Clineの設定ファイルとインストール完全ガイド|MCP設定・OS別パス・Hooksを整理
Clineの「設定ファイル」を探しても、単一の設定ファイルが見つからず戸惑う人は多い。Clineはオープンソースのコーディングエージェント(VS Code・JetBrains拡張、CLI)で、設定は「拡張の設定画面(プロバイダ・モデル・APIキー)」「MCPサーバー用の cline_mcp_settings.json」「ルールの .clinerules」「Hooks用スクリプト」に分かれて保存される。この記事では、その全体像とOS別の保存場所、VS Code/JetBrains/CLIのインストール手順、Linux対応、Hooksの設定、つまずきやすい点までを公式仕様に沿って整理する。
まとめ:Clineの設定とインストールの要点
- Clineに単一の設定ファイルは無い。設定は「拡張の設定画面」「
cline_mcp_settings.json(MCP)」「.clinerules(ルール)」「Hooks(スクリプト)」に分かれる。 - インストールはVS Code/JetBrainsのMarketplace、またはCLI(
npm i -g cline)。拡張本体は無料(Apache-2.0)で、費用はAIモデルの利用分にかかる。 - 設定ファイルの実体は、VS Codeの
globalStorage/saoudrizwan.claude-dev配下に置かれる。パスはWindows/macOS/Linuxで異なる。 - Hooksは Settings → Features で有効化し、macOSとLinuxのみ対応(Windows非対応)。
- 最新バージョンの新機能はCline v3.25.0のアップデート解説、ルールの書き方は.clinerulesの解説、派生版の違いはRoo Cline・Cool Cline・Bao Clineの比較を参照。
Clineとはどんなツールか(設定を触る前の前提)
Clineは、Cline Bot Inc. が Apache-2.0 ライセンスで公開するオープンソースのAIコーディングエージェントである。VS CodeやJetBrains系IDEの拡張、あるいはCLIとして動き、Claude・GPT・Geminiなどのモデルに指示を出して、コードの生成・編集・コマンド実行・ファイル操作までを自律的に進める。旧称は「Claude Dev」で、VS Code拡張のIDは saoudrizwan.claude-dev のまま引き継がれている。
特徴は、まず調査と計画だけを行う「Plan」モードと、計画を実行する「Act」モードを切り替えて使う点、そしてMCP(Model Context Protocol)サーバーを追加して機能を拡張できる点にある。設定はこの「モデル接続」「MCP」「ルール」「Hooks」という機能ごとに分かれて保存されるため、設定ファイルを1つ探すのではなく、目的ごとに置き場所を押さえるのが近道になる。派生版(Roo Cline・Cool Cline・Bao Cline)との違いはClineの種類を比較した記事で扱う。
Clineのインストール方法(VS Code・JetBrains・CLI)
VS Code拡張としてインストールする手順
Ctrl/Cmd + Shift + X で拡張ビューを開き、「Cline」を検索してインストールする。インストール後はアクティビティバーのClineアイコン、またはコマンドパレットの Cline: Open In New Tab でパネルを開く。初回はモデルへの接続(プロバイダ認可)を求められるので、後述の設定画面で接続方法を選ぶ。VS Codeが動く環境であればWindows・macOS・Linuxのいずれでも同じ手順で導入できる。
JetBrains(IntelliJ IDEAなど)へのインストール
JetBrains系IDEでは、Settings → Plugins → Marketplace で「Cline」を検索してインストールし、IDEを再起動する。起動後は View → Tool Windows → Cline からパネルを開き、VS Code版と同様にプロバイダを設定する。設定の考え方はIDEをまたいで共通で、モデル接続・MCP・ルールをそれぞれ設定していく。
CLI版とSDK(IDEを使わない実行)
ターミナルだけで使いたい場合はCLI版があり、Node.js 22以上を用意して npm i -g cline でグローバルインストールできる。プログラムからClineを呼び出すためのSDK(npm install @cline/sdk)も提供されている。CLI・SDK・IDE拡張はいずれも同じエージェントの入口であり、用途に応じて選ぶ。CI上での自動実行やサーバー用途ではCLI、日常のコーディングではIDE拡張が扱いやすい。
Clineの設定ファイルの全体像(単一ファイルではない)
「cline 設定ファイル」で調べると1つのファイルを想像しがちだが、Clineの設定は役割ごとに別の場所へ保存される。まず全体像を押さえると、どこを編集すべきか迷わなくなる。
| 設定する対象 | 場所・ファイル | スコープ |
|---|---|---|
| プロバイダ・モデル・APIキー | 拡張の設定画面(歯車アイコン) | ユーザー全体 |
| MCPサーバー | cline_mcp_settings.json | ユーザー全体 |
| ルール(指示) | .clinerules/ | プロジェクト/グローバル |
| ワークフロー | .clinerules/workflows/ | プロジェクト |
| Hooks(スクリプト) | .clinerules/hooks/ ほか | プロジェクト/グローバル |
このうち、日常的に手で開くのはMCPの cline_mcp_settings.json と .clinerules で、プロバイダやモデルの切り替えは基本的に設定画面から行う。
プロバイダ・モデル・APIキーの設定(Cline Provider/ClinePass/自前キー)
どのAIモデルを使うかは、拡張の設定画面で選ぶ。接続方法は大きく3通りで、従量課金で使える「Cline Provider」、定額サブスクの「ClinePass」、そして自分で用意したプロバイダのキーを使う「自前キー(BYOキー)」がある。自前キーの場合、対応プロバイダはAnthropic(Claude)、OpenAI、Google(Gemini)、OpenRouter、AWS Bedrock、Azure/GCP Vertex、Cerebras/Groq、ローカルのOllama/LM Studio、その他OpenAI互換APIまで幅広い。APIキーはこの設定画面から登録し、ファイルへ手書きする必要はない。
OS別の設定ファイルの保存場所
MCP設定の cline_mcp_settings.json は、VS Codeのユーザーデータ内、拡張ID saoudrizwan.claude-dev の globalStorage 配下に置かれる。OSごとの実際のパスは次のとおり。
macOS:
~/Library/Application Support/Code/User/globalStorage/saoudrizwan.claude-dev/settings/cline_mcp_settings.json
Windows:
%APPDATA%\Code\User\globalStorage\saoudrizwan.claude-dev\settings\cline_mcp_settings.json
Linux:
~/.config/Code/User/globalStorage/saoudrizwan.claude-dev/settings/cline_mcp_settings.json
ファイルを直接探すより、Clineパネルの「Configure」タブから「Configure MCP Servers」を押すと、このJSONが直接開く。手で場所を辿るのは、権限を絞る(後述)ときや、バックアップを取るときに限れば十分だ。
MCPサーバーの設定(cline_mcp_settings.json)
MCPサーバーを足すと、ファイル操作や外部API連携など、Cline標準にない機能を追加できる。設定は mcpServers オブジェクトの下に、サーバー名をキーにして起動コマンドと引数を書く形式になる。
{
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-filesystem", "/path/to/project"],
"disabled": false
}
}
}
disabled を true にすると、設定を消さずにそのサーバーだけ無効化できる。注意点として、このファイルにはトークンやAPIキーを書くことがあるため、リポジトリにコミットしてはいけない。macOS/Linuxでは chmod 600 で本人のみ読み書き可能に絞っておくとよい。なお、Clineの cline_mcp_settings.json はVS Code標準の .vscode/mcp.json とは別物で、両者は独立して共存する。片方を変えてももう片方には影響しない。
.clinerulesとワークフローで挙動を固定する
Clineの振る舞いをプロジェクト単位で決めるのが .clinerules で、コーディング規約・アーキテクチャの約束事・デプロイ手順などを書いておくと、毎回同じ前提でエージェントを動かせる。プロジェクトのルートに .clinerules/ ディレクトリを作り、.md や .txt のルールファイルを置くと、その内容が結合して適用される。Gitで共有すればチーム標準として機能する。多段の作業を1コマンドで走らせたい場合は .clinerules/workflows/ にワークフローを置き、スラッシュコマンドで呼び出す。書き方の詳細と実例は.clinerulesの解説記事にまとめている。
Hooksでワークフローに独自処理を差し込む
Hooksは、Clineの作業中の特定イベントで自前のスクリプトを実行する仕組みで、v3.36で導入された。設定画面の Settings → Features で有効化し、グローバル用は ~/Documents/Cline/Rules/Hooks/、プロジェクト用は .clinerules/hooks/ に実行可能なスクリプトを置く。対応OSはmacOSとLinuxのみで、Windowsでは現状動かない。主なフックの種類は次のとおり。
| フック | 発火タイミング | 用途の例 |
|---|---|---|
| PreToolUse | ツール実行の直前 | 危険な操作を検証してブロック |
| PostToolUse | ツール実行の完了後 | 結果の記録・メトリクス収集 |
| UserPromptSubmit | ユーザー入力の送信時 | 入力に応じた文脈の注入 |
| TaskStart | タスク開始時 | 初期コンテキストの投入 |
たとえばPreToolUseで「本番向けディレクトリへの書き込みを止める」ガードを書けば、エージェントの暴走を仕組みで防げる。監査ログの記録や、チーム共通のガードレールを仕組み化したい現場で特に効く。
設定でつまずきやすい箇所と対処
Clineの設定は分散しているぶん、初回はハマりやすい。実務で詰まりやすい点を先に潰しておく。
- 設定ファイルを1つに探し続けてしまう:単一ファイルは存在しない。モデル接続は設定画面、MCPは
cline_mcp_settings.json、ルールは.clinerulesと、目的ごとに場所が違う。 - MCP設定を書き換えても反映されない:ファイルを直接編集した場合は、「Configure MCP Servers」から開き直すか、パネルを再読み込みする。JSONの文法エラー(末尾カンマなど)があると読み込まれない点にも注意。
- WindowsでHooksが動かない:仕様上macOS/Linuxのみ対応。Windowsで自動処理を挟みたいなら、WSL側のVS Codeで動かすのが現実的だ。
- APIキーの漏洩:
cline_mcp_settings.jsonやルールファイルにキーを直書きしてコミットしない。.gitignoreに加え、macOS/Linuxではchmod 600で権限を絞る。
逆に、個人の単発作業に対してHooksや大量のルールを作り込むのは過剰だ。設定の作り込みは、チームで共有する規約や、繰り返す定型作業がある場合に効く。まずは設定画面でモデルを繋ぎ、必要になった段階でMCP・ルール・Hooksを足していけば、設定は破綻しにくい。
よくある質問
Clineの設定ファイルはどこにありますか?
MCP設定の cline_mcp_settings.json は、macOSなら ~/Library/Application Support/Code/User/globalStorage/saoudrizwan.claude-dev/settings/、Linuxなら ~/.config/Code/User/globalStorage/...、Windowsなら %APPDATA%\Code\User\globalStorage\... 配下にあります。ルールは各プロジェクトの .clinerules/、モデルやAPIキーは拡張の設定画面が保存先です。
cline_mcp_settings.json と .vscode/mcp.json は何が違いますか?
前者はClineが独自に使うMCP設定、後者はVS Code標準のMCP設定です。両者は独立して共存し、片方の変更がもう片方に影響することはありません。Clineだけで使うサーバーは cline_mcp_settings.json に書きます。
ClineはLinuxで使えますか?
使えます。VS CodeまたはJetBrains系IDEが動くLinux環境であれば、Windows・macOSと同じ手順で導入できます。設定ファイルのパスだけOSごとに異なり、Linuxでは ~/.config/Code/User/globalStorage/ 配下に保存されます。Hooksも対応OSです。
Clineのインストールや利用は無料ですか?
拡張・CLI本体はApache-2.0のオープンソースで無料です。費用がかかるのはAIモデルの利用分で、従量課金の「Cline Provider」、定額の「ClinePass」、自前のAPIキーを使う方法から選べます。自前キーならプロバイダ側の料金体系に従います。
Cline HooksはWindowsで使えますか?
現状はmacOSとLinuxのみ対応で、Windowsでは動きません。設定画面の Settings → Features で有効化し、~/Documents/Cline/Rules/Hooks/ か .clinerules/hooks/ にスクリプトを置いて使います。
.clinerules と設定ファイルは何が違いますか?
.clinerules は「エージェントにどう振る舞ってほしいか」を自然言語で書くルールで、モデル接続やMCPサーバーの設定とは別物です。プロジェクトごとに規約を固定する用途で使います。書き方は.clinerulesの解説記事で詳しく扱っています。
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