オムニバス調査に対応している調査会社と費用|方式別の選び方

オムニバス調査を検討する段階で最初に詰まるのは、「どこに頼めるのか」と「結局いくらかかるのか」です。相乗り方式という性質上、実施できるのは自前の調査基盤を持つ調査会社に限られ、しかも実施サイクルと締切が会社ごとに固定されています。この記事では、対応している調査会社を方式別に整理し、公開されている料金の実額から、単独調査とどちらが安くなるかの分岐まで扱います。オムニバス調査そのものの意味と仕組みはオムニバス調査とは何か?アンケート手法の意味と概要を初心者向けにわかりやすく丁寧に徹底的に解説で解説しています。

まとめ:どちらを選ぶかは設問数で決まる

結論から言うと、設問が3問以下で、大規模サンプルや個別面接など単独では組みにくい条件が必要ならオムニバス調査設問が5問を超え、ネットモニタで足りるなら単独調査です。オムニバスは1問いくらの課金なので、設問が増えるほど単価が積み上がり、どこかで単独調査に逆転されます。

金額の目安はこうです。中央調査社の個人オムニバス(個別面接)は1〜5問で1問18万円なので、3問なら54万円。対してマクロミルの単独ネット調査は1,000サンプル10問で38万円です。「オムニバスだから安い」という説明は、設問数と調査方式を固定しない限り成り立ちません。

スケジュールは調査会社の実施サイクルに従います。中央調査社は毎月10日前後の土日を含む約10日間で実施し、実施月末日から翌月初旬に納品。締切は原稿締切予定日より前に埋まることがあり、その時点で締切になります。調査時期が決まっているなら、逆算して早めに枠を押さえてください。

オムニバス調査の仕組みと、相乗りできる範囲

オムニバス調査は、複数の依頼者が1本の調査票に相乗りする形式です。契約の単位は調査票の1ページ、あるいは1問という単位で買います。ここが単独調査と決定的に違う点で、調査の仕様や実施時期を依頼者が決めることはできません。それらは調査会社があらかじめ決めています。

一方で、年齢・性別・職業・居住地といったフェースシート(属性設問)は共通に設定され、全依頼者へ提供されます。自分の設問数にはカウントされないので、属性クロスをかけたい場合はここが実質的な利得になります。「3問だけ聞いて属性別に集計する」という使い方ができるのは、この仕組みがあるためです。

オムニバス・マルチクライアント・シンジケートの区別

紛らわしい用語が3つあります。オムニバス調査とマルチクライアント調査はほぼ同義で、複数の依頼者が1つの調査に相乗りする形式を指します。シンジケート調査は、調査会社が自主的に企画・実施した調査の結果を、後から複数社へ販売する形式です。前者は自分の設問を入れられ、後者は入れられません。既製品を買うのか、共同で発注するのかという違いだと考えると整理できます。

対応している調査会社の方式は2つに分かれる

オムニバス調査に対応している調査会社は、調査手法によって性格が大きく分かれます。同じ「オムニバス」でも、得られるデータの質とコスト構造が別物です。

方式 調査手法 強み コスト構造
個別面接型 調査員が訪問して面接 ネット非利用層を含む母集団 1問あたり十数万円
ネット型 登録モニタへの配信 短納期・低単価 単独調査との差が小さい

個別面接型|ネットに接続しない層まで含める

代表例が中央調査社の個人オムニバスです。調査員が訪問して面接する方式で、全国20歳以上の男女4,000人を対象とし、回収見込みは1,100程度。12〜19歳を追加することもできます。

この方式の価値は価格ではなく母集団の性質にあります。インターネット調査のモニタは、程度の差はあれ「ネットを日常的に使い、調査に協力する意思のある人」に偏ります。高齢層や非利用層の実態を把握したい調査では、この偏りが結論を変えます。全国規模の個別面接を単独で組めば費用は桁が変わるため、面接オムニバスは「安く済ませる手段」ではなく「単独では発注できない方式を分割して買う手段」だと理解してください。

ネット型|単独調査との差が縮んでいる

ネットモニタを使うオムニバスは短納期で単価も低く抑えられます。ただし後述のとおり、単独のネット調査の価格が下がっているため、設問数が増えると価格差が消えます。ネット型を選ぶ理由は、費用より「少問数でも受けてもらえる」点にあります。単独調査は最低ロットがあり、2〜3問だけの依頼は割高になるか受けてもらえないことがあるためです。

費用の実額と、オムニバスが割高になる条件

公開されている料金で比較します。まず中央調査社の個人オムニバスは、設問数によって1問あたりの単価が変わります。

設問数 1問あたり 合計の目安
1〜5問 18万円 3問なら54万円
6〜10問 17万円 8問なら136万円
11問以上 16万円 12問なら192万円

回答票(B5判)を使う場合は1問につき12,000円が加算されます。提示する選択肢が多い設問や、画像を見せる設問ではこれが必要になります。

比較対象として、マクロミルの単独ネット調査は1,000サンプル10問で38万円、1,000サンプル20問で57万円です。100サンプル10問なら11万円、500サンプル10問なら25万円。ここに調査票設計17万円〜、スクリーニング6万円〜、集計6万円〜が必要に応じて乗ります。

この2つを並べると、「オムニバス=低コスト」という一般論が成り立たない範囲がはっきりします。面接オムニバスは3問で54万円ですが、同じ54万円あればネット調査は1,000サンプル20問(57万円)に近い規模を単独で組めます。設問を10問聞きたいなら、面接オムニバスは136万円、単独ネット調査は38万円。設問数が増えるほど、オムニバスの1問単価が効いて逆転します。

それでも面接オムニバスに意味があるのは、38万円のネット調査では届かない層のデータが得られるからです。比較すべきは金額ではなく、その金額で何の母集団を買えるかです。なお料金は改定されるため、発注前に各社の公式ページで最新の条件を確認してください。

依頼から納品までの流れと、締切の逆算

オムニバス調査は実施日が固定されているため、動かせるのは自社側の準備だけです。中央調査社の個人オムニバスを例にすると、毎月10日前後の土日を含む約10日間で調査が行われ、実施月末日から翌月初旬に納品されます。

注意すべきは締切の扱いです。月ごとに原稿締切予定日が設定されていますが、締切前に予約が埋まった場合はその時点で締切になります。「締切日までに出せばいい」と考えていると、枠がなくなって翌月送りになります。翌月送りは1か月の遅れを意味するので、意思決定のスケジュールに直結します。

逆算するとこうなります。納品が翌月初旬なら、調査は当月10日前後。原稿の確定はその前月中には済ませたい。設問文の社内合意に2週間かかるなら、着手はさらに前です。設問の文言調整は、想定より時間がかかる工程だと見込んでください。1問十数万円の枠に載せる文言なので、修正の余地は納品後にはありません。

オムニバス調査を選ぶべきでないケース

次の条件に当てはまるなら、オムニバス調査は向きません。

  • 設問が多い。1問課金なので、10問を超えると単独調査のほうが安くなります。前述のとおり面接型では136万円対38万円の開きが出ます。
  • 調査時期を自分で決めたい。実施サイクルは調査会社が決めており、キャンペーン直後などタイミングを指定する調査には使えません。
  • 設問間で複雑な分岐をさせたい。相乗りの調査票に組み込む都合上、条件分岐の自由度は限られます。
  • 特定の条件に絞った対象者に聞きたい。オムニバスは一般母集団への調査です。出現率の低い対象なら、スクリーニングを組んだ単独調査のほうが確実です。

逆に、数問だけを大規模サンプルで、しかも定期的に定点観測したいという条件では、オムニバスの費用対効果がはっきり出ます。毎月同じ設問を載せ続ければ、単独調査を毎月組むよりはるかに低い費用で時系列データが積み上がります。

よくある質問

オムニバス調査とは何ですか?

複数の依頼者が1本の調査票に相乗りして実施するアンケート調査です。契約は調査票の1ページ単位、または1問単位で行い、費用を分担します。年齢や性別などの属性設問は共通で提供されるため、少ない設問数でも属性別の集計ができます。詳しい定義と仕組みはオムニバス調査とは何か?アンケート手法の意味と概要を初心者向けにわかりやすく丁寧に徹底的に解説で扱っています。

オムニバス調査に対応している調査会社はどこですか?

自前の調査基盤を持つ調査会社に限られます。調査員が訪問して面接する個別面接型では中央調査社が毎月の個人オムニバスを実施しており、ネットモニタを使う方式は複数社が提供しています。選ぶ際は、対象としたい母集団がその方式で捕捉できるかを最初に確認してください。ネット非利用層を含めたいなら面接型以外の選択肢はありません。

オムニバス調査の費用はどのくらいですか?

方式と設問数で決まります。中央調査社の個人オムニバスは1〜5問で1問18万円、6〜10問で17万円、11問以上で16万円です。回答票を使う場合は1問につき12,000円が加算されます。3問なら54万円が目安です。料金は改定されることがあるため、発注前に公式ページで最新の条件を確認してください。

単独で調査を発注するのとどちらが安いですか?

設問数によって逆転します。設問が少なければオムニバスが有利ですが、10問を超えると単独調査のほうが安くなります。マクロミルの単独ネット調査は1,000サンプル10問で38万円なので、面接オムニバスの10問(170万円)とは大きな差が出ます。ただし面接調査とネット調査では母集団の性質が違うため、金額だけの比較は成立しません。

オムニバス調査とシンジケート調査は何が違いますか?

自分の設問を入れられるかどうかが違います。オムニバス調査は複数の依頼者が相乗りして、それぞれが独自の設問を持ち込みます。シンジケート調査は調査会社が自主的に企画・実施した調査結果を、後から複数社へ販売する形式で、設問は決まっています。既製品を買うのがシンジケート、共同で発注するのがオムニバスだと考えると整理しやすくなります。

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