医療法人の設立認可申請では、医療法施行規則31条7号により「設立後二年間の事業計画及びこれに伴う予算書」を申請書に添付します。審査する側が見るのは、法人になった診療所が資金を切らさずに2年間続くかどうかです。この記事では、東京都の「医療法人の設立 令和8年度版」(令和8年6月1日時点の法令で作成)の作成上の注意を軸に、作成を省略できる条件、2年分か3年分かの判定、確定申告の数字を予算書へ置き換える方法、運転資金2か月分の計算、令和8年度の申請日程を整理します。様式と運用は都道府県ごとに異なるため、東京都以外で申請する場合は所管の手引きで読み替えてください。
まとめ:医療法人設立の事業計画書で押さえる要点
- 根拠は医療法施行規則31条7号。原則は設立後2年分で、東京都では最初の会計年度が6か月未満なら3年度分を作ります。大阪府は1年未満で3年度分になり、運転資金にも1千万円の下限があります。
- 東京都では、無床診療所1か所・個人開設2年以上・過去2年黒字など7条件をすべて満たすと事業計画書と予算書を省略でき、代わりに職員構成内訳表を出します。
- 予算書は損益ではなく現金の出入りで作ります。減価償却費は入れず、借入金の元金返済やリース債務の返済は支出に入れ、最後の数字は会計年度末の現金残高です。
- 開設当初の2か月は保険診療報酬の振り込みがないため、支出2か月分から窓口収入2か月分を引いた額を現預金で拠出します。運転資金のための借入金は法人に引き継げません。
- 東京都の令和8年度第2回は、仮申請の受付が令和9年3月11日から17日です。仮申請後は申請内容を変更できないので、数字は設立総会までに固めます。
事業計画書と予算書が求められる根拠と審査の視点
医療法人は都道府県知事の認可を受けなければ設立できず(医療法44条)、知事は法人の資産が41条の要件を満たすか、定款が法令に違反していないかを審査したうえで、都道府県医療審議会の意見を聴いて認可を決めます(45条)。41条は「その業務を行うに必要な資産を有しなければならない」と定めており、事業計画書と予算書はこの資産要件を将来の収支で裏づける書類です。添付義務そのものは医療法施行規則31条が定め、定款・財産目録・設立決議録・役員の就任承諾書などと並んで7号に「設立後二年間の事業計画及びこれに伴う予算書」が挙がっています。
東京都の手引き(令和8年度版)は、計画と予算のポイントとして次の4点を挙げています。
- 実績に基づいた無理のない予算にする(患者数の見込みを過大にしない、人件費の見積りを適正にする)
- 医療法人での開設当初2か月間は、保険診療報酬(基金)からの振り込みがない
- 個人開設なら診療所の収入は個人の収入だが、法人設立後はすべて医療法人の収入になる
- 実績がない場合は、予算作成の具体的な根拠資料を添付する
融資の審査に出す事業計画書は、事業の見通しや返済能力を説明する書類です。日本政策金融公庫は独自に作成した計画書も受け付けていますが、使用できる書式は申込先に確認してください。設立認可の事業計画書は都道府県の様式に沿って、予算書・予算明細書・職員給与費内訳書と数字を連動させる点が違います。開業資金の融資に出す計画書の考え方はクリニック事業計画書が開業融資の成否を左右する理由と評価基準で扱っています。
事業計画書と予算書を省略できるかの判定
東京都では、次の7条件をすべて満たす場合に事業計画書と予算書の添付を省略できます。1つでも外れれば作成が必要です。
- 今回法人化する医療施設が診療所1か所のみ
- その診療所に病床がない
- その診療所に個人開設の実績が2年以上ある
- その診療所の開設者と、設立代表者・理事長・管理者が同一人物
- その診療所に常時勤務する医師または歯科医師が1人または2人
- その診療所の過去2年間の黒字の確定申告書を添付できる
- 医療法人設立後2年間に事業の変更がない
省略する場合は、診療所等の概要(様式17-1)に添えて職員構成内訳表(様式17別添)を提出します。省略しない案件ではこの別添は不要です。実績表(2年分)と確定申告書(2年分)は省略の有無にかかわらず書類一覧に残っているので、黒字の確定申告書が2年分そろうかどうかが最初の分かれ目です。7条件は東京都の運用で、他の道府県は要件も様式も別に定めています。
省略できるかどうかで手間は大きく変わります。分院の開設や訪問看護などの附帯業務を設立後2年以内に予定しているなら⑦に当たらないので、省略を前提に日程を組まないでください。
開設実績がないまま申請するときの追加資料
勤務医が開業と同時に法人化する場合のように、仮申請の時点で診療所の開設実績がなくても申請はできます。ただし東京都は、実績がある場合と同じく施設・設備・資金と設立後の事業計画・予算を審査し、書類が出せず審査ができないときは法人設立時期の再検討を求めます。仮申請の時点で求められるのは次のとおりです。
- 診療所建物の賃貸借契約、内装・設備の工事契約、医療機器の売買契約、リース契約などを締結済みであること
- 拠出する資産の領収書
- 収入規模の裏づけとして、診療圏調査や予約票などの資料
- 支出予算について、費用ごとの積算根拠
実績がないため、後述する運転資金の計算では窓口収入を0円として扱います。必要な運転資金2か月分を全額現預金で用意するため、見込みの窓口収入を差し引かずに拠出額を計算してください。
開設から2年未満・移転済みの診療所の実績の示し方
開設から2年に満たず確定申告が2年分ない場合は、直近までの月別残高試算表を添付し、実績表の様式で開設月から直近月までの実績を作ります。過去2年以内に診療所を移転していると、移転は診療所の新規開設として扱われ、実績表は移転後の診療所の数字で作ります。期の途中で移転した年の確定申告書は移転前後の合計になっているため、移転後の実績を確認できる月別残高試算表を別に付けます。
作成年数が2年分か3年分かの判定と月数の数え方
東京都の手引きでは、事業計画書と予算書は原則2年度分で、初年度が6か月未満の場合は3年度分を作ります。初年度とは、法人の設立から定款の附則で定めた最初の会計年度の末日までの期間です。会計年度は任意の1年間を定められるため、決算月の選び方で作る年数が変わります。
東京都の手引きは、第1回申請(令和8年度)の法人設立を令和9年3月、診療所開設を4月または5月、第2回申請の法人設立を令和9年9月、診療所開設を10月または11月と想定しています。この想定日程に決算月を当てはめると、次のようになります。
| 申請回 | 法人設立 | 決算月 | 初年度の長さ | 作成年数 |
|---|---|---|---|---|
| 第1回 | 令和9年3月 | 12月 | 約10か月 | 2年度分 |
| 第1回 | 令和9年3月 | 3月 | 1か月未満 | 3年度分 |
| 第2回 | 令和9年9月 | 12月 | 約4か月 | 3年度分 |
| 第2回 | 令和9年9月 | 3月 | 約7か月 | 2年度分 |
手引きの記入例は、法人設立が令和9年3月、診療所開設が4月、最初の会計年度末が12月31日のケースで、会計期間は10か月、診療所の収入・支出が発生するのは9か月です。予算明細書では、患者数と診療単価から求めた月額収入に、「診療所開設月から会計年度末月までの月数」を掛けます。法人設立月と開設月がずれる1か月は準備期間で、診療収入は立てません。
3年度分になると、患者数・職員数・設備投資の見込みを1年先まで書くことになり、審査でも数字の根拠を1年分多く問われます。決算月を決めるときは、税務上の都合に加えて、作成年数と初年度の長さも見てください。
確定申告の数字を予算書へ置き換える方法
個人開設の実績は所得税の確定申告書(損益計算)で示しますが、設立認可の予算書は現金の動きで作るキャッシュフロー計算です。東京都の手引きは、2年間の実績表と予算書の違いを次のように整理しています。
| 項目 | 実績表(確定申告) | 予算書(法人) |
|---|---|---|
| 減価償却費 | 計上される | 計上しない |
| 借入金の元金返済・リース債務・割賦 | 計上されない | 支出に計上する |
| 固定資産の取得(施設整備費) | 計上されない | 支出に計上する |
| 借入金の収入 | 計上されない | 収入に計上する |
| 院長の取り分 | 利益に含まれる | 役員報酬として計上 |
| 社会保険料・雇用保険料の事業主負担分 | 負担があれば計上 | 法定福利費として計上 |
| 理事長個人所有の建物の賃料 | 計上されない | 賃借料として計上 |
| 法人税 | - | 計上する |
| 会計年度 | 1月1日〜12月31日 | 定款で定めた期間 |
| 最後に見る数字 | 1年間の利益額 | 会計年度末の現金残高 |
さらに、設立認可の予算書では医業未収金(売掛金)の回収収入や、未払金・買掛金の支出を立てません。診療やモノの購入があった月に現金が動いたものとみなして作ります。保険診療報酬は実際には翌々月に入金されますが、その時間差は予算書の中ではなく、次章の運転資金で手当てする設計です。
個人の確定申告では院長の取り分が利益に含まれていますが、法人では役員報酬として支出に移ります。理事長所有の建物を法人が借りる場合は賃料を計上し、法定福利費は個人開設時の加入状況と法人化後の対象者に応じて見直します。個人の確定申告では黒字でも、法人の予算書で年度末の現金残高がマイナスになる計画は通りません。役員報酬を決める前に、予算書の現金残高から逆算してください。
予算書と予算明細書、職員給与費内訳書は様式どうしで数字を連動させるため、表計算で作るなら転記をせず、セル参照でつなぐと不一致を防げます。シートの組み方はエクセルで事業計画書を作成する具体的な手順と必要シートの全体像を参考にしてください。
運転資金2か月分の計算と拠出額の決め方
東京都の設立の手引(第2章)は、運転資金を「原則として初年度の年間支出予算の2か月分に相当する額以上」とし、預金など換金が容易なものに限り、設立後の金融機関などからの借入予定額は算入できないとしています。説明資料では、必要額と準備額を次のように定めています。
- 必要額:初年度予算の(医業費用+医業外費用+借入金の元金返済)の2か月分。元金返済にはリース債務の返済と割賦未払金の支出を含む
- 準備額:拠出する現預金+窓口収入の2か月分。窓口収入は、前年度実績の保険診療の窓口収入(患者の自己負担分)と自費診療収入の合計
- 必要額に対して準備額が足りない分を、現預金の拠出で埋める
保険診療報酬(社会保険診療報酬支払基金・国民健康保険団体連合会からの入金)は2か月後になるので数えず、その場で現金が入る窓口収入と自費診療だけを準備額に入れる考え方です。仮の数字で計算すると次のようになります。
| 項目(仮の数字) | 月額 | 2か月分 |
|---|---|---|
| 医業費用 | 380万円 | 760万円 |
| 医業外費用 | 5万円 | 10万円 |
| 借入金の元金返済(リース含む) | 35万円 | 70万円 |
| 必要額 | 420万円 | 840万円 |
| 前年度の窓口収入+自費診療収入 | 130万円 | 260万円 |
| 現預金で拠出する額 | - | 580万円以上 |
開設実績がない申請と、確定申告後に開設したため前年度の実績がない申請では、窓口収入を0円として計算します。上の例なら840万円をすべて現預金で拠出することになります。
運転資金に関して見落としやすい制約が2つあります。1つは、金銭消費貸借契約書の借入目的が運転資金になっている負債は医療法人に引き継げないことです。引き継げるのは拠出する資産を取得したときの負債で、内装工事や医療機器の購入に充てた借入金が該当します。もう1つは、預金を拠出する場合の預金残高証明書が仮申請日から3か月以内に発行されたものに限られることです。預金残高証明書の発行期限と、財産目録について東京都が指定する作成基準日をそれぞれ確認して準備してください。
東京都・神奈川県・大阪府の作成年数と運転資金基準の比較
作成年数と運転資金の基準は、都府県で数字が違います。東京都の基準をそのまま他県に当てはめると、3年度分の要否や拠出額を読み違えます。
| 項目 | 東京都 | 神奈川県 | 大阪府 |
|---|---|---|---|
| 3年度分になる条件 | 初年度6か月未満 | 初年度の実期間6か月未満 | 最初の事業年度1年未満 |
| 運転資金の必要額 | 初年度支出の2か月分 | 初年度支出の2か月分 | 医業費用2か月分か1千万円の高い方 |
| 差し引ける窓口収入 | 前年度実績の2か月分 | 初年度予算の2か月分 | - |
神奈川県の手引き(2025年4月版)は、様式の注記で「初年度の実期間が6箇月未満の場合」に3年度分としています。必要書類の説明には「実期間が1年6箇月未満の場合」とありますが、初年度と次年度の合計期間として読めば、初年度6か月未満という基準と整合します。窓口収入は、初年度予算の自費収入と社会保険等収入の2割から3割の合計の2か月分です。大阪府の手引き(令和8年6月)は、差入保証金などを含めた医業費用2か月分か1千万円のいずれか高い方以上の現金の拠出を求め、理事長就任予定者には基金拠出総額の50%以上の拠出を求めています。小規模な診療所ほど1千万円の下限が効くため、大阪府では2か月分の計算だけで拠出額を決めないでください。
予算明細書・職員給与費内訳書・議事録の照合点
東京都の説明資料は、予算書の金額や職員数を、議事録・契約書・関連様式と一致させるよう求めています。東京都の手引きが一致を求めている箇所を、照合する書類の組み合わせで並べると次のとおりです。
| 予算書側の項目 | 照合する書類 |
|---|---|
| 収入の拠出金 | 基金拠出(寄附)する現預金の額 |
| 職員給与費 | 職員給与費内訳書・診療所等の概要の職員数 |
| 役員報酬 | 設立総会議事録 |
| リース料・賃借料・元金返済 | 各契約書・返済予定表 |
| 事業計画の内容 | 予算書(開設予定の施設・附帯業務も記載) |
予算明細書の外来収入は、1日平均外来患者数×患者1人当たり診療単価×月間診療日数で月額を求め、対象月数を掛けて積み上げます。有床の場合は、入院収入を1日平均入院患者数×患者1人1日当たり診療単価×対象期間の日数で別に計算します。東京都は、患者数と診療単価を実績に基づいて計上し、実績と違う数字を置く場合は積算根拠資料を付けるよう求めています。電子カルテやレセコンをリースで導入する場合、リース料は契約書の額と一致させます。費用の目安はレセコンの費用相場|初期費用・月額・5年総額の内訳と補助金の使い方【2026年版】にまとめています。
役員報酬と役員構成の整合
医療法人には理事3人以上と監事1人以上を置き(医療法46条の5第1項。知事の認可を受ければ理事は1人または2人でも可)、開設する診療所の管理者は理事に加えます。監事は理事や職員を兼ねられません。予算書に計上する役員報酬は、誰にいくら払うかを設立総会議事録で決めた内容と一致させます。設立総会議事録には、設立代表者・理事長・管理者が同一人物でない場合の理由、理事長の拠出割合が全拠出の50%以下の場合の理由、理事長が70歳以上の場合の後継者の氏名を書く必要があり、ここも予算書の役員構成とずれないようにします。
非営利性を疑われない取引の書き方
医療法54条は「医療法人は、剰余金の配当をしてはならない」と定めています。予算書で非営利性が問われるのは、主に理事長や親族など利害関係者との取引です。東京都の手引きでは、設立しようとする医療法人の役員など利害関係者から建物を借りる場合に「近傍類似値について」(様式19)を添付し、賃料の単価を参考物件の単価の平均以下にするよう求めています。理事長から建物を借りる場合、敷金や保証金は通常支払いません。営利企業の役員を兼ねる人が役員になる場合は、その企業の履歴事項全部証明書を添付します。ただし、医療法人と取引関係にある営利法人の役員の就任は、東京都では原則として認められません。
令和8年度の申請日程から逆算する作成時期
東京都の設立認可は年2回の受付です。令和8年度の年間スケジュールは次のとおりです。
| 手続 | 第1回 | 第2回 |
|---|---|---|
| システム利用登録の期限 | 令和8年8月31日 | 令和9年3月11日 |
| 仮申請の受付 | 令和8年8月31日〜9月4日 | 令和9年3月11日〜17日 |
| 事前審査 | 令和8年9月下旬から | 令和9年4月上旬から |
| 本申請の提出期限 | 令和8年12月28日 | 令和9年6月30日 |
| 医療審議会 | 令和9年2月初旬 | 令和9年8月初旬 |
| 認可書の交付 | 令和9年2月下旬 | 令和9年8月下旬 |
令和8年度第1回から、仮申請は原則として東京都医療法人情報支援システムでオンライン提出します。インターネット環境がないなど、システムから申請できない場合は紙で郵送できます。利用登録には5営業日程度かかり、本申請と認可書はこれまでどおり紙です。審議会と認可書交付の日程は変わる可能性があると都は注記しています。第1回の受付はすでに締め切られているため、これから準備するなら第2回が対象です。
東京都の設立認可申請の手順では、仮申請で提出した申請内容の変更は認められず、仮申請から審査のメールが届くまでおおむね1か月かかるとしています。設立総会は仮申請より前に開くので、事業計画書と予算書の数字は設立総会の議案を作る時点で確定させる必要があります。第2回なら、令和9年2月中に予算書を仕上げ、3月上旬までに設立総会を終える日程が目安です。
認可書を受け取った後は、主たる事務所の所在地で設立の登記をすることで医療法人が成立します(医療法46条1項)。登記は設立の認可などの手続が終わった日から2週間以内に申請します(組合等登記令2条1項)。予算書の初年度は法人の設立から始まるため、登記の日がずれると初年度の月数も変わります。
登記の後は、定款に定めた診療所の開設許可申請を所管の保健所に行い、保険診療を続けるには、開設者が法人に変わった診療所として地方厚生局で保険医療機関の指定をあらかじめ受けます。保険診療の収入を立てる月は、この指定を受けられる時期とそろえておきます。
受付時期は都道府県で異なります。大阪府も年2回ですが、仮申請の提出は7月初旬から下旬と1月初旬から下旬、本申請は10月と4月の土日祝を除く月初日です。大阪府は事前登録をしないと仮申請書類を出せず、令和8年度2回目の事前登録は11月初旬から下旬です。
自分で作るか行政書士に任せるかの判断
東京都のシステムでは、行政書士または弁護士が設立代表者から委任を受けて申請する場合、設立代表者がシステム上で委任登録をします。大阪府が案内ページで注意しているとおり、行政書士でない人が業として報酬を得て官公署に出す書類を作ることは、法律に別段の定めがある場合を除き行政書士法違反です。設立を手伝うコンサルタントに書類作成まで任せる場合は、資格の有無を確認してください。自分で作るか任せるかは、作成量と根拠資料の重さで決めるのが現実的です。
- 自分で作りやすい:7条件をすべて満たし、事業計画書と予算書を省略できる個人開設2年以上の無床診療所。残る書類は定款・財産目録・議事録など様式の記入例がそろっているもの
- 専門家に任せたほうがよい:開設実績がなく診療圏調査と費用ごとの積算根拠が要る、初年度が短く3年度分を作る、分院や附帯業務を予定している、負債やリースの引継ぎが多い
役員報酬額は設立者側で検討・決定し、その税務上の扱いや法人税の見込みは税理士に相談します。設立登記の申請を専門家へ依頼する場合は、司法書士などに依頼します。依頼する前に、見積もりに予算書の作成・仮申請の補正対応・本申請・登記のどこまでが入っているかを確認してください。事業計画書の作成を外部に頼む場合の線引きは事業計画書の代行で依頼できる作成範囲と任せられない部分の線引きで整理しています。法人化に合わせて予約や会計の仕組みを複数施設で共通化する予定があるなら、医療機関向けシステム開発の費用も、契約上の支払時期に合わせて予算書に計上しておきます。
よくある質問
医療法人設立の事業計画書は何年分必要ですか?
医療法施行規則31条7号の定めは設立後2年間です。東京都では、法人設立から最初の会計年度末までが6か月未満の場合に3年度分を作ります。他の道府県は所管の手引きで確認してください。
予算書に減価償却費は入れますか?
東京都の設立認可申請用予算書には入れません。都の令和8年度説明資料では、現金の動きを基に作成するため、減価償却費は計上せず、固定資産の取得や借入金の元金返済、リース債務の返済を支出として計上します。最後に確認する数字は会計年度末の現金残高です。
勤務医から開業してすぐに医療法人を設立できますか?
東京都では、開設実績がないまま申請することもできます。仮申請の時点で賃貸借・工事・医療機器などの契約を結び、拠出資産の領収書、診療圏調査などの収入の根拠、費用ごとの積算根拠を添付します。運転資金は窓口収入を0円として計算します。
申請から医療法人の設立までどのくらいかかりますか?
東京都の令和8年度第2回なら、令和9年3月中旬の仮申請から8月下旬の認可書交付までおよそ5か月半です。その後2週間以内に設立の登記をし、登記の日に法人が成立します。
歯科診療所の医療法人化でも同じ書類が必要ですか?
必要書類は医科と同じです。東京都の省略の7条件も「常時勤務する医師又は歯科医師が1人又は2人」と歯科を含めて定めているので、条件を満たせば歯科診療所でも事業計画書と予算書を省略できます。