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Moltbotとは?OpenClawに改名された3日間だけの旧称と現在の導入手順【2026年9月版】

Moltbotとは?OpenClawに改名された3日間だけの旧称と現在の導入手順【2026年9月版】

Moltbot(モルトボット)という名前を見かけて検索したなら、探しているソフトウェアは現在OpenClawという名前で開発が続いています。Moltbotが正式名称だった期間は2026年1月27日から30日までのわずか3日間で、その前後にも名前が変わっているため、2026年9月現在に「moltbot」で手に入る情報の多くは実物と噛み合いません。この記事では、名称の変遷と、旧名の手順で生じるインストール・設定の不一致を、公式リポジトリとnpmレジストリの実測値で整理します。

まとめ:Moltbotは現在のOpenClaw、入れるべきパッケージは openclaw

確認したいこと 2026年9月時点の答え
Moltbotの現在の名前 OpenClaw
Moltbotだった期間 2026年1月27日〜1月30日(3日間)
公式リポジトリ github.com/openclaw/openclaw
公式サイト openclaw.ai(moltbot.comは301転送)
npmパッケージ名 openclaw(moltbotのlatestは空)
最新バージョン 2026.9.5(2026年9月19日公開)
必要なNode.js 24.16以上(25系は不可)または26.1以上
設定ディレクトリ ~/.openclaw
ゲートウェイのポート 18789
作者 Peter Steinberger(2026年2月にOpenAIへ)

旧名で書かれた記事の手順をそのまま実行すると、パッケージ名・環境変数の接頭辞・設定ディレクトリの3か所で静かに失敗します。旧パッケージではコマンドが追加されず、旧環境変数では設定が反映されないなど、失敗の現れ方は異なります。後半でそれぞれの確認方法を示します。

Moltbotが名乗られたのは2026年1月27日からの3日間

下表に挙げる名称は5つで、名称間の変更は4回です。GitHubリポジトリの作成日は2025年11月24日で、当初の名称はWarelayでした。Moltbotはその4度目の名前にあたります。

名称 使われ始めた日 次の名前までの期間
Warelay 2025年11月24日 約9日
CLAWDIS 2025年12月3日 約30日
Clawdbot 2026年1月2日 25日
Moltbot 2026年1月27日 3日
OpenClaw 2026年1月30日 継続中

Warelay・CLAWDISの時期はWikipediaのOpenClaw項目に拠ります。Clawdbot以降の日付は公式ドキュメントのloreページとGitHubのリリース履歴で確認できます。

Moltbotの3日間だけが極端に短いのは、この改名が商標上の要請への対応であって、命名として納得されたものではなかったためです。Anthropicが自社の「Claude」と「Clawd」の音の近さを問題にしたことでClawdbotの改名が必要になり、いったんMoltbotが選ばれました。公式ドキュメントのloreページは、この名前をロブスターが成長のために脱皮する(molting)ことにちなんだものだと説明しています。ただし作者自身が語感に納得せず(公式の説明では「That name never quite rolled off the tongue either.」)、3日後にOpenClawへ再度変更しています。改名交渉の経緯そのものはClawdbotが「OpenClaw」に改名した理由とは?商標問題が引き起こした電撃改名劇の舞台裏に迫るで詳しく追っています。

短命だったことは、ソフトウェアの内部にも痕跡として残っています。旧名称への互換対応は環境変数・設定ファイル・状態ディレクトリで扱いが揃っておらず、それぞれ個別に確認する必要があります。なお現行版の自動検出候補から外れていることと、当時そうした設定やパッケージが存在しなかったことは別の話です。次章で実物を確認します。

改名後の開発状況と運営体制

名前が定まらなかった時期を過ぎた後も、開発は止まっていません。GitHubは2026年8月27日の公式ブログでOpenClawを「GitHub史上最速で成長しているプロジェクト」と表現し、同記事は約388,000スター・81,000フォークという数字を挙げています。2026年9月21日時点でスターは390,166、フォークは82,057です。npmのopenclawパッケージは2026年1月29日の初版から258バージョンが公開され、最新の2026.9.5は2026年9月19日公開です。作者のPeter Steinbergerは2026年2月14日にOpenAIへ加わることを表明し、同時にプロジェクトの運営を引き継ぐ非営利組織としてOpenClaw Foundationの設立が示されました。個人プロジェクトから財団運営へ移ったという意味でも、Moltbot時代とは体制が変わっています。

旧名の手順と現行実装が食い違う5点

ここが、旧名で検索してたどり着いた読者にとって実害のある部分です。いずれも公式リポジトリのv2026.9.5タグとnpmレジストリで2026年9月21日に確認した挙動です。

npmのmoltbotパッケージと実体の食い違い

npmには今もmoltbotという名前のパッケージが残っています。ただし公開されている2つの版は内容がまったく違い、通常の手順で入るのは中身の無いほうです。

版 公開日 展開後サイズ 実行ファイル dist-tag
0.1.0 2026年1月27日 283バイト なし latest
2026.1.27-beta.1 2026年1月28日 約41.7MB あり beta

npm install -g moltbot はdist-tagのlatestを参照するため、選ばれるのは283バイトの0.1.0です。この版は依存パッケージも実行ファイルも定義していないので、インストールは正常終了するのに moltbot というコマンドはどこにも生成されません。中身のある2026.1.27-beta.1はbetaタグが付いており、明示的に指定しない限り入りません。

公開したアカウントも版によって異なります。0.1.0を公開したのはsteipete以外のアカウントで、実体を含む2026.1.27-beta.1は作者のsteipeteが公開しています(パッケージの現在の管理者はsteipete)。npmのパッケージ名と中身が一致している保証はない、という一般的な注意がそのまま当てはまる例です。

Clawdbot時代のclawdbotパッケージは2026年1月25日公開の2026.1.24-3が最後で、全39版のいずれも改名前の実装です。現在も更新が続いているのはopenclawだけなので、入れるべきパッケージはこれになります。

MOLTBOT_環境変数の廃止と接頭辞の変更

OpenClaw固有の旧環境変数は、接頭辞を OPENCLAW_ に変更する必要があります。公式ドキュメントのEnvironment変数のページにある「Legacy environment variables」は、旧接頭辞の扱いをこう明記しています。

OpenClaw only reads OPENCLAW_* environment variables. The legacy
CLAWDBOT_* and MOLTBOT_* prefixes from earlier releases are silently
ignored.

実装も同じです。ゲートウェイの起動時に CLAWDBOT_ または MOLTBOT_ で始まる変数が残っていると、検出した接頭辞と本数だけを挙げた警告が OPENCLAW_LEGACY_ENV_VARS というコードで1回だけ出ます。変数名と値は、古い名前に認証情報が入っている可能性を考慮して出力されません。警告はNodeの非推奨警告として1プロセスにつき1回しか出ないため、ログを流し読みしていると見落とします。旧名の記事を参考にトークンを設定した場合は、接頭辞を置き換えてください(例:CLAWDBOT_GATEWAY_TOKEN は OPENCLAW_GATEWAY_TOKEN)。旧名の変数は認証設定に反映されません。ただし、既定では認証が必要であり、旧変数が無視されるだけで無認証になるわけではありません。現行の変数名と認証設定を確認してください。

Moltbot時代の設定ディレクトリが互換候補から外れた経緯

改名直後は、Moltbot時代の設定も拾うようになっていました。OpenClaw最初のリリースであるv2026.1.29の src/config/paths.ts は、旧ディレクトリ名と旧設定ファイル名をそれぞれ3件ずつ候補に持っています。

// v2026.1.29
const LEGACY_STATE_DIRNAMES = [".clawdbot", ".moltbot", ".moldbot"];
const LEGACY_CONFIG_FILENAMES = ["clawdbot.json", "moltbot.json", "moldbot.json"];

ところが現行のv2026.9.5では、この候補が1件ずつまで削られています。状態ディレクトリは src/config/state-dir.ts の [".clawdbot"] だけ、設定ファイル名は paths.ts の ["clawdbot.json"] だけで、.moltbot と moltbot.json は既に外れています。Clawdbot時代の資産は今も引き継がれる一方、3日しかなかったMoltbot時代の資産は対象から落ちた、という非対称があります。

現行の状態ディレクトリの解決順は次のとおりです。

1. 環境変数 OPENCLAW_STATE_DIR が設定されていれば、その値
2. ~/.openclaw が存在すれば、それ
3. ~/.clawdbot が存在すれば、それをそのまま使い続ける
4. どちらも無ければ ~/.openclaw を使用先とする

注意したいのは3番目です。Clawdbot時代から使い続けている環境では、更新しても状態ディレクトリは ~/.clawdbot のままになります。中身を ~/.openclaw へ移したつもりで片方だけコピーすると、2番目の規則が先に当たって新しい空のディレクトリを見に行き、セッションや認証が消えたように見えます。移行前にゲートウェイを停止してバックアップを作成し、移行後の参照先とセッション・認証情報を確認してください。確認が終わるまでは旧データを削除しないでください。手元がどちらを見ているかは openclaw doctor で確認できます。

旧ビルドのトークン漏えい脆弱性と修正版

当時のまま動かし続けている場合は、更新を優先してください。GitHubのセキュリティアドバイザリGHSA-g8p2-7wf7-98mq(2026年1月31日公開・深刻度high・CVSS 8.8)は、gatewayUrl を細工したURLから注入して保存済みのゲートウェイトークンを外部へ送信させ、1クリックで任意コード実行に至る問題を報告しています。影響範囲は <=v2026.1.28、修正は v2026.1.29 です。

ここで効いてくるのが改名の日付です。修正版のv2026.1.29が公開されたのはOpenClawへ改名した2026年1月30日で、Moltbotを名乗っていた期間中に安定版として出ていた最後のリリースはv2026.1.24(2026年1月25日公開)でした。当時導入した環境が影響を受けるかどうかは導入日ではなく実際のバージョンで決まるので、まず openclaw --version で確認してください。この問題では、影響版のControl UIで認証した利用者が細工されたリンクを開くなどの条件で、保存済みトークンが漏えいします。なおこのアドバイザリは対象パッケージ名が clawdbot のまま登録されており、旧名で検索しないと見つけにくい点にも注意してください。権限設計とその後の脆弱性への対応方針はClawdbot(現OpenClaw)とは?できること・導入手順・危険性を解説で扱っています。

旧ドメインと旧GitHub URLの転送先

旧ドメインは失効しておらず、2026年9月21日時点で moltbot.com・www.moltbot.com・clawdbot.com のいずれも https://openclaw.ai/ へ301で転送されます。GitHubも同様で、github.com/moltbot/moltbot へのアクセスは openclaw/openclaw に解決されます。組織名ごと改名されたため、旧URLのブックマークやリンクは生きています。

転送の有無だけでは公式との関係は判断できません。Moltbot名のサイトやアプリは、公式サイトからの案内と配布元を照合してください。「moltbot」の検索結果には第三者が運営するサイトやスマートフォン向けアプリも並びます。配布元を確かめるときは、openclaw.ai・github.com/openclaw/openclaw・npmのopenclawパッケージの3つに当たるのが確実です。

2026年9月時点の導入手順

旧名の記事にあるコマンドは使えないので、現行の入口をそのまま示します。

動作要件とインストール

必要なNode.jsは24.16以上(ただし25系は対象外)または26.1以上です。npmパッケージのenginesフィールドにも >=24.16.0 <25 || >=26.1.0 と記載されています。Node 26が推奨で、インストーラはNodeが無い場合にmacOSではNode 26、LinuxではNode 24 LTSを用意します。対応OSはmacOS・Linux・Windowsです。

macOS・Linux・WSL2では次のコマンドを使います。

curl -fsSL https://openclaw.ai/install.sh | bash

WindowsではPowerShellで次を実行します。上のシェル用コマンドとは別物なので、環境に合うほうだけを実行してください。

iwr -useb https://openclaw.ai/install.ps1 | iex

npm・pnpm・bun、ソースからのビルド、Docker、Kubernetesでの導入方法も公式のInstallページに用意されています。インストーラを使いたくない場合はそちらを参照してください。

初期設定と動作確認

導入後は対話形式のウィザードで設定します。手順を1つずつ確認したい場合は openclaw onboard --classic で従来型のウィザードが開きます。設定をやり直すときは openclaw configure です。

openclaw --version
openclaw doctor
openclaw gateway status

常駐部分はゲートウェイと呼ばれ、ポート18789で待ち受けます。ブラウザから 127.0.0.1:18789 を開いて反応しない場合は、まず openclaw gateway status で起動状態を確かめてください。ゲートウェイをインターネットへ直接公開しないでください。遠隔操作が必要な場合は、認証を維持したうえで、公式のリモート接続手順に従ってアクセスを制限してください。権限の設計と実際に報告されている事故の型はClawdbot(現OpenClaw)とは?できること・導入手順・危険性を解説にまとめています。

連携できるメッセージングサービス

OpenClawは普段使っているチャットアプリから操作する設計です。初期設定のウィザードに出てくるのはDiscord・Feishu・iMessage・Matrix・Microsoft Teams・Signal・Slack・Telegram・WhatsApp・Zaloなどです。公式のチャンネル一覧には、チャットサービスに加えてWebChatやA2Aも含む32のチャンネルが掲載されています。LINEはMessaging API、SMSはTwilioとの連携として案内されており、ほかにもGoogle Chat・IRC・Mattermost・Nostr・Twitch・WeChat・WeComなどが対応しています。Moltbot時代の紹介記事ではTelegramとDiscordの2つだけが挙がっていることが多いのですが、対応範囲はその後大きく広がりました。

名前が似た別プロダクトとの区別

「claw」を含む名前のAIエージェントは2026年に入って急増し、検索結果で混ざりやすくなっています。Moltbotを調べていて出会いやすいものを挙げます。

名前 正体 OpenClawとの関係
Moltbook AI向けSNS 別サービス(Matt Schlicht氏が開設)
NemoClaw NVIDIAの企業向け基盤 OpenClawに企業向け制御を追加
Kimi Claw Moonshot AIのエージェント OpenClawをクラウドに配置しブラウザから操作

とくに紛らわしいのがMoltbookです。名前の由来は共通していて、最初の改名と同じ時期にMatt Schlicht氏がAIエージェント同士が使うSNSとして開設したもので、OpenClawのエージェントが利用者として参加できます。ソフトウェア本体とは別物なので、閲覧方法を探しているならmoltbook(モルトブック)の閲覧方法|AI専用SNSを日本語で見る手順が該当します。

よくある質問

MoltbotとOpenClawは同じものですか?

同じソフトウェアです。2026年1月30日にMoltbotからOpenClawへ改名されました。GitHubリポジトリも2025年11月24日に作成された同一のもので、組織名ごと改名されています。

moltbotをインストールするとどうなりますか?

npmのmoltbotパッケージは2026年1月27日公開の0.1.0だけで、展開後283バイト、実行ファイルを含みません。インストールは成功しますがコマンドは追加されません。openclawパッケージを指定してください。

Moltbot時代に書いた設定はそのまま使えますか?

Clawdbot時代のものは一部そのまま使えます。~/.clawdbot と clawdbot.json は現行版でも引き継ぎ候補に残っています。一方でMoltbot時代の ~/.moltbot と moltbot.json は、改名直後のv2026.1.29では候補に含まれていましたが現行のv2026.9.5では外れています。MOLTBOT_ や CLAWDBOT_ で始まる環境変数も読み込み対象ではないため、接頭辞を OPENCLAW_ に置き換えてください。

moltbot.comは今どこにつながりますか?

2026年9月21日時点で openclaw.ai へ301リダイレクトされます。clawdbot.comも同じ転送先です。旧ドメインのリンクは切れていません。

Moltbotという名前はなぜ3日で変わったのですか?

Anthropicの商標上の指摘を受けたClawdbotからの改名先として急いで決められた名前で、作者本人が語感に納得していなかったためです。2026年1月30日にOpenClawへ再改名されました。

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