RDD(RDD法)とは?世論調査で使われる電話番号の無作為抽出方式をわかりやすく解説

RDD(RDD法/Random Digit Dialing、ランダム・デジット・ダイヤリング)とは、コンピューターで無作為に生成した電話番号へ発信し、つながった相手に調査する手法です。新聞・通信・テレビ各社の世論調査で使われている中心的な方法で、電話帳や名簿を使わないため、番号が非掲載の世帯にも公平に当たるのが最大の特徴です。この記事では、番号をどう作ってどこにかけるのかという仕組み、固定電話と携帯電話の使い分け、回答率低下などの課題に加え、「知らない番号からかかってきたRDDの電話は迷惑電話や詐欺なのか」という不安への答えまでまとめます。

まとめ:RDD法の要点

  • RDD法=無作為に生成した電話番号へかける電話調査手法。電話帳・名簿を使わないので非掲載世帯にも当たる。
  • 番号は市外局番・局番(固定)や総務省公表の番号帯(携帯)を土台に、残りの数桁をランダム生成する。使われていない番号にも当たる。
  • 現在は固定電話と携帯電話を併用する「デュアルフレーム」が主流。大手報道各社は2016〜2017年に携帯併用へ移行した。
  • 最大の課題は回答率の低下と標本の偏り。固定電話のみだと高齢層に、携帯のみ世帯(約36%)を取りこぼすと若年層に偏る。
  • 正当なRDD世論調査は詐欺ではないが、手口を模した不審電話もある。非通知や不明番号は発信元を確認し、協力を断る権利もある。

以下で、仕組み・固定/携帯の違い・メリットとデメリット・迷惑電話との見分け方の順に掘り下げます。

RDD法とは:無作為抽出で標本の偏りを抑える電話調査

RDD法は、あらかじめ用意した名簿や電話帳ではなく、機械が作った電話番号に片っ端から発信して調査対象を選ぶ方式です。従来の名簿式調査には「電話帳に載せていない世帯が最初から対象外になる」という構造的な偏りがありました。電話帳非掲載が当たり前になった現在、この偏りは無視できません。RDD法は番号そのものを無作為に生成するため、掲載・非掲載を問わず理論上すべての回線が対象になり、代表性の高い標本をつくれます。

日本では新聞・通信・テレビの大手報道機関が月1回程度の定例世論調査でRDD法を採用しており、内閣支持率や選挙情勢の報道で目にする数字の多くはこの方式で集められています。読み方は「アール・ディー・ディー」、英語の Random Digit Dialing(無作為番号発信)の頭文字です。

RDD法の仕組み:電話番号をどう作り、どこにかけるのか

RDD法の中身は「番号の作り方」と「誰を対象に選ぶか」の2段階に分けると理解しやすくなります。ここが名簿式との決定的な違いです。

固定・携帯別の番号生成の仕組み

固定電話では、市外局番と市内局番(局番)の組み合わせは地域ごとに割り当てが決まっているため、その実在する番号帯を土台に、残りの下数桁だけをランダムに生成します。携帯電話では、総務省が公表している事業者ごとの番号帯(070/080/090で始まる帯)に対してランダムに番号を作ります。地域を絞った調査をしたい場合は市外局番で対象エリアを指定できるのが固定電話RDDの利点です。この仕組み上、実際には使われていない番号や欠番にも発信してしまうため、有効な相手にたどり着くまでの空振りが避けられません。

電話帳に載っていない世帯も対象になる理由

「世論調査の電話番号はどこから入手しているのか」という疑問の答えは、「どこからも入手していない(機械が作っている)」です。番号を名簿から引くのではなく計算で作り出すため、電話帳への掲載・非掲載や、リストへの登録の有無に関係なく対象になります。つながった先が世帯なら、その世帯にいる人の中からさらに無作為に一人を選ぶ手順を挟むことで、世帯内の偏りも抑えます。

固定電話RDDと携帯電話RDD(デュアルフレーム方式)

RDDには固定電話にかける方式と携帯電話にかける方式があり、カバーできる層が異なります。現在はこの2つを併用する「デュアルフレーム方式」が標準になっています。

固定電話RDDの特徴と限界

固定電話RDDは市外局番で地域を指定でき、世帯単位で地域別のデータを取りやすいのが強みです。一方で固定電話の保有率は年々下がっており、固定電話しか対象にしないと在宅時間の長い高齢層に標本が偏ります。「世論調査で固定電話RDDに限界がある」と言われるのは、この加入者構造の変化が主因です。

携帯電話RDDの導入と各社の移行時期

この偏りを補うために携帯電話RDDが導入されました。固定電話を持たず携帯のみで暮らす「携帯のみ世帯」は調査によって約36%に達し、しかも若年層や単身の勤労世代、世帯収入が低めの層といった特定の属性に偏っています。固定電話だけではこの層がまるごと抜け落ちてしまいます。大手報道各社は2016〜2017年に相次いで固定・携帯の併用へ移行しました。読売新聞が2016年4月上旬、日本経済新聞が同年4月下旬、朝日新聞が同年7月、NHKと共同通信が2017年4月、毎日新聞が同年9月です。ただし固定と携帯では番号が抽出される確率が異なるため、両者の回答をどう合算するかは各社で方法が統一されていません。

RDD法のメリットとデメリット(代表性と回答率の両面)

公平な標本づくりと引き換えに、RDD法は運用面の負担や近年の回答率低下という弱点を抱えています。導入する調査の目的に合うかは、この両面で判断します。

メリット:名簿不要で代表性の高い標本を短期間で得られる

最大の利点は、事前の名簿がなくても偏りの少ない標本を作れることです。掲載・非掲載を問わず対象化できるうえ、市外局番で地域を絞れば地域別の世論も測れます。電話でその場に回答が集まるため、選挙情勢のように速報性が求められる調査にも向きます。

デメリット・問題点:回答率の低下と標本の偏り

デメリットは大きく3つです。第一に回答率の低下で、「知らない番号には出ない」という防衛行動や迷惑電話対策の普及により、そもそも電話に出てもらえないケースが増えています。第二に、その結果として在宅しがちな層に回答が偏る標本の偏り(バイアス)が生じます。第三に、欠番や未使用番号への空振りが多く、コストと手間がかかる点です。なお回答率は各社が公表していますが、「回答率」の分母の取り方自体が統一されていません。例えば読売新聞は応答した人数を分母に、毎日新聞は18歳以上が出た番号数を分母にするなど定義が異なるため、社をまたいだ単純比較には注意が必要です。回答の偏りは、年齢・性別・地域の構成比に合わせて重み付け(ウェイト調整)で補正するのが一般的です。

RDD世論調査の電話と迷惑電話・詐欺の見分け方

「見慣れない番号や非通知でRDD世論調査の電話がかかってきたが、迷惑電話や詐欺ではないか」という不安は多く聞かれます。結論として、報道各社や調査会社が実施する正当なRDD世論調査は詐欺ではありません。ただし、世論調査を装った不審な電話やアンケート詐欺が存在するのも事実です。

見分けの目安として、正規の調査は調査主体(社名・調査機関名)と調査目的を名乗り、氏名・住所・口座番号・暗証番号といった個人を特定する情報や金銭は求めません。金銭やクレジットカード情報を聞かれたら調査ではなく詐欺と考えてください。非通知や心当たりのない番号なら、出る前に発信元を確認し、不安なら折り返さない・情報を渡さないのが安全です。協力は義務ではないため、途中でも断れます。近年は調査側も配慮を進めており、例えば共同通信は2020年に、自動音声の案内中に「今後同様の調査電話をしない」設定を選べる仕組みを導入しました。

よくある質問(RDD法)

世論調査の電話番号はどこから入手しているのですか?

名簿や電話帳から入手しているのではなく、コンピューターが番号を無作為に生成しています。固定電話は実在する市外局番・局番を土台に下数桁を、携帯電話は総務省公表の番号帯を土台にランダムに作ります。そのため電話帳非掲載の番号にも当たります。

RDD世論調査の回答率はどのくらいですか?

近年は「知らない番号に出ない」傾向が広がり、回答率は低下傾向にあります。注意したいのは、各社・各調査で「回答率」の分母の取り方(例:読売新聞は応答者数、毎日新聞は18歳以上が出た番号数)が統一されていない点で、社をまたいで数字を単純比較することはできません。正確な数値は個々の調査が公表する値で確認するのが確実です。

RDDの電話がかかってきたら出るべきですか?断れますか?

正当な世論調査であれば応答しても問題ありませんが、回答は任意で途中でも断れます。金銭や口座・暗証番号を求める電話は調査ではなく詐欺なので応じないでください。非通知や不明番号は発信元を確認してから判断するのが安全です。

IT分野で聞くRDDとは違うものですか?

別物です。データ処理基盤 Apache Spark の RDD は Resilient Distributed Dataset(耐障害性分散データセット)の略で、分散処理でデータを扱う仕組みを指します。世論調査のRDD(Random Digit Dialing)とは略語が同じだけの無関係な概念で、クラウドのデータベース基盤を指す「RDS」ともまったく別物です。

固定電話しか持っていないと調査結果に偏りが出ますか?

固定電話だけを対象にすると、固定電話を持たない携帯のみ世帯(約36%、若年・単身層に多い)が抜け落ち、高齢層寄りに偏ります。これを避けるために、現在は固定・携帯を併用するデュアルフレーム方式が主流になっています。

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