報をチェックしつつ、自分好みの書式を追求してみてください。
表・図・数式の挿入方法:Typstで画像や表組み、数式を扱う基本テクニックとラベル付けのコツ解説ガイド
技術文書には欠かせない表・図・数式の挿入も、Typstでは簡潔に記述できます。ここでは、Typstでテーブル(表)を作成する方法、画像やPDFを図として挿入する方法、LaTeX風の数式を書く方法、そして図表番号や参照(クロスリファレンス)の設定方法について解説します。基本的な書き方から、一歩進んでキャプションやラベルを付与して他箇所から引用するテクニックまで紹介するので、文書中に表や図版、数式を組み込む際の参考にしてください。
表の作成方法:table()関数を使った基本的なテーブル記法
Typstで表(テーブル)を作るには、table()関数を使用します。基本構文は#table(columns: 列数, [セル1内容], [セル2内容], ...)という形で、行方向に順番にセル内容を指定していきます。例えば2列×4行の簡単な表は以下のように書けます:
#table(
columns: 2,
[項目], [値], // 1行目(ヘッダ行)
[高さ], [180cm], // 2行目
[体重], [75kg], // 3行目
[年齢], , // 4行目
)
上記ではcolumns:2で2列と指定し、あとは[ ... ]でセルごとの内容を順に並べています。このように#table(...)の引数リストにセル内容を羅列すると、Typstは自動的に行と列を割り当てて表を組んでくれます。各セルを別々の行に書いても構いませんし、上記のように見た目を整えるため2セルずつ改行して書くことも可能です(Typstは改行や空白を無視して、あくまで順序でセルを配置します)。
表のヘッダ行には、太字にしたり背景色を付けたりといった装飾をすると見栄えが良くなります。上記例では単に太字(項目など)にしています。またTypstにはtable.header[...]という構文があり、これで包んだ行はヘッダ行としてマークアップされます。例えば
#table(
columns: 2,
table.header[項目][値],
[高さ], [180cm],
...
)
とすると、1行目がtable.headerによりヘッダであることが明示されます。これにより将来的なアクセシビリティ対応や、自動スタイル適用が可能です。
表を連続して複数作る場合や、データ行が多い場合は、一つのテーブルをコード上で見やすくする工夫も大切です。Typstではコメント//も使えるので、// ...でセルを区切ったり、意味のあるところで改行入れると良いでしょう。上記のコード例でも// 1行目(ヘッダ行)のようにコメントを入れています。表は情報量が多い分、構造を崩さないよう慎重に記述しましょう。
図の挿入方法:image()関数による画像・PDF埋め込みとfigureキャプション
文書中に図やイラストを挿入するには、Typstではimage()関数を使います。使い方はシンプルで、例えばPNG画像diagram.pngを挿入するには#image(\"diagram.png\")と書くだけです。画像ファイルの形式は自動判別されます(拡張子か内容で判断)ので、format:オプションを指定する必要は通常ありません。画像の幅や高さを調整したい場合、width: 50%やheight: 100ptといったオプションを与えます。
Typst 0.14.0からはPDFファイルもimage()で埋め込み可能になりました。#image(\"file.pdf\", page: 2)のようにpage番号を指定すれば、そのPDFの該当ページを画像として取り込めます。これにより、他の資料の一部を引用したり、Illustrator等で作成したベクター図をそのまま差し込んだりできて便利です。
単にimage()を書くと画像がその場に配置されますが、図にはキャプション(図番号と説明文)を付けたいことが多いでしょう。Typstではfigure環境(要素)を使うことでキャプション付き図を扱えます。構文は= Figure Caption という形をとります。例えば:
= 図1: システム構成図 <fig:system>;
image(\"system-diagram.png\", width: 80%)
このように書くと、「図1: システム構成図」というキャプションが付き、というラベルが与えられます。=(イコール記号)で始まる行は見出しと同様の構文ですが、Figureと書くことで図番号を自動振りし、は参照用ラベルになります。実際、上記のfig:systemは@fig:systemと他の箇所で書くことで「図1」等と引用表示できます。
なお、Typstではこの= Figure ...; ...記法の他に、figure()関数も提供されています。figure()関数ではimage()やcaptionを引数に取る形で図を構成し、さらにalt属性を指定することも可能です。高度な使い方ですが、アクセシビリティの点で有用なので、必要に応じて公式ドキュメントのFigureの項を参照してください。
数式の記述方法:$ … $でのインラインとブロック数式の使い分け
Typstで数式を書く方法は、LaTeX経験者には馴染みやすいものとなっています。基本はドル記号($)で囲むだけです。$E = mc^2$と書けばインライン数式でE=mc^2が表示されます。LaTeXではインラインとブロック(ディスプレイ)数式でドル記号の数を変えましたが、Typstでは空白の有無で判定します。つまり、$ ... $(前後にすぐ文字が続く)はインライン、$ ... $(ドル直後と直前にスペースか改行がある)はブロック表示となります。後者はLaTeXでいう$$ ... $$に相当し、中央に配置され番号なし表示、=を行頭に書くかequation()を使うと番号付きの数式も可能です。
Typstで数式内の記法もLaTeXとかなり似ています。ギリシャ文字はalpha, beta、積分はint、上付き下付きはa^2、a_i、分数はfrac(a, b)またはa/b(スラッシュ)で縦組み表示されます。ただしTypstはTeXとは異なる文法解析をしているため、細かい差異はあります。例えば、LaTeXのように\begin{aligned}環境で連続する等式を揃える機能は今のところありません。その代わり、Typstにはalign()関数やequation関数でケース分け表示が用意されています(ケース分けはcases()関数)。
とはいえ、基本的な数学記号や関数(√, Σ, sinなど)は一通りサポートされており、微分方程式から行列まで通常の数式は問題なく表現できます。もしTypstでサポートされていない特殊な記号が必要になった場合、Unicodeの該当記号を直接入力する手もありますし、最悪SVG画像として貼り付けるという力技もあります。しかし大抵の需要は$ ... $記法で満たせるでしょう。数式は技術文書の要でもあるので、Typst公式も改善を続けています。Ver0.14でも複数フォント混在の件など強化が図られたため、今後さらにLaTeXに匹敵する数式組版が期待できます。
図表番号と参照:labelとrefを使ったクロスリファレンス設定
論文や長めの技術資料では、「図1に示すように」「表2参照」等のクロスリファレンス(相互参照)が不可欠です。Typstではこの機能も簡単に使えます。前述の通り、図には、表にはのようにラベルを付けることができます。図の場合は= Figure ... 、表の場合は= Table ... と書けばOKです。これらのラベルは一意な名称になるように設定してください。
参照を挿入するには、文章中で@fig:例あるいは@tbl:例と書きます。するとTypstはそれを解析して「図1」や「表3」といったテキストに自動変換します。番号は自動追跡されるため、図や表の順序が変わっても参照箇所は常に正しい番号を示します。これはLaTeXの\ref{fig:例}に相当する機能ですが、Typstではより直感的に@で記述できるのが特徴です。
応用として、節や項の見出しにもラベルを付け、参照することが可能です。Typstでは= 見出しテキスト のように書けば、その見出しを@sec:概要で参照できます。出力は「1章」や「2.3節」のように適切な階層付き番号になります。参考文献についても、@[キー]で引用を記述し、#bibliographyで出力するスタイルです。
このように、ラベルと参照の仕組みを活用すれば文書内の相互参照が容易に管理できます。Typstは複数回のコンパイルを要さずとも参照を解決するため、執筆時にもリアルタイムに参照が反映される点が快適です。文書が長大になるほどこの機能のありがたみを感じるでしょう。
キャプションの付与:図表にタイトルや説明文を追加する方法
図や表には番号だけでなく、短いタイトル(キャプション)を付けるのが一般的です。Typstでは= Figure 図タイトル のように、図環境の先頭にタイトル文字列を書くことでキャプションとなります。またcaption:プロパティを使ってfigure()関数に与えることもできます。表の場合も同様に= Table 表題 でキャプションが付きます。
デフォルトでは「図X: タイトル」「表Y: タイトル」という形式で表示されますが、これもスタイルの変更が可能です。例えばキャプションを太字にしたい場合、#set figure.caption(text-style: bold)や#set table.caption(text-style: bold)と指定します。また、キャプションの位置(上部か下部)も調整できます。Typstは標準では図は下、表は上にキャプションを付ける傾向にありますが、figure.caption(align: bottom)など設定すれば下部に変えられます。
複数の図を一つのfigureにまとめたいケースでは、#figure(...)を連続して呼ぶ方法がありますが、現状スマートなサブキャプション機能はありません。将来的に改善されるかもしれませんので、最新版のドキュメントをチェックしてください。現段階では、例えば図を2枚並べて表示し、それぞれに(a)(b)とマーキングする場合、手動で(a)や(b)を書き込む必要があります。しかしTypstの柔軟性から考えると、そうしたレイアウトも工夫次第で可能でしょう(h(...)関数で横並びにする等)。
以上、Typstでの表・図・数式の基本的な挿入方法と管理手法を説明しました。初めはシンプルな記法で挿入し、徐々にラベルやキャプションを付ける運用に慣れていけばOKです。豊富な機能を活用して、説得力のあるドキュメントを効率よく作成してください。
よくある質問(FAQ)
Typstで縦書きはできますか?
標準機能としての縦書き(縦組み)は、最新の0.15時点でも未対応です。縦書きを含む「writing-mode」の導入はRFC(Issue #5908)として提案・議論されている段階で、リリース時期は未定です。現状で縦書きが必須の文書は、縦組みに対応したLaTeX(plext等のパッケージ)や専用ツールを併用するのが現実的です。
Typstでルビ(ふりがな)は振れますか?
専用のルビ構文は用意されていません。placeやboxを組み合わせた疑似配置や、コミュニティ製のrubbyパッケージを使う例はありますが、位置やサイズの微調整が必要で、標準サポートは今後の実装候補です。技術文書ではルビの使用頻度が低いため、優先度は高くないのが現状です。
Typstの均等割り(両端揃え)はできますか?
0.14.0で文字単位のジャスティフィケーションが実装され、単語間の空白がない和文でも文字間をわずかに調整して行末を揃えられるようになりました。既定では無効で、par.justification-limitsなどの設定で有効化します。これにより、行によって空白が目立つ「川」ができる問題が軽減されます。
Typstのインストール方法は?
Windowsはwinget install typstまたはScoop、Macはbrew install typst、LinuxはSnap(snap install typst)やHomebrew、公式のリリースバイナリで導入できます。導入後はtypst --versionでバージョンが表示されればセットアップ成功です。ブラウザだけで試せる公式Webアプリもあります。
TypstとLaTeXはどちらを使うべきですか?
学習コストを抑えて素早く文書を書くならTypst、縦書き・ルビや分野特化パッケージ(化学式・楽譜など)が必須ならLaTeXが有利です。TypstはMarkdownに近い記法・Rust製で高速・単一バイナリで環境構築が容易という利点があり、両者の記法・速度・環境構築の違いは本文の比較セクションで詳しく解説しています。
Typstの最新バージョンは?
2026年6月15日に0.15が公開され、可変フォント対応やHTMLエクスポート(MathML・複数ファイル)の強化などが行われました。頻繁に更新されるため、最新版と変更点は公式ブログ・変更ログで確認してください。
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