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WordPress移行(サーバー引っ越し)の手順と注意点|自力と代行の判断基準も解説

WordPress移行(サーバー引っ越し)は、ファイル一式とデータベースを新サーバーへ複製し、動作確認のうえでDNSを切り替えるという流れで進めます。本記事では、サーバー付帯の簡単移行ツール・プラグイン・手動の3方式の選び方から、ダウンタイムやリンク切れを防ぐ切替の実務、移行後の確認項目までを7ステップにまとめました。あわせて、自力で対応してよいサイトの条件と移行代行へ依頼すべき条件、代行費用の目安も整理します。企業サイトの担当者が、自社の状況に合う移行方法を選べる状態にすることが本記事の狙いです。

目次

まとめ:WordPress移行は方式選定とDNS切替の設計で決まる

WordPress移行の成否は、作業そのものよりも「方式の選定」と「切替タイミングの設計」で決まります。標準構成に近いサイトなら、エックスサーバーの「WordPress簡単移行」などサーバー付帯ツールで完結する場面が多く、追加費用もかかりません。カスタマイズが入ったサイトはAll-in-One WP Migrationによる丸ごと移行、数GBを超える大規模サイトや特殊構成はFTPとphpMyAdminによる手動のデータ移行が候補になります。

ドメインをそのまま使うサーバー移行であれば、URLは変わらないため検索順位への影響は限定的です。障害はDNS切替とSSL設定の局面に集中するので、TTLの短縮と新旧サーバーの並行稼働期間を確保してから切り替えます。会員機能や決済を持つサイト、停止が売上や信用に直結するサイトは、自力での夜間作業ではなく移行代行への依頼が確実です。線引きの基準は本文で条件付きで言い切ります。

WordPressサーバー移行の基本構造と引っ越しを検討する場面

最初に、何を動かすのか・なぜ動かすのかを整理します。移行の対象と理由がはっきりすれば、後の方式選定で迷いません。

表示速度・費用・サポート終了などサーバー移行を検討する典型的な場面

サーバー移行を検討するきっかけは、おおむね次のどれかに当てはまります。

  • 表示速度が遅く、サーバースペック(CPU・メモリ・ストレージ)の上限に達している
  • 月額費用が同等スペックの他社プランより高く、更新のたびに割高感がある
  • サーバーのPHPが古く、WordPress本体やプラグインの要件を満たせない
  • 利用中のプランやサービス自体が提供終了・サポート終了を迎える
  • 制作会社の変更やサイト刷新にあわせて管理環境を引き上げたい

このうちPHPバージョンの問題は放置する時間だけ危険が増えます。WordPress公式の推奨環境は2026年7月時点でPHP 8.3系以上・MySQL 8.0系以上(またはMariaDB)とされており、古いPHPのまま動かし続けるとセキュリティ更新も受けられません。サイト刷新と同時に移す場合は、サイトリニューアルの進め方で解説しているSEO評価の引き継ぎ手順とあわせて計画すると、作業の重複を省けます。

移行で動かす2つの要素:WordPressのファイル一式とデータベース

WordPressのサイト実体は、大きく2つに分かれます。1つはサーバー上のファイル一式で、テーマ・プラグイン・アップロード画像が入るwp-contentディレクトリと、接続設定を書いたwp-config.phpが中心です。もう1つはデータベース(MySQLまたはMariaDB)で、記事本文・固定ページ・各種設定・ユーザー情報はすべてこちらに保存されています。

つまりサーバー引っ越しとは「ファイルの複製」と「データベースの複製」を新サーバーで再結合する作業です。片方だけ移すと、画面は表示されるのに記事がない、あるいは記事はあるのに画像が全滅する、という中途半端な状態になります。移行方式の違いは、この2要素をツールが自動で運ぶか、人が手で運ぶかの違いにすぎません。WordPress本体は7.0系(2026年7月時点)まで更新が進んでいるため、移行時に新旧サーバーで本体バージョンを揃えておくと復元エラーを減らせます。

ドメインそのままのサーバー移行とドメイン移管が必要になる場合の違い

「ドメインそのまま」でサーバーだけ引っ越す場合、URLは1文字も変わりません。DNSの向き先を新サーバーに変えるだけなので、検索エンジンから見てもページの場所は同じで、リダイレクト設定も不要です。相談の多くはこのパターンで、束ねて検索される「wordpress移行 ドメインそのまま」の答えは「可能で、むしろ標準的な形」になります。

一方、ドメインの管理会社ごと変えるのは「ドメイン移管」という別の手続きです。認証コード(AuthCode)の取得やレジストラ間の承認が必要になり、登録・移管から一定期間(一般に60日間)は再移管できないルールもあります。サーバー移行と同時にやると切り分けが難しくなるため、先にサーバーを移し、安定稼働を確認してからドメイン移管に着手する順序を推奨します。WixやJimdoなど他サービスからWordPressへ乗り換える場合は、データ構造が異なるため本記事の手順がそのまま使えません。記事のエクスポートと再構築を含む別の計画が必要です。

サーバー付帯ツール・プラグイン・手動移行の3方式と選び方の基準

移行方式は実質3択です。サイトの規模とカスタマイズの深さで選びます。迷ったら、まず付帯ツールを試し、失敗したら次の方式へ降りる順番で問題ありません。

エックスサーバー等の簡単移行ツールで丸ごと移行できる条件と制約

主要レンタルサーバーは、移行元のWordPress情報を入力するだけでファイルとデータベースを自動で複製する機能を備えています。

移行先サーバー 付帯ツール名
エックスサーバー WordPress簡単移行
ConoHa WING WordPressかんたん移行
ロリポップ WordPress簡単引っ越し

費用がかからず、FTPもデータベースも触らずに済むため、標準構成のサイトなら第一候補になります。ただし制約もある点に注意が必要です。マルチサイト構成は対象外、対応するWordPressバージョンやPHPバージョンに範囲指定があり、セキュリティ系プラグインやログインURL変更プラグインが動いていると接続に失敗する例が知られています。移行元でこの種のプラグインを一時停止してから実行するのが定石です。

All-in-One WP Migrationを使うプラグイン移行と無料版の容量上限

All-in-One WP Migrationは、サイト全体を1つのアーカイブファイルに書き出し、新サーバー側で読み込むだけで丸ごと移行できるプラグインです。テーマのカスタマイズやプラグイン設定、データベースの中身まで一括で運べるため、付帯ツールが対応しない「異なるサーバー会社間」や「カスタマイズ済みサイト」で使われます。

注意すべきは読み込み側の容量上限です。無料版のインポートには上限があり、その値はサーバー側のアップロード設定(upload_max_filesize等)にも左右されます。上限を超えるサイトでは、エクスポート時の詳細オプションでメディアライブラリを除外し、画像はFTPで別送する方法が実務での定番です。それでも収まらない規模なら、有料拡張を買うか、次の手動移行に切り替える判断になります。書き出しファイルはバックアップとしても機能するので、移行と同時に退避データを確保できる点も利点です。

FTPとphpMyAdminによる手動データ移行が向く大規模・特殊構成

手動移行は、FTP(またはSSH)でwp-contentなどのファイル一式を転送し、phpMyAdminでデータベースをエクスポート・インポートし、wp-config.phpの接続情報を新サーバーに合わせて書き換える方法です。ツールの容量制限を受けず、数GBを超えるメディアを持つサイト、マルチサイト、独自テーブルを持つ会員システム連携サイトでも対応できます。

その代わり、失敗要因も人の手に集中します。データベースの文字コード指定の不一致、URL置換の漏れ、ファイルパーミッションの崩れは典型例です。URLが変わる移行では、データベース内のシリアライズ形式を壊さない置換ツール(WP-CLIのsearch-replaceコマンド等)を使う必要があります。AWSなどクラウド環境へ移す場合は、サーバー構築自体の設計が加わるため、クラウド移行の進め方で移行方式と切替手順の全体像を確認したうえで計画してください。

ダウンタイムを防ぐWordPressサーバー引っ越しの手順7ステップ

方式が決まったら、実行の順序を固定します。手順の骨格はどの方式でも共通で、違うのはステップ3の運び方だけです。

新サーバー契約からDNS切替までの移行手順7ステップの全体工程

標準的な工程は次の7ステップです。

  1. 新サーバーを契約し、PHP・データベースのバージョンが要件を満たすか確認する
  2. 移行元でファイルとデータベースの完全バックアップを取得する
  3. 選んだ方式(付帯ツール/プラグイン/手動)でファイルとデータベースを複製する
  4. hostsファイルの書き換えで、DNS切替前に新サーバー上の表示と動作を確認する
  5. 新サーバー側でSSL証明書を設定し、https表示の準備を整える
  6. DNSレコードを新サーバーへ切り替え、浸透後の表示・フォーム・ログインを確認する
  7. 数日〜1週間の並行稼働を経てから、旧サーバーを解約する

要となるのがステップ4のhosts確認です。手元のPCのhostsファイルにドメインと新サーバーのIPアドレスを書き加えると、世間にはまだ旧サーバーが公開されたまま、自分だけ新サーバーの表示を検証できます。ここで管理画面ログイン・問い合わせフォーム送信・主要ページの表示を潰しておけば、切替当日の作業は DNS変更だけになります。

DNSのTTL短縮と並行稼働でダウンタイムとメール停止を防ぐ方法

DNSの切替は世界中のキャッシュが順次入れ替わる仕組みのため、TTL(キャッシュ有効期間)が長いままだと新旧どちらに接続されるか分からない時間が長引きます。切替の1〜2日前にTTLを3600秒から300秒程度へ縮めておくと、この混在時間を数分〜1時間規模に抑えられます。切替後、安定したらTTLは元の値に戻して構いません。

見落としやすいのがメールです。同じドメインでメールも運用している場合、DNSにはWebの向き先(Aレコード)とメールの向き先(MXレコード)が別々に定義されています。Webだけ移すつもりでネームサーバーごと変更すると、メールが新サーバーの空のメールボックスへ届き始め、実質的なメール消失が起きます。移行前にDNSレコードの一覧を控え、メールを旧環境に残すのか同時に移すのかを決めてから切り替えてください。混在時間帯に旧サーバーへ届いたメールや問い合わせを拾うためにも、旧サーバーの即時解約は避け、並行稼働期間を確保します。

URL・SSL・301リダイレクトの確認でリンク切れとSEO低下を防ぐ

ドメインそのままの移行なら、URLが変わらないため301リダイレクトは原則不要です。逆にURLが変わる移行(ドメイン変更・httpからhttpsへの変更を伴う場合)では、旧URLから新URLへの301リダイレクトを1対1で設定しないと、被リンクと検索評価の引き継ぎが切れます。

SSLは切替直後の典型的な落とし穴です。無料SSL(Let’s Encrypt等)はDNSが新サーバーへ向いてからでないと発行できないサービスが多く、切替直後に証明書エラーが表示される空白時間が生じえます。hosts確認の段階で発行手順を確かめ、切替後すみやかに発行・反映する段取りを組んでください。切替が済んだら、データベース内に旧サーバーのテスト用URLが残っていないかを置換ツールで確認し、Googleサーチコンソールのカバレッジでクロールエラーが増えていないかを1〜2週間監視します。ここまでやれば、サーバー移行が原因で順位を失う可能性はかなり小さくなります。

WordPress移行の失敗パターンと自力・代行依頼を分ける判断基準

最後に、つまずきの実例と、自力でやるか移行代行へ出すかの線引きを示します。この章が本記事の結論です。

文字化け・SSLエラー・更新失敗など移行後に多い不具合と原因

移行後に問い合わせの多い不具合は、原因がほぼ決まっています。全ページの文字化けはデータベースの文字コード指定(utf8mb4等)の不一致、鍵マークの警告はSSL証明書の未発行・混在コンテンツ(http画像の読み残し)、下層ページだけ404になるのはパーマリンク設定の未反映で、管理画面から設定を保存し直すだけで直る例が目立ちます。

プラグインの動作不良は、新旧サーバーのPHPバージョン差が原因になりがちです。古いPHP向けのプラグインが新環境で致命的エラーを起こすと、画面全体が真っ白になることもあります。hosts確認の段階でプラグインを1つずつ有効化し、どれが原因かを切り分けられるようにしておけば、切替後に慌てません。バックアップさえ残っていれば、どの不具合も旧環境へ戻してやり直せます。復旧できない事故のほとんどは「バックアップを取らずに始めた」ケースです。

自力移行でよいサイトの条件と移行代行へ切り替えるべき条件の線引き

自力での移行は、次の3条件がそろうサイトに限って推奨します。標準構成に近くカスタマイズが浅いこと、数時間の表示不安定を許容できること、hostsファイルの書き換え程度の作業に抵抗がないことです。個人ブログや小規模なお知らせサイトの大半はここに入り、付帯ツールかAll-in-One WP Migrationで完結します。

逆に、会員機能・決済・予約など止められない機能を持つサイト、フォーム経由の商談が売上に直結する企業サイト、複数人が日常的に更新している編集体制のサイトは、自力の夜間作業では割に合いません。失敗時の損失が代行費用を上回るためです。この場合は移行代行へ依頼し、社内はコンテンツ確認に専念する分担が現実的です。一創ではWordPress保守・メンテナンスとして、サーバー移行を含む保守対応を請け負っています。移行を終えた後の更新・バックアップ・監視まで含めて任せる先を決めておくと、切替後の障害対応が速くなります。

移行代行の費用の目安と依頼前に整理して伝える情報・業者選定の観点

移行代行の費用は、標準的なレンタルサーバー間の引っ越しで数万円〜15万円前後が目安です。マルチサイトやカスタマイズの深いサイト、クラウド環境への移設を伴う案件では20万円を超えることもあります。金額を分けるのは「環境差異の大きさ」と「止められない度合い」の2点で、夜間・休日の切替指定は追加費用の対象になりがちです。

見積もり精度を上げるには、依頼前に次の情報を整理して渡します。現行サーバーのプラン名とPHPバージョン、サイトの容量(ファイルとデータベース)、使用プラグインの一覧、メール運用の有無、停止を許容できる時間帯の5点です。業者選定では、移行前後のバックアップ取得と切り戻し手順を提示できるか、SSL・DNS切替まで含めて請けるかを確認します。作業範囲が「データを移すだけ」の業者と「動作確認と障害対応まで」の業者では、同じ金額でも中身が別物です。見積もりの内訳を確認し、作業範囲の認識差をなくしてから発注します。

よくある質問

WordPress移行(サーバー引っ越し)について、検索の多い質問に答えます。

WordPressの移行はドメインそのままでできますか?

できます。ドメインを変えずにサーバーだけ引っ越す形が標準的で、URLは一切変わりません。DNSの向き先を新サーバーへ切り替えるだけなので、リダイレクト設定も不要で、検索順位への影響も限定的です。ドメインの管理会社を変えたい場合のみ「ドメイン移管」という別手続きが加わるため、サーバー移行の安定稼働を確認してから順番に進めることを推奨します。

All-in-One WP Migrationで移行できないときはどうすればよいですか?

まずインポート側の容量上限を疑ってください。無料版の上限とサーバーのアップロード設定の両方が影響します。対処は3段階で、エクスポート時にメディアライブラリを除外して画像をFTPで別送する、サーバー側のアップロード上限を引き上げる、それでも不足なら有料拡張か手動移行(FTP+phpMyAdmin)へ切り替える、と段階を踏むのが定石です。移行先サーバーの付帯ツールが使える組み合わせなら、そちらを先に試す価値もあります。

サーバー移行中にサイトが見られない時間はどのくらい発生しますか?

正しく段取りすれば、閲覧者から見えるダウンタイムはほぼゼロにできます。旧サーバーを公開したまま新サーバーへ複製し、hostsファイルで動作確認を済ませてからDNSを切り替えるため、どの時点でもどちらかのサーバーが表示に応えるからです。DNS切替後の混在時間はTTLを300秒程度へ事前短縮しておけば数分〜1時間規模に収まります。逆に、旧サーバーを先に解約してから移行を始めると長時間の停止が確定するため、この順番だけは守ってください。

サーバー移行でSEOの順位は下がりますか?

ドメインそのままの移行なら、URLが変わらないため順位が下がる直接の理由はありません。実際に影響が出るのは、移行ミスでリンク切れや表示エラーを放置した場合、SSL証明書の空白時間が長引いた場合、URLが変わるのに301リダイレクトを設定しなかった場合です。移行後1〜2週間はGoogleサーチコンソールでクロールエラーとカバレッジを監視し、異常があれば早期に修正すれば、評価の引き継ぎで問題が起きる場面はほとんどありません。

WordPress移行の代行費用はどのくらいかかりますか?

標準的なレンタルサーバー間の移行で数万円〜15万円前後が目安です。サイト容量が大きい、マルチサイトである、クラウドへの移設を伴う、夜間切替を指定するといった条件で20万円超になる場合もあります。見積もり時は、サーバー仕様・サイト容量・プラグイン一覧・メール運用の有無・停止許容時間帯の5点を伝えると精度が上がります。金額よりも、バックアップと切り戻し手順を提示できる業者かどうかを先に確認してください。

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