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過少申告加算税とは?税率10%・15%と自主修正で0%・5%になる条件、計算例と正当な理由

過少申告加算税とは?税率10%・15%と自主修正で0%・5%になる条件、計算例と正当な理由

過少申告加算税は、期限内に申告した税額が少なかったことが後から分かり、修正申告や税務署の更正で税額が増えたときに課される加算税です(国税通則法65条)。割合は一律ではありません。税務署から調査の通知が来る前に自分で修正すれば0%、通知の後でも調査による更正を予知する前(臨場調査や反面調査、誤りの指摘などで調査を知る前)に修正すれば5%、予知した後の修正や更正を受けた場合は10%です。さらに増えた税額が大きい場合は、超えた部分に5%が上乗せされます。

この記事では、2026年10月時点の国税通則法と、国税庁の事務運営指針「申告所得税及び復興特別所得税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて」をもとに、割合が分かれる時点、計算の手順と端数処理、令和6年から始まった帳簿の不提示による加重、課されない「正当な理由」、納付期限と会計処理までを順に確認します。

まとめ:過少申告加算税の税率と課されない条件の要点

帳簿による加重・軽減がない場合の基本の割合は、修正申告をした時点で次の3つに分かれます。基準額は「期限内申告税額」と「50万円」のいずれか多い方です。

修正申告・更正の時点 基準額以下の部分 基準額を超える部分 根拠
調査通知の前に自主的に修正 0% 0% 65条6項
調査通知の後・更正の予知の前 5% 10% 65条1項・2項
更正の予知の後の修正・更正 10% 15% 65条1項・2項
  • 対象は期限内に申告した税目です。期限後申告をした年分の修正申告には、原則として無申告加算税がかかります。
  • 計算の基礎になる税額は1万円未満を切り捨て、加算税が5,000円未満なら課されません(118条3項・119条4項)。
  • 令和6年1月1日以後に法定申告期限が来る分から、調査で帳簿を提示しないと10%、売上の記載が本来の2分の1未満でも10%、3分の2未満なら5%が上乗せされます(65条4項)。
  • 「正当な理由」で外れるのは、申告後に法令解釈が明確化された場合や、十分な資料を出したのに税務職員が誤って指導した場合など限られた事情です。税理士の誤りや税法の不知は原則として当たりません。
  • 個人事業主の売上の計上漏れは、取引先の支払調書や反面調査で分かります。修正で前々年の課税売上高が1,000万円を超えると、2年後の年は消費税の課税事業者に当たり、申告していなければ無申告加算税の対象です。
  • 加算税は法人税の計算では損金になりません。個人の事業所得などでも必要経費に入りません。

以下、要件、時期による割合の違い、計算方法の順に見ていきます。

過少申告加算税の課税要件と対象になる申告

65条1項の要件は2つです。期限内申告書を提出していること、その後に修正申告書の提出か税務署の更正があったことです。増えた税額(条文の「納付すべき税額」で、実務では増差税額と呼びます)に割合を掛けて計算します。所得税・法人税・消費税・相続税・贈与税など、申告で税額を確定させる国税が対象です。住民税や事業税の同種の負担は地方税の過少申告加算金で、この記事の範囲外です。

還付申告の後に還付額が減った場合の扱い

条文の「期限内申告書」には還付請求申告書が含まれます(65条1項かっこ書き)。医療費控除で還付を受けた人が後から控除額の誤りに気づき、修正申告で還付額を減らす場合も対象です。期限内申告税額は、申告で納めた税額に源泉徴収税額や予定納税額などを足し、申告書に記載した還付金の額を差し引いて求めます(65条3項2号)。還付申告でも源泉徴収された税額が足し戻されるので、結果は源泉徴収税額を差し引く前の年税額に当たる額になります。期限内申告税額が0円になるのは、その年税額自体が0円だった場合です。

期限後申告をした年分の修正申告と無申告加算税の例外

期限を過ぎて申告した年分に誤りが見つかった場合、その修正申告には過少申告加算税ではなく無申告加算税がかかります(66条1項2号)。基本の割合は15%で、更正を予知する前の修正なら10%、調査通知の前で更正も予知していなければ5%です。調査通知後の修正では、期限後申告以降の累積額などによって50万円・300万円を超える部分に上乗せがあります。ただし、調査通知前で更正を予知しない自主修正に適用される5%には、この金額による上乗せはありません。

例外は2つです。1つは期限後申告に正当な理由があった場合です。もう1つは66条9項の場合で、更正・決定を予知せずに法定申告期限から1か月以内に期限後申告をし、納付すべき税額の全額を法定納期限までに納め(口座振替納付の手続をしている場合は期限後申告書の提出日まで)、過去5年以内に無申告加算税・重加算税を課されたことも9項の適用を受けたこともないときです(国税通則法施行令27条の2)。この場合、後の修正申告で増えた税額には過少申告加算税が課されます(65条1項かっこ書き、事務運営指針 第2の8⑴)。「確定申告を期限後に出した年分の修正」は、まずこの例外に当たるかで割合が変わります。

修正申告の時期で0%・5%・10%に分かれる仕組み

割合を分ける時点は2つあります。税務署からの「調査通知」と、調査による「更正の予知」です。

調査通知前の自主的な修正申告による過少申告加算税の不適用

調査通知がある前に、更正を予知しないで修正申告をした場合、過少申告加算税は課されません(65条6項)。調査通知とは、実地調査の事前通知のうち「調査の対象となる税目」と「調査の対象となる期間」などを知らせるものです(74条の9第1項4号・5号)。事務運営指針は、税務代理人に通知した場合も含め、通知をした時点から6項の適用が無くなると定めています(第1の4⑴)。

電話で事前通知を受けた後は、たとえ実地調査の日より前に修正しても0%にはなりません。調査通知の後に出した修正申告は、実地の調査が行われたかどうかにかかわらず6項が使えないと指針に明記されています(第1の4⑵)。過去の申告に誤りを見つけたら、通知が来る前に修正するのが最も負担の少ない選択です。

調査通知後・更正予知前の修正申告と5%の基本税率

調査通知を受けた後でも、調査による更正を予知する前に修正申告をすれば5%です(65条1項かっこ書き)。基準額を超える部分には5%が上乗せされて10%になります。国税庁のタックスアンサーNo.2026「確定申告を間違えたとき」も「調査の事前通知の後に修正申告(調査による更正を予知する前の修正申告)をした場合」は5%と説明しています。

通知から調査日までの準備の進め方は税務調査の通知が来たらやること|調査日までの準備と用意する書類を国税庁FAQで確認にまとめています。

「更正の予知」に当たる時点:臨場調査・反面調査・非違の指摘

事務運営指針は、臨場調査、取引先への反面調査、申告書の内容を検討した上での非違事項の指摘などで、納税者が調査のあったことを了知したと認められた後の修正申告を、原則として「更正があるべきことを予知してされたもの」とします(第1の1)。この段階からは10%です。

一方、同じ指針の注は、臨場のための日時の連絡を行った段階での修正申告は原則として予知に当たらないとしています。つまり、調査日時の連絡を受けただけの段階なら5%の範囲にとどまり、臨場調査や取引先への反面調査が行われたことを知った後、または誤りを指摘された後は原則として10%に上がります。事前通知のない調査では、調査官の臨場や反面調査を知った時点が分かれ目になります。

過少申告加算税の計算方法と増差税額別の試算

計算は3段階です。(1)増差税額の1万円未満を切り捨て、割合(10%または5%)を掛けます。(2)切り捨て前の増差税額から基準額を超える部分を求め、その1万円未満を切り捨ててから5%を掛けて足します。(3)合計の100円未満を切り捨て、5,000円未満なら課しません。

基準額「期限内申告税額と50万円のいずれか多い方」

65条2項は、増差税額が「期限内申告税額に相当する金額と五十万円とのいずれか多い金額」を超えるときに、超える部分へ5%を加算すると定めています。期限内申告税額が30万円なら基準額は50万円、200万円なら200万円です。当初の申告税額が大きい人ほど、加重がかかりにくい仕組みです。

上乗せの対象は「超える部分」だけです。増差税額の全額に15%を掛けるのではありません。

増差税額30万円・200万円・120万円の試算

更正の予知の後(10%)と、調査通知の後・予知の前(5%)で比較すると次のとおりです。

期限内申告税額 増差税額 基準額 超える部分 予知後(10%・15%) 予知前(5%・10%)
80万円 30万円 80万円 0円 3万円 1万5,000円
100万円 200万円 100万円 100万円 25万円 15万円
20万円 120万円 50万円 70万円 15万5,000円 9万5,000円

2行目の予知後は、200万円×10%=20万円に、超える部分100万円×5%=5万円を足して25万円です。予知前は200万円×5%=10万円に同じ5万円を足して15万円になります。同じ誤りでも、更正を予知する前に修正するかどうかで10万円の差が出ます。

端数処理:1万円未満の切捨てと5,000円未満の不徴収

加算税の計算の基礎となる税額に1万円未満の端数があれば切り捨てます(118条3項)。計算した加算税に100円未満の端数があれば切り捨て、全額が5,000円未満なら切り捨てて課しません(119条4項)。延滞税は1,000円未満で課されないので、基準が違います。

たとえば増差税額4万5,600円で更正の予知の後なら、4万円×10%=4,000円となり5,000円未満で課されません。帳簿による加重がなく、それまでの修正による上乗せもない場合、増差税額が4万9,999円以下なら10%でも過少申告加算税はかかりません(本税と延滞税は別に納めます)。基準額を既に超えた後の2回目の修正なら、増差税額4万円でも10%の4,000円と上乗せ5%の2,000円で6,000円となり、課されます。

2回目の修正申告と累積増差税額

同じ年分で2回以上修正申告をした場合、2回目の加重部分の判定には、それまでの修正で増えた税額(累積増差税額)を足して基準額と比べます(65条2項・3項1号)。上乗せの対象は「基準額を超える部分」と「今回の増差税額」のうち少ない方です(65条2項かっこ書き)。調査通知の前の0%の修正で増えた税額は累積増差税額に含めません(事務運営指針 第3の1)。

期限内申告税額40万円(基準額50万円)で、1回目に30万円、2回目に60万円を、いずれも更正の予知の後に修正した例です。

計算 累積増差税額を足す(条文どおり) 足さないとした場合
判定に使う額 30万円+60万円=90万円 60万円
基準額を超える部分 40万円 10万円
2回目の加算税 6万円+2万円=8万円 6万円+5,000円=6万5,000円

小分けに修正しても加重は避けられません。誤りが複数ある場合は、まとめて1回で修正するほうが手続も計算も簡単です。

帳簿の不提示による加重と優良な電子帳簿による軽減

令和3年度と令和4年度の税制改正で、帳簿の状態によって過少申告加算税が増減する仕組みが加わりました。個人事業主と法人の両方に関係します。

帳簿を提示しない・売上の記載が不十分な場合の10%・5%加重

65条4項により、調査で帳簿の提示や提出を求められたときに次のいずれかに当たると、過少申告加算税に上乗せされます。令和6年1月1日以後に法定申告期限が来る国税(所得税なら令和5年分以降)が対象です。

帳簿の状態 上乗せ
帳簿を提示・提出しなかった 10%
売上金額の記載が本来の2分の1未満 10%
売上金額の記載が本来の2分の1以上3分の2未満 5%

上乗せの対象は、帳簿に記載すべき事項(売上など)に関わる増差税額です。所得控除の適用誤りのように帳簿で計算しない部分は外れます(事務運営指針 第1の2⑶)。災害などやむを得ない事情で提示できなかった場合も対象外です(同⑵)。ここでの「提示しなかった」は、求められたときに遅滞なく提示しなかった場合をいいます(同⑷)。帳簿は売上などの取引の年月日・相手方・金額を記載したものを指し、日付順に整理して保存した請求書の控えなど、帳簿に相当する形式の書類も帳簿として扱われます(同⑴)。更正の予知の後で、基準額を超える部分がある場合、合計は15%+10%=25%に達します。

優良な電子帳簿で過少申告加算税が5%軽減される条件

電子帳簿保存法8条4項により、一定の要件を満たす「優良な電子帳簿」に記録された事項について修正申告や更正があった場合、過少申告加算税から増差税額の5%相当額が差し引かれます。更正の予知の後なら10%が5%に下がる計算です。

この軽減には2つの条件があります。対象の課税期間の最初から、対象帳簿を優良な電子帳簿の要件どおりに備え付け・保存していることと、原則としてその課税期間の法定申告期限までに届出書を提出していることです。隠蔽・仮装された事実があると軽減は受けられません(8条4項ただし書き)。会計ソフトで帳簿を付けているだけでは足りず、訂正・削除の履歴が残るなどの要件と届出が必要です。電子帳簿保存の区分と要件は電子帳簿保存法とは?3区分の要件・対象書類と自社システム対応を解説で確認できます。

「正当な理由」で過少申告加算税が課されないケース

増差税額のうち、当初の申告で計算に入れなかったことに「正当な理由」がある事実に基づく部分は、加算税の計算から除かれます(65条5項1号)。認められる範囲は狭く、主張する納税者の側で事情を示す必要があります。

判例の定義:真に納税者の責めに帰することのできない客観的事情

最高裁平成18年4月20日判決(民集60巻4号1611頁)は、正当な理由がある場合を「真に納税者の責めに帰することのできない客観的事情があり、過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合」としました(当時の65条4項。現在の5項1号に当たります)。

同じ判決は、税理士が納税者に無断で虚偽の申告書を出した事案でも、税理士の言葉を信じて申告書の内容を確認しなかった落ち度があるとして、正当な理由を認めませんでした。税理士に任せていたことだけでは免れないということです。

事務運営指針が挙げる2つの例:法令解釈の明確化と税務職員の誤指導

所得税の事務運営指針(令和5年6月23日改正)は、正当な理由がある事実として次の2つを例示しています(第1の3)。

  • 申告書の提出後に法令解釈が明確化され、納税者の解釈と異なることになった場合で、納税者の解釈に相当の理由があるとき
  • 確定申告の納税相談などで十分な資料を出したのに税務職員等が誤った指導をし、それに従って過少申告になった場合で、指導を信じたことにやむを得ない事情があるとき

指針の注は「税法の不知若しくは誤解又は事実誤認に基づくもの」は当たらないと明記しています。控除の要件を知らなかった、売上の計上時期を勘違いしたといった理由では外れません。税務署で相談して申告する場合は、提出した資料と指導の内容を記録に残しておくと、後で争う材料になります。

減額更正の後に再び増額された場合

期限内申告の後に税務署が減額更正をし、その後に修正申告や更正で再び税額が増えた場合、当初の期限内申告税額に戻るまでの部分は加算税の対象から除かれます(65条5項2号)。ただし、更正の請求に基づく減額更正は除外されます。自分で更正の請求をして税額を下げた後、誤りが分かって戻した場合、その戻した部分はこの除外の対象になりません(調査通知前の自主的な修正なら6項で0%になる点は別です)。

個人事業主の売上の過少申告:税務署が把握する経路と消費税への波及

個人事業主の売上の計上漏れは、過少申告につながる原因の一つです。経費の誤りと違い、売上は取引先の側にも記録が残ります。修正する時期は加算税の割合に響きます。売上を足すと、消費税の納税義務の判定まで変わることがあります。

取引先の支払調書と反面調査で売上漏れが分かる仕組み

原稿料・講演料や弁護士・税理士への報酬などを払った会社は、同じ相手への年間の支払が50,000円を超えると「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」を翌年1月31日までに税務署へ出します(所得税法225条1項、国税庁タックスアンサーNo.7431)。税務署は、受け取った側の申告の売上とこの支払調書を突き合わせることができます。調書の種類と提出範囲は法定調書とは?種類と提出範囲、令和8年分のみなし提出・退職所得の全員提出と支払調書の書き方にまとめています。

調査の場面では、本人だけでなく取引先にも質問や帳簿の検査ができます。所得税の調査では「金銭若しくは物品の給付をする義務があつたと認められる者」、つまり売上の支払元が質問検査の対象です(国税通則法74条の2第1項1号ハ)。前述のとおり、取引先への反面調査を知った後の修正申告は原則として更正の予知の後と扱われ10%になります。支払元の帳簿で裏付けられる売上ほど、通知の前に自分で直す意味が大きいということです。

売上を意図的に除外していた場合は話が変わります。二重帳簿や売上の除外のように事実を隠蔽・仮装していたと認定されると、過少申告加算税に代えて35%の重加算税が課されます(68条1項)。単純な計上漏れか隠蔽かの線引きは重加算税とは?税率35%・40%と隠蔽・仮装の判断基準、本税500万円の計算例と不服申立てで扱っています。

売上を足すと消費税の免税判定が変わり無申告加算税になる場合

免税事業者だった個人事業主は、所得税の修正だけで終わらないことがあります。個人事業主の消費税の納税義務は、その年の前々年(基準期間)の課税売上高が1,000万円以下なら原則として免除されます(消費税法9条1項)。インボイスの登録をしている場合、課税事業者を選んだ場合、前年1月〜6月(特定期間)の課税売上高と給与の支払額がどちらも1,000万円を超えた場合(9条の2)は免除されません。判定に使うのは非課税売上などを除いた課税売上高で、申告した額ではなく実際の額です。修正で前々年の課税売上高が1,000万円を超えると分かれば、2年後の年は課税事業者だったことになります。

免税事業者のつもりでその年の消費税を申告していなければ、後から出す申告は期限後申告です。かかるのは過少申告加算税ではなく無申告加算税(原則15%、調査通知前に決定を予知せず自主的に申告すれば5%)です(66条1項・8項)。たとえば令和5年の課税売上高が900万円ではなく1,100万円だったと分かれば、令和7年分の消費税の申告と納付が必要になります。1,000万円の前後の売上がある人は、所得税の修正と同時に2年後の消費税も確認してください。1,000万円を超えた後の税額の目安と特例は個人事業主が売上1000万円を超えたら消費税はいくら?納税開始は2年後・2割特例は令和8年分までで解説しています。

インボイスの登録をしている人は売上の額にかかわらず課税事業者です。その年の消費税を期限内に申告していれば、売上の追加による消費税の修正には所得税と同じく過少申告加算税がかかり、調査通知前の自主的な修正なら0%です。申告していなかった年は、上と同じく無申告加算税になります。

無申告加算税・重加算税・延滞税との違い

過少申告加算税は、申告はしたが税額が足りなかった場合の加算税です。申告をしなかった場合、隠蔽・仮装があった場合、納付が遅れた場合はそれぞれ別の附帯税がかかります。

附帯税 対象 原則の割合 根拠
過少申告加算税 期限内申告後の増額 10%(超過部分15%) 通則法65条
無申告加算税 期限後申告・決定 15%・20%・30% 通則法66条
不納付加算税 源泉所得税の納付遅れ 10%(自主納付5%) 通則法67条
重加算税 隠蔽・仮装 35%(無申告は40%) 通則法68条
延滞税 納期限後の納付 令和8年は年2.8%・9.1% 通則法60条

無申告加算税は、期限後申告やその後の修正で納める税額(それまでの累積の納付税額を含む)のうち、50万円以下の部分が15%、50万円超300万円以下が20%、300万円超が30%です(66条1項〜3項)。300万円超の30%は令和6年1月1日以後に法定申告期限が来る分(所得税なら令和5年分以降)から適用されます。調査通知の前に、決定を予知せず自主的に期限後申告をすれば5%に下がります(66条8項)。

重加算税は過少申告加算税に代えて課されるもので、両方が同じ税額に重ねてかかることはありません。隠蔽・仮装の判断基準は重加算税とは?税率35%・40%と隠蔽・仮装の判断基準、本税500万円の計算例と不服申立てで詳しく扱っています。延滞税は加算税と別に、本税に対して日数でかかります。日数の数え方は延滞税の計算方法|令和8年は年2.8%と9.1%、起算日と1,000円未満切捨てを参照してください。

過少申告加算税の納付期限と会計処理

本税と過少申告加算税の納期限・起算日の違い

修正申告で増えた本税の納期限は、修正申告書を提出した日です(35条2項1号)。過少申告加算税は、修正申告とは別に税務署が賦課決定通知書を送り、その通知書が発せられた日の翌日から1か月以内に納めます(35条3項)。加算税は修正申告書に書き込む税額ではありません。

延滞税は原則として本税の法定納期限の翌日から納付の日まで日割りでかかります。ただし、当初の申告が期限内申告で、偽りその他不正の行為による特例の適用除外に当たらず、法定申告期限から1年を経過した後に修正申告をしたときは、1年を経過した日の翌日から修正申告の提出日までの期間は計算に含めません(61条1項)。修正申告の納期限は提出日なので、提出日までに本税を納めれば全期間が低い割合(令和8年中の期間は年2.8%)で済みます(60条2項ただし書き)。修正申告書の書き方とe-Taxでの提出は修正申告とは?更正の請求との違い、e-Taxでのやり方と加算税0%・5%・10%の分かれ目で解説しています。

法人は損金不算入、個人は必要経費不算入

法人が納めた過少申告加算税は、法人税の所得の計算上、損金の額に算入しません(法人税法55条4項1号)。会計上は租税公課などで処理し、法人税申告書の別表四で加算します。

個人事業主の場合、所得税の過少申告加算税は所得税として扱われ(通則法69条)、所得税法45条1項2号により必要経費に算入しません。消費税の過少申告加算税も同項3号で必要経費になりません。仕訳は事業主貸で処理するのが一般的です。科目の選び方は租税公課とは?経費になるもの・ならないもの一覧と仕訳・消費税区分にまとめています。

よくある質問

過少申告加算税はいくらから課されますか?

計算した加算税が5,000円未満なら課されません(国税通則法119条4項)。計算の基礎になる増差税額は1万円未満を切り捨てるため、初回の修正で帳簿による加重もなければ、10%の場合は増差税額5万円以上、5%の場合は10万円以上で初めて課されます。基準額を超える上乗せや帳簿の加重があると、これより少ない増差税額でも課されます。

事前通知の後に修正申告をすると加算税はいくらですか?

調査による更正を予知する前なら5%です。臨場調査や反面調査を知った後、誤りを指摘された後は原則として予知した後と扱われ10%になります。どちらも期限内申告税額と50万円のいずれか多い方を超える部分は5%上乗せです。調査通知の時点で0%の扱いは無くなり、調査日より前に修正しても0%には戻りません。

修正申告をすると延滞税もかかりますか?

原則としてかかります。延滞税は加算税と別に、本税に対して法定納期限の翌日から納付の日までの日数でかかります。当初の申告が期限内申告なら法定申告期限後1年、期限後申告ならその提出後1年を経過した後の修正について、偽りその他不正の行為による適用除外などに当たらなければ、一部の期間が除かれ(国税通則法61条1項)、計算した延滞税が1,000円未満なら納めなくて済みます。修正申告の提出日までに本税を納めれば、全期間が低い割合(令和8年中の期間は年2.8%)です。

税理士のミスで過少申告になった場合も加算税はかかりますか?

原則としてかかります。最高裁平成18年4月20日判決は、税理士が無断で虚偽の申告をした事案でも、申告書を確認しなかった納税者の落ち度を理由に正当な理由を認めませんでした。税理士への損害賠償請求は、加算税とは別の問題として検討します。

過少申告加算税の勘定科目は何ですか?

法人は租税公課などで処理し、法人税の計算では損金不算入として別表四で加算します。個人事業主は必要経費にならないため、事業用口座から払った場合は事業主貸で処理します。

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