Devin(デビン)は、米Cognitionが開発する自律型のAIソフトウェアエンジニアです。チケットやSlackの依頼を受けると、クラウド上の自分専用の環境でコードを読み、書き、テストを走らせ、プルリクエストまで作ります。この記事では、2026年10月時点の公式の料金表とドキュメントをもとに、Devinでできること、Free・Pro・Max・Teamsの違い、始め方、日本語とWindowsへの対応、Devin DesktopやClaude Codeとの違いを整理します。
まとめ:Devin Cloudに作業を預ける使い方と向く条件
Devin(中心となるクラウド版のDevin Cloud)は、人が横で指示を出し続けるのではなく、完了条件のはっきりした作業を預けて、あとでプルリクエストとして受け取る使い方のAIです。公式ドキュメントは「自分なら3時間以内で終わる作業なら、Devinはおおむねこなせる」を目安にしています。料金はFree(0ドル)、Pro(月20ドル)、Max(月200ドル)、Teams(月80ドルから)、Enterprise(個別見積もり)の5つで、クラウドで動くDevin本体(Devin Cloud)とSlack・GitHub連携はProから使えます。手元のエディタで使う「Devin Desktop」(旧Windsurf)とターミナル用の「Devin CLI」も同じ契約に含まれます。テストやCI、画面操作で成否を確かめられる作業では効果が出やすい一方、仕様が決まらないまま実装まで任せる使い方や、成否を確認する手順を用意できない作業には向きません。
Devinの正体:Cognitionが開発する自律型AIソフトウェアエンジニア
Devinの開発元はCognition(CEOはScott Wu氏)です。2024年3月12日の発表記事で「最初のAIソフトウェアエンジニア」として公開され、実在のGitHub Issueを解かせるベンチマークSWE-benchで13.86%を解決したと発表しました(それまでの最高は1.96%)。この数字はCognitionが自社で、SWE-benchの問題からランダムに選んだ25%で評価した結果です。のちに作られた検証済み版(SWE-bench Verified)の数字とは単純に比べられません。
2024年の発表から2026年までの主な変化
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年3月12日 | Devinを発表 |
| 2024年12月10日 | 一般提供開始・月500ドルから |
| 2025年4月3日 | Devin 2.0・月20ドルのCoreプラン |
| 2025年7月14日 | Windsurf買収の最終合意 |
| 2026年4月14日 | Free・Pro・Max・Teamsへ料金改定 |
| 2026年4月27日 | Devin CLIを公開 |
| 2026年6月2日 | WindsurfをDevin Desktopとして刷新 |
| 2026年9月10日 | 自社モデルSWE-2を公開 |
大きな転機は2回あります。1回目はDevin 2.0で、2024年12月10日の一般提供ではチーム向けに月500ドルからだった入口が、月20ドルからになりました。2回目はAIエディタWindsurfの買収で、クラウドで任せるDevinと、手元で書くエディタが1つの製品群にまとまりました。開発元のCognitionは2026年9月8日に、20億ドル超の資金調達(企業評価額480億ドル)を公表しています。
Devin Cloud・Devin Desktop・Devin CLIの3つの入口
「Devin」という名前は、いまは次の3つをまとめて指します。料金プランの使用枠も3つで共通です。
- Devin Cloud:ブラウザやSlackから依頼し、Cognitionのクラウド上の仮想マシンで自走する本来のDevin。
- Devin Desktop:Windsurfを土台にしたデスクトップのエディタ。2026年6月2日の発表では、手元とクラウドのエージェントをまとめて管理する「Agent Command Center」を標準の画面にし、Windsurfとの後方互換を保つとしています。
- Devin CLI:ターミナルで動くローカルのエージェント。長い作業は
/handoffでクラウドのDevinへ引き継げます。
Devin Desktopのエディタとしての機能、モデルの選び方、日本語化の手順はWindsurf(ウィンドサーフ)とは?現Devin Desktopの機能・料金・使い方と日本語化【2026年10月】で詳しく扱っています。
Devinでできること:計画からプルリクエストまで
シェル・エディタ・ブラウザを備えた仮想マシンでのタスク自走
Devinのセッションには、シェル、エディタ、ブラウザを備えた仮想マシンが割り当てられます。Devinはリポジトリを読んで計画を立て、コードを変更し、テストを実行し、失敗すれば原因を調べて直します。公式の使い分けガイドによると、アプリを起動して画面を操作し、スクリーンショットや画面録画で自分の変更を確かめてからプルリクエストを出すこともできます。
公式ドキュメントが得意分野として挙げるのは、次のような作業です。
- LinearやJiraのチケット、バグ報告の再現と修正
- JavaScriptからTypeScriptへの移行、Angular 16から18への更新などの移行作業
- 使われなくなったフィーチャーフラグの削除、共通コードのライブラリ化
- ユニットテストの追加、ドキュメントの保守、プルリクエストのレビュー
Ask DevinとDeepWikiによるコードベース調査
コードを変更せずに質問や計画づくりだけを行う「Ask」モードがあります。リポジトリのコードを検索し、出典付きで仕組みを説明したうえで、実装用の指示文(プロンプト)まで組み立てます。リポジトリから自動生成されるWikiが「DeepWiki」です。Askモードの使い方とSlackからの呼び出し方はDevin Search(現Ask Devin)とは?使い方・Deep Mode・DeepWikiとSlack連携で解説しています。
Slack・Linear・Jiraからの依頼とレビューの自動化
Slackのスレッドで同僚とバグの話をしているところへDevinをメンションすると、そのスレッドの内容を受けて作業を始め、進み具合もスレッドに返します。LinearやJiraではチケットをDevinに割り当てられます。ほかに、日次・週次でセッションを起動する「Automations」と、プルリクエストを自動でレビューし、指摘やCIの失敗を自分で直す「Devin Review」があります。公開リポジトリのプルリクエストなら、URLの github.com を devinreview.com に置き換えるだけで、アカウント無しでDevin Reviewを試せます。
Devinの料金プラン(2026年10月時点)
2026年4月14日の料金改定で、旧CoreプランとTeamプラン(月500ドルから)は廃止され、次の5つになりました。表の値は公式の料金ページの比較表によります。
| プラン | 月額 | 人数 | Devin Cloud | 同時セッション |
|---|---|---|---|---|
| Free | 0ドル | 1人 | なし | なし |
| Pro | 20ドル | 1人 | あり | 最大10 |
| Max | 200ドル | 1人 | あり | 最大10 |
| Teams | 80ドルから | 最大200人 | あり | 無制限 |
| Enterprise | 個別見積もり | 制限なし | あり | 無制限 |
MaxはProと同じく同時セッションは最大10で、増えるのは使用枠の大きさです。同時に10を超えるセッションを走らせたい場合はTeams以上が必要になります。Teamsには月40ドルの「フルシート」と、月額のかからない「フレックスシート」があります。フルシートは1席ごとにProと同じ使用枠とDevin Desktopの利用権が付き、フレックスシートはチーム共有のクレジットだけで動きDevin Desktopは使えません。Teamsは月80ドルが最低額で、フルシートが2席未満のときは差額がチーム共有のクレジットとして請求されます(セルフサーブプランの説明)。SAML・OIDCのシングルサインオンや、自社のVPC内への配置はEnterpriseだけの機能です。
課金のしくみ:使用枠・クレジット・ACU
Pro・Max・Teamsでは、月額に含まれる使用枠を先に使い、超えた分を前払いの「オンデマンドクレジット」で払います。ProとTeamsのフルシートは日次と週次の枠、Maxは週次の枠だけで日次の上限がありません。クレジットは翌月に繰り越され、期限切れはありません。Enterpriseだけは契約で決めた量の「ACU(Agent Compute Unit)」を消費する方式です。
使用量の説明ページによると、消費量を決めるのは主にDevinが行う操作の数と複雑さで、仮想マシンの稼働時間は全体のわずかな部分です。返事やテスト完了を待つ間、リポジトリの準備中はほとんど消費しません。操作がない状態が続くと、既定では30分でセッションはスリープします(LiteのセッションとAPIで作ったセッションは5分。別のDevinセッションが起動した子セッションはこの例外に含まれません)。スリープ中は消費しません。Windowsのセッションは、同じ作業のLinuxより約9%多く消費します。ChatGPTのGo・Plus・Proを契約していれば、Pro・Max・Teamsではアカウントを連携してGPTモデルの分をChatGPT側の枠で払えます。
無料プラン(Free)でできる範囲
料金ページの比較表では、FreeはTab補完とインライン編集が無制限で、エージェントには少量の枠が付きます。一方で、クラウドで動くDevin Cloud、Slack・Linear・Jira・GitHubとの連携、Devin APIはProからの機能で、Freeには含まれません。自社モデルSWE-2について、料金ページはPro以上に「SWE-2の無料利用」、Freeに「低速」と記載しています。ただしモデルの説明ページでは、無料はDevin DesktopとDevin CLIで2026年11月30日までとされ、クラウドのセッションは対象外です。つまりFreeは、Devin DesktopやCLIで手元のエージェントを試す入口で、チケットをクラウドに預けるDevin本来の使い方を試すなら月20ドルのProが最低ラインです。他社のコーディングAIの無料枠と比べたい場合は無料で使えるコーディングAI比較|コード生成AIの無料枠・制限・学習利用【2026年10月】を参照してください。
Devinの使い方:最初のタスクを任せるまで
リポジトリのインデックス登録と作業環境の準備
app.devin.ai でアカウントを作り、GitHub・GitLab・Bitbucketのいずれかと接続します。最初のセッションの手順では、セッションを始める前にリポジトリをインデックス(DeepWikiの設定画面から登録)し、依存関係やツールを入れた作業環境を設定しておくよう求めています。環境は「ブループリント」という宣言的な設定で記述し、セッションが依存関係を入れた状態で起動するようにします。リポジトリに置いた AGENTS.md も、Devinへの指示として読み込まれます。
Askでの計画とAgentでの実行
セッション画面には「Ask」と「Agent」の2つのモードがあります。公式は、計画が固まっていない作業ならAskで調べて計画を立て、Devinが生成した指示文を「Send to Devin」でAgentモードへ渡す流れを勧めています。Agentモードでは、メッセージ欄のエージェント選択で性能と費用のバランスを選びます。
| エージェント | 向く作業 |
|---|---|
| Lite | 範囲の狭い簡単な作業・最も安い |
| Normal | 既定・日常の作業 |
| Ultra | 最も難しい作業・費用は大幅に高い |
| Fusion | 最先端モデルと低コストモデルの組み合わせ |
| SWE-2 | 自社モデル(研究プレビュー) |
SWE-2は2026年9月10日に公開され、9月21日からエージェント選択に研究プレビューとして加わりました。推論の深さはMedium・High・Maxから選べます。Slackでは、メッセージの先頭に !lite・!ultra・!swe2 などを付けると切り替わります。
OS別のDevin CLIインストールコマンド
手元のファイルを直接扱いたい場合はDevin CLIを使います。macOS・Linux・WSLとWindowsに対応し、インストールは次のコマンドです。
# macOS / Linux / WSL
curl -fsSL https://cli.devin.ai/install.sh | bash
# macOS(Homebrew)
brew install --cask devin-cli
# Windows(PowerShellで実行。Git BashやCMDでは動かない)
irm https://static.devin.ai/cli/setup.ps1 | iex
インストール後はターミナルを開き直し、作業するプロジェクトのディレクトリで devin と入力すると起動します。
成功率を上げる指示の書き方
Devinに渡す指示で効くのは、完了条件を書くことです。「テストがすべて通る」「既存の◯◯と同じ書き方に合わせる」「CIが緑になる」のように、Devin自身が確かめられる条件を入れます。参考にしてほしいファイル名や既存の実装、設計ファイルの場所も添えます。3時間を超えそうな作業は、互いに独立した小さなセッションに分けて並列で走らせます。終わったセッションは「Session Insights」で経過と消費量を確認でき、改善した指示文の提案も表示されます。テストの流し方やデプロイ手順のように毎回同じ説明が要るものは、リポジトリの .agents/skills/スキル名/SKILL.md に置く「Skills」にまとめます。従来の「Playbooks」はSkillsへ移行中で、2026年10月24日以降に作ったアカウントは最初からSkillsだけです。
Devinの日本語対応とWindows・macOSでの使い方
画面の日本語化とレビューコメントの言語
リリースノートによると、2026年6月17日に画面の日本語訳がすべての項目で揃い、同じ日にDevin Reviewが書くレビューコメントの言語として日本語を選べるようになりました。10月23日からは、ブラウザの言語が日本語の利用者に、画面を日本語へ切り替えるかを日本語で尋ねます。指示も日本語で書けます。コミットメッセージやブランチ名の言語をそろえたいなら、リポジトリの AGENTS.md に書いておくと毎回指示しなくて済みます。
Windows・macOS・Linuxでの利用
Devin Cloudはブラウザから使うため、手元のOSは問いません。Windowsの手元で使う場合は、Devin CLI(x86_64版とARM64版)かDevin Desktopを入れます。気をつけたいのは「Devinが作業する仮想マシン」のOSで、既定はLinux(Ubuntu)です。Windowsの仮想マシンは2026年10月時点で限定提供で、使うにはCognitionへの問い合わせが必要です。macOSの仮想マシンではXcodeとiOSシミュレーターを使え、消費量はLinuxと同じ扱いです(公式は発売記念の価格で変わりうるとしています)。
Claude Code・Cursorとの違い
3つとも手元とクラウドの両方で動く製品になりつつあり、差は「主にどこから依頼し、どこで結果を受け取るか」にあります。下の表は各製品の中心となる使い方です。
| ツール | 主な起点 | 中心の使い方 | ほかの使い方 |
|---|---|---|---|
| Devin | Slack・チケット・Web | Cloudに預けPRで受け取る | Desktop・CLIで手元作業 |
| Claude Code | ターミナル・IDE・アプリ | 対話しながら進める | クラウドのセッションに委任 |
| Cursor | AIエディタ | 書きながら補完・生成 | CLI・Cloud Agentsに委任 |
Devinの強みは、Slack・Linear・Jiraの流れにそのまま入り、チケット単位で預けた作業がプルリクエストとして返ってくる点です。コードを見ながら細かく往復したいならClaude Codeとは?できること・使い方・料金:コード解析の実力と導入手順【2026年版】、エディタで書きながら支援を受けたいならCursor Proとは|料金月20ドルの旧プランと新Premiumの違い・無料版・できること【2026年10月】が合います。ツール全体の分類はCoding Agent(コーディングエージェント)とは?仕組み・3つの型と主要ツールの料金・選び方【2026年10月】で整理しています。
データの扱いとセキュリティ
Cognitionのセキュリティ説明では、既定の状態では利用者のデータをモデルの学習に使う場合があるとしています。オプトアウトできるのは有料プランだけで、Data Controlsの設定画面でオフにすると学習に使われず、モデル提供元とのゼロデータ保持も有効になります。Teamsではこの設定を変えられるのは管理者だけです。Enterpriseは、書面での事前同意がない限り学習に使わない契約です。社外秘のコードをFreeで試すのは避けてください。
CognitionはSOC 2 Type IIの認証を2024年9月から取得しています。Devinが作ったコードは利用者の知的財産として商用に使えます(Devinと競合する製品を作るためのモデル学習に使うことは除く)。同じページで、Devinはバグや安全でないコードを入れることがあるとして、コードレビューとブランチ保護の設定を勧めています。
Devinが向くチーム・向かないチーム
ここでは、公式の使い分けガイドと料金の仕組みをもとに、当社の見方として導入の判断基準をまとめます。公式ガイドが成功の条件に挙げるのは、完了条件がはっきりしていることと、Devin自身が成否を確かめられることです。
向くのは、テストとCIがあり、チケットに完了条件を書く習慣のあるチームです。依存ライブラリの更新、テストの追加、再現手順のあるバグ修正、フィーチャーフラグの削除のように、成否をCIで判定できる作業を何本も並行で預けられます。Slackで不具合の話をしている流れから、そのまま依頼できるのも利点です。
避けたほうがよいのは、次のどれかに当てはまる場合です。
- テスト・CI・画面での確認手順のどれも用意できない作業。Devinが自分の変更の成否を確かめられず、確認の負担がすべてレビューする人に戻ります。
- 仕様や設計方針がまだ決まっていない作業。前提を誤ったまま自走し、使用枠だけが減ります。Askで計画を固めるところまでにとどめるのが安全です。
- 数行の修正を今すぐしたいだけの場面。リポジトリの準備や完了条件を書く手間のほうが大きくなるため、手元のエディタやターミナルで直すほうが手早く済みます。
- Windowsでしかビルドできないアプリ。Windowsの仮想マシンは限定提供で、使えても消費が約9%増えます。
導入するなら、まずProで1人が1つのリポジトリに絞って試し、Session Insightsで1件あたりの消費を見てから、Teamsでフルシートを配る人を決めるのが無駄の少ない順番です。社内の業務にAIエージェントを組み込む設計から相談したい場合は、当社のAIエージェント開発の支援も利用できます。
よくある質問
Devinは無料で使えますか?
Freeプラン(0ドル)があり、Tab補完とインライン編集は無制限、エージェントは少量の枠で試せます。ただし、クラウドで自走するDevin CloudとSlack・GitHub連携はProからの機能です。チケットを預ける使い方を試すなら、月20ドルのProが必要です。
Devinは日本語で使えますか?
使えます。2026年6月に画面の日本語訳がすべての項目で揃い、Devin Reviewのレビューコメントも日本語を選べます。指示も日本語で書けます。
Devin Desktopとは何ですか?Windsurfとの関係は?
CognitionがWindsurfを買収したあと、2026年6月2日にWindsurfを土台にして出したデスクトップのエディタです。手元とクラウドのエージェントをまとめて管理する画面を持ち、Windsurfとの後方互換を保っています。料金プランはDevinと共通です。
DevinとClaude Codeの違いは何ですか?
Devin Cloudはチケットを預けてプルリクエストで受け取る使い方が中心で、Slack・Linear・Jiraからそのまま依頼できます。Claude Codeはターミナル・IDE・デスクトップアプリで対話しながら進める使い方が中心で、クラウドのセッションに作業を任せる機能もあります。どちらも手元とクラウドの両方で動くため、選ぶ基準は依頼を出したい場所(Slackやチケットか、手元の画面か)と、すでに契約しているプランです。
Devinの料金はいくらで、ACUとは何ですか?
Proが月20ドル、Maxが月200ドル、Teamsが月80ドルからで、超過分は前払いのクレジットで払います。ACU(Agent Compute Unit)はEnterprise契約で使う消費の単位で、セルフサーブのプランでは使用枠とクレジットで計算します。