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CADのAIで何ができるか|AutoCAD 2027・Fusionの搭載機能と生成AIの限界【2026年7月】

「CADにAIを入れれば図面が自動で描ける」という期待と、実際に製品へ載っている機能の間には、まだ大きな隔たりがあります。2026年7月時点で各社が商用提供しているのは、ブロックの配置候補提示、手書き修正の取り込み、2D図面レイアウトの自動化、対話型アシスタントといった作図工程の一部を肩代わりする機能であって、要件から完成図面を丸ごと生成する機能ではありません。この記事では、どのCADに何が実装済みで、生成AIに投げても返ってこないものは何かを、公式ドキュメントの記述に沿って線引きします。

まとめ:2026年7月時点の「AIができること/できないこと」

結論から書きます。CADのAIは「図面を描く」ではなく「図面まわりの手作業を削る」段階にあります。

やりたいこと 2026年7月時点の可否 手段
繰り返しブロックの配置・置換 実装済み AutoCAD 2024以降のSmart Blocks
手書き赤入れの図面反映 実装済み(LT不可) AutoCAD Markup Import / Markup Assist
3Dから2D図面の自動レイアウト 実装済み FusionやSolid Edgeの図面自動化
自然言語で図面に問い合わせ Tech Preview AutoCAD 2027のAutodesk Assistant
テキストから3Dモデルを生成 限定的に可(有償・要検証) Zooのtext-to-CAD API
DWGをそのままAIに読ませる 不可 公式対応形式に含まれない
法規適合した完成図面の生成 不可 該当製品なし

「AIで設計を自動化する」と社内提案しても、実際に効くのは修正取り込みと図面レイアウトの短縮であって、設計判断は人が握ったままです。以下、各行の根拠を製品別に見ていきます。

Autodesk製品に実装済みのAI機能

AutoCAD:Smart Blocks、Markup Assist、Autodesk Assistant

AutoCADのAIは版を追うごとに積み上がっており、機能名と版の対応を取り違えると導入判断を誤ります。Smart Blocksは2024で登場し、既存ブロックの配置傾向から次の配置位置を推定するPlacement、名称と形状の類似から置換候補を出すReplacementが公式ヘルプに記載されています。2025では繰り返し図形を検出してブロック化するSearch and Convertが正式機能となり、Object DetectionがTech Previewとして提供されました。2026ではSearch and Convertが文字違いのバリエーションもブロック属性へ変換できるようになり、Object Detectionは Detect and Convert へ改称のうえ検出精度が向上しています。

Markup Import/Markup Assistは、PDF・JPG・PNGで受け取った赤入れをTrace環境に重ね、文字・リビジョンクラウド・取り消し線を識別して図面に反映する機能です。印刷図面に手書きで入った指示をスマートフォンで撮って取り込む運用が公式に想定されています。処理はクラウド側で行われるためインターネット接続が必須で、閉域網のCAD端末では使えません。Detect and Convertは2026のupdate 1.1(コマンドはBDETECT)でTech Previewを卒業し、通常機能になりました。

Autodesk Assistant自体はAutoCAD 2024.1で初登場し、2025でAutodesk AIによる会話型へ強化されました。2027では社内標準ファイルとの標準チェック、自然言語プロンプトによる要素選択、図面への問い合わせ(レイヤ一覧やブロック使用状況の確認)まで拡張されています。ただし2027の拡張分は公式にTech Preview扱いで、「結果が正確でない場合がある」と明記されています。検図フローに組み込む段階ではありません。図面をスキャンして一般的なジオメトリエラーを修正するGeometry Cleanupも2027で追加されています。AI以外も含めた2027の変更点はAutoCADとは?機能・便利コマンド一覧とAutoCAD 2027の新機能を解説で整理しています。

AutoCAD LTでの可否(機能単位で割れる分岐点)

「LTだからAIは使えない」も「LTでもAIが使える」も、どちらも誤りです。可否は機能ごとに違います

機能 AutoCAD AutoCAD LT
Smart Blocks: Placement
Smart Blocks: Search and Convert
Smart Blocks: Replacement 不可
Detect and Convert(Object Detection) 不可
Autodesk Assistant 可(LT 2027)
Markup Import / Markup Assist 不可
Activity Insights Version activityのみ

繰り返し図形のブロック化(Search and Convert)まではLTでも到達できますが、赤入れ取り込みやブロック置換を目的にAIを検討しているなら、LTでは要件を満たしません。ここを確認せずにライセンスを揃えると、導入後に「想定していた機能が無い」となります。なお2026以前のweb/モバイルアプリではMarkup Importのみが使えMarkup Assistは対象外でしたが、AutoCAD 2027ではweb・モバイルアプリのサポート自体が終了しているため、この分岐はデスクトップに一本化されています。

Fusion:図面自動化とジェネレーティブデザインの課金構造

Fusionは月次更新でAI機能が動く製品です。2024年10月のAutodesk University発表でAutoConstrain(スケッチ拘束の自動付与)とDrawing Automation(2D図面の自動レイアウト、スタイル適用、不要なファスナーの除去)が示され、2026年に入ってからもAutodesk Assistantの拡張が続いています。3月にモデリングコマンドや製造ワークフローの自然言語操作がTech Previewとして追加、4月にFusion APIのスクリプト記述・実行支援、5月に図面作成ワークフローへの対応が入りました。

注意すべきはジェネレーティブデザインの提供条件です。無償のFusion Personalではジェネレーティブデザインは使えず、商用サブスクリプション・教育ライセンス・スタートアップライセンス・体験版のいずれかが必要になります。さらにアウトカム生成はトークン課金で、generative studyのアウトカム生成に11トークンを消費します。「無料のFusionで形状最適化を試す」という計画は成立しません。

Forma・Revit:機械学習の高速解析と、最適化探索の混同

建築側で実際に効いているのは、Formaのrapid analysisです。風や騒音の予測を機械学習モデルで返すため、シミュレーション結果を待たずに配置検討ができます(精度が要る段階では、時間のかかるdetailed analysisへ切り替える2段構え)。

一方、Revitの「Generative Design in Revit」は生成AIではありません。Dynamoグラフに目標と制約を与え、多数の解を反復生成してExplore Outcomesで比較する最適化探索です。リボンからの直接利用はAEC Collection加入者などに限られますが、公式にはDynamo for Revit経由であればAEC Collectionの契約なしに同等機能へアクセスできると記載されています。

Autodesk以外の主要CADのAI機能

「AI搭載のCADはどれか」という比較検討で見るべきは、その機能が正式提供なのかベータなのかという一点です。対話アシスタント自体は2026年7月時点で各社が搭載していますが、成熟度に差があります。提供状況の呼び方はベンダーごとに違う(Siemensは「GA」という語を使いません)ため、下表では正式提供・ベータ・アルファ・Tech Previewに揃えました。

製品 主なAI機能 提供状況
SOLIDWORKS 2026 SmartMates with AI Fastener Recognition 正式提供(2025 SP3初出)
SOLIDWORKS 2026x FD01 Aura/Leo、図面自動生成 ベータ(SOLIDWORKS Labs)
Designcenter(旧NX) Designcenter Copilot、Command/PMI Prediction 正式提供
Designcenter Solid Edge 2026 Design Copilot、Automatic Drawing 正式提供(クラウド版の全ティア)
Creo 13 Creo AI Assistant(Advise) 正式提供(全シート)
Creo 13 同(Assist/Automate) ベータ/アルファ・別エクステンション
ARES 2027 ARES AI Assist、AI-Assisted Block Generation 正式提供
BricsCAD V26 Blockify、AI Predict 正式提供
BricsCAD V26 BIMify BIM/Ultimateのみ

製品名にも注意が必要です。Siemensは2026年6月のリリースでNXという呼称を廃止し、CAD側は「Designcenter」に改称しました(NXの名はCAM/製造側に残ります)。コパイロットの表記もDesigncenter Copilotに変わっています。実務目線で目立つのはSolid EdgeのAutomatic Drawingで、Siemensのブログは2D図面の70〜80%を自動生成すると説明しています(スペックシートではなくブログの記述です)。ただしDesign Copilotの「全ティア」はクラウド版であるDesigncenter Xの Standard/Advanced/Premium を指し、デスクトップ版のエディション全部という意味ではありません。SOLIDWORKS側は、ボルトやナットを自動認識してアセンブリするSmartMates with AI Fastener Recognitionが2025 SP3で入り、2026ではToolbox以外の部品へ対象が広がりました(既定で有効・Tools > Options > Assemblies で切り替え)。AIコンパニオン(Aura/Leo)による図面生成やアセンブリ構造生成はSOLIDWORKS Labsのベータ扱いで、3DEXPERIENCE接続が前提です。PTCのCreo AI Assistantは3階層で、ドキュメント接地のガイダンス(Advise)だけが全シートで使え、3Dモデルを直接読むAssistはベータ、ジオメトリを作成・修正するAutomateはアルファ、しかもAssistとAutomateは別エクステンション扱いです。「AI搭載」と書かれていても、モデルに触れる機能ほど成熟しておらず、別売になりやすい——これが各社に共通する構図です。

ジェネレーティブデザインと生成AIの実装差

ここは誤解が集中する論点です。各社のジェネレーティブデザイン/トポロジー最適化は、ベンダーがAIと呼んでいても、実装はLLMや生成モデルではありません。

SOLIDWORKSのTopology StudyはSIMP法(Solid Isotropic Material with Penalization)を用いた有限要素ベースの数理最適化で、公式ヘルプに機械学習の記述はありません。PTCは自社のジェネレーティブデザインを「AIと機械学習の技術で設計プロセスを自動化する」と紹介していますが、その中身として説明されているのはトポロジー最適化とシミュレーションのアルゴリズムの組み合わせ(Frustum由来)であり、テキストから形状を発想する類の生成モデルではありません。前述のRevitも同様に最適化探索です。LLMや機械学習が実装として使われているのは、むしろ対話アシスタント(Aura/Leo、Designcenter Copilot、Creo AI Assistant、ARES AI Assist)と、Siemensの予測系(Command/Selection/PMI Prediction)、BricsysのBIMify・Blockifyといった分類・検出系です。マーケティング上の「AI」と実装を同一視して社内説明すると、期待値が食い違います。ソルバーが解くのは形状最適化であって、設計要件の解釈ではありません。

生成AIによる図面生成の現在地:text-to-CADの実力と限界

テキストから3D形状を出す試み自体は実用段階に入っています。Zoo(旧KittyCAD)は、人間可読なCAD言語KCLと独自の3Dカーネルを組み合わせ、フィーチャーツリーを持つパラメトリックCADを生成します。text-to-CAD APIは呼び出しごとにSTEPファイルを返し(オプションでKCLも同時出力)、それ以外の形式への変換は別途ファイル変換APIの課金対象です。対話的に設計を詰めるZookeeperはDesign Studio内でKCLを生成・編集します。

ただしZoo自身が公式FAQで「Zookeeperは意図を誤解したり、不正なジオメトリを生成したり、製造不可能あるいは安全でない設計を提案することがある」と明記しています。推奨される使い方も「寸法・拘束・用途を具体的に指定する」「一発で作らせず小さく分割する」であり、要件書を投げれば完成品が返る類のものではありません。料金はAPIが月10ドル相当まで無料、以降は1秒あたり約0.0083ドル(失敗した呼び出しは非課金)。Design Studioの無料プランにはZookeeperの推論時間が月20分付きます。

Autodeskの側はまだ製品化に至っていません。テキストや2D画像、スケッチ、点群から3D形状を生成するProject Berniniは、公式に「研究の取り組みであり、商用提供される技術ではない」と書かれています。2025年9月のAU 2025で発表されたneural CAD(Fusion/Forma向けの3D生成AI基盤モデル)も「今後の商用提供」という位置づけで、2026年7月時点でFusionのリリースノートに製品機能としての記載は確認できません。Autodesk自身がneural CADを、40年以上使われてきた古典的なパラメトリックCADエンジンとは対照的なアプローチだと位置づけています。既存のフィーチャー履歴を前提とした運用へそのまま差し込める技術ではない、ということです。Autodesk製品での「テキストから図面生成」を前提に計画を立てるべきではありません。

汎用LLM(Gemini・ChatGPT)のCADデータ対応状況

「手元のDWGを生成AIに読ませて内容を要約させたい」という要望は多いのですが、公式にDWG・DXF・STEPをサポートしている汎用LLMは存在しません

Gemini APIの公式ドキュメントは、ドキュメント理解について「技術的にはTXT・Markdown・HTML・XMLなど他のMIMEタイプも渡せるが、document visionが意味のある理解をするのはPDFだけである」と述べています。PDF以外の形式では、図・タグ・書式といったファイル固有の情報が失われ、プレーンテキストしか取り出せません。対応MIMEの一覧にCAD形式は含まれていません。ChatGPTのヘルプに挙げられている対応形式もXLSX・CSV・DOCX・PPTX・PDF・TXTと画像が中心で、DWG/DXF/STEPは挙げられていません。

Microsoft Copilotも同じです。Microsoft 365 CopilotがDWG/DXFを解釈する仕様は公開されておらず、「copilot cad」で語られる実体の多くは、Siemens Designcenter CopilotやSolid Edge Design CopilotのようにCADベンダーが自社製品へ組み込んだアシスタントを指します。汎用のCopilotで図面を操作する使い方は成立しません。

実務で成立する経路は一つで、図面をPDFまたは画像に書き出してから読ませることです。ただしこれは「CADデータを読む」のではなく「図面の絵を読む」ことになります。Gemini APIではPDFは最大50MB・1,000ページまで扱えますが、各ページは画像として処理され、最大3,072×3,072ピクセルにスケールされます。A1サイズの大判図面を1ページ丸ごと投げれば、細線や小さな寸法文字はこの解像度に押し込まれるため、寸法値の読み取りを信用してはいけません。最小限の手順としては、(1) 図面をPDFまたは高解像度PNGに書き出す、(2) 表題欄・部品表・対象の投影図といった単位で領域を切り出す、(3) 抽出したい項目(部品番号、材質、数量など)を明示して1領域ずつ投げる、(4) 出力を元図面と突き合わせて検証する、という流れになります。CAD側の自動化を書かせたい場合は、Autodesk AssistantにFusion APIのスクリプトを書かせて実行する経路が2026年4月から用意されています。Gemini自体の基本操作はGeminiの使い方|呼び出し方・バックグラウンド動作の停止・キャッシュクリア【2026年版】にまとめています。

DXFはテキスト形式なので中身を貼れば読めそうに思えますが、これも公式サポート外です。エンティティ定義がそのままトークンを食い、大きな図面では現実的な長さに収まりません。仕様上の裏付けがない使い方に業務判断を預けないでください。

紙図面のCAD化:図面OCRで実際に取れるもの

紙図面の資産をデータ化する用途は、CAD×AIの中でもっとも投資対効果が読める領域です。Scan2CADは画像・PDFを入力として、DXF/DWG/G-codeへ出力するラスタ→ベクタ変換を提供します。オブジェクト認識とテキストOCRに加えてバッチ変換とPython API(Scan2CAD Automate)が使えますが、後者2つはBusinessティア限定です。料金は公開されており、Proが月89ドル(月払い)、Businessが年1,599ドル。

国内では、手書きを含む文字情報のデータ化と、独自の画像解析アルゴリズムによる類似図面検索を売りにするCADDi Drawerが代表格です。ただし料金は非公開で、問い合わせ・資料請求が前提。CADDi Drawerをはじめ料金を公開していない国内サービスは多く、他社事例で見た金額を前提に予算を組むのは危険です。

精度については冷静に見てください。かすれ・線の重なり・手書き寸法といった劣化要因に対する精度限界を数値で保証した公式資料は、確認できた範囲では公開されていません。PoCでは自社の最悪品質の図面を必ず混ぜること。きれいなサンプル図面だけで判断すると、本番で修正工数が跳ね上がります。文字認識の仕組みはTesseract OCRの基本的な使い方と主要コマンドの解説、レイアウトを含めて解析する新しい方式は従来OCRの限界を超えるdots.mocrのマルチモーダル解析という新発想を参照してください。

無料枠でできるAI×CADの範囲

  • Fusion Personal:年間売上1,000米ドル未満の個人による非商用利用に限り無償(ライセンス期間3年・更新可)。業務利用・企業環境での使用は不可。前述のとおりジェネレーティブデザインは対象外。
  • Zoo:APIは月10ドル相当まで無料、Design Studioの無料プランでZookeeperの推論時間が月20分。text-to-CADの感触を掴むにはこの枠で足ります。
  • Jw_cad:最新版は2026年7月1日公開のVersion 10.03.2。公式のバージョン情報・ダウンロードページにAI機能の記載は一切なく、Jw_cad自体にAI機能はありません。「Jw_cad×AI」として語られるものの実体は、AIが生成したDXFをJw_cadで開く、AIに外部変形スクリプトを書かせる、といった間接的な組み合わせです。

無料枠で検証できるのは、生成の当たり外れの感触までです。社内の図面規格や部品ライブラリに沿った出力が要るなら、その時点で有償ライセンスとトークン課金の話になります。

CADオペレーターの業務とAI代替の実際

先に断っておくと、この問いに答えられる一次情報はありません。CADオペレーターという職種に絞ってAIによる代替可能性を論じた日本の公的統計や、Autodeskの公式見解は確認できませんでした。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」には「CADオペレーター」の職業情報が掲載されていますが、AI代替に関する記述はありません。「AIに何割の仕事が奪われる」といった数字を見かけたら、その出典を必ず確認してください。

確かなのは、機能単位で何が自動化されたかという事実だけです。Smart Blocksは同じブロックを何十回も置く手作業を、Markup Assistは赤入れを目で追って打ち直す作業を、FusionやSolid Edgeの図面自動化は3Dから2D図面を起こすレイアウト作業を削ります。いずれも「判断を伴わない反復作業」に集中して当たっているのが共通点です。逆に、設計意図の決定、法規や社内規格との突き合わせ、製造現場との調整は、どのAI機能もカバー範囲に入れていません。Zooが「製造不可能あるいは安全でない設計を提案しうる」と認めているとおり、出力を検証する役割はむしろ重くなります。

導入判断の基準:どこから手を付けるか

  • ① 反復作業の実測から入る:赤入れ取り込み、ブロック配置、2D図面起こしのうち、月あたり何時間使っているかを先に測る。削減対象が測れていない導入は効果検証もできません。ここが最も重要で、以下の2つは①を実行する前提条件だと考えてください。
  • ② ライセンスと接続要件を先に確認する:Markup AssistはLT不可かつクラウド接続必須、ジェネレーティブデザインは有償かつトークン課金、SOLIDWORKSのAIコンパニオンは3DEXPERIENCE接続が前提。要件を満たさないライセンスを買ってからでは戻せません。
  • ③ 精度を自社の最悪データで検証する:図面OCRもtext-to-CADも、きれいな入力での成功例は判断材料になりません。劣化した紙図面、曖昧な指示文で試して、修正工数まで含めて損益を出します。

逆に、手を出すべきでない領域もはっきりしています。要件から完成図面を生成させる、生成AIの出力を検図なしで下流に流す、DWGを直接LLMに読ませる前提でワークフローを組む——これらは2026年7月時点の製品仕様で裏付けが取れません。AIの適用範囲は、公式ドキュメントに書かれている機能の内側に留めるのが安全です。

よくある質問

AutoCADのAI機能はLTでも使えますか?

機能によって分かれます。Smart BlocksのPlacementとAutodesk AssistantはLTでも利用できますが、Smart BlocksのReplacementとDetect and Convert(Object Detection)はLTでは利用できません。Markup Import/Markup AssistもAutoCAD LTおよびAutoCAD LT for Macでは使えず、Activity InsightsはLTではVersion activityのみの表示に制限されます。

CADのAI自動化を無料で試せますか?

試せる範囲は限定的です。Fusion Personalは年間売上1,000米ドル未満の個人の非商用利用に限られ、ジェネレーティブデザインは含まれません。Zooのtext-to-CADはAPIが月10ドル相当まで無料、Design Studioの無料プランで月20分の推論時間が使えます。業務での本格利用は有償ライセンスとトークン課金が前提になります。

GeminiにCADデータ(DWG)を読み込ませることはできますか?

できません。Gemini APIの公式ドキュメントで意味のある理解が保証されているのはPDFのみで、対応MIMEタイプにDWG・DXF・STEPは含まれていません。図面をPDFや画像に書き出して読ませることは可能ですが、PDFの各ページは画像として最大3,072×3,072ピクセルにスケールされるため、大判図面の細かい寸法値の読み取りは信頼できません。

生成AIで建築図面をそのまま作れますか?

2026年7月時点では作れません。Zooのtext-to-CADは3D形状をSTEPで生成できますが、公式FAQ自身が誤ったジオメトリや製造不可能な設計を出しうると明記しています。Autodeskのneural CADは2025年9月に発表されたものの商用提供は今後の予定で、Project Berniniは研究段階です。法規適合を保証する製品は存在しません。

ジェネレーティブデザインは生成AIと同じものですか?

違います。ベンダーはAI/機械学習という言葉で説明することがありますが(PTCの紹介ページがその例です)、実装として説明されているのはトポロジー最適化とシミュレーションのアルゴリズムです。SOLIDWORKSのTopology StudyはSIMP法による有限要素ベースの数理最適化、RevitのGenerative DesignもDynamoベースの最適化探索で、テキストから形状を発想する生成モデルではありません。LLMや機械学習が実装として使われているのは主に対話アシスタントや予測・分類系の機能です。

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