確定申告

確定申告の自動化はどこまでできる?記帳・課税計算・e-Taxの範囲と人が残る判断【令和8年分】

確定申告の自動化はどこまでできる?記帳・課税計算・e-Taxの範囲と人が残る判断【令和8年分】

確定申告の作業は、取引データの取得、証憑の保存、仕訳、決算整理、決算書・税額の計算、控除の入力・提出の6工程に分けると見通しがよくなります。このうち機械に任せられるのは「データを集めて決まった形に並べる」工程で、会計ソフトの銀行・カード連携、国税庁のマイナポータル連携、e-Taxの3つでほぼ埋まります。残るのは、家事按分や減価償却のように事業の実態を知っている人しか決められない判断です。

この記事では、令和8年分(2027年3月15日期限)の申告を前提に、工程ごとの自動化の範囲、事業所得がマイナポータル連携の対象外である点、令和9年分から青色申告特別控除65万円の要件にe-Taxが入る改正、自動化で増えるミスを順に整理します。

まとめ:確定申告の自動化で省ける工程と残る判断

  • 明細連携と自動仕訳ルールで連携対象取引の入力を減らし、勘定科目・金額・事業用かどうかを確認する。現金や未連携の取引は別途入力する
  • 決算書(青色申告決算書・収支内訳書)と所得税額は、会計ソフトなら帳簿から、国税庁の確定申告書等作成コーナーなら集計済みの売上・経費を入力すれば自動で作られる
  • マイナポータル連携で自動入力されるのは源泉徴収票・医療費・ふるさと納税・iDeCoなどの証明書で、事業の売上と経費は入らない
  • 家事按分・減価償却・棚卸・二重計上の消し込みは自動化しても人が判断する
  • 令和9年分からは青色申告特別控除65万円にe-Taxでの提出が必須になり、紙で出すと10万円控除に下がる

次の章の表で、工程ごとに自動化の手段と人に残る作業を対応付けます。

確定申告の6工程と自動化できる範囲・人が残る作業

自動化の効果は工程によって大きく違います。明細連携は対象取引の転記を減らし、e-Taxは印刷・郵送を省きます。仕訳では候補の確認・修正が必要で、提出時にも申告内容の確認と送信操作が残ります。

工程 自動化の手段 人が残る作業
取引データの取得 銀行口座・カードの明細連携 現金取引の入力
証憑の保存 レシート撮影・電子取引データの取込 読み取り結果の確認
仕訳 自動仕訳ルール・勘定科目の推測 科目と事業用かの判定
決算整理 減価償却の計算・按分の定期実行 按分割合・資産計上の判断
決算書・税額 ソフトまたは作成コーナーの自動計算 控除の漏れがないかの確認
控除の入力・提出 マイナポータル連携・e-Tax 取得内容・控除要件の確認と送信操作

表の右列は、自動化後も人による確認や判断が残る作業です。実際に必要な作業は取引内容によって異なり、事業用口座の分離や確認手順の整備によって負担を減らせます。

記帳と仕訳の自動化:明細連携と自動仕訳ルールの守備範囲

銀行口座やクレジットカードを会計ソフトに連携すると、入出金の明細が日付・金額・摘要つきで取り込まれます。取り込んだ明細に「摘要に○○を含む出金は通信費」といったルールを当てて仕訳の候補を作るのが、いわゆる仕訳の自動化です。

取り込めないのは現金で払った取引と、連携していない口座の取引です。現金払いが多い業種では、レシートの撮影で入力を減らせますが、読み取った日付・金額・取引先は目で照合する前提になります。

メールやWebで受け取った請求書・領収書は、令和6年1月1日以後、紙に印刷するだけでは足りず電子データのまま保存する必要があります(電子帳簿保存法の電子取引データ保存)。前々年の売上高が5,000万円以下で、税務職員のダウンロードの求めに応じられれば検索機能の確保は不要です。会計ソフトに取り込むだけで保存要件を満たすとは限らないので、保存方法は各ソフトの案内で確認します。仕訳帳や総勘定元帳など法定の帳簿は、青色申告・白色申告とも7年間の保存が必要です。

ルールは摘要の文字列で判定するため、同じ店で私物と事業用の両方を買う場合は誤ります。通販サイトやコンビニの出金は、ルールで自動登録せず毎回確認に回す設定にしておくと、後で科目を直す手間が減ります。

帳票作成と課税計算の自動化:決算書から所得税額まで

帳簿が入っていれば、青色申告決算書(白色なら収支内訳書)と確定申告書の所得金額欄は会計ソフトが自動で作ります。所得税額と復興特別所得税(所得税額の2.1%)の計算も同じです。

会計ソフトを使わない場合でも、国税庁の確定申告書等作成コーナーは画面の案内に沿って金額を入れると、所得税・消費税・贈与税の申告書と青色申告決算書・収支内訳書を作り、税額を自動計算します。帳簿そのものは作れないので、年間の売上と経費の集計を自分で用意できる人向けです。

自動計算が正しいのは入力が正しい範囲に限られます。医療費控除や扶養の入力漏れは自動計算だけでは防げません。マイナポータル連携で取得できた情報を確認し、連携対象外の医療費や扶養親族の情報などは別途入力します。

提出の自動化:e-Taxで省ける工程

e-Taxで送信すると、申告書の印刷・郵送・税務署での受付待ちがなくなります。生命保険料控除の証明書などの第三者作成書類は、記載内容を入力して送れば提出・提示を省略できます。ただし税務署は法定申告期限から5年間は書類の提示を求めることがあるため、原本は手元に残します。

マイナンバーカード方式で送信する場合、スマホがカードの読み取りに対応していればICカードリーダライタは要りません。2026年8月25日に「マイナポータルアプリ」は「デジタル認証アプリ」の機能を統合した「マイナアプリ」へ移行しており、作成コーナーを使う前にアプリの更新と利用登録が必要です。スマホでの具体的な操作はスマホで確定申告するやり方とe-Taxの対応機種で手順を追っています。

ID・パスワード方式は、e-Taxの案内で令和9年分の確定申告から利用できなくなる予定とされています。令和8年分でこの方式を使う人も、来年に向けてマイナンバーカード方式へ移る準備が必要です。

マイナポータル連携で自動入力できる証明書と対象外の事業所得

マイナポータル連携は、給与・年金・医療費・ふるさと納税などのデータをマイナポータル経由で一括取得し、確定申告書の該当欄へ自動入力する国税庁の仕組みです。国税庁によると、令和7年分の確定申告では約408万人が利用しました。

区分 自動入力の対象
収入関係 給与所得の源泉徴収票
収入関係 公的年金等の源泉徴収票
収入関係 株式の特定口座年間取引報告書
収入関係 生命保険・損害保険の一時金・年金等
控除関係 医療費
控除関係 寄附金(ふるさと納税など)
控除関係 社会保険料(国民年金保険料など)
控除関係 生命保険料・地震保険料
控除関係 iDeCo・住宅ローン控除関係

出典は国税庁「令和8年分の確定申告はスマホとマイナポータル連携でもっと便利に!」の対象一覧です。控除証明書は、発行する保険会社や自治体がマイナポータル連携に対応している場合だけ取得できます。

マイナポータル連携の対象外となる事業の売上・経費

一覧に事業所得の項目はありません。個人事業主の申告で最も手間がかかる売上と経費の集計は、マイナポータル連携では1円も埋まらないということです。

つまり自動化の経路は2本に分かれます。事業所得は会計ソフトの明細連携と自動仕訳で帳簿を作り、控除と給与・年金などの収入はマイナポータル連携で取り込む。片方だけでは申告書は埋まりません。副業の会社員なら、給与はマイナポータル連携、副業の売上と経費は会計ソフトか手集計、という組み合わせになります。

給与所得の源泉徴収票が連携されない条件

令和7年分までの給与情報の自動入力は、勤務先が税務署へ源泉徴収票をe-Taxまたは認定クラウド等で提出していることが条件でした。源泉徴収票には「年間の給与等の支払金額が500万円を超えるもの」などの提出基準があり、基準外で勤務先が任意提出していなければ取得できません。書面や光ディスクでの提出も対象外です。

令和8年分からは対象が広がります。令和9年1月1日以後に勤務先がeLTAXで市区町村へ提出する給与支払報告書も、令和9年2月以降はマイナポータル連携の対象になると国税庁が案内しています。それでも取得できない場合があるので、作成コーナーの画面で取り込まれたかを確認し、取れなければ紙の源泉徴収票から入力します。

初回はマイナポータルの「確定申告の事前準備」ページで取得する証明書を選び、給与を選んだ場合はe-Taxのマイページで情報取得の希望登録も行います。この準備は氏名やマイナンバーに変更がなければ初回だけです。

作業工数の試算と自動化の費用対効果

自動化による時間削減は、連携できる取引件数、入力・確認にかかる時間、初期設定や連携エラーへの対応時間で変わります。ソフト会社が示す作業時間の削減例は、自分の取引件数や支払方法と条件が異なる可能性があるため、自分の件数で計算し直します。

月の取引件数から見る記帳時間の計算式

手入力の年間時間は「月の取引件数×1件の入力時間×12」、自動化後は「月の連携対象取引件数×1件の確認時間×12+月の現金取引件数×1件の入力時間×12」で見積もれます。

仮に月60件、手入力1件2分、連携後の確認1件30秒、現金取引は月10件とすると、手入力は年24時間、自動化後は連携対象50件の確認が年5時間と現金10件の入力が年4時間で計9時間です。数字は仮定なので、まず1か月分を自分で計ってから当てはめてください。現金取引が多いほど明細連携で減らせる入力は少なくなりますが、効果の大きさは連携対象の件数と入力・確認にかかる時間で判断します。

e-Taxと電子帳簿で変わる青色申告特別控除の差額

時間より確実に差が出るのが控除額です。令和8年分の青色申告特別控除は、事業所得または事業的規模の不動産所得について、複式簿記による記帳や貸借対照表・損益計算書を添付した期限内申告などの要件を満たすと最高55万円です。さらに期限内にe-Taxで申告するか、仕訳帳・総勘定元帳を優良な電子帳簿として備え付け・保存し必要な届出を行うと最高65万円になります。

10万円の差は、所得税率10%の人なら所得税(復興特別所得税込み)10,210円と住民税10,000円で合計約2万円の税額差になります。国民健康保険の加入者は翌年度の所得割も下がる場合がありますが、算定所得や賦課限度額によっては保険料が変わらないこともあります。

令和9年分からは差が広がります。改正後の租税特別措置法25条の2では55万円の区分がなくなり、65万円は、確定申告書と貸借対照表・損益計算書等を期限内にe-Taxで送信することが適用要件になります(改正後7項)。さらに優良な電子帳簿の保存またはデジタルシームレス保存の要件を満たし、必要な届出を期限内に行えば最高75万円です。電子取引データを通常の保存要件に従って保存するだけでは足りません。複式簿記でも紙で提出すると65万円の要件を満たさず、10万円控除に下がります。控除差額55万円の全額に所得税率10%・住民税所得割10%が適用され、税額控除等の影響がないと仮定すると、令和9年分の所得税・復興特別所得税・防衛特別所得税の合計で約56,155円、住民税で約55,000円、合計約11万円の差になります。今の時点で紙申告と優良な電子帳簿の組み合わせで65万円を受けている人ほど、令和9年分で控除が大きく減る点に注意が必要です。

会計ソフトと作成コーナーの料金・自動化機能の比較(2026年9月時点)

個人事業主向けの主要な会計ソフトは、どれも銀行・カード連携、決算書の作成、e-Taxでの提出までを1本で扱えます。比較すべきなのは料金とサポートに加え、消費税申告への対応やレシート読取の上限です。例えばfreee会計のスターターは消費税申告に対応せず、レシート撮影・アップロードは月5枚までです。

freee・マネーフォワード・弥生の個人向け料金

製品・プラン 年払い(税抜) 月払い(税抜)
freee会計 スターター 11,760円 1,780円
freee会計 スタンダード 23,760円 2,980円
freee会計 プレミアム 39,800円 年払いのみ
マネーフォワード パーソナルミニ 10,800円 1,280円
マネーフォワード パーソナル 15,360円 1,680円
マネーフォワード パーソナルプラス 35,760円 年払いのみ
やよいの青色申告 オンライン セルフ 11,800円 –
やよいの青色申告 オンライン ベーシック 22,800円 –
やよいの青色申告 オンライン トータル 39,600円 –

2026年9月30日時点の各社公式の料金ページ(freee会計/マネーフォワード クラウド確定申告/弥生の確定申告ソフト)によります。freee会計は全4プランで確定申告書の作成と電子申告での提出ができると明記しています。やよいの青色申告 オンラインは2027年3月15日申込分までセルフとベーシックが初年度無料、トータルが初年度19,800円(税抜)です。マネーフォワードは2026年12月1日から料金改定を予定しています。税抜で、パーソナルミニは月払い1,680円(年払い10,800円は据え置き)、パーソナルは月払い2,880円・年払い22,560円、パーソナルプラスは年払い38,160円です。既存契約は同日以降の更新から適用されます。料金とキャンペーンは申込前に公式ページで確認してください。

いずれも最安プランで年1万円強です。65万円控除は無料の作成コーナーからe-Taxで申告しても受けられるため、前の章の控除差額は有料ソフトを入れる理由になりません。料金を回収できるかは、無料で申告する場合と比べて減る記帳と確認の時間で判断します。

作成コーナーと白色申告の無料プランで費用をかけない条件

国税庁の確定申告書等作成コーナーは無料で、決算書・申告書の作成、税額の自動計算、マイナポータル連携、e-Taxでの送信まで使えます。ないのは帳簿を作る機能と明細の自動取り込みです。

白色申告なら、やよいの白色申告 オンラインに、金融機関連携や仕訳の自動化を含む全機能を無料で使えるフリープランがあります(有料プランとの違いはサポートの範囲で、通常年額はベーシック11,500円、トータル21,000円、いずれも税抜)。取引が月数十件以内で白色申告のままでよい人は、このフリープランか作成コーナーで足ります。青色申告で65万円控除を狙うなら複式簿記の帳簿が要るため、無料の組み合わせでは手間が大きく残ります。

自動化の導入手順:年初から申告期限までの工程

自動化は年初から準備すると、明細の取得漏れを減らせます。申告直前でも入力や集計を減らせますが、連携前の明細をどこまでさかのぼって取り込めるかは金融機関ごとに違うため、年の途中から始めると過去分を手で入力する作業が残ることがあります。

  1. 事業用の銀行口座とクレジットカードを私用と分ける
  2. 会計ソフトに口座とカードを連携し、開業日または1月1日の残高を登録する
  3. 自動仕訳ルールを登録し、判定が割れる出金はルール化せず確認に回す
  4. 月に1回、未確認の明細と現金取引を処理し、連携切れがないか確認する
  5. 12月末に減価償却・家事按分・棚卸などの決算整理を入れる
  6. 1月にマイナポータルの事前準備を行い、控除証明書が取得できるか確認する
  7. 2月16日から3月15日までにe-Taxで送信する

令和8年分の申告期間は2027年2月16日(火)から3月15日(月)です。還付申告は2月16日より前でも提出できます。申告書の書き方そのものは個人事業主の確定申告のやり方で期限と控除額とあわせて整理しています。

自動化で起きやすい申告ミスと人が判断すべき工程

自動化の失敗は、入力の手間が消えたことで確認まで省いてしまうことから起きます。誤った仕訳のまま申告すると、後で修正申告をしたときに加算税がかかる場合があります。

カード払いの二重計上と連携切れによる取引の欠落

銀行口座とカードの両方を連携すると、カードの利用明細で経費を計上し、翌月の口座引き落としでもう一度経費を計上する二重計上が起きます。引き落としは「未払金の支払い」として消し込むルールにしておく必要があります。

もう1つは連携切れです。金融機関側のパスワード変更や認証方式の変更で同期が止まり、そのまま気付かずに数か月分の取引が抜ける例があります。月1回、口座残高と帳簿残高を照合し、明細の取得期間と各取引も確認します。同額の入金と出金が両方抜けた場合など、残高が一致しても欠落が残ることがあります。マネーフォワードの連携停止時の対処はマネーフォワードで銀行連携が失敗する原因と再連携のやり方・エラー解消にまとめています。

家事按分・減価償却・棚卸で人に残る判断

自宅兼事務所の家賃や通信費を事業分と私用分に分ける家事按分は、床面積・使用時間などの記録に基づき、業務上必要な部分を明確に区分して割合を決めます。税理士に相談する場合も、利用実態を示す資料が必要です。ソフトは決めた割合を毎月当てはめるだけです。

10万円以上の備品を買ったときの資産計上と減価償却、年末の在庫の棚卸も同様です。減価償却費は取得価額と耐用年数を入れればソフトが計算しますが、どの資産を何年で償却するかの判断は人に残ります。決算整理で入れる仕訳の種類は決算整理仕訳とは?主な9項目の仕訳一覧で一覧にしています。

自動仕訳の誤りを申告後に直すときの過少申告加算税

申告後に経費の過大計上などが見つかり、修正申告で税額が増えると過少申告加算税の対象になります。国税通則法65条では、税務調査で更正されると増えた税額の10%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は15%)が課されます。

一方、調査の事前通知より前に自分で修正申告すれば過少申告加算税はかかりません(同条6項)。通知後で更正を予知する前の修正申告は原則5%ですが、増加税額のうち期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は10%です。自動仕訳の誤りに気付いたら、調査を待たずに直すほうが負担は小さくなります。

自動化すべきでない判断と採用しないほうがよい場面

勘定科目の推測をそのまま承認する運用はやめるべきです。ソフトやAIの推測は過去の仕訳の傾向から候補を出すもので、その取引が事業のためのものかどうかは判定していません。

取引が月10件程度で、ほとんどが現金払いという事業なら、会計ソフトの有料プランを入れる効果は小さく、作成コーナーに集計表から入力するほうが安く済みます。反対に、不動産所得や株式の譲渡、消費税の課税事業者が重なる申告は、ソフトの自動計算より先に取扱いの判断が要るため、税理士に申告書の確認だけ依頼する選択肢があります。AIに申告を任せられる範囲はAI確定申告を検討する前に押さえるべき現状と基本構造で別に扱っています。

よくある質問

確定申告は完全に自動化できますか?

完全にはできません。取引データの取得、決算書と税額の計算、控除証明書の入力、e-Taxでの提出は自動化できますが、勘定科目が正しいかの確認、家事按分の割合、10万円以上の備品を資産にするかどうか、棚卸の金額は人が決めます。マイナポータル連携も事業の売上と経費は取り込まないため、事業所得の帳簿は会計ソフトか手集計で用意する必要があります。自動化で減るのは入力の時間で、判断の時間は残ると考えてください。

無料で確定申告を自動化する方法はありますか?

国税庁の確定申告書等作成コーナーは無料で、決算書・申告書の作成と税額の自動計算、マイナポータル連携による控除の自動入力、e-Taxでの送信まで行えます。足りないのは帳簿の作成で、銀行やカードの明細を自動で取り込む機能はありません。取引が少なく年間の売上と経費を表計算ソフトで集計できるなら、作成コーナーだけで無料で済みます。白色申告では、やよいの白色申告 オンラインのフリープランで金融機関連携や仕訳・記帳の自動化も無料で使えます。

仕訳の自動化とは何をしてくれる機能ですか?

銀行口座やクレジットカードの明細を取り込み、摘要や取引先の文字列にルールを当てて「日付・勘定科目・金額」の仕訳候補を作る機能です。連携できた取引では候補を確認・修正して登録するため、手入力を減らせます。現金や未連携の取引は別途入力が必要です。ルールは文字列で判定するため、同じ店で私物と事業用の両方を買うと誤ります。判定が割れる取引はルール化せず、毎回確認に回す設定にしてください。

確定申告にAIは使えますか?

勘定科目の候補の提示、レシートの読み取り、申告内容の質問への回答といった補助には使えます。ただしAIが出す科目や控除の判断は申告者の事業内容を知らないまま推測したもので、最終的な責任は申告者にあります。ChatGPTに勘定科目を判定させる具体的な使い方と検算の手順はChatGPTで確定申告はどこまでできる?で解説しています。

消費税の申告もe-Taxで自動化できますか?

できます。確定申告書等作成コーナーは所得税に加えて消費税の申告書も作成・送信でき、会計ソフトの多くも帳簿から消費税申告書を作ります(freee会計のスターターのように消費税申告に対応しないプランもあります)。インボイス登録をした課税事業者は、帳簿に税区分が正しく入っていることが前提なので、自動仕訳で登録された取引の税区分(10%・8%・対象外)を確認してから申告してください。申告期限後に誤りに気付いた場合、税額が少なかったときや還付額が多すぎたときは修正申告、税額が多すぎたときや還付額が少なかったときは原則として更正の請求で訂正します。

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