LTX-2.3は、イスラエルのLightricksが2026年3月5日に重みを公開した、22B(公開時の発表文では209億)パラメータの音声付き動画生成モデルです。1つのモデルで映像と音声を同時に作り、公式APIなら最大4K・50fps、720pか1080pの24・25fpsで1本20秒まで出せます。2026年8月11日に後継のLTX-2.5が出たいま、2.3を選ぶ理由は2つに絞られます。720p・1080pのAPI単価が2.5の半分以下であること、2.3向けのLoRA資産や2.3専用のDub-It・Foleyを使うことです。この記事では、スペック、必要VRAMとディスク容量、ライセンスとAPI料金、LTX-2.5や他社モデルとの違いを、配布ファイルと公式ドキュメントの数値で整理しました。プロンプトの書き方やComfyUIでの動かし方はLTX-2.3のプロンプトの書き方と使い方にまとめています。
まとめ:LTX-2.3のスペック・VRAM・料金の要点
- モデル:22BのDiT(Diffusion Transformer)で、映像と音声を1回の推論で同時に生成します。前世代のLTX-2は19Bでした。テキストエンコーダーはGemma 3 12Bです。
- 上限:公式APIのFastは720p・1080pの24・25fpsで最大20秒、48・50fpsや1440p・4Kでは最大10秒です。Proは最大10秒です。ローカル実行では幅と高さを32の倍数、フレーム数を「8の倍数+1」にします。
- 必要VRAM:LTXの現行の要件ページ(LTX-2.5向け)は最小32GB以上です。bf16の本体だけで46.15GBあるため、FP8版やGGUF量子化版とオフロードの併用が前提で、ディスクは約80GB使います。
- 料金:重みは年商1,000万ドル未満なら無料で商用利用でき、それ以上は有償の商用契約が必要です。LTXの製品と直接競合するサービスへの組み込みは、売上にかかわらず別途契約が要ります。公式APIは1080pで1秒0.06ドル(Fast)・0.08ドル(Pro)で、720p・1080pではLTX-2.5の半額以下です。
- 選び方:新規に始めるなら公式が推奨するLTX-2.5、2.3向けのLoRAや2.3専用ワークフローを使う場合とAPI単価を抑えたい場合は2.3です。人物表現の品質を重視するなら、Veo 3.1やGemini Omni Flashと同じプロンプトで見比べてから決めます。
数値は2026年10月18日に各公式ページで確認したものです。料金とファイル構成は更新されることがあるため、契約前に公式の料金表で確かめてください。
LTX-2.3とは:Lightricksの22B音声付き動画生成モデル
LTX-2.3は、2026年1月に公開されたLTX-2の改良版です。LTXの公式リリースノートには、パラメータを19Bから22Bに増やしたこと、映像と音声を1回の順伝播で同期して生成すること、最大4K・50fps・1クリップ最大20秒であることが並んでいます。開発元はLightricksで、2026年7月には開発チームが別会社LTXとして独立したとGIGAZINEが報じています。
映像と音声を同時に作る二重ストリーム構成
土台になっているのは、LTX-2の論文で示された非対称の二重ストリームTransformerです。LTX-2では映像側に14B、音声側に5Bのパラメータを割り当て、両者を双方向のクロスアテンションでつないでいます。映像を作ってから効果音やセリフを後付けする方式と違い、口の動きと発話、足音と着地のタイミングを生成の段階でそろえられます。2.3で22Bに増えた分の内訳は公開されていません。
2.3での変更点として、リリースノートは映像VAEの作り直し(髪・布・金属の反射の再現)、ボコーダーの更新と24kHzステレオ音声への対応、テキストとモデルをつなぐ層の4倍化によるプロンプト追従の改善、縦型9:16のネイティブ生成を挙げています。縦型は横長を切り抜くのではなく縦の学習データで作っており、製品ページでは最大1080×1920とされています。
dev・distilled・アップスケーラーの役割
Hugging FaceのLTX-2.3リポジトリには、用途の違うファイルが並んでいます。2026年10月18日にHugging FaceのAPIで取得したファイル容量と合わせると次のとおりです。
| ファイル | 役割 | 容量 |
|---|---|---|
| ltx-2.3-22b-dev | 本体(学習・2段生成向け) | 46.15GB |
| ltx-2.3-22b-distilled-1.1 | 8ステップ・CFG=1の蒸留版 | 46.15GB |
| ltx-2.3-22b-distilled-lora-384-1.1 | devに蒸留効果を足すLoRA | 7.61GB |
| ltx-2.3-spatial-upscaler-x2-1.1 | 潜在の解像度を2倍 | 1.00GB |
| ltx-2.3-spatial-upscaler-x1.5-1.0 | 潜在の解像度を1.5倍 | 1.09GB |
| ltx-2.3-temporal-upscaler-x2-1.0 | フレームレートを2倍 | 0.26GB |
devは学習に使えるフルモデルで、品質を詰める2段生成では、devで1段目を生成し、アップスケーラーで潜在の解像度を上げたあと、devに蒸留LoRAを当てて2段目で仕上げます。distilledは8ステップで終わる高速版で、ネガティブプロンプトが効かないCFG=1が前提です。蒸留版は無印の1.0と1.1があり、モデルカードは1.1を「見た目の傾向が異なり、音声が改善した版」と説明しています。GitHubのLTX-2.3モデル一覧はdevとdistilled-1.1の2つから選ぶ構成になっており、これから落とすなら1.1を選びます。旧版の2倍アップスケーラー(x2-1.0)は2026年8月にリポジトリから消えているため、古いワークフローで「ファイルが見つからない」と出たらx2-1.1に差し替えます。
LTX-2.3のスペック:解像度・fps・尺の上限
「4K・50fps・20秒」は同時に満たせる組み合わせではありません。LTX公式APIのモデル仕様では、Fastで20秒まで選べるのは720pと1080pを24fpsか25fpsで作る場合だけで、48・50fpsや1440p・4Kでは6・8・10秒の3択になります。高品質なProは解像度とfpsを問わず6・8・10秒です。音声からの動画生成、部分的な作り直し(Retake)、延長(Extend)はProでしか使えません。
| 項目 | API Fast | API Pro |
|---|---|---|
| 解像度 | 720p・1080p・1440p・4K | 720p・1080p・1440p・4K |
| fps | 24・25・48・50 | 24・25・48・50 |
| 尺(24・25fps、1080p以下) | 6〜20秒(2秒刻み) | 6・8・10秒 |
| 尺(48・50fps、1440p・4K) | 6・8・10秒 | 6・8・10秒 |
| 入力 | テキスト・画像 | テキスト・画像・音声・動画 |
縦型(9:16)もAPIでは720×1280から2160×3840まで、横長と同じ4段階で指定できます。20秒の尺が要るなら、Fastで720pか1080pを24fpsか25fpsで作るしかありません。
ローカル実行時の解像度とフレーム数の決め方
自分のGPUで動かす場合、モデルカードの注意書きは「幅と高さは32で割り切れる値、フレーム数は8で割って1余る値」です。外れる値を使いたいときは、条件を満たすサイズで生成してから切り出します。1080は32で割り切れないため、フルHDは1920×1088で作って1080に切り出すのが定石です。4Kも同じで、GitHubのREADMEは高さに2160ではなく2176を指定する例を載せています(LTX-2.5のDFRの例ですが、32の倍数という条件は2.3も同じです)。
24fpsや48fpsなら「秒数×fps+1」がそのまま条件を満たします。24fpsで5秒なら121フレーム(8×15+1)、20秒なら481フレーム(8×60+1)です。25fpsや50fpsでは秒数×fpsが8で割り切れないことが多いため、近い「8の倍数+1」に丸めます(25fpsで約5秒なら121フレーム)。
LTX-2.3の必要VRAMとディスク容量
PyTorch実装向けにLTX-2.3だけを対象にした最小VRAMは示されていません。LTXのシステム要件は冒頭でLTX-2.5向けと明記したうえで、最小をNVIDIA GPUのVRAM 32GB以上・メインメモリ32GB・空きストレージ100GB・CUDA 12.7以上・Python 3.12以上、推奨をA100(80GB)かH100としています。2.3も同じ22Bのモデルなので、32GBは2.3でも目安になります。ただしbf16の本体(46.15GB)は32GBにも収まらないため、32GBのGPUでもFP8化かCPUオフロードを併用する前提です。
公式アプリのLTX Desktop(ローカル生成は2.5 Fastと2.3 Fast)は、GitHubのREADMEでCUDA GPUのVRAM 15GiB以上、製品ページで24GB以上(推奨32GB)を要件にしており、両者の値は一致していません。READMEは16GBのGPUについて、ローカルで動くもののFastの720p・20秒や1080p・10秒は提示しないとしています。
量子化版のファイル容量から見るVRAMの目安
VRAMが32GBに届かないGPUで動かせるかは、「本体の重みがVRAMに載るか」でおおよそ決まります。公式のFP8版・NVFP4版と、コミュニティが配布するGGUF版の容量は次のとおりです(2026年10月18日、Hugging Face APIで取得)。
| 形式 | 配布元 | 本体の容量 |
|---|---|---|
| bf16(dev・distilled) | Lightricks | 46.15GB |
| FP8(dev・distilled) | Lightricks | 29.15GB・29.53GB |
| NVFP4(dev・Blackwell専用) | Lightricks | 21.70GB |
| GGUF Q8_0 | unsloth・QuantStack | 22.76GB・25.50GB |
| GGUF Q6_K | unsloth・QuantStack | 17.77GB・21.01GB |
| GGUF Q4_K_S | unsloth・QuantStack | 13.12GB・16.71GB |
| GGUF Q2_K(distilled-1.1) | unsloth | 7.94GB |
同じQ4_K_Sでも容量が違うのは、dev・distilledの差ではなく配布元の量子化レシピの差です。検索されることの多いltx-2.3-22b-dev-Q4_K_S.ggufはunslothの13.12GB、LTX-2.3-distilled-Q4_K_S.ggufはQuantStackの16.71GBです。GGUFは本体のTransformerだけを収めており、bf16版に同梱されているVAEとテキスト用コネクタは別ファイル(unslothの配布で計約4.1GB)です。NVFP4は公式の最適化ドキュメントでBlackwell世代(SM 10以上)が必要とされています。
本体のほかに、テキストエンコーダーのGemma 3 12Bが要ります。Lightricksが案内している版は約24.4GBあり、ComfyUI用に再配布されたFP8版でも13.21GBです。エンコーダーはプロンプトを読む最初の一瞬しか使わないので、CPUのメインメモリに逃がせばVRAMを本体と潜在表現に回せます。
この容量から言える目安は次のとおりです。24GBのGPU(RTX 4090など)ではFP8版の29GBも丸ごとは載りません。Q6_K(unsloth 17.77GB・QuantStack 21.01GB)かunslothのQ8_0(22.76GB)を選ぶか、FP8版を一部メインメモリへ逃がします。QuantStackのQ8_0(25.50GB)は24GBに収まりません。16GBのGPUはunslothのQ4_K_S(13.12GB)が現実的な上限で、生成中の潜在表現の分も残すと720p・短尺が中心になります。unslothのQ2_K(7.94GB)は本体だけで8GBのVRAMをほぼ使い切るため、8GBのGPUではVAEや作業領域をメインメモリに逃がしても実用は難しく、API経由が現実的です。公式のPyTorch実装でも、メモリが足りない場合は--quantization fp8-cast --offload cpuのようにFP8化とオフロードを組み合わせるよう案内されています。具体的なファイル名とComfyUIでの組み合わせはLTX-2.3のプロンプトの書き方と使い方で扱っています。
ディスク容量と対応OS
bf16で品質重視の2段生成を組むと、dev(46.15GB)、Gemma 3 12B(約24.4GB)、蒸留LoRA(7.61GB)、2倍アップスケーラー(1.00GB)で約79GBになります。distilled-1.1(46.15GB)とGemma 3 12Bにアップスケーラーを足すだけの構成でも約72GBです。
公式のPyTorch実装の動作確認環境はNVIDIAのGPU(CUDA 12.7超)で、Mac(MPS)やAMDのGPUは公式の要件に含まれていません。MacではLTX Desktopを使えばApple Siliconでローカル生成ができ、READMEの下限は総メモリ32GiB、製品ページは48GB以上で、32GBの機種は540p・5秒までの制限付きとしています。Intel Macや下限未満の機種はAPI経由になります。
LTX-2.3の料金:ライセンス条件とAPI単価
重みを自分で動かすならライセンス、APIで買うなら解像度別の1秒単価が費用を決めます。
年商1,000万ドル未満は無料のLTX-2コミュニティライセンス
Hugging Faceのリポジトリに同梱されているLICENSEは「LTX-2 Community License Agreement」(2026年1月5日付)です。年間売上が1,000万ドル以上の事業体は有償の商用ライセンスを結ぶ必要があり、売上はグループ会社を合算して判定します。未満であれば、生成した動画を商用に使うことも、モデルを改変して自社サービスに組み込むことも無料でできます。ただし未満の利用者も別表Aの禁止用途に従う必要があり、その第20項は、LTXの商用製品と直接競合する、または置き換えを狙う製品・サービスに使う場合は、売上にかかわらず別途の商用ライセンスを求めています。LTX-2.3を組み込んだ動画生成APIやSaaSを外部に売る計画なら、ここに当たらないかを先に確認してください。第18項は、商用目的でLTX-2を使って他のAIモデルを学習・改良することも禁じているため、生成した動画を自社モデルの学習データに回す場合も対象になりえます。
fal.aiのページはLTX-2.3を「Apache 2.0」と表記していますが、公式のリリースノートと発表文でApache 2.0とされているのはデスクトップアプリのLTX Desktopで、モデルの重みではありません。モデルカードの利用条件リンクもLTX-2.5以降向けの文書を指しているため、2.3はリポジトリ内のLICENSEファイルで判断します。
公式APIとfal.aiの1秒単価
LTX公式APIの料金表は、生成した動画の秒数に対して課金します。LTX-2.3の単価は次のとおりです。
| 解像度 | 2.3 Fast | 2.3 Pro | 2.5 Fast(参考) |
|---|---|---|---|
| 720p | 0.03ドル | 0.04ドル | 0.09ドル |
| 1080p | 0.06ドル | 0.08ドル | 0.13ドル |
| 1440p | 0.12ドル | 0.16ドル | 0.19ドル |
| 4K | 0.24ドル | 0.32ドル | 0.30ドル |
音声から動画を作るaudio-to-videoはProのみで1080p・1秒0.10ドル、RetakeとExtendも1080pで1秒0.10ドルです。課金の基準は、audio-to-videoが入力音声の秒数、Retakeが入力動画の秒数、Extendが延長部分に参照フレームを足した分(上限505フレーム)です。fal.aiもtext-to-videoのProが1080pで1秒0.08ドル、Fastが0.06ドル、音声入力と延長が0.10ドルで、公式と同じ水準です。1080pの10秒クリップならFastで0.60ドル、Proで0.80ドル、同じ条件のLTX-2.5 Fastは1.30ドルになります。
APIと自社GPUのどちらが安いかは、生成量と解像度で決まります。Proの1080pを1時間分(3,600秒)作ると288ドルです。生成量が多いほど、また社外に出せない素材を扱うほど、32GB以上のGPUを確保して重みを自分で動かす利点が大きくなり、試作や少量の生成ならAPIで足ります。社内で動画生成を業務に組み込む際の環境選定やガバナンスは、生成AI導入支援で相談を受けています。
LTX-2.3とLTX-2.5の違い
2026年8月11日公開のLTX-2.5は、同じ22Bのまま中身を大きく入れ替えた後継です。公式のGitHubリポジトリは2.5を推奨モデルとし、2.3を「Legacy」の扱いにしています。
| 項目 | LTX-2.3 | LTX-2.5 |
|---|---|---|
| 公開日 | 2026年3月5日 | 2026年8月11日 |
| テキストエンコーダー | Gemma 3 12B(別途取得) | LTX向けに調整したGemma 4 12B(同梱) |
| ファイル構成 | 1ファイルに本体・VAEを同梱 | 部品ごとに分割 |
| マルチショット | なし | あり |
| 尺の自動決定 | なし | あり |
| API 1080p Fast | 1秒0.06ドル | 1秒0.13ドル |
2.5はシーンをまたいで人物や照明を保つマルチショット生成、内容から尺を決める自動デュレーション、拡散モデルによる映像デコーダーを追加しました。一方でGitHubのREADMEは、2.3と2.5のファイルに互換性がなく、LoRAは学習したモデルで使うものとしています。公式のワークフロー互換表も、ワークフローやモデルカードが明示した例外を除き、2.3と2.5の資産を分けるよう求めています。自分で2.3向けに学習したLoRAがある場合や、2.3専用のワークフローとして提供されているDub-It(吹き替え)・Foley(効果音生成)を使う場合は2.3に残ることになります。深度・ポーズ制御(Union Control)やHDR化には2.5版のワークフローがあります。
これから始めるなら2.5を選び、2.3に残るのは2.3専用のLoRA資産やワークフローを使う場合と、720p・1080pのAPI単価を抑えたい場合に限ります。2.3を使い続けるかの判断とLTX Desktopでの切り替えはLTX-2.3の使い方の記事で扱っています。
Veo 3.1・Gemini Omni Flash・Wan 2.2との比較
比較の前提として、OpenAIのSora 2はアプリが2026年4月26日、APIが9月24日に停止しており、もう選択肢にはなりません(経緯はSora 2の終了はいつかを解説した記事にまとめています)。いま比べる相手は、Googleのクローズドなモデルと、重みが公開されている他社モデルです。
| モデル | 重みの公開 | 音声の同時生成 | 1080pの1秒単価(API) |
|---|---|---|---|
| LTX-2.3 | あり(年商条件付き) | あり | 0.06〜0.08ドル |
| Veo 3.1 | なし | あり | Lite 0.08ドル・Fast 0.12ドル・標準 0.40ドル |
| Gemini Omni Flash | なし | あり | 720p換算で約0.10ドル |
| Kling 3.0(fal.ai経由) | なし | あり | 解像度指定なし・0.126〜0.168ドル |
| Wan 2.2(A14B) | あり(Apache 2.0) | なし | 自社GPUで実行 |
Veo 3.1の単価はGemini APIの料金表、Kling 3.0はfal.aiのKling 3.0のページによるもので、Veo 3.1はGemini API(プレビュー版)の価格です。fal.aiのKling 3.0は解像度の指定がなく、音声ありでStandard 1秒0.126ドル・Pro 0.168ドル、音声なしなら0.084ドル・0.112ドルの一律料金です。Kling本家の直販APIの単価は公開ページで確認できませんでした。Gemini Omni Flashは720pの出力トークンで換算した値で、1080p以上はアップスケールになります。同じ音声付き1080pで比べると、LTX-2.3 Fastの1秒0.06ドルはVeo 3.1 Fastの半分です。なおGemini API上のVeo 3.1は、廃止予定表で早ければ2026年10月22日に停止するとされ、後継はGemini Omni Flash(gemini-omni-1.1-flash)です。Omni Flashの特徴はGemini Omni Flashの解説記事で扱っています。
重みが公開された動画モデルで比べると、AlibabaのWan 2.2はApache 2.0で売上による制限がなく、総27B・推論時14Bの2エキスパート構成です。標準の生成は映像だけなので、音声を付けるなら別の工程が要ります。セリフや効果音まで1回で作りたいならLTX-2.3、ライセンスの制約を避けたいならWan 2.2という分け方になります。Wan 2.2の動かし方はWan2.2の使い方を参照してください。
LTX-2.3を選ぶべきでない場面
次の3つに当てはまるなら、LTX-2.3以外を先に検討します。1つ目は、年商1,000万ドル以上の企業が商用契約を結ばずに使う場合です。ライセンス違反になるため、Wan 2.2のようなApache 2.0のモデルか、APIの従量課金を選びます。2つ目は、VRAM 16GB未満のGPUで1080pの長尺を作りたい場合です。量子化とオフロードを重ねても生成時間と画質の両方を犠牲にするので、API(1080p Fastで1秒0.06ドル)の方が結果的に安くつきます。3つ目は、人物の肌や表情の自然さが成果物の価値を左右する広告・PR映像を、1つのモデルだけで決めてしまう場合です。Veo 3.1やGemini Omni Flashと同じプロンプトで見比べてから決めてください。複数のサービスを業務利用の観点で比べた動画生成AIランキングも判断材料になります。
よくある質問
LTX-2.3はVRAM 16GBのGPUで動きますか?
動きますが、量子化版が前提です。bf16の本体は46.15GB、公式のFP8版でも29.15GBあるため、16GBではunslothのGGUF Q4_K_S(13.12GB)などを選び、テキストエンコーダーのGemma 3 12BはCPU側に逃がします。生成中の作業領域も要るため、720pの短尺から始めます。
LTX-2.3のdevとdistilledの違いは何ですか?
devは学習や2段生成に使うフルモデル、distilledは8ステップ・CFG=1で動く高速版です。ファイル容量はどちらも46.15GBで、distilledはステップ数が少ない分だけ速く生成できます。CFG=1のためネガティブプロンプトは効きません。蒸留版を落とすなら、音声が改善されたdistilled-1.1を選びます。
LTX-2.3は商用利用できますか?
年間売上が1,000万ドル未満の個人・企業なら、禁止用途に当たらない範囲で無料で商用利用できます。ただしLTXの商用製品と直接競合するサービスに組み込む場合は、売上にかかわらず別途の商用ライセンスが必要です。1,000万ドル以上の企業は、LTX-2 Community Licenseに基づき有償の商用ライセンスが必要です。売上はグループ会社を合算して判定します。APIで生成する場合は、ライセンスではなくAPIの利用規約と従量料金に従います。
LTX-2.3とLTX-2.5はどちらを使うべきですか?
新しく始めるならLTX-2.5です。公式リポジトリも2.5を推奨しています。2.3を使うのは、2.3向けに学習したLoRAや2.3専用のDub-It・Foleyを使う場合と、APIの単価を抑えたい場合です。1080pのFastで比べると、2.3は1秒0.06ドル、2.5は0.13ドルです。両者のファイルに互換性はなく、LoRAも原則として学習したモデルでしか使えません。
LTX-2.3はMacで動きますか?
公式のPyTorch実装はNVIDIAのGPU(CUDA)を前提にしています。MacではLTX Desktopを使えばApple Siliconでローカル生成ができますが、製品ページの要件は総メモリ48GB以上で、32GBの機種は540p・5秒までに制限されます。Intel MacではAPIを使います。