会社設立

写真スタジオの事業計画書の書き方|公庫の創業計画書の記入例と撮影件数から組む収支計画【2026年版】

写真スタジオの事業計画書の書き方|公庫の創業計画書の記入例と撮影件数から組む収支計画【2026年版】

写真スタジオ(写真館)の事業計画書は、日本政策金融公庫の創業計画書の記入欄に沿って書くと、融資面談で確認される項目を漏れなく埋められます。「事業の見通し」欄には、売上高を計算した根拠を具体的に記入します。写真スタジオの売上は、撮影室の数と1日にこなせる撮影の枠で上限が決まり、しかも七五三や成人式の時期に偏ります。年間の平均件数だけで計画を作ると、繁忙月には枠が足りず、閑散月には資金が足りなくなります。

この記事では、公庫が公開している売上高の計算式を撮影室と撮影枠に当てはめ、返済と生活費まで賄える撮影件数を設例で算出します。繁忙月の件数を土日祝の枠で検算する方法、初期費用の内訳、写真業の税金の前提、補助金の申請書に転用するときの注意までまとめました。

まとめ:写真スタジオの事業計画書で押さえる要点

  • 公庫の融資を受けるなら、創業計画書(記入欄1〜10)の様式に沿って書きます。自分で作った計画書で代えることも様式に明記されています。
  • 売上は「客単価×設備単位数×回転数」(公庫の売上高の計算方法)で積み上げます。写真スタジオでは設備単位数を撮影室、回転数を1日の撮影枠に置き換えます。
  • 目標は損益分岐点ではなく、借入の元金返済と自分の生活費まで賄える件数です。本記事の設例では、損益分岐の月22件に対して必要件数は月32件でした。
  • 七五三・成人式の繁忙月は、件数を土日祝の撮影枠で検算します。平日に回せない需要を計画に入れると、売上が実現しません。
  • 閑散月は損益分岐を下回る前提で、固定費の3か月分を運転資金に積みます。七五三の前撮りで受け取る内金は、撮影前は売上でなく前受金です。
  • 写真業は個人事業税が5%の業種で、消費税の簡易課税では第5種(みなし仕入率50%)です。手取りの計算で税金を見落とさないようにします。

写真スタジオの事業計画書と公庫の創業計画書の対応項目

個人で写真スタジオを開く場合、資金調達の第一候補は日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」です。新たに事業を始める人や事業開始後おおむね7年以内の人が対象で、融資限度額は7,200万円、返済期間は設備資金20年以内・運転資金10年以内(いずれも据置期間5年以内)です。

公庫が各種書式ダウンロードページで配布している創業計画書は、次の10の記入欄で構成されています。写真スタジオで書く中身を右列に整理しました。

記入欄 写真スタジオで書く中身
1 創業の動機 撮影経験から見えた地域の需要
2 経営者の略歴等 勤務先・撮影件数・担当業務
3 取扱商品・サービス 撮影料・商品販売・衣装の売上シェア
4 従業員 着付け・ヘアメイクの体制
5 取引先・取引関係等 アルバム・プリントの外注先と支払条件
6 関連企業 経営中の企業があれば記入
7 お借入の状況 住宅・車・カードなどの残高
8 必要な資金と調達方法 設備資金・運転資金と調達先
9 事業の見通し(月平均) 売上・原価・経費・利益と根拠
10 自由記述欄 強み・繁忙期の体制・相談事項

様式には「この書類に代えて、お客さまご自身が作成された計画書をご提出いただいても結構です」とあります。WordやExcelで詳しく作る場合も、この10項目が揃っているかを突き合わせておくと、面談での聞き漏れを防げます。数値計画をExcelで組む手順はエクセルで事業計画書を作成する手順、スライドで作る場合は事業計画書をパワーポイントで作る方法で解説しています。

創業計画書の記入欄ごとの書き方(写真スタジオ版)

創業の動機と経営者の略歴:撮影実績の数値化

動機欄に「写真で家族の思い出を残したい」と書くだけでは、審査の判断材料になりません。勤務先で担当した撮影の種類、そこで見えた地域の需要、それを自分の店でどう満たすかを1本の筋で書きます。例えば「総合写真館で5年間、七五三と成人式の撮影を年間約300件担当した。商圏内に土日の予約が取りにくい店が多く、平日の撮影需要に応える店がない」のように、件数と地域を入れます。

略歴欄について、公庫の様式は勤務先名だけでなく担当業務や役職、身につけた技能の記載を求めています。カメラマンなら撮影件数に加え、商品の販売、予約管理、着付け・ヘアメイクとの段取りなど、店の売上に関わった業務を書きます。公庫の2025年度新規開業実態調査では、開業者の81.1%が現在の事業に関連する仕事の経験を持っていました。フリーランスで出張撮影をしていた人は、その期間の受注件数と単価が売上根拠の裏付けになります。

取扱商品・サービス:撮影料・商品販売・衣装レンタルの売上区分

写真スタジオの売上は、撮影料、写真商品(アルバム・プリント・データ)、衣装レンタルや着付けの3つで構成されることが多く、原価の構造がそれぞれ違います。取扱商品欄には商品ごとに売上シェアを書く欄があるので、「撮影料 40%、アルバム・データ 45%、衣装・着付け 15%」のように分けて書きます。本設例では、撮影担当者の人件費や機材の減価償却費は固定費として扱い、アルバムの製本外注費や衣装のクリーニング費など、受注に応じて増える費用を変動費として見積もります。この区別が、後の損益計算の変動費率の根拠になります。

同じ欄の「セールスポイント」「販売ターゲット・販売戦略」には、近隣の競合と比べた違いを1つか2つに絞って書きます。対象(七五三中心か、成人・家族・プロフィール写真か)、時間帯(平日夕方の撮影に対応)、商品(データ全カット納品の有無)など、競合の料金表と見比べて説明できるものにします。「高品質な写真」は審査担当者が確かめようがないため、差別化の根拠になりません。

事業の見通し:アルバム外注費の売上原価への計上

事業の見通し欄は月平均の数字で、「創業当初」と「1年後又は軌道に乗った後」の2時点を書きます。売上高から売上原価と経費(人件費・家賃・支払利息・その他)を差し引いて利益を出し、計算の根拠を同じ欄に書く形式です。写真スタジオでは、アルバムの製本・プリントの外注費や台紙の仕入れを売上原価に入れます。ここを経費の「その他」に埋めると、売上が増えたときに費用がどれだけ増えるかを審査担当者が読み取れません。

公庫の計算方法の注記では、個人営業の場合、人件費に事業主本人の分を含めません。事業主の生活費と借入の元金返済は、欄の「利益」から賄う前提で読まれます。

撮影枠から売上の上限と必要件数を計算する手順

公庫の資料「売上高の計算方法について」は、飲食店・理容業・美容業などのサービス業について「客単価×設備単位数(席数)×回転数」という算式を示しています。写真スタジオでは、設備単位数は同時に使える撮影室の数、回転数は1日にこなせる撮影の枠に置き換えられます。

この式から分かるのは、写真スタジオの売上には物理的な上限があることです。予約をいくら集めても、枠を超える撮影はできません。事業計画書で最初に計算するのは、目標件数ではなくこの上限です。

撮影室1室・1日4枠の月間売上上限(設例)

七五三・成人式・家族写真を扱う総合写真館を、店主のカメラマン1人とパートの着付け・ヘアメイク1人で開く設例で計算します。数値は説明のための仮定です。1組あたり着替え・撮影・商品選びで2時間かかると置くと、営業時間9時間で1日4枠が上限になります。

項目 設例の値
客単価(撮影料+商品+衣装) 4万円
撮影室(設備単位数) 1室
1日の撮影枠(回転数) 4枠
月の営業日数 22日
月間の撮影枠の上限 88枠
月間売上の上限 352万円

計画の件数がこの上限の何割に当たるかが、審査担当者が見る現実味の目安になります。上限に近い件数を通年で置いた計画は、予約の取りこぼしやキャンセルを考えると実現しません。

損益分岐点と、返済・生活費まで賄える撮影件数

設例の月間費用は次のとおりです。アルバムの外注費や台紙、衣装のクリーニングは売上に比例する変動費として売上の25%と置き、残りを固定費とします。

固定費(月額) 設例の値
家賃 25万円
パート人件費 15万円
広告宣伝費 8万円
水道光熱費・通信費 4万円
予約システム・ソフト利用料 2万円
保険・消耗品ほか 3万円
減価償却費(内装・機材) 6万円
支払利息(800万円×年2.5%÷12) 1.7万円
合計 64.7万円

損益分岐点売上高は「固定費÷(1−変動費率)」で求めます。64.7万円÷0.75=約86.3万円で、客単価4万円で割ると月22件です。ただし、損益分岐点は利益がゼロになる点にすぎません。個人事業では、借入の元金返済と生活費を利益から払います。

借入800万円を7年(84回)の元金均等で返すと元金返済は月約9.5万円、生活費を月25万円とします。後述する初期費用1,086万円との差額286万円は、本設例では自己資金で賄う前提です。減価償却費6万円は現金が出ていかない費用なので、必要な利益は9.5万円+25万円−6万円=28.5万円です。必要売上高は(64.7万円+28.5万円)÷0.75=約124.3万円で、月32件になります。月間上限88枠の約36%です。所得税・住民税・事業税はこの計算に含めていません。国民健康保険料・国民年金保険料を生活費25万円に含むかも明示し、消費税の納税が生じる場合の支出も加えて、実際の目標件数を計算し直します。

金利2.5%は説明のための仮置きです。公庫の利率は融資制度・期間・担保の有無で変わるため、面談前に公庫の利率一覧で確認して計算し直します。

七五三・成人式の繁忙期を反映した月別売上計画

写真スタジオの需要は、11月15日前後の七五三、1月の成人の日前後の成人式、3〜4月の卒業・入学に集中します。年間の撮影件数を12か月に均等に割った計画は、繁忙月の売上を過小に、閑散月の売上を過大に見せ、閑散月の資金不足を見えにくくします。事業の見通し欄は月平均で書く様式ですが、添付資料として月別の売上計画を付けると、根拠の説明が通りやすくなります。

土日祝の撮影枠による繁忙月の件数の検算

七五三の撮影は、家族がそろう土日祝に予約が集中します。設例の月別件数(年間385件・月平均約32件)を置いたうえで、土日祝の枠で検算します。

月 件数(設例) 主な需要
1月 30 成人式
2月 20 閑散
3月 35 卒業・入学
4月 35 入学
5月 25 七五三前撮り開始
6月 20 閑散
7月 25 七五三前撮り
8月 25 成人式前撮り
9月 35 七五三前撮り
10月 50 七五三
11月 55 七五三
12月 30 年賀状・家族写真

11月の55件は月間上限88枠の62%で、一見すると収まります。しかし2026年11月の土日祝は、土日9日に文化の日(3日)と勤労感謝の日(23日)を加えた11日で、土日祝の枠は11日×4枠=44枠しかありません。55件のうち11件以上を平日に回せなければ、計画の売上は実現しません。対策は計画書に書きます。平日の撮影割引、前撮りの早期予約特典で需要を9月以前へ移す、繁忙月だけ撮影室を2室で回すための人員を確保する、などです。面談では「11月の55件を何曜日に撮るのか」と聞かれても答えられるようにします。

閑散月の資金繰りと七五三の内金

設例では2月と6月が20件で、売上80万円は損益分岐点の86.3万円を下回ります。そこに元金返済が加わるため、閑散月は手元資金が減る前提で運転資金を確保します。本設例では、減価償却費を除いた現金支出の固定費58.7万円の3か月分、約176万円を仮に運転資金として計上します。実際の必要額は、変動費、元金返済、税金、生活費も含めた月別の入出金から、手元資金が最も減る時点を確認して決めます。月ごとの入出金を追う資金繰り表の作り方は資金繰り表の作り方で解説しています。

七五三の前撮りでは、予約時に内金を受け取る店が少なくありません。撮影前に受け取った内金は、撮影と商品の引き渡しが済むまで売上ではなく前受金です。資金繰り表では入金として扱えますが、キャンセル時の返金ルールを決めておかないと、繁忙月の前受金を運転資金に回したあとで返金に詰まります。

初期費用の見積もりと資金計画の組み方

写真スタジオの初期費用の内訳(設例)

テナントを借りて総合写真館を開く設例の初期費用です。物件の条件や機材の選び方で大きく変わるため、計画書では必ず見積書の金額に置き換えます。

項目 設例の金額 区分
物件取得費(保証金・礼金・仲介手数料) 150万円 設備資金
内装工事(撮影室・着替え室・待合) 300万円 設備資金
カメラ・レンズ(2台体制) 120万円 設備資金
ストロボ・照明・背景 60万円 設備資金
衣装・小物(七五三・袴など) 150万円 設備資金
PC・編集ソフト・モニター 50万円 設備資金
予約システム・ホームページ 30万円 設備資金
固定費3か月分 176万円 運転資金
開業前の広告・台紙などの仕入れ 50万円 運転資金
合計 1,086万円 -

カメラは減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表第一で「光学機器及び写真製作機器」のうち「カメラ、映画撮影機、映写機及び望遠鏡」に当たり、耐用年数は5年です。交換レンズやストロボは別表に品目名がないため、税理士に区分を確認します。1点10万円未満の小物は消耗品として経費にできます。一定の要件を満たす青色申告の個人事業主は、少額減価償却資産の特例により、対象資産を業務に使い始めた年に、取得価額の合計300万円までを必要経費に算入できます。国税庁No.2100では、対象は2026年3月31日までの取得なら30万円未満、2026年4月1日以後の取得なら40万円未満です。ただし、同じページの注4により、2022年4月1日以後に取得して貸付けに使う資産は、主要な業務として行う貸付けを除いてこの特例も10万円未満・20万円未満の扱いも使えません。成人式当日に衣装を貸し出す事業を併設するなら、衣装の扱いを税理士に確認します。適用条件の詳細は少額減価償却資産の解説で確認してください。

予約システムは、無料プランの予約件数の上限で足りるかを開業前に確かめます。比較の手順は予約システムの無料プランはどこまで使えるかにまとめています。

開業費用の相場と自己資金の組み合わせ

公庫の「2025年度新規開業実態調査」では、回答企業の開業費用は平均975万円、中央値600万円でした。資金調達額は平均1,219万円で、うち金融機関等からの借入が827万円(67.9%)、自己資金が279万円(22.9%)です。公庫の融資先を対象にした全業種の調査で、写真スタジオに限った相場ではありません。全業種の平均との比較だけでは、写真スタジオの投資額の妥当性は判断できません。内装と衣装は複数社の見積もりを比べ、想定する撮影件数や商品構成に対して過剰な投資がないかを面談前に確認します。

新規開業・スタートアップ支援資金では、創業期の無担保・無保証の融資で求められていた自己資金の要件(創業資金総額の10分の1以上)が2024年度に撤廃されました。ただし、自己資金がゼロでも審査が通りやすくなったわけではありません。開業費用のうち自分で用意する額は、創業計画書の「必要な資金と調達方法」欄に記入し、資金の出所や蓄積の経緯も説明できるようにします。

業態別の売上式の置き換え:写真館・セルフ写真館・レンタルスタジオ・出張撮影

同じ写真スタジオでも、業態によって売上の上限を決める要素が違います。公庫の計算方法には、サービス業の「客単価×設備単位数×回転数」のほかに、労働集約的な業種向けの「従業者1人当たり売上高×従業者数」もあります。

業態 売上の式 上限を決める要素
総合写真館 客単価×撮影室数×1日の撮影枠×営業日数 土日祝の枠・着付けの人員
セルフ写真館 1回料金×ブース数×1日の回転数×営業日数 ブースの稼働率
レンタルスタジオ 時間単価×貸出可能時間×稼働率 稼働率・清掃の時間
出張撮影 1件単価×カメラマン数×1人の月間件数 移動時間・編集時間

セルフ写真館とレンタルスタジオは人件費が小さい代わりに、稼働率の根拠が審査の焦点になります。出張撮影から固定スタジオへ移る場合は、出張時代の受注件数を「1人の月間件数」の実績値として示せるのが強みです。逆に、固定スタジオの家賃を新たに負担する分、出張時代より損益分岐点が上がることを計画書で説明します。

写真業の開業届と税金の前提

国税庁のタックスアンサーNo.2090によると、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)の提出期限は、開業した年分の確定申告期限までです。「開業から1か月以内」と書いた解説は改正前の記述です。一方、青色申告承認申請書は、1月16日以後に開業した場合は開業の日から2か月以内に出す必要があり、遅れるとその年は白色申告になります。着付けやヘアメイクのパートに給与を払うなら、給与支払事務所等の開設届出書を開設の日から1か月以内に出します。開業届の「開業・廃業等日」は、後述する持続化補助金の創業型の申請要件の基準日にもなります。

収支計画の手取りを見積もるときは、写真業の税金の区分を前提に入れます。

  • 個人事業税:写真業は地方税法上の第一種事業で、税率は5%です。事業主控除は年間290万円ですが、営業期間が1年未満なら月割りとなります。また、所得税の青色申告特別控除は適用されません。業種ごとの税率は個人事業税がかからない業種の解説で一覧にしています。
  • 消費税:簡易課税を選ぶと写真業は第5種事業(みなし仕入率50%)です。卒業アルバムの製作を請け負う場合は第3種(70%)に区分されます。
  • 源泉徴収:雑誌や広告などの印刷物に掲載するための写真の報酬を個人のカメラマンに支払うときは、原則として10.21%(1回100万円以下の部分)が源泉徴収されます。国税庁No.2502のとおり、給与所得の源泉徴収義務がない個人が支払う報酬は除かれます。七五三や家族写真で個人客から受け取る撮影料も、源泉徴収とは無関係です。

カメラマンの確定申告で経費にできる範囲や源泉徴収の還付はカメラマンの確定申告の解説で詳しく扱っています。

補助金の申請書に転用するときの注意

開業後の販路開拓には、小規模事業者持続化補助金の<創業型>が使える場合があります。第4回の公募要領(第8版・2026年5月27日)では、補助率は3分の2、補助上限は200万円(インボイス特例の要件を満たすと50万円上乗せ)です。申請要件は、市区町村の特定創業支援等事業による支援を受けた日と開業日が、どちらも公募締切から起算して過去1年以内であることです。支援を受けるのは開業後でも、両方の日付がこの期間に入っていれば要件を満たします。第4回の申請受付は2026年11月5日から12月15日17時までの予定で、事業支援計画書(様式4)の発行受付は12月4日に締め切られます。

申請は電子申請システムのみで受け付け、商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)も必要です。公庫向けの創業計画書をそのまま添付する形式ではないため、補助事業で何を買い、どの顧客層の売上をいくら増やすかを、補助金の様式に合わせて書き直します。要件と日程は回ごとに改訂されるため、申請する回の公募要領で確認してください。

審査で突かれる写真スタジオの事業計画書の欠陥

面談の前に、次の6点を自分で点検します。どれも数字の根拠が説明できないことが原因で、計画書の見た目を整えても解決しません。

  • 繁忙月の件数が土日祝の撮影枠を超えているのに、平日に回す策が書かれていない。
  • アルバム・プリントの外注費を売上原価に入れず、売上が増えるほど利益が出る計画になっている。
  • 衣装の追加購入とクリーニング・補修の費用が抜けている。年齢・身長別の予約見込みと衣装の在庫を照合し、不足するサイズや傷んだ衣装の追加・更新費を見積もります。
  • 損益分岐点を目標にしていて、元金返済と生活費を利益から払えない。
  • 開業直後から通年の平均件数を置いている。開業月から予約が埋まる根拠(出張時代の顧客名簿、開業前の予約件数)がなければ、立ち上がりの数か月は件数を下げて置きます。
  • 競合調査が「近隣に写真館が3店ある」で止まり、価格帯・営業時間・データ納品の条件を比べていない。

同じ公庫の様式で、会員数から売上を組む業種の例はパーソナルジムの事業計画書の書き方で解説しています。業種が違っても、売上の上限から逆算する考え方は共通です。

よくある質問

写真スタジオの事業計画書はテンプレートをそのまま使ってもいいですか?

公庫の創業計画書の様式は業種を問わず共通なので、様式そのものは使えます。そのまま使えないのは記入例の数値です。客単価や件数は自分の商圏と撮影枠から計算し直さないと、面談で根拠を聞かれたときに答えられません。

写真スタジオの開業資金はいくら必要ですか?

テナントを借りる総合写真館の設例では、設備資金860万円と運転資金226万円で約1,086万円でした。公庫の2025年度新規開業実態調査では全業種の開業費用の平均が975万円、中央値が600万円です。自宅の一室で開く場合や出張撮影中心の場合は、物件取得費と内装費が大きく下がります。

自己資金が少なくても日本政策金融公庫の融資は受けられますか?

新規開業・スタートアップ支援資金を無担保・無保証で利用する場合の自己資金要件(創業資金総額の10分の1以上)は2024年度に撤廃されたため、制度上は自己資金がなくても申し込めます。ただし、返済の原資と計画の確かさは審査で確認されるため、自己資金を用意できる場合は額と貯めた経緯を説明できるようにしておきます。

写真スタジオの損益分岐点は月何件ですか?

本記事の設例(客単価4万円・固定費64.7万円・変動費率25%)では月22件です。ただし返済と生活費まで賄うには月32件が必要でした。家賃と客単価で大きく変わるため、自分の数字で「固定費÷(1−変動費率)÷客単価」を計算してください。

衣装レンタル業の事業計画書も同じ書き方でいいですか?

創業計画書の記入欄は同じです。売上の式は「1着の貸出単価×保有着数×1着あたりの月間貸出回数」に置き換えます。貸出回数の上限はクリーニングと補修にかかる日数で決まり、成人式や卒業式の時期に需要が集中する点は写真スタジオと同じです。保有着数を増やすほど初期費用が膨らむため、繁忙期の需要から逆算して着数を決めます。

関連記事

お気に入りに入れた記事の一覧

この記事は以下の記事からリンクされています

資料請求

今日のトレンド記事 直近 24 時間で、いつもより多く読まれている記事

  1. 2025.02.27 コラム トラッキングビーコン(Webビーコン)とは?仕組み・用途・確認と対策を徹底解説
  2. 2026.10.27 テックブログ Brotli 脆弱性:CVE-2026-111497の影響確認とNode.js・Python・.NETの更新手順
  3. 2026.07.09 テックブログ Muse Imageとは?Metaの画像生成AIの使い方・API料金(1枚0.01ドル)と日本での提供状況【2026年10月】
  4. 2026.10.21 テックブログ ユミルリンク不正アクセス第二報で延べ5,162万件:Cuenote FC利用企業と受信者の確認点
  5. 2026.10.27 テックブログ Joshin(ジョーシン)不正アクセス:最大600万件の対象とサブスク初期パスワードの対処

RELATED POSTS 関連記事

目次