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Codex Securityとは?仕組み・料金・Claude Code Securityとの違い【2026年7月版】

Codex Securityは、OpenAIがコードの脆弱性を発見・検証・修正まで自動で担わせるAIアプリケーションセキュリティエージェントです。2026年3月6日にリサーチプレビューとして公開され、前身は2025年10月に私的ベータが始まったセキュリティ研究エージェント「Aardvark」。パターンマッチングに頼る従来のSAST(静的解析)と違い、フロンティアモデルの推論でコードの文脈を読み、実際に影響する脆弱性だけを優先して報告する点が核心です。本記事では仕組み・実績データ・料金と対象プラン・使い方・Claude Code Securityとの違い・導入時のデータ取り扱いを2026年7月時点の情報で整理します。なお「Codex Security」は独立した製品名で、コーディングエージェントCodex本体の権限設定や情報漏洩対策はCodex本体の始め方と情報漏洩対策の解説で扱っています。

まとめ

Codex SecurityはCodex(ChatGPTのコーディングエージェント)に含まれるセキュリティエージェントで、リポジトリを解析して脅威モデルを自動生成し、サンドボックスで再現検証したうえで実影響ベースの重大度を付け、修正パッチまで提案します。2026年7月時点でも位置づけはリサーチプレビューのままですが、公開当初の1か月無料期間は終了し、利用はCodexのトークンベースのクレジットから消費される形に移りました。対象はChatGPT Pro・Enterprise・Business・Eduで、Plusは対象外です。競合のClaude Code Securityはすでに正式提供(GA)へ移行しており、どちらを選ぶかは自社のリポジトリで検出結果を比較して判断するのが確実です。以下、仕組みと最新の実績・料金・安全対策を順に見ていきます。

Codex Securityとは──Aardvark後継のAI脆弱性エージェント

AIコーディングエージェントの普及でコード生成量が急増する一方、生成コードの安全性を確かめるレビューは人手に依存し、検査が追いつかない状態が広がっています。AI生成コードにも入力バリデーションの不備や認証ロジックの抜けは混入し、人間のコードと同じ検査が必要です。従来のSASTはCI/CDへ組み込みやすい反面、低影響の指摘や誤検知を大量に出力し、トリアージ(対応要否の判定)工数がふくらみます。OpenAI自身も、既存のAIセキュリティツールの多くが低インパクトな結果と誤検知を大量に出す点を課題として挙げています。

Codex Securityは、この検査側のボトルネックを自動化するために設計されました。前身のAardvarkは限定ベータでの改善を経てCodex Securityへ刷新され、より広い対象へ提供される段階に入っています。OpenAIでこの領域を率いるIan Brelinsky(Research Program Manager)は、狙いを「防御側を強化すること」と述べています。攻撃者がAIで脆弱性を大規模に探索する時代に、防御側が先に塞ぐための予防的アプローチという位置づけです。

発見・検証・修正の3段階フロー

Codex Securityの特徴は、単発の検出ではなく、脆弱性の発見・検証・修正を一貫して処理する点にあります。GitHubリポジトリのコードをコミット単位で解析し、システム全体の構造を理解したうえで実影響に基づく優先度を付けます。

脅威モデルの自動生成とチームによる編集

スキャンを開始すると、Codex Securityはサービス間の依存関係やデータの流れを読み取り、「そのシステムが何を行い、何を信頼し、どこが最も露出しているか」を自然言語で記述した脅威モデルを自動生成します。この脅威モデルはチームが確認・編集でき、「このエンドポイントは外部公開していない」「このライブラリは社内フォーク」といった前提を反映させると後続の検出精度が上がります。汎用スキャナにはない、プロジェクト固有のリスク評価を出発点にできる利点です。

サンドボックス環境での再現検証

脆弱性候補を検出したあと、Codex Securityはサンドボックス化した環境で実際に問題を再現するテストを行います。到達不可能なコードパスや実行時に影響しない条件分岐は、この検証で除外されます。テスト環境が用意できる場合は、動作するエクスプロイトのプルーフオブコンセプトを生成することもあり、セキュリティチームはリスクを具体的に確認できます。ルールベースツールでは難しかった検証の深さが、偽陽性の削減に直結します。

実影響ベースの重大度ランクとパッチ提案

検証を通過した脆弱性には、CVSSスコアの機械的な当てはめではなく、そのプロジェクトでの実際の影響範囲を推論した重大度が付きます。外部公開APIの認証バイパスと、内部管理画面だけの入力不備では、同種でも実質リスクが違うためです。修正は対象コードの構造やスタイルに合わせたパッチとして提案され、自然言語の説明が添えられます。適用は開発者の承認を前提とし、インターフェースからプルリクエストを作成できます。AIの提案を無条件に自動適用しないHuman-in-the-Loop設計で、リグレッションを抑えつつ修正リードタイムを短縮します。

実績データとCVE検出事例

OpenAIの公表データによると、直近30日でCodex Securityは外部リポジトリの120万件超のコミットをスキャンし、792件のCriticalと1万561件のHighを検出しました。運用改善の指標も示されており、同一リポジトリの反復スキャンでノイズが84%削減、重大度の過大報告が90%以上抑制、偽陽性率が全リポジトリ横断で50%以上低下したとされています。導入初期はノイズが多くても、蓄積される脅威モデルとフィードバックで検出が収束していくため、短期の結果だけで判断しない方が実態に合います。

具体的な成果として、OpenAIはオープンソースで計14件のCVE登録済み脆弱性を含む問題を発見したと発表しています。対象にはGnuTLS、GOGS、Thorium(CVE-2025-35430のパストラバーサル)、Chromium、PHP、libssh、OpenSSHといった広く使われるプロジェクトが含まれ、長年レビューされてきたコードベースでも新たな問題を検出できることを示しました。OpenAI社内の導入でも、SSRFやクロステナント認証バイパスといった深刻度の高い不具合の検出が報告されています。個々の脆弱性種別の内訳はOpenAIの発表に基づくもので、第三者による独立検証が公開されていない項目は数値をそのまま鵜呑みにせず、傾向値として読むのが安全です。

GPT-5.5-CyberとPatch the Planetへの展開(2026年6月)

公開後、OpenAIのセキュリティ向けモデルはGPT-5からサイバー特化のGPT-5.5-Cyber期へと進みました。2026年6月22日には、GPT-5.5-Cyberと外部の専門家レビューを組み合わせてOSSの脆弱性を大規模に修正する取り組み「Patch the Planet」が始まりました。Codex Securityの背後にあるモデルと運用は継続的に更新されているため、精度や対応範囲は公開時点から変化している前提で最新の公式情報を確認してください。

料金・対象プランと使い方

Codex Securityは独立した有料サービスではなく、ChatGPTのサブスクリプションに含まれる形で提供されます。ただし全プランで使えるわけではありません。

対象プランと課金(無料プレビューは終了)

リサーチプレビューの対象はChatGPT Pro・Enterprise・Business・Eduで、個人向けのChatGPT Plus(月額20ドル)は通常のCodexは使えてもCodex Securityの対象外です。公開当初にあった1か月の無料期間は2026年7月時点ですでに終了しており、Codex全体が2026年4月にトークンベースの利用クレジット方式へ移行したことに伴い、スキャンの利用も共有のクレジット枠から消費されます。セキュリティエージェント単体の従量単価は公式に明示されていないため、正式な料金は必ずOpenAIの公式ドキュメントで確認してください。本格運用にはPro以上、実務ではBusinessまたはEnterpriseの法人プランが前提になります。

有効化と使い方(Codex Web経由が基本)

Codex Securityのスキャンは、主にCodex Webインターフェース経由のクラウドタスクとして提供されます。GitHubリポジトリを接続し、Web画面上でスキャン設定・結果確認・パッチ適用までを操作する流れです。日常のコード生成はCodex CLIやIDE拡張(JetBrainsを含む主要IDEに対応)で行い、定期的なセキュリティスキャンはWeb経由で回す、という使い分けが現実的です。Codex本体の導入手順はCodexの概要と料金・モデルの解説、Windows環境での導入はWindows版Codexの使い方を参照してください。

Claude Code Securityとの違いと選定基準

ほぼ同時期に、AnthropicもClaude Code Securityを公開しました。どちらもパターンマッチングではなくモデルの推論でコードの相互作用やデータフローを意味的に理解し、文脈依存の脆弱性を検出する点は共通します。大きな差は提供ステージと運用の入り口です。Claude Code Securityは2026年2月20日の限定プレビューから公開ベータを経て、2026年7月時点では正式提供(GA)へ移行しました。自動セキュリティレビュー機能は個人向けのPro/Maxプランやトークン従量課金のAPIからも利用でき、組織全体への展開はEnterprise中心です。一方Codex Securityはリサーチプレビューのままで、対象は法人系プラン中心です。

比較項目 Codex Security(OpenAI) Claude Code Security(Anthropic)
公開 2026年3月6日 2026年2月20日
2026年7月の位置づけ リサーチプレビュー 正式提供(GA)
主な対象 Pro・Enterprise・Business・Edu Pro・Max・API・Enterprise
検証手法 サンドボックス再現テスト 敵対的検証(自己反証)
脅威モデル編集 対応 明示的な記載なし
実行の入り口 Codex Web・GitHub連携 CLIコマンド・GitHub Action

Claude Code Securityはターミナルの/security-reviewコマンドによるオンデマンドスキャンと、GitHub Actionでプルリクエストに自動レビューコメントを付ける方式に対応し、OSS横断で500件超の未知の重大脆弱性を検出したと報告されています。すでにChatGPTのビジネス系プランを使いOpenAIエコシステムで運用したいならCodex Security、CI/CDへのCLI・GitHub Actionネイティブ統合や個人プランでの利用を重視するならClaude Code Securityが向きます。両者ともプレビュー由来の仕様変更が続くため、可能なら双方を自社リポジトリで試し検出結果を突き合わせるのが最も確実な選定プロセスです。

既存SAST・SCAツールとの併用設計

Codex Securityは従来のSASTやSCA(依存関係解析)を置き換えるものではなく、役割分担で併用すると検出カバレッジが最大化します。SonarQubeやSemgrepはSQLインジェクションやXSS、ハードコードされた認証情報など既知パターンを高速に網羅するのが得意で、CI/CDの初段で機械的に潰す用途に向きます。SnykやDependabotは依存ライブラリの既知脆弱性を監視します。Codex Securityの強みは、これらでは見つけにくいビジネスロジックの欠陥やアクセス制御の設計ミス、コンポーネント間の相互作用に起因する脆弱性です。実行順序は次のように後段へ置くと、前段で潰せる問題を絞ってから推論型の検査を回せます。

  1. リンター・フォーマッター(構文エラーの排除)
  2. SAST(SonarQube・Semgrepなど既知パターンの検出)
  3. SCA(Snyk・Dependabotなど依存ライブラリの脆弱性)
  4. Codex Security(文脈依存の脆弱性・ロジック欠陥)
  5. 統合テスト・E2Eテスト

推論を伴うCodex Securityはパターン型より実行時間が長くなりやすいため、全コミットの毎回フルスキャンより変更差分を対象にする運用が現実的です。複数ツールを併用すると同一箇所のアラートが重複するので、ファイルパス・行番号・種別をキーにした重複排除ルールと、各ツールの担当領域のドキュメント化をあわせて用意しておくと、トリアージの無駄を防げます。

コードを預ける際の安全性とデータ取り扱い

ソースコードは中核の知的財産であり、外部のAIプラットフォームへ送る以上、検出精度だけでなくデータの扱いを導入前に確認する必要があります。「codex 危険性」「codex 情報漏洩」といった不安に直結する部分です。

サンドボックスとシークレット管理

Codex Cloudのタスクは、ホスト環境や無関係なデータから隔離されたコンテナで実行されます。実行は依存関係を導入する「セットアップフェーズ」(ネットワーク許可)と、その後の「エージェントフェーズ」(デフォルトでオフライン)に分かれ、明示的に有効化しない限り外部通信は遮断されます。APIキーなどのシークレットはセットアップ完了時に環境から削除され、エージェントフェーズ開始前に除去されるとドキュメントに記載されています。渡す場合も最小権限のトークンにし、不要になったら失効させる運用を併用してください。

データ学習除外とプロンプトインジェクション対策

Business・Enterpriseプランでは、ビジネスデータをモデルの学習に使用しないことがOpenAIの利用規約で明示されています。Enterpriseでは、OpenAIのドキュメントによればSSOやSOC 2 Type 2準拠、データ保持期間・リージョンの指定にも対応します。Web検索はデフォルトでキャッシュ済みインデックスから返す方式で、ライブ取得は明示的に有効化する必要があります。ライブ取得やフルネットワークアクセスを有効にすると、外部の未信頼コンテンツに含まれるプロンプトインジェクションに曝されるため、OpenAIはWeb検索結果を非信頼として扱うよう求めています。セキュリティスキャン用途では、原則オフラインまたはキャッシュモードで、対象をリポジトリ内のコードに限定するのが安全です。

AIセキュリティツール自体のリスクも織り込む

AIエージェント型のセキュリティツールは、それ自体が新しい攻撃面になり得ます。2026年6月にはMicrosoftが、AnthropicのClaude Code向けGitHub Actionが未信頼のGitHubコンテンツを処理する際にCI/CDのシークレットを漏えいし得る問題を開示しました(Claude Code 2.1.128で修正済み)。これはCodexの問題ではありませんが、「AIにコードとCI/CD権限を渡す」構図自体が持つリスクの実例です。導入時は、エージェントに与えるトークン権限を最小化し、外部情報に基づく自動コード変更を無条件に許さない運用を徹底すべきです。Codex本体に広い権限を与える場合の情報漏洩対策はCodexの権限設定と情報漏洩対策で具体的に扱っています。

よくある質問(FAQ)

Q. Codex Securityとは何ですか?

OpenAIが提供するAIアプリケーションセキュリティエージェントで、前身はAardvarkです。リポジトリを解析して脅威モデルを自動生成し、サンドボックスで再現検証したうえで実影響ベースの重大度を付け、修正パッチまで提案します。パターンマッチングではなくモデルの推論で文脈依存の脆弱性を検出する点が従来のSASTと異なります。

Q. Codex Securityは無料で使えますか?

公開当初(2026年3月)は1か月間の無料期間がありましたが、2026年7月時点では終了しています。Codex全体がトークンベースの利用クレジット方式へ移行したため、スキャン利用も共有クレジットから消費されます。位置づけはリサーチプレビューのままで、正式な料金は今後の発表次第です。

Q. ChatGPT Plusでも使えますか?

使えません。対象はChatGPT Pro・Enterprise・Business・Eduで、Plusは通常のCodex(コード生成)には対応してもCodex Securityの対象外です。セキュリティスキャンを使うには上位プランが必要です。

Q. Claude Code Securityとの違いは何ですか?

技術思想は近く、どちらも推論で文脈依存の脆弱性を検出します。大きな違いは提供ステージで、Claude Code Securityは2026年7月時点で正式提供(GA)に移行し個人向けPro/MaxやAPIから使えるのに対し、Codex Securityはリサーチプレビューで法人系プラン中心です。検証手法もサンドボックス再現(Codex)と敵対的検証(Claude)で異なります。

Q. Codex Securityにコードを渡して情報漏洩しませんか?

タスクは隔離コンテナで実行され、エージェントフェーズはデフォルトでオフライン、シークレットはセットアップ後に削除されます。Business・Enterpriseではデータが学習に使われないことが明示されています。ただし権限やネットワークを広げるほどリスクは増えるため、最小権限のトークンとオフライン運用が前提です。Codex本体の情報漏洩対策はこちらの解説を参照してください。

Q. Codex Securityはどう使い始めますか?

対象プランに加入したうえで、Codex WebインターフェースからGitHubリポジトリを接続し、Web画面上でスキャンを実行します。日常のコーディングはCLIやIDE拡張、セキュリティスキャンはWeb経由という使い分けが基本です。

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