AAIDとは?Androidの広告ID(ADID)の確認・リセット方法とIDFAとの違い

AAID(Android Advertising ID)は、AndroidスマートフォンでGoogle Play開発者サービスが払い出す、広告向けの一意な識別子です。Cookieに依存せずアプリをまたいでユーザーを識別できる一方、ユーザーが自分でリセット・削除できる点が特徴で、広告の効果測定やターゲティングの基盤になっています。この記事では、AAIDの定義と「ADID」「GAID」との呼称の関係、端末での確認・リセット手順、iOSのIDFAとの違い、開発者が2026年時点で押さえるべきAD_ID権限やゼロ埋めの挙動、そしてPrivacy Sandbox廃止(2025年10月)後の位置づけまでを、実務目線で整理します。

まとめ:AAIDの要点

  • AAID=Google Play開発者サービスが払い出すAndroidの広告ID。「ADID」「GAID(Google Advertising ID)」は同じものの別称で、区別する必要はありません。
  • ユーザーは端末の設定からいつでもリセット・削除できる。削除するとアプリからは「00000000-0000-0000-0000-000000000000」というゼロ埋めの値が返ります。
  • iOSのIDFAとの最大の違いは取得のハードル。IDFAはATT(アプリのトラッキング透明性)の許諾が必須ですが、AAIDはオプトアウトしていなければ取得できます。
  • Android 13(API 33)以降を対象にするアプリは、AndroidManifestにAD_ID権限の宣言が必須。宣言し忘れると広告IDがゼロ埋めになります。
  • AAIDの後継とされたPrivacy Sandbox on Androidは2025年10月に主要技術が廃止され、当面はAAIDが引き続き広告IDの標準です。

AAIDの定義とADID・GAIDの呼称関係(Androidの広告ID)

AAIDは「Android Advertising ID」の略で、Google Play開発者サービス(Google Play services)が端末ごとに払い出す広告専用の識別子です。UUID形式(例:38400000-8cf0-11bd-b23e-10b96e40000d)の文字列で、電話番号や端末固有のIMEIのような恒久的なハードウェア識別子とは異なり、ユーザーがいつでもリセットでき、広告のパーソナライズをオフにもできるのが設計上の要点です。個人情報そのものではなく「匿名の広告識別子」として、アプリ横断の広告配信・フリークエンシー制御・効果測定に使われます。

AAID・ADID・GAIDの呼称関係

検索では「AAID」「ADID」「GAID」が混在しますが、いずれもAndroidの同じ広告IDを指す別称です。GAIDは「Google Advertising ID」、ADIDは「Advertising ID」を短縮した呼び方で、公式ドキュメントやSDKでは「advertising ID(広告ID)」と表記されます。3つを別物として区別する必要はありません。一方、iOS側の同種の識別子はIDFA(Identifier for Advertisers)と呼ばれ、こちらはAppleが提供する別物です。広告識別子全体の整理は広告識別子とは?IDFA・AAIDの違いとリセット方法を解説にまとめています。

AAIDが使われる場面

AAIDの用途で中心になるのは効果測定(アトリビューション)です。どの広告経由でアプリのインストールや購入が起きたかを、MMP(モバイル計測パートナー)がAAIDを突き合わせて判定します。これに付随して、興味・関心や過去の行動に基づくターゲティング(考え方はオーディエンスターゲティングとは?基本概念と重要性について解説で解説)や、同一広告を出しすぎないよう回数を抑えるフリークエンシー制御の識別子にもなります。いずれもCookieが効かないアプリ内広告で、ブラウザのCookieに代わる識別手段として機能します。

AAIDの確認・リセット・削除の方法(Android端末の設定手順)

AAIDはユーザー自身が端末の「設定」アプリから管理できます。表示メニューの名称や階層はAndroidのバージョンやメーカー(Pixel/Galaxy/Xperia等)で異なりますが、たどり着く先は共通です。

操作 手順の目安 結果
確認 設定 →「プライバシー」または「Google」→「広告」 現在の広告IDが表示される
リセット 同画面で「広告IDをリセット」 新しいIDが再生成され、過去のIDと紐づかなくなる
削除(Android 12以降) 同画面で「広告IDを削除」 IDが無効化され、以降はゼロ埋めの値が返る
パーソナライズ停止 「広告のカスタマイズをオプトアウト」をオン IDは残るが興味関心に基づく配信が止まる

リセットと削除の違い

「リセット」はIDを新しい値に付け替える操作で、これまで蓄積された広告プロファイルとの紐づきを断ち切りますが、広告ID自体は使い続けられます。対して2021年後半(Android 12世代)に追加された「削除」は、広告IDそのものを無効化する操作です。削除後にアプリが広告IDを取得しようとすると、実際の値の代わりに「00000000-0000-0000-0000-000000000000」というゼロ埋め文字列が返ります。プライバシーを最大限に守りたい場合は削除、広告は受けつつトラッキングの継続だけ避けたい場合はリセット、と使い分けます。

AdvertisingIdClientによるAAID取得の実装

アプリ側からAAIDを取得するには、Google Play services SDKのAdvertisingIdClientを使い、AdvertisingIdClient.Infoから広告IDと「トラッキング制限フラグ(isLimitAdTrackingEnabled/ユーザーがオプトアウトしているか)」を読み取ります。取得処理はネットワークやI/Oを伴うため、メインスレッドではなくバックグラウンドスレッドで実行するのが公式の推奨です。ユーザーがオプトアウトしている場合は、広告IDを効果測定やプロファイリングに使わない実装にする必要があります。

AAIDとIDFAの違い(AndroidとiOSの広告ID比較)

AAIDとIDFAはどちらも「アプリ向けの広告識別子」ですが、提供元と取得の前提が異なります。実務で効いてくる最大の差は、iOSはATT(App Tracking Transparency)の明示的な許諾がないとIDFAを取得できないのに対し、AndroidはユーザーがオプトアウトしていなければAAIDを取得できる、という許諾モデルの違いです。

項目 AAID IDFA
提供元 Google(Android) Apple(iOS)
対象OS Android iOS / iPadOS
取得の前提 オプトアウトしていなければ取得可 ATTでの許諾が必須
拒否時の値 ゼロ埋め文字列 ゼロ埋め文字列
リセット 設定から可能 設定から可能

ATT導入以降、iOSではIDFAを取得できる割合が大きく下がったため、Androidと比べて効果測定の精度に差が出やすくなっています。IDFA側の詳細はIDFAとは?定義と基本概念を詳しく解説を参照してください。

開発者が押さえるAAIDの仕様変更(AD_ID権限とゼロ埋め)

ここ数年でAAIDの取得条件は段階的に厳しくなりました。既存アプリでも、対象APIレベルを上げた瞬間に広告IDが取れなくなる落とし穴があるため、開発・運用の両面で把握しておく必要があります。

Android 13(API 33)で必須化したAD_ID権限

Android 13以降をtargetSdkVersionに設定するアプリは、広告IDを使うためにAndroidManifestで専用権限を宣言しなければなりません。

<uses-permission android:name="com.google.android.gms.permission.AD_ID" />

この権限はnormal権限のため、実行時にユーザーへ許可ダイアログを出す必要はありません。ただし宣言を忘れると、対象端末で広告IDが自動的にゼロ埋めに置き換わります。広告SDKを組み込んでいるのに計測が急に取れなくなった、というケースの多くはこの宣言漏れが原因です。子ども向けなど広告IDを扱わないアプリでは、逆にtools:node="remove"で権限を明示的に外す設計も可能です。

広告IDがゼロ埋めになる条件

AAIDが実値ではなくゼロ埋め文字列になるのは、主に次の3つの状況です。(1) ユーザーが設定で「広告IDを削除」した、(2) Android 13以降を対象にしているのにAD_ID権限を宣言していない、(3) 子ども向け設定など広告IDが利用できないプロファイルで動作している、のいずれかです。実装側は「広告IDが常に有効な実値で返る」前提を置かず、ゼロ埋め時は効果測定やターゲティングから当該データを除外するフォールバックを用意しておくのが安全です。

Privacy Sandbox廃止後のAAIDの位置づけ(2025年10月〜)

広告IDの将来を語るうえで避けて通れないのがPrivacy Sandboxの動向です。GoogleはCookieや広告IDに代わるプライバシー保護型の広告技術として「Privacy Sandbox on Android」を進めていましたが、2025年10月17日、GoogleはTopics・Protected Audience・Attribution Reporting APIなど主要なPrivacy Sandbox技術を、ChromeとAndroidの両方で廃止すると発表しました。理由は採用率の低迷とされています。

ただし、この廃止対象にAAID(広告ID)自体は含まれていません。後継として期待されていた仕組みが縮小した結果、当面はAAIDが引き続きAndroidの広告識別の標準であり続ける見込みです。とはいえ規制やGoogleの方針は変動が速いため、実装・運用の判断はAndroid公式ドキュメントやPlay Consoleの最新情報で必ず確認してください。GDPRやCCPAなどの規制下では、AAIDを扱う際にユーザー同意の取得・目的の明示・データ最小化が引き続き求められます。

よくある質問(FAQ)

AAID・ADID・GAIDは何が違いますか?

いずれもAndroidの同じ広告IDを指す別称で、違いはありません。GAIDは「Google Advertising ID」、ADIDは「Advertising ID」の略で、公式には「広告ID(advertising ID)」と表記されます。iOSの同種の識別子だけは別物のIDFAです。

AAIDを確認・リセットするにはどうすればいいですか?

端末の「設定」→「プライバシー」または「Google」→「広告」から、現在の広告IDの表示・リセット・削除ができます。メニュー名や階層は端末やAndroidバージョンで異なりますが、たどり着く画面は同じです。

広告IDが「00000000-…」になるのはなぜですか?

ユーザーが広告IDを削除した場合か、Android 13以降を対象にしたアプリがAD_ID権限を宣言していない場合、または広告IDを利用できないプロファイルの場合に、実値の代わりにゼロ埋め文字列が返ります。

AAIDとIDFAの違いは何ですか?

AAIDはAndroid、IDFAはiOSの広告IDです。最大の違いは取得の前提で、IDFAはATT(アプリのトラッキング透明性)の許諾が必須、AAIDはオプトアウトしていなければ取得できます。詳細はIDFAの解説記事を参照してください。

Privacy Sandboxの廃止でAAIDはなくなりますか?

いいえ。2025年10月に廃止が発表されたのはTopicsやProtected Audienceなどの技術で、AAID自体は対象外です。当面は引き続き利用できますが、今後の変更は公式情報で確認してください。

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