太陽光発電で「事業計画書」と呼ばれる書類は2種類あります。1つは再エネ特措法の認定を受けるために電子申請システムへ入力する再生可能エネルギー発電事業計画、もう1つは設備資金を借りるために金融機関へ出す融資用の事業計画書です。前者では国の認定基準への適合を、後者では借入期間中の返済能力と事業期間全体の収支を確認されます。
2026年10月時点で計画を立てるなら、制度の前提が大きく変わっている点に注意が必要です。地上設置の事業用太陽光は、2026年度の入札の落札案件を除き、2027年度以降はFIT・FIP制度の新規認定の対象から外れます。この記事では、2026年度の価格と認定要件を一次情報で確認したうえで、融資審査で使える収支・返済計画の組み方を設例で示します。
まとめ:太陽光発電の事業計画書で押さえる要点
- 認定用の事業計画は「再生可能エネルギー電子申請」で入力し、設備・土地・接続同意・保守体制・廃棄計画が認定基準になります。
- 2026年度の価格は地上設置10kW以上50kW未満が9.9円/kWh、地上設置50kW以上(入札対象外)がFIP基準価格9.6円/kWh、屋根設置10kW以上が19円/kWh(5年目まで)・8.3円/kWh(6〜20年目)です。50kW以上はFIPのみでFITは選べません。
- 地上設置の事業用太陽光は、2026年度の落札案件を除き2027年度以降FIT・FIPの新規認定対象になりません。入札対象外の地上設置案件は、2026年度中に認定を取る計画か、制度に頼らない自家消費型の計画かを最初に決めます。
- 10kW以上50kW未満のFIT案件は発電量の30%以上の自家消費等などの地域活用要件、地上設置の高圧(50kW以上)は認定申請の原則3か月前までの説明会が必要です。屋根設置は説明会等が認定要件から外れ、努力義務です。
- 屋根設置の価格は6年目に19円から8.3円へ下がるため、借入額・金利・期間によっては元利均等返済だと6年目からDSCR(返済余力の倍率)が1倍を割ります。前半の余剰を留保する前提を書くか、返済を価格の段差に合わせて組むかを計画書で示します。
太陽光発電の事業計画書は認定用と融資用の2種類
2つの計画書は提出先も見られる点も違いますが、中身の裏付けは重なります。認定基準で求められる接続同意や土地の権原は、金融機関にとっても事業が実在する証拠になるからです。
| 項目 | 認定用の事業計画 | 融資用の事業計画書 |
|---|---|---|
| 提出先 | 経済産業大臣(電子申請) | 公庫・銀行・信用金庫 |
| 根拠 | 再エネ特措法9条 | 法定の様式なし |
| 形式 | システムへの入力と添付 | 任意(Excel等) |
| 見られる点 | 認定基準への適合 | 返済能力・資金使途 |
| 主な数字 | 出力・パネル合計出力 | 発電量・収支・返済額 |
認定用の事業計画で入力・公表される項目
認定申請は再生可能エネルギー電子申請で行い、50kW未満の太陽光の問い合わせ先はJPEA代行申請センター(JP-AC)です。資源エネルギー庁の2026年度FIT・FIP制度ガイドブックは、主な認定基準として関係許認可の取得、土地の確保、分割禁止、設備の決定、接続同意、保守点検の体制、廃棄の計画、関係法令の遵守を挙げています。林地開発許可・盛土規制法の許可・砂防三法の許可が必要な土地では、認定申請までに許可を取っておく必要があります。
認定後は設備ID・事業者名・出力・設置場所・運転開始年月・廃棄費用の積立方法などが資源エネルギー庁のサイトで公表されます(20kW未満の太陽光を除く)。
融資用の事業計画書で求められる裏付け資料
融資用の計画書に決まった様式はありません。書いた数字ごとに裏付け資料を対応させると、金融機関が計画の前提を確認しやすくなります。発電量には日射量データと計算条件、設備費にはメーカー・型番入りの見積書、売電単価には認定通知書(申請中なら申請内容)、系統には電力会社の接続同意の書面、土地には登記事項証明書か賃貸借契約書を付けます。表計算で組む場合のシート構成はエクセルで事業計画書を作成する具体的な手順と必要シートの全体像が参考になります。
2026年度のFIT・FIP価格と2027年度以降の地上設置の支援停止
経済産業省が2026年3月19日に公表した2026年度以降の買取価格等では、太陽光の区分は次のとおりです(単位は円/kWh。FITの調達価格とFIPの基準価格で、FIPの実際の売電単価を保証するものではありません)。
| 区分 | 2026年度 | 2027年度 | 調達・交付期間 |
|---|---|---|---|
| 10kW未満(住宅用) | 24円(4年目まで)・8.3円 | 同左 | 10年 |
| 屋根設置 10kW以上 | 19円(5年目まで)・8.3円 | 同左 | 20年 |
| 地上設置 10〜50kW未満 | 9.9円 | 支援の対象外 | 20年 |
| 地上設置 50kW以上(入札対象外・FIPのみ) | 9.6円 | 支援の対象外 | 20年 |
| 地上設置 250kW以上 | 入札(上限9.6円・年4回) | 支援の対象外 | 20年 |
屋根設置の19円・24円は、2025年度下半期から導入された初期投資支援スキームによる価格です。ガイドブックは、住宅用の初期4年間を従来比6割増、事業用の屋根設置の初期5年間を従来比7割増に設定し、早期の投資回収を図ると説明しています。2024年度以降に新規認定を受けた案件のうち最大受電電力が10kW以上のものは、価格に発電側課金相当額が加わります。FITの調達価格は、認定事業者が課税事業者なら消費税を加えた額、免税事業者なら消費税込みの額として扱われます。
地上設置の新規案件:2026年度内の認定取得可否
資源エネルギー庁のガイドブックは、地上設置(10kW以上)の区分は2026年度の落札案件を除き、2027年度以降はFIT・FIP制度の新規認定対象とならないと注記しています。入札対象外(250kW未満)の地上設置で新規に計画を立てるなら、最初の分岐は「2026年度中(2027年3月31日まで)に認定を取れるか」です。認定申請の前には電力会社の接続同意が必要なので、接続検討の回答がまだ出ていない案件は年度内の認定に間に合わない前提で計画するのが安全です。間に合わない案件は、FIT・FIPの価格を収入に置かず、自家消費や需要家との直接契約で成り立つかを試算し直します。
認定要件の事業計画への記載事項
地域活用要件:10〜50kWは自家消費30%と自立運転
10kW以上50kW未満の事業用太陽光をFITで新規認定するには、自家消費型の地域活用要件を満たす必要があります。同じ需要場所で発電電力量の少なくとも30%を自家消費し、自家消費等計画を作ること、そして災害時に自立運転できるパワーコンディショナー(少なくとも10kW相当分で1.5kWの自立運転出力)と給電用コンセントを備えることです。ガイドブックは、買取電力量から自家消費比率を構造的に満たせないと疑われる案件には認定取消し等の措置を講じるとしており、電気料金の請求書や検針票の保存も求めています。通常の10kW以上50kW未満のFIT案件では、融資用の計画書でも売電量を発電量の70%以下で置きます。例外として、支柱の農地転用許可の期間が3年を超える営農型は、自立運転と給電用コンセントの要件だけでFIT認定の対象になります。
説明会と事前周知の対象:地上設置の低圧100m・高圧300m
2024年4月1日施行の改正再エネ特措法で、認定申請の前に周辺住民へ説明することが認定要件になりました。説明会及び事前周知措置実施ガイドラインでは、住宅用(10kW未満)と屋根設置を除き、高圧(50kW以上2,000kW未満)と特別高圧の電源は説明会を開き、低圧(50kW未満)は原則としてポスティングなどの事前周知で足ります。ただし低圧でも、許認可が必要なエリア・土砂災害警戒区域・条例の保護エリアにかかる場合は説明会が必要です。屋根設置は認定要件の対象外ですが、説明会等の実施に努めることとされています。説明の対象は敷地境界から低圧100m、高圧・特別高圧300m(環境影響評価法の第一種事業は1km)以内の居住者に加え、隣接する土地・建物の所有者と、市町村への事前相談で加えるよう意見があった人です。説明会は原則として認定申請日の3か月前までに開きます。計画書の工程表には、市町村への事前相談と開催案内(開催予定日の2週間前まで)の期間を入れておきます。
運転開始期限3年と廃棄等費用の積立
太陽光の運転開始期限は原則として認定日から3年で、認定申請時に環境影響評価法に基づくアセスメントを行っていた場合は5年です。10kW以上は期限を過ぎた分だけ20年の調達期間が月単位で短くなり、10kW未満は1年を過ぎると認定が失効します。さらに長期の未稼働案件には、運転開始期限に一定期間を加えた失効期限を超えると認定を失効させる制度もあります。工期が延びれば最終年度の売電収入が削られる構造なので、融資用の計画書では運転開始を期限より前に置き、遅延時の影響額も示しておくと説得力が出ます。
FIT・FIP認定を受けた10kW以上の太陽光は、調達期間・交付期間の終了前10年間、原則として売電収入から源泉徴収的に廃棄等費用が外部積立てされます(長期安定発電の責任・能力などの要件を満たす場合は例外的に内部積立ても認められます)。調達価格等算定委員会の令和8年度以降の意見では、2026年度認定の解体等積立基準額は地上設置10〜50kWが0.60円/kWh、地上設置50kW以上が0.62円/kWh、屋根設置が1.12円/kWhです。11年目からキャッシュフローが落ちる要因なので、収支表には独立した行で入れます。
標識・柵塀・保守点検計画
事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)は、出力20kW以上の設備に事業者名や保守点検責任者を書いた標識の掲示を求め、設置形態上、第三者が容易に発電設備に近づけない場合を除いて柵塀等の設置を求めています。屋根上の設備はこの例外に当たるかを確認したうえで要否を決めます。保守点検・維持管理計画の策定と実施も遵守事項で、違反すると改善命令や、2024年改正で導入されたFIT・FIP交付金の一時停止の対象になり得ます。融資用の計画書では、保守を委託する会社名と契約内容を記載し、保守委託料は運転維持費に、必要な柵塀・標識の費用は初期費用に入れます。
年間発電量と売電収入の試算方法
MONSOLA-20とJIS C 8907による発電量の推定
日射量はNEDOの日射量データベース(MONSOLA-20)で、設置地点・方位角・傾斜角を指定して月別の値を取ります。年間発電量の推定方法はJIS C 8907が規定しており、月ごとに「パネル容量(kW)×傾斜面の日平均日射量(kWh/m²/日)×月の日数×損失を見込んだ総合設計係数÷標準日射強度(1kW/m²)」で求めて12か月分を合計します。メーカーのシミュレーションを使う場合も、使った日射量データと損失係数を計算条件として計画書に書いておきます。
発電量試算への劣化率・出力制御率の反映
NEDOの成果報告書は、結晶系モジュールの発電劣化年率をおよそ0.4〜0.8%で直線的に変化すると記しています。融資用の計画では上限側の0.8%を初年度発電量に対する年率として直線で差し引くと保守的です。
出力制御も地域差が大きい要素です。次世代電力系統ワーキンググループの資料によると、2024年度の変動再エネの年間出力制御率は九州4.8%、四国3.2%、中国2.3%、関西2.1%、東京0%でした。九州エリアでは2024年度に計128日の出力抑制が行われています。10kW未満は当面、原則として出力制御の対象外です(第一種・第二種複数太陽光発電設備設置事業は例外)。10kW以上は原則すべての設備が対象なので、設置エリアの実績値を売電量から差し引いた試算を併記します。
設例:屋根設置49.5kWの収支と返済方法の比較
工場の屋根に出力49.5kWの太陽光を載せ、2026年度にFIT認定(10kW以上50kW未満なので地域活用要件あり)を受ける場合を、算定委員会が価格を決めるときに置いた想定値で試算します。50kW以上にするとFIPのみの対象になり、市場価格に連動する収入で組み直す必要があるため、ここでは50kW未満に収めています。
| 前提 | 値 | 出典 |
|---|---|---|
| 設備利用率 | 14.5% | 算定委の屋根設置想定 |
| 初期費用 | 約757万円 | システム15.0万円/kW+接続0.3万円/kW |
| 運転維持費 | 約24.8万円/年 | 0.5万円/kW/年 |
| 自家消費比率 | 30% | 地域活用要件・算定委想定 |
| 自家消費の便益 | 19.56円/kWh | 算定委想定 |
| 劣化率 | 初年度比で年0.8%(直線) | NEDO報告の上限側 |
| 借入 | 606万円(8割)・年2.0%・15年 | 設例の仮定 |
1年目の発電量は49.5kW×8,760時間×14.5%=約62,875kWhで、売電70%・自家消費30%に分けます。返済前の収支(売電収入+自家消費の便益−運転維持費−廃棄等費用の積立)は1年目が約95.8万円ですが、価格が8.3円に下がる6年目は約45.7万円、積立てが始まる11年目は約38.3万円に落ちます。
設例の元利均等返済で6年目以降に起きるDSCRの低下
606万円を年2.0%・15年、年1回払いの元利均等で借りると、年間の返済額は約47.2万円です(月払いの場合の額は金融機関の返済予定表で確かめます)。返済前の収支を返済額で割ったDSCRは、1〜5年目が約2.0倍あるのに、6年目に0.97倍、11年目に0.81倍まで下がります。初期投資支援スキームは前半に収入を寄せる設計なので、この借入条件では6年目以降の年間収支だけでは均等返済額を賄えません。
ただし、前半5年間の余剰を使わずに留保すれば、自己資金の持ち出しを起点にした累計回収額は4年目にプラスへ転じ、その後の返済期間中にマイナスへ戻りません。均等返済で出す計画書では、この留保を前提にしていることと、留保した資金をどの口座で管理するかを明記します。
価格段差に合わせた段階返済の組み方
金融機関がこの返済条件を認めると仮定した算術上の試算ですが、同じ606万円・年2.0%・15年でも、1〜5年目に年約77.3万円、6〜15年目に年29.7万円を返す段階返済にすると、年次のDSCRは全期間で1.19倍以上を保てます。元本を早く減らすぶん、返済総額も均等返済の約707万円から約684万円に減ります。代わりに序盤の手元資金は薄くなるので、自己資金(約151万円)とは別に運転資金の余裕を持たせます。
| 年 | 返済前収支 | 均等DSCR | 段階DSCR | 均等の累計回収額 | 段階の累計回収額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1年目 | 95.8万円 | 2.03倍 | 1.24倍 | −102.7万円 | −132.9万円 |
| 5年目 | 91.9万円 | 1.95倍 | 1.19倍 | 82.0万円 | −68.7万円 |
| 6年目 | 45.7万円 | 0.97倍 | 1.54倍 | 80.6万円 | −52.6万円 |
| 10年目 | 43.4万円 | 0.92倍 | 1.46倍 | 69.0万円 | 5.7万円 |
| 11年目 | 38.3万円 | 0.81倍 | 1.29倍 | 60.2万円 | 14.2万円 |
| 15年目 | 36.1万円 | 0.76倍 | 1.21倍 | 19.1万円 | 43.0万円 |
| 20年目 | 33.3万円 | 返済終了 | 返済終了 | 191.2万円 | 215.2万円 |
累計回収額は、自己資金の持ち出し(約151万円)を起点に返済後の年間収支を足し上げた税引前の投資回収額で、預金残高ではありません。保険料・パワーコンディショナー交換費・償却資産税・法人税は含めていません。九州並みの4.8%の出力制御を売電分に掛けても、段階返済のDSCRは6年目1.48倍、15年目1.17倍で1倍を割りません。この表の制度区分と収入条件を案件に合わせて直し、保険料・設備更新費・税金を反映したうえで、金融機関と返済条件を相談します。
融資制度と減価償却の扱い
日本政策金融公庫の環境・エネルギー対策資金
日本政策金融公庫(国民生活事業)の環境・エネルギー対策資金〈非化石エネルギー関連〉は、非化石エネルギー設備の取得資金が対象で、融資限度額7,200万円、返済期間20年以内(うち据置2年以内)です。利率は設備で分かれ、太陽光は10kW以上の自家消費型発電設備が特別利率A、それ以外の太陽光は基準利率です。中小企業事業では直接貸付7億2千万円、代理貸付1億2千万円が限度です。自家消費型にすると利率区分が有利になる点は、計画の形を決めるときの判断材料になります。
減価償却17年と税引後の資金繰り
売電事業の太陽光発電設備は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表第二「31 電気業用設備」のうち「その他の設備・主として金属製のもの」として17年で償却するのが基本です。自家消費が中心の設備は用途によって区分が変わることがあるため、税理士に確認します。耐用年数の引き方は減価償却の耐用年数とは?省令別表の引き方と主な資産の年数、中古資産と改正時の台帳管理を解説で整理しています。返済原資は税引後のキャッシュなので、償却が終わる18年目以降は税負担が増える点も月次の資金繰り表の作り方:エクセルで組む5手順と入金予定日の計算式、自動化の判断【2026年版】に反映させます。
自家消費型・営農型で変わる記載内容
自家消費型の電気代削減額と30分値による需要照合
FIT・FIPに頼らない自家消費型では、収入の柱が「買わずに済んだ電気代」になります。発電の時間帯と工場や店舗の電力需要の時間帯が重ならなければ、発電しても削減額は増えません。電力会社から取得できる30分ごとの使用量と、時間帯別の発電量の推計を突き合わせ、余剰が出る時間帯を計画書で示します。30分値の取り方はスマートメーターとは?30分値の取得経路と次世代への更新を事業者目線で整理、需要側の制御はエネルギーマネジメントシステム(EMS)とは?BEMS・FEMSの違いと導入判断が参考になります。
営農型(ソーラーシェアリング):一時転用3年・10年と単収2割
農地に支柱を立てる営農型は、農地法の一時転用許可が前提です。農林水産省の取扱い(令和6年4月改訂版)では、一時転用期間は通常3年以内で、担い手が営農する場合・遊休農地を使う場合・第2種または第3種農地を使う場合は10年以内です。通常の農地では地域の平均的な単収と比べておおむね2割以上減収しないことが求められ(遊休農地は適正かつ効率的な利用、地域で栽培されていない作物等は試験栽培の実績や栽培理由書の単収が基準)、毎年1回の栽培実績と収支の報告も必要です。計画書には営農計画と発電計画を並べ、再許可が下りない場合の撤去費用も見込みます。転用申請の書き方は農地転用の事業計画書の書き方|申請書の記載事項と目的別の様式、資金証明・被害防除の要点で解説しています。
審査で弱く見える太陽光の事業計画書と直し方
- 発電量の根拠が販売会社のシミュレーションだけ:日射量データの出典・方位角・傾斜角・損失係数を計算条件として書き、劣化0.8%と地域の出力制御率を差し引いた保守的な試算を並べます。
- 20年間を同じ売電単価で計算している:屋根設置は6年目に19円から8.3円へ下がります。価格の段差と、11年目からの廃棄等費用の積立てを年次表に入れます。
- 10kW以上50kW未満のFIT案件なのに全量売電で計算している:支柱の転用許可が3年を超える営農型を除き、地域活用要件で自家消費等30%以上が必要です。売電量は発電量の70%以下で置き、自家消費分は電気代の削減額として別行にします。
- 認定と接続のスケジュールが書かれていない:接続同意の取得時期、説明会または事前周知、認定申請、運転開始期限(認定から3年)を工程表にし、入札対象外の地上設置なら2026年度内の認定に間に合うかを明記します。
- 価格の段差と返済の関係が書かれていない:返済前収支を年ごとにDSCRで示し、1倍を割る年があれば、前半の余剰を留保する前提を明記するか、段階返済や借入額の見直しで解消してから提出します。
よくある質問
太陽光発電の事業計画はどこに提出しますか?
再エネ特措法の認定を受けるための事業計画は、再生可能エネルギー電子申請のサイトで入力して申請します。50kW未満の太陽光の申請はJPEA代行申請センター(JP-AC)が問い合わせ窓口です。融資用の事業計画書は、借入先の金融機関に直接提出します。
2027年度以降は地上設置の太陽光で売電できなくなりますか?
止まるのはFIT・FIP制度の新規認定で、2026年度以前に認定を受けた案件の支援が一律に終わるわけではありません。FITは認定内容に応じた調達価格・調達期間が適用され、FIPは市場での売電収入にプレミアムを上乗せする形で交付期間中の支援が続きます。2026年度以前の認定案件と2026年度の落札案件はFIPへの移行も認められます。2027年度以降に計画する地上設置の案件は、FIT・FIPの価格を前提にせず、自家消費や需要家との契約で収支を組みます。
50kW未満の低圧でも住民説明会は必要ですか?
住宅用(10kW未満)と屋根設置を除く低圧案件は、原則として敷地境界から100m以内の居住者へのポスティングや戸別訪問による事前周知の対象です。この低圧案件でも、林地開発許可などガイドラインが定める許認可の対象エリア、土砂災害警戒区域、条例の保護エリアにかかる場合は説明会が必要です。同じ事業者の発電所が100m以内にあり、出力の合計が50kW以上になる場合も説明会の対象です。屋根設置は説明会等が認定要件から外れ、実施は努力義務です。
認定後に運転開始が遅れるとどうなりますか?
10kW以上は原則として認定日から3年(環境影響評価法のアセスメント案件は5年)の期限を超えた期間だけ、20年の調達期間が月単位で短縮されます。長期の未稼働で失効期限を超えると認定自体が失効し、10kW未満は1年を過ぎると失効します。
認定後にパネルを増設すると買取価格はどうなりますか?
2024年の再エネ特措法改正で、パネルの増設・更新の特例が設けられました。特例を使う場合は、既設部分は従来の価格を維持し、増設・更新した部分に新しい価格を当てて、容量で按分した価格が適用されます。増設・更新の前に変更認定申請を行い、既設部分と増設・更新部分を区別して特例の適用を申し出ます。更新ではパネルの撤去契約書の写しとマニフェストの写し、増設では増設分の廃棄等費用の事前の一括積立てが必要です。