Claude Sonnet 4.6は、Anthropicが2026年2月17日に公開したSonnetティアのモデルです。「以前はOpusが必要だった処理をSonnet価格で動かす」ことを狙い、SWE-bench Verifiedで79.6%を出しました。その後、2026年6月30日に後継のClaude Sonnet 5が登場し、さらに9月28日にはSonnet 5.5が現行Sonnetになっています。比較で見落とされやすいのは料金です。Sonnet 5の入力2ドル/出力10ドル(100万トークンあたり)は導入価格から恒久価格に変わり、単価だけ見ればSonnet 4.6(3ドル/15ドル)より安くなりました。この記事では、Sonnet 4.6とSonnet 5の違いを料金・トークン数・思考の既定・API仕様の4点で比べ、トークン数を実測するコードと、4.6に残すか移るかの判断基準まで示します(数値は2026年10月時点の公式ドキュメントで確認)。
まとめ:Claude Sonnet 4.6とSonnet 5の違いと移行判断の結論
- 位置づけ:Sonnet 4.6・Sonnet 5はどちらもLegacy(提供は継続)。現行のSonnetはSonnet 5.5です。
- 料金:Sonnet 4.6は3ドル/15ドル、Sonnet 5は2ドル/10ドル。Sonnet 5の値上げ予定は取りやめになりました。
- トークン数:Sonnet 5は新トークナイザで、同じ文章が1.0〜1.35倍のトークンになります。それでも最大1.35倍で単価差(約0.67倍)を相殺しきれず、同じ文章の課金額はSonnet 5のほうが小さくなります。
- 挙動:Sonnet 5は思考(adaptive thinking)が既定でオン、temperature等の非既定値は400エラー。Sonnet 4.6は思考が既定でオフです。
- 結論:新規開発でSonnet 4.6を選ぶ理由はほぼありません。4.6に残すのは、Google Cloudの地域エンドポイントが必要な場合や、検証済みパイプラインを2027年2月まで固定したい場合に限られます。
Claude Sonnet 4.6の基本仕様と2026年10月時点の提供状況
Sonnet 4.6の設計思想とOpus級の処理をSonnet価格で動かす狙い
Sonnet 4.6は、Opus 4.6の投入から間もなく公開されました。Anthropicの発表は「以前ならOpusクラスに手を伸ばす必要があった性能が、Sonnet 4.6で使える」と説明しています。最上位のOpusを立てる場面を減らし、日常のコーディングやエージェント処理を一段安いSonnetに寄せるコスト設計です。
公開時点で料金はSonnet 4.5から据え置きの3ドル/15ドル、claude.aiのFree/Proプランでは既定モデルになりました。公式のモデルページによると、コンテキストは100万トークン、同期APIの最大出力は12.8万トークン、信頼できる知識のカットオフは2025年8月です。
Sonnet 4.5からの改善点とClaude Code利用者の選好70%の中身
Sonnet 4.5からの伸びは、選好データに表れています。Anthropicの初期検証では、Claude Code利用者のおよそ70%がSonnet 4.5よりSonnet 4.6の出力を選び、2025年11月の最上位だったOpus 4.5と比べても59%の場面でSonnet 4.6が選ばれました。理由として挙がったのは、コードを書き換える前に文脈を読む、共通ロジックを重複させずにまとめる、過剰な作り込みと手抜きが少ない、の3点です。
前世代のSonnet 4.5は2026年11月30日にAPIで退役する予定で、移行先はSonnet 5.5が指定されています。4.5の仕様と移行手順はClaude Sonnet 4.5の解説記事にまとめています。
Legacy扱いでも提供継続、2027年2月17日まで退役しない約束
Sonnet 4.6は、モデルの廃止スケジュール上はActive(legacy)です。退役は「2027年2月17日より前には行わない」と明記されています。Sonnet 5の同じ約束は2027年6月30日なので、残り期間はSonnet 5のほうが4か月ほど長い計算です。
この「最短でも2027年2月まで使える」という約束は、移行計画の締め切りとして読むのが実務的です。実際の退役日は告知で確定するため、2026年度内に移行を予算化しておかないと、告知が出てから慌てて移行する状態になりかねません。
Sonnet 4.6とSonnet 5の違いを料金・トークン・思考の既定で比較
料金はSonnet 5のほうが安い、2ドル/10ドルが恒久価格に変わった経緯
Sonnet 5は公開時、「2ドル/10ドルは2026年8月31日までの導入価格で、9月1日から3ドル/15ドルに戻る」と案内されていました。公式の料金ページの注記と発表記事の変更履歴(2026年8月10日付)では、この値上げが取りやめになり、2ドル/10ドルが標準価格になっています。
| 項目(100万トークンあたり) | Sonnet 4.6 | Sonnet 5 |
|---|---|---|
| 入力 | 3ドル | 2ドル |
| 出力 | 15ドル | 10ドル |
| キャッシュ書き込み(5分) | 3.75ドル | 2.50ドル |
| キャッシュ読み込み | 0.30ドル | 0.20ドル |
| Batch API(入力/出力) | 1.50/7.50ドル | 1/5ドル |
旧情報のまま「同額なら挙動が固定された4.6で十分」と判断していた場合、前提が崩れています。料金面ではSonnet 5が全項目で安い、というのが2026年10月時点の事実です。
新トークナイザで同じ文章が1.0〜1.35倍、実額で逆転するかの計算
単価が安くても、数えるトークンが増えれば請求は増えます。Sonnet 5はOpus 4.7と同系統の新トークナイザを使い、発表記事の脚注では同じ入力が内容次第で約1.0〜1.35倍のトークンになるとしています。
最悪値の1.35倍で計算しても、入力は2ドル×1.35=2.70ドル相当で4.6の3ドルを下回り、出力も10ドル×1.35=13.5ドル相当で15ドルより安い。トークナイザの差だけでは料金の逆転は崩れません。
注意すべきは別の要因です。Sonnet 5は思考が既定でオンのため、思考トークンが出力として課金されます。思考を使っていなかった4.6のワークロードをそのまま移すと、出力トークンが数倍に増えることがあります。比較の基準は単価ではなく、後述のコードで実際のリクエストを流して測った値です。
思考の既定・effort段階・temperatureの扱いが変わる箇所
API上の違いで実装に響くのは次の4点です。いずれもSonnet 5.5移行ガイドの比較表とeffortのドキュメントで確認できます。
- 思考の既定:Sonnet 4.6は
thinkingを省くと思考なしで動きます。Sonnet 5は省いても思考が走り、止めるには{"type": "disabled"}を送ります。 - 思考の表示:4.6の既定は要約表示(
summarized)、Sonnet 5は省略(omitted)で、思考ブロックの本文が空で返ります。 - effort:4.6はlow/medium/high/maxの4段階。
xhighはSonnet 5から使えます。既定はどちらもhighです。 - サンプリング:Sonnet 5で
temperature・top_p・top_kを既定以外にすると400エラーになります。4.6では指定できます。
手抜きしやすいのは4番目です。社内の共通ラッパーでtemperature: 0を固定しているコードは珍しくありません。モデルIDだけ差し替えると、全リクエストが400で落ちます。
画像解像度・Bedrock・Google Cloudで出る提供面の違い
画像入力は、Sonnet 4.6が長辺1568px・1枚1,568トークンまでの標準解像度です。Sonnet 5はOpus 4.7以降と同じ高解像度で、長辺2576px・最大4,784トークンまで扱えます。帳票や画面キャプチャの細かい文字を読ませる用途では差が出ますが、同じ画像でトークンも増えます。
クラウド経由で使う場合は、差がさらに明確です。Amazon BedrockではSonnet 4.6が従来のInvokeModel連携(anthropic.claude-sonnet-4-6)、Sonnet 5はMessages API形式のエンドポイント(anthropic.claude-sonnet-5)で、呼び出し経路が違います。Google Cloudでは、特定リージョン内でデータを処理する地域エンドポイントはSonnet 4.6以前だけの提供です。BedrockでのID体系と経路の違いはBedrock Claudeの使い方で詳しく扱っています。
Sonnet 4.6・Sonnet 5・現行ラインの使い分け早見表
| 項目 | Sonnet 4.6 | Sonnet 5 | Sonnet 5.5 | Opus 5.5 |
|---|---|---|---|---|
| 状態 | Legacy | Legacy | 現行 | 現行 |
| 料金(入/出) | $3/$15 | $2/$10 | $2/$10 | $4/$20 |
| 思考の既定 | オフ | オン | オン | 常時オン |
| xhigh | なし | あり | あり | あり |
| 退役(最短) | 2027-02-17 | 2027-06-30 | 2027-09-28 | 2027-09-22 |
| 主な用途 | 既存運用の固定 | 移行の中継 | 新規の第一候補 | 長時間の作業 |
表の料金・退役日は公式のモデル一覧と廃止スケジュールの値です。上位のOpus 5.5についてはClaude Opus 5.5の解説、大量処理向けの下位モデルはClaude Haiku 5.5の解説を参照してください。
Sonnet 4.6のベンチマーク実績とSonnet 5との性能差の読み方
SWE-bench 79.6%とOSWorld 72.5%から78.5%への改訂
SWE-bench Verifiedは、実在するGitHubリポジトリのバグ修正課題で実装力を測る指標です。Sonnet 4.6は79.6%で、同時期のOpus 4.6(80.8%)との差は1.2ポイントでした。発表記事の脚注によると10試行の平均で、プロンプトを調整すると80.2%まで上がっています。
画面を見てマウスとキーボードを操作させるOSWorld-Verifiedは、公開時72.5%(Sonnet 4.5は61.4%)でした。ただし、Anthropicは後にこの評価の実行方法を見直し、Sonnet 5の発表時にSonnet 4.6の値を78.5%へ改訂しています。古い比較表の72.5%と、新しい比較表の78.5%は同じモデルの値です。数字だけ並べた記事を読むときは、計測方法の版を確かめてください。
GDPval-AA(elo)1633で公開時首位という数字の意味
GDPval-AA(elo)は、Sonnet 4.6の「実務での使える度」を示した指標です。分解すると次の3層になります。
- GDPval:OpenAIが公開した、経済的価値のある実務タスクのデータセット。9分野44職種・220の実タスクで構成されます。指標の詳細はGDPvalとは何かの解説記事を参照してください。
- AA:独立機関のArtificial Analysisが、シェル操作とWeb閲覧を与えたエージェント環境で採点した変種です。
- elo:出力どうしを総当たりで比べ、チェスと同じレーティング方式で順位化した数値。正答率ではありません。
Sonnet 4.6は1633 eloで公開時点のリーダーボード首位となり、Opus 4.6とは95%信頼区間の内側、つまり統計的に並ぶ水準でした。eloは相対評価なので、後から強いモデルが加わると順位も数値も動きます。「公開時首位」は2026年2月時点の事実として読むのが正確です。
公式比較ではSonnet 5のmediumがSonnet 4.6のhighに相当
Sonnet 5の発表記事は、BrowseCompとOSWorld-Verifiedのeffort別コスト性能曲線で、Sonnet 5が全域でSonnet 4.6を上回ると示しています。絶対値はグラフ表示のため、ここでは断定しません。
実装判断に使いやすいのは、effortのドキュメントにある一文です。Sonnet 5のmediumは「Sonnet 4.6のhighに相当する」と書かれています。4.6をhighで運用しているなら、Sonnet 5へ移すときはmediumから始めると、品質を保ったまま思考トークンを抑えられる見込みです。安全面でも、Sonnet 5はハルシネーションと迎合(sycophancy)の率がSonnet 4.6より低いと報告されています。
同じプロンプトでSonnet 4.6とSonnet 5のトークン数と費用を実測する手順
Token counting APIで両モデルの入力トークンを数えるPythonコード
トークナイザの差は内容次第で1.0〜1.35倍と幅があるため、自社のプロンプトで数えるのが確実です。Token counting APIは無料で呼べ、モデルを指定するとそのモデルのトークナイザで入力トークン数を返します。Python SDK(pip install anthropic)で次のように書きます。
import anthropic
client = anthropic.Anthropic() # 環境変数 ANTHROPIC_API_KEY を読む
with open("prompt.txt", encoding="utf-8") as f:
text = f.read()
counts = {}
for model in ["claude-sonnet-4-6", "claude-sonnet-5"]:
r = client.messages.count_tokens(
model=model,
messages=[{"role": "user", "content": text}],
)
counts[model] = r.input_tokens
print(model, r.input_tokens)
print("倍率", round(counts["claude-sonnet-5"] / counts["claude-sonnet-4-6"], 3))
prompt.txtには本番で送っているシステムプロンプトと代表的な入力を入れます。日本語の業務文書、ソースコード、JSONでは倍率が違うので、ワークロードごとに分けて測ると見積もりの精度が上がります。
計測したトークン数を月額コストに換算する式とSonnet 5が安くなる損益分岐
入力の倍率が出たら、出力側は実リクエストを数十件流してusage.output_tokensの平均を取ります。思考トークンも出力に含まれるので、Sonnet 5では思考ありの値を使います。換算は次の関数で十分です。
PRICE = { # 100万トークンあたりのドル(2026年10月時点の公式料金)
"claude-sonnet-4-6": (3.0, 15.0),
"claude-sonnet-5": (2.0, 10.0),
}
def monthly_cost(model, in_tok, out_tok, requests_per_month):
p_in, p_out = PRICE[model]
return (in_tok * p_in + out_tok * p_out) * requests_per_month / 1_000_000
# 例:4.6で入力8,000・出力1,200トークン、月10万リクエスト
print(monthly_cost("claude-sonnet-4-6", 8000, 1200, 100_000)) # 4200.0
print(monthly_cost("claude-sonnet-5", 8000 * 1.2, 1200 * 2.5, 100_000)) # 4920.0
例の2行目は、入力が1.2倍、思考込みで出力が2.5倍に増えた想定です。この場合は単価が安くてもSonnet 5のほうが月720ドル高くなります。入力1.2倍のままでも、思考をdisabledにするかeffortをlowに下げて出力の増え方を1.5倍に抑えれば、月額は3,720ドルでSonnet 5が480ドル安くなります。この例の損益分岐は出力約1.9倍で、それを超えるかどうかが判断の目安です。
Sonnet 4.6をAPI・Claude Code・クラウドで呼び出す設定例
Messages APIでthinkingとeffortを指定するリクエスト例
APIではmodelにclaude-sonnet-4-6を指定します。思考を使うならthinkingをadaptiveにし、深さはoutput_config.effortで決める仕組みです。effortのドキュメントは、4.6の既定はhighだが、多くの用途ではmediumを明示する設定を推奨しています。
curl https://api.anthropic.com/v1/messages \
-H "x-api-key: $ANTHROPIC_API_KEY" \
-H "anthropic-version: 2023-06-01" \
-H "content-type: application/json" \
-d '{
"model": "claude-sonnet-4-6",
"max_tokens": 16000,
"thinking": {"type": "adaptive"},
"output_config": {"effort": "medium"},
"messages": [{"role": "user", "content": "この関数の境界値の不具合を直してください"}]
}'
固定の思考上限を切るthinking: {"type": "enabled", "budget_tokens": N}も4.6では動きますが、非推奨です。Sonnet 5.5では400エラーになるため、新しく書くコードはeffortで制御しておくと移行時の書き換えが減ります。
Claude Code・Bedrock・Google Cloudでのモデル指定方法
Claude Codeでは起動時にclaude --model claude-sonnet-4-6を渡すか、環境変数ANTHROPIC_MODELに同じIDを入れます。sonnetという別名は接続先によって解決先が違い、Anthropic APIでは最新のSonnet、他のプロバイダーでは旧版を指すこともある点に注意してください。挙動を固定したいときは別名でなく完全なモデルIDを書きます。
Amazon Bedrockではanthropic.claude-sonnet-4-6をInvokeModelで呼び、Google Cloudでは接頭辞なしのclaude-sonnet-4-6を使います。料金は各クラウドの価格表に従い、地域エンドポイントは世界共通エンドポイントより10%高い設定です。API直接利用の単価や上限設定はAnthropic APIの料金とAPIキー取得方法で整理しています。
プロンプトキャッシュ1,024トークンとBatch API 50%割引の使い分け
単価を下げる手段は2つあります。プロンプトキャッシュは、システムプロンプトや長い前提文脈を再利用するとき、読み込み分を基本入力単価の10%(4.6では0.30ドル)で課金します。キャッシュできる最小のプロンプトは、Sonnet 4.6・Sonnet 5とも1,024トークンです。
即時応答が不要な処理はBatch APIに回すと、入出力とも50%引きになります。対話UIのように低遅延が要る処理には向きません。夜間の一括分類や大量の文書要約をバッチに、リアルタイム部分を通常呼び出しに分けるのが基本形です。
Sonnet 4.6からSonnet 5・5.5へ移行するときの破壊的変更と手順
思考が既定オンになりcontent[0].textの読み取りが壊れる問題
Sonnet 5以降は、応答の先頭にthinkingブロックが入ることがあります。4.6時代のコードにあるresp.content[0].textは、ここで例外を起こす典型箇所です。ブロックのtypeで読み分ける形に直します。
resp = client.messages.create(
model="claude-sonnet-5",
max_tokens=16000,
output_config={"effort": "medium"},
messages=[{"role": "user", "content": prompt}],
)
# 先頭に thinking ブロックが来るため type で読み分ける
answer = "".join(b.text for b in resp.content if b.type == "text")
ツール呼び出しのループでは、受け取ったthinkingブロックを中身が空でもそのまま返す必要があります。max_tokensは思考と本文の合計に効くので、4.6で余裕なく設定していた値は引き上げを検討します。
temperature・budget_tokensが400になる箇所の洗い出し手順
移行前に、リポジトリ全体をtemperature・top_p・top_k・budget_tokens・"enabled"で検索します。Sonnet 5では前の3つの非既定値が400になり、Sonnet 5.5ではbudget_tokensも400です。共通ラッパーや設定ファイルに埋まっていることが多く、呼び出し側だけ見ても見つかりません。
次に、Token counting APIでトークン数を数え直し、max_tokensとコスト試算を更新します。画像を送る処理は高解像度化で1枚あたりのトークンが最大約3倍になるため、画像を縮小してから送るかどうかもここで決めます。
Sonnet 5を経由せずSonnet 5.5へ直接移る判断
2026年10月時点で4.6から移るなら、移行先はSonnet 5ではなくClaude Sonnet 5.5を第一候補にします。料金は同じ2ドル/10ドルで、退役の最短日も2027年9月28日と長く、Sonnet 5へ移ってから半年後に再移行する手間が省けます。
ただし5.5はSonnet 5よりも変更点が多く、思考を止める指定がdisabledからbetween_toolsに変わり、強制的なツール呼び出し(tool_choiceのany/tool)も400になります。強制ツール呼び出しに依存した構造化抽出がある場合に限り、いったんSonnet 5で止めて設計を直す段階移行が現実的です。Sonnet 5自体の仕様はClaude Sonnet 5の解説記事で確認できます。
Sonnet 4.6を使い続ける条件と見送るべき場面の判断基準
Sonnet 4.6に残してよい条件はデータ所在地とパイプライン固定の2つ
結論から書くと、4.6に残す理由として認められるのは次の2つだけです。
1つ目は、Google Cloudの地域エンドポイントでデータ処理の場所を固定する必要がある場合です。この提供はSonnet 4.6以前に限られ、Sonnet 5以降では世界共通かマルチリージョンになります。契約や社内規程で処理リージョンを指定されているなら、4.6に留まる正当な理由になります。
2つ目は、評価セットと出力形式を4.6で固めた本番パイプラインがあり、2027年2月より前に作り直す予算が取れない場合です。この場合も「移行しない」ではなく、退役告知を待たずに移行の検証日程を決めておくところまでが運用です。
新規開発でSonnet 4.6を選ばない理由と例外にならないケース
上の2条件に当てはまらないなら、新規でSonnet 4.6は選びません。単価が高く、性能は後継に劣り、退役も最も早いからです。「思考なしの軽い分類に使いたい」という理由も例外になりません。その用途はthinkingをdisabledにしたSonnet 5か、より安いHaiku 5.5で足ります。
見送りの判断を誤りやすいのは「4.6で検証済みだから」という理由で新しい機能まで4.6で作るケースです。新規機能は新しいモデルで評価し、既存部分は退役までに順次寄せるのが手戻りの少ない進め方です。モデル選定と移行検証を自社だけで回しきれない場合は、生成AI開発・AI受託開発として評価セット作りから移行後の監視まで支援しています。
業種別の適用と本番運用で人の確認段を残すヒューマンインザループの安全設計
Sonnet 4.6は、金融のコンプライアンス文書分析、小売の売上・在庫データ分析、保険や行政のレガシー画面操作など、判断を伴う実務で使われてきました。発表記事では、Pace社の保険業務ベンチマークでコンピュータ操作の精度94%が紹介されています。どの業種でも、モデル出力をそのまま確定処理に流さず、人が確認する段を前提に設計するのが安全側です。医療や与信のように誤りのコストが高い領域では、AIは下書きと一次抽出に留めます。
本番投入前の確認項目は4つです。外部入力を扱うエージェントはツール権限を最小にし、破壊的操作の前に確認を挟む。社外に出る出力へ機微情報が混ざらないようフィルタを入れる。拒否(stop_reason: "refusal")で返る場合の分岐を実装する。effortやキャッシュ設定を含めた実コストを本番相当の流量で測る。Sonnet 5以降はサイバー領域の安全機構が既定で有効になり、セキュリティ診断のような用途では拒否が増えることもあるので、移行時は拒否の分岐を必ず通します。
よくある質問
Sonnet 4.6とSonnet 5の比較で、検索の多い質問に答えます。
Claude Sonnet 4.6とは何ですか?
Anthropicが2026年2月17日に公開したSonnetティアの言語モデルです。モデルIDはclaude-sonnet-4-6、料金は入力3ドル/出力15ドル(100万トークンあたり)。上位のOpusに近い性能をSonnet価格で出すことを狙ったモデルで、SWE-bench Verifiedは79.6%でした。現在はLegacy扱いで、現行SonnetはSonnet 5.5に移っていますが、APIでは引き続き使えます。
Sonnet 4.6とSonnet 5の違いは何ですか?
大きな違いは4つです。Sonnet 5は料金が2ドル/10ドルで4.6より安いこと、新トークナイザで同じ文章が約1.0〜1.35倍のトークンになること、思考が既定でオンになること、temperature等の非既定値が400エラーになることです。性能はSonnet 5が全般に上で、mediumで4.6のhighに相当すると公式が説明しています。
Sonnet 4.6の料金はSonnet 5より高いのですか?
単価はSonnet 4.6のほうが高いです。4.6は入力3ドル/出力15ドル、Sonnet 5は2ドル/10ドルで、Sonnet 5の値上げ予定は2026年8月に取りやめになりました。ただしSonnet 5は思考が既定でオンのため、出力トークンが増えると請求額が4.6を上回ることがあります。Token counting APIと実リクエストで両方を測ってから判断してください。
Sonnet 4.6はいつまで使えますか?
Anthropicの廃止スケジュールでは、Sonnet 4.6の退役は「2027年2月17日より前には行わない」とされています(2026年10月時点)。Amazon BedrockとGoogle Cloudは各社が独自に日程を決めるため、クラウド経由で使っている場合はそれぞれの告知も確認します。移行先はSonnet 5.5が公式に案内されています。
GDPval-AA(elo)とは何ですか?
OpenAIが公開した実務タスク集「GDPval」を、独立機関Artificial Analysis(AA)がエージェント環境で採点し、出力の総当たり比較からチェス式のeloレーティングで順位化した指標です。Sonnet 4.6は1633 eloで公開時首位となりました。相対評価のため、新しいモデルが加わると数値は動きます。GDPval自体の詳細はGDPvalの解説記事で確認できます。
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