ステーブルコインは、法定通貨などの価値に連動させることで価格変動を抑えた、ブロックチェーン上のデジタル資産です。日本では、ステーブルコインのうちUSDCなどは「電子決済手段」、DAIなどは「暗号資産」として扱われ、区分によって取扱事業者の登録制度が異なります。以下の数値と条文は、e-Govの法令原文、金融庁の登録簿、発行体が公表する準備金報告と公開ソースコードに基づいています。
まとめ|ステーブルコインの要点
- 法定通貨担保型のペグを支える基本要素は、発行体が1対1で償還に応じる義務と、それを裏付ける準備資産です。
- 日本の資金決済法は、暗号資産の定義から「通貨建資産」と「電子決済手段」を明文で除外しています。円・ドルに価格が連動するだけでは区分は決まらず、DAIのように暗号資産として扱われる銘柄もあります。
- 金融庁の電子決済手段等取引業者登録一覧に掲載されているのは、SBI VCトレードとコインチェックの2社だけです(令和8年8月27日現在)。
- 発行量は上位2銘柄に極端に偏っています。USDTが1,833.1億ドル、USDCが752.5億ドルで、合計3,134億ドルの市場の82.5%を占めます。
- 法定通貨担保型の主要コインには、発行体が特定アドレスを凍結できる関数が実装されています。「誰にも止められない送金」という理解は、この型には当てはまりません。
- 米国のGENIUS法第4条(a)(11)は、対象となる発行体が保有・使用・保持だけを理由に利息や利回りを支払うことを禁止しています。第三者が提供する運用商品は別枠なので、その提供元の信用リスクを分けて確認してください。
ステーブルコインと暗号資産の法的区分
ステーブルコインという言葉は法令用語ではありません。日本では資金決済法(資金決済に関する法律)が「電子決済手段」という区分を置き、そこにドル建て・円建てのステーブルコインが入ります。同法2条5項は電子決済手段を4号構成で定義しており、1号は「不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されている通貨建資産に限り)」としています。ここでいう通貨建資産の中身は2条7項にあり、「本邦通貨若しくは外国通貨をもって表示され、又は本邦通貨若しくは外国通貨をもって債務の履行、払戻しその他これらに準ずるものが行われることとされている資産」と定めています。
暗号資産との線引きを決めているのは、暗号資産側の定義です。同法2条14項1号は暗号資産の対象から「本邦通貨及び外国通貨、通貨建資産並びに電子決済手段(通貨建資産に該当するものを除く。)を除く」と明記しました。つまり、円やドルで償還されることが約束されている時点で、それは暗号資産ではありません。ビットコインとの違いを「値動きが小さいこと」と説明する記事は多いのですが、制度上の違いは値動きではなく、法定通貨での償還が約束されているかどうかです。
信託を使う類型も条文に入っています。2条5項3号の「特定信託受益権」は、2条9項で「金銭信託の受益権であって、受託者が信託契約により受け入れた金銭の総額のうち預貯金により管理する額の当該金銭の総額に占める割合が内閣府令で定める割合以上であること」と定義されています。信託銀行が裏付けを管理する型で、国内の銀行系プロジェクトが採用しているのはこの枠組みです。
この裏付けの運用範囲は2026年6月1日施行の改正で広がりました。金融庁の法案説明資料は、従来は全額を要求払預貯金で管理する必要があったのに対し、改正後は「発行額の50%を上限に、元本を毀損しない形で、①満期・残存期間3か月以内の日米国債や、②中途解約が認められる定期預金による管理・運用を認める」としています。日本の信託型も、半分までは短期国債で運用できるようになりました。米国のGENIUS法が準備資産を残存93日以下の米国債などに限ったのと、方向は同じです。
価格が1ドルに戻る仕組み|償還義務と裁定取引
法定通貨担保型のペグは、発行体が1コインを1ドルで買い戻す約束から生まれます。市場価格が0.99ドルに下がれば、発行体の本人確認や償還条件を満たす取引参加者は、市場で購入し、手数料などを差し引いても有利なら額面での償還によって差益を得られます。逆に1.01ドルに上がれば、発行体に1ドルを払って新規発行を受け、市場で売れば差益が出ます。この裁定が働く限り、価格は1ドル近辺に引き戻されます。
裏を返すと、償還が滞ると裁定が働きにくくなり、ペグが崩れるリスクが高まります。2023年3月に米シリコンバレー銀行が破綻した際、USDCは一時的に1ドルを割り込みました。Circleは同年3月12日付の発表で、同行に預けていた準備金は33億ドルで準備金全体の約8%にあたり、翌朝の銀行の営業開始とともに全額が利用可能になると発表しています。準備金へのアクセスと回収可能性への不安が価格に表れ、米当局による預金者保護の発表で解消された事例です。ペグの強度は連動先ではなく、誰がどの資産で、どれだけ速く償還に応じられるかで決まります。
ステーブルコインの主な3類型|担保構造とペグ崩壊の要因
分類の軸は「何を裏付けにしているか」です。裏付けの置き方が、そのまま価格が崩れるときの壊れ方を決めます。暗号資産担保型の基本形ではETHなどを過剰に預け、担保価値が閾値を割ると自動清算でコインを償却して需給を戻します。ただし実際の担保構成は銘柄ごとに違い、USDSのように他のステーブルコインや現実資産へのエクスポージャーを組み合わせる設計もあります。
| 型 | 裏付け | 代表銘柄 | ペグが崩れる主因 |
|---|---|---|---|
| 法定通貨担保型 | 現金・預金・短期国債 | USDT、USDC、PYUSD、RLUSD | 発行体や預金先金融機関の信用不安、償還の停止 |
| 暗号資産担保型 | ETH等の暗号資産(過剰担保) | DAI、USDS | 担保資産の急落と清算の遅延 |
| アルゴリズム型 | 裏付けなし(供給量の自動調整) | TerraUSD(2022年に破綻) | 需要の消失。買い支える資産が存在しない |
アルゴリズム型は、価格が1ドルを下回ると供給を絞り、上回ると供給を増やす設計で価格を安定させようとしました。2022年5月9日に始まったTerraUSDの崩壊は、この設計が「誰も買わない局面」に耐えられないことを示しています。米司法省の発表によれば、同年春のピーク時にUSTと関連トークンLUNAの時価総額は合算で500億ドルを超え、崩壊による投資家の損失は400億ドルを上回りました。供給を絞っても、その価格で買う相手がいなければ戻りません。
制度の側も、この型を想定していません。後述する米国GENIUS法は、対象となる発行体の準備資産を現金・預金・残存93日以下の米国債などに限定しています。日本の電子決済手段は2条5項に1号から4号までの類型があり、該当性は各号の要件に照らして判断されますが、いずれも裏付けとなる資産か信託受益権を前提にしています。裏付け資産をまったく持たない設計は、日米いずれの枠組みでも発行体として登録・認可される道がありません。アルゴリズム型を名乗るプロジェクトに出会ったら、まず登録の有無を確認してください。
主要銘柄の発行量と準備資産の中身
流通量の分布とチェーン別の偏り
下表の流通量は、DefiLlamaの集計API(stablecoins.llama.fi)から2026年9月21日に取得した値です。全体の合計は3,134億ドルで、うち米ドル連動が3,118億ドル、339銘柄でした。
| 銘柄 | 発行体 | 連動先 | 流通量 | 型 |
|---|---|---|---|---|
| USDT | Tether | 米ドル | 1,833.1億ドル | 法定通貨担保 |
| USDC | Circle | 米ドル | 752.5億ドル | 法定通貨担保 |
| USDS | Sky | 米ドル | 66.0億ドル | 暗号資産担保 |
| USDe | Ethena | 米ドル | 48.7億ドル | 合成ドル(デルタヘッジ型) |
| DAI | Sky(旧MakerDAO) | 米ドル | 48.0億ドル | 暗号資産担保 |
| PYUSD | Paxos | 米ドル | 27.6億ドル | 法定通貨担保 |
| RLUSD | Ripple | 米ドル | 23.8億ドル | 法定通貨担保 |
| EURC | Circle | ユーロ | 4.65億ドル | 法定通貨担保 |
上位2銘柄で全体の82.5%を占めます。3位のUSDSに対してUSDTは約28倍、USDCは約11倍で、集中度は高いものの、3位以下にはそれぞれ異なる担保構造と用途があります。
USDTの内訳は、発行体Tetherが公開している流通量データで確認できます。2026年9月21日時点の純流通量1,833.8億ドルのうち、Tronが925.3億ドル(50.5%)、イーサリアムが866.4億ドル(47.2%)で、この2チェーンだけで97.7%に達します。Solana、TON、Aptos、Avalancheはいずれも1%台以下です。この発行残高から確認できるのはチェーン別の分布です。送金用途とDeFi担保用途の違いを判断するには、取引内容や保有先を別途分析する必要があります。
CircleとTetherが公表する準備資産の構成
裏付けの中身は、発行体が第三者の監査法人を通じて定期公表しています。報告の基準日は上表の取得日より前なので、流通量の数字は一致しません。Circleの透明性ページが公開する2026年7月31日基準のUSDC Reserve Reportでは、流通量718億2,645万ドルに対して準備資産の公正価値が719億411万ドル、うち米SEC登録の政府マネー・マーケット・ファンドであるCircle Reserve Fundが607億1,724万ドル(84.4%)でした。Tetherが公開する2026年6月30日基準の報告では、準備資産1,877億5,142万ドルに対し、直接保有する米国財務省短期証券が1,149億6,096万ドル(61.2%)、オーバーナイトのリバースレポが186億2,555万ドルです。いずれも米国債や米国債担保取引への依存度が高いものの、準備資産の構成と、保有者が持つ権利は米国債ファンドとは異なると考えて差し支えありません。
金に連動するトークンも裏付け資産を持つ点は同じですが、連動先が通貨ではないため日本の制度上の扱いが変わります。詳しくはXAUt(テザーゴールド)とは?金1オンス連動の仕組みと日本で買う前の注意点で整理しています。
オンチェーン実装から見たステーブルコイン|凍結関数とdecimals
イーサリアム上のUSDCはERC-20互換トークンですが、標準機能だけでできているわけではありません。Circleが公開するコントラクト設計文書には、特定アドレスを凍結する権限と、コントラクト全体を一時停止する権限が明記されています。凍結状態は誰でも読み取り専用で照会できます。
curl -s -X POST https://ethereum-rpc.publicnode.com \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{"jsonrpc":"2.0","id":1,"method":"eth_call","params":[
{"to":"0xA0b86991c6218b36c1d19D4a2e9Eb0cE3606eB48",
"data":"0xfe575a870000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000001"},"latest"]}'
0xfe575a87 はUSDCの isBlacklisted(address) のセレクタです。返り値はABIのbool(32バイト)として復号し、実装の有無は公開ソースと突き合わせて判断します。USDT(0xdAC17F958D2ee523a2206206994597C13D831ec7)は同じ役割の関数を isBlackListed(address)(0xe47d6060)という別の綴りで持っており、片方のコードを流用できません。
権限の強さは、文書の表現そのものに表れます。Circleは blacklister ロールを「prevent all transfers to or from a particular address, and prevents that address from minting or burning」と説明し、pauser ロールには全転送・発行・償却を止める権限を置いています。USDTのソースコードはさらに踏み込み、addBlackList と removeBlackList に加えて、拒否リスト対象の残高そのものを消去する destroyBlackFunds を実装しています。
これは理論上の権限ではありません。Circleの2026年7月31日基準の報告書には、アクセスを拒否されたUSDCが129,764,354枚と記載されています。Tetherは2026年4月23日、米当局との連携で2つのアドレスにある3億4,400万ドル相当のUSDTを凍結したと発表しました。法定通貨担保型のステーブルコインを受け取るということは、発行体の凍結権限を受け入れるということです。不正送金の追跡や制裁対応にはこの権限が必要ですが、同時に、自社の入金アドレスが巻き込まれる可能性も引き受けます。事業で使うなら、凍結時にも支払いを継続できる法定通貨の予備資金と代替決済経路を設けてください。アドレスを分けるだけでは、同じ発行体による凍結への備えにはなりません。
実装上の落とし穴もあります。USDC・USDTはいずれも decimals が6で、ETHやほとんどのERC-20トークンの18ではありません。18桁前提で書かれた計算処理をそのまま流用すると、金額が10の12乗倍ずれます。もう1つは totalSupply の読み方です。2026年9月21日時点のイーサリアム上の totalSupply はUSDTが883.0億で、Tetherが公開する同チェーンの発行総量と同じ値ですが、同社が未流通分として保有する分を除いた純流通量は866.4億ドルです。コントラクトの totalSupply をそのまま流通量として扱うと、USDTでは約17億ドルの差が出ます。
送金体験を改善する仕組みもコントラクト側にあります。受取側がガス代を肩代わりする署名送金はEIP-3009(ERC-3009)とは?transferWithAuthorizationの仕組みと署名実装・対応トークン、チェーンをまたいで同じUSDCを移す公式方式はUSDC Bridge(CCTP)とは|クロスチェーン送金の仕組み・手数料・安全性と使い方で扱っています。
日本での購入経路|登録取引業者と発行体からの取得
「日本で買えるのか」という問いの答えは、制度の区分をまたぐため2つに分かれます。まず法定通貨建てのコインは電子決済手段にあたるため、売買を扱うには電子決済手段等取引業の登録が必要です。金融庁が公表する電子決済手段等取引業者登録一覧(令和8年8月27日現在)に載っているのは、次の2社だけです。登録はサービス提供開始を意味しないため、購入可否は各社の案内を確認してください。事業者が決済システムに電子決済手段を組み込むときの登録の要否と実装要件は電子決済手段とは?ステーブルコインの4区分と決済システムに載せる要件で整理しています。
| 登録番号 | 事業者 | 登録年月日 | 取り扱う電子決済手段 |
|---|---|---|---|
| 関東財務局長第00001号 | SBI VCトレード | 令和7年3月4日 | USDC、RLUSD、JPYSC |
| 関東財務局長第00002号 | コインチェック | 令和8年8月27日 | USDC |
世界の流通量で1位のUSDTは、2026年9月時点でこの一覧に登場しません。登録事業者から買えるドル建てステーブルコインは、いまのところUSDCとRLUSDです。
一方、暗号資産に分類されるコインは別枠です。暗号資産交換業者登録一覧(令和8年9月1日現在・全27業者)を見ると、DAIは9社が取り扱っています。DAIは米ドルに連動していますが、法定通貨での償還が約束されていないため通貨建資産にあたらず、暗号資産のまま扱われます。同じ「ドル連動」でも、償還の約束があるかどうかで登録の種類も買える場所も変わります。
SBI VCトレードは2025年3月4日に国内初の電子決済手段等取引業者として登録され、同年3月26日にUSDCの一般向け取扱いを開始しました。2026年6月24日に始めたRLUSDは、資金決済法2条5項4号に基づく国内初の事例としています。
円建ての代表であるJPYCの発行体、JPYC株式会社は資金移動業者として登録されています(資金移動業者登録一覧・令和8年7月31日現在、関東財務局長第00099号、令和7年8月18日登録)。発行体が自ら発行・償還を行う建て付けのため、電子決済手段等取引業者の一覧には現れません。2025年10月27日に発行を開始し、2026年9月18日に累計発行額100億円を突破したと公表しています。設計と法的根拠は1JPYC=1円で償還可能な日本円ステーブルコインJPYCの法的根拠と基本設計で詳しく扱っています。
米国GENIUS法とEU MiCA|準備資産・利払い・施行時期
GENIUS法が定める準備資産と利払いの制限
米国では2025年7月18日、S.1582が「Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins Act」(GENIUS Act)として成立しました。Public Law 119-27の官報版全文で条文を確認できます。
1つ目は準備資産の限定です。第4条(a)(1)(A)は、発行残高に対して1対1以上の準備資産を保有することを求め、その中身を米国の通貨、連邦準備銀行の口座残高、要求払預金、残存期間93日以下の米国財務省証券、それを担保とするオーバーナイトのレポ・リバースレポなどに限定しています。長期債や社債で運用する余地はありません。
2つ目は利息の禁止です。条文は「No permitted payment stablecoin issuer or foreign payment stablecoin issuer shall pay the holder of any payment stablecoin any form of interest or yield」と定め、現金・トークン・その他の対価を問わず、保有していることだけを理由に利回りを払うことを禁じています。準備資産の運用益は発行体に残り、保有者には渡りません。
3つ目は施行時期です。効力発生日は、制定から18か月後にあたる2027年1月18日と、主要な連邦規制当局が実施最終規則を公表してから120日後の、いずれか早い日とされています。「米国で規制が整った」という表現を額面どおり受け取らず、自社が関係する時点で規則が出ているかを確認してください。
EU MiCAにおけるEMTとARTの区分
EUは暗号資産市場規則(MiCA)で先行しました。2023年6月に発効し、1つの公式通貨に連動する電子マネートークン(EMT)と、複数の通貨や資産を参照する資産参照トークン(ART)を区別して、それぞれ発行者に認可を求めます。ESMAの登録簿もTitle IIIがART発行者、Title IVがEMT発行者と型ごとに分かれています。日本の「電子決済手段」、米国の「payment stablecoin」、EUの「EMT」は、いずれも裏付け資産の保有を出発点にしている点で共通しています。
企業が決済に組み込むときの判断基準
ステーブルコインを業務に入れるかどうかは、コストの比較より先に、止まったときに誰が困るかで決まります。次の条件に当てはまるなら、現時点では見送るほうが合理的です。
- 国内消費者向けの円決済が主軸の場合:JPYC EXなどの取得経路も含め、本人確認・入金・ウォレット操作の負担を比較してください。既存の決済手段より利用者の手順が増える設計なら、導入を見送る判断になります。
- 運転資金をコインのまま保有し続ける設計の場合:GENIUS法は対象発行体による保有等への利払いを禁じています。運転資金としては、必要な流動性に加え、外貨連動なら為替リスク、発行体による凍結や償還停止のリスクを評価してください。
- 凍結されると業務が止まる資金の置き場所にする場合:前述のとおり発行体には凍結権限があり、同じ主体の複数アドレスがまとめて対象になることもあります。アドレスを分けるだけでは備えになりません。
逆に相性がよいのは、国境をまたぐ少額・高頻度の企業間決済です。オンチェーン送金は銀行営業時間外にも実行できますが、法定通貨への換金や銀行口座への着金には、取扱事業者の処理時間と手数料がかかる場合があります。検討の中心はチェーンの選定です。銘柄ごとに、受取先が対応するチェーン、利用先での交換流動性、出入金条件を確認して選びます。複数チェーンをまたぐ場合は発行体公式の移転方式も比較対象に入れ、対応チェーン・停止条件・利用規約上の責任と補償の範囲を確かめてください。発行体が自らチェーンを用意する動きについては、USDC発行元Circleが独自L1を構築した背景と既存チェーンの限界を参照してください。
よくある質問
ビットコインとステーブルコインの違いは何ですか?
価格変動の大小ではなく、法定通貨で償還される約束があるかどうかが本質的な違いです。日本の資金決済法2条14項1号は、暗号資産の定義から通貨建資産と電子決済手段を除外しています。ビットコインは暗号資産、ドル建てステーブルコインは電子決済手段で、取り扱う事業者の登録の種類も別になります。
ステーブルコインは儲かりますか?
米ドル連動型は1ドル近辺の価格維持を目指しますが、市場価格は変動します。円換算では為替変動による利益も損失も生じます。米国のGENIUS法は、保有していることだけを理由に発行体が利息や利回りを払うことを明文で禁止しています。「持っているだけで増える」とうたうサービスは、発行体からの利回りではなく、貸し出しなど別のリスクを取った運用です。その相手先の信用リスクを確認してください。
日本でステーブルコインは買えますか?
買えますが、銘柄は限られます。発行体から直接取得する経路のほか、電子決済手段等取引業者を利用する経路があり、令和8年8月27日現在の金融庁の一覧ではSBI VCトレード(USDC、RLUSD、JPYSC)とコインチェック(USDC)の2社です。暗号資産に分類されるDAIは、暗号資産交換業者9社が取り扱っています。
ステーブルコインの代表例は何ですか?
流通量で見るとUSDT(1,833.1億ドル)とUSDC(752.5億ドル)の2銘柄が市場の82.5%を占めます。以下、USDS、USDe、DAI、PYUSD、RLUSDが数十億ドル規模で続きます。円連動ではJPYCとJPYSC、ユーロ連動ではEURCがあります。
ステーブルコインにはどんなリスクがありますか?
準備資産を預けた金融機関の破綻や、発行体の償還停止でペグが崩れるリスクが中心です。加えて、法定通貨担保型には発行体がアドレスを凍結できる権限があり、イーサリアム上のUSDCとUSDTでは凍結状態を照会する関数の実装を確認できます。暗号資産担保型では担保の急落、裏付けを持たない型では需要消失そのものがリスクになります。