AI

Deepgramとは?料金・日本語対応・APIの使い方を解説【2026年版】

Deepgram(ディープグラム)は、ディープラーニングを使ったエンドツーエンド型の音声認識(音声をテキストに変換する文字起こし)APIです。録音した音声の一括変換だけでなく、通話やライブ配信のリアルタイム文字起こしにも対応し、コールセンターや医療・金融などの業務で使われています。気になるのは「料金はいくらか」「日本語は使えるのか」「APIをどう導入するのか」の3点でしょう。この記事では、最新モデルNova-3の精度、200ドルの無料クレジットを含む料金、日本語を含む多言語対応、文字起こしAPIの使い方、WhisperやGoogle・AWSとの違いまでを、2026年7月時点の最新情報で解説します。

まとめ:Deepgramは200ドルの無料クレジットで試せる文字起こしAPI、日本語も対応

先に結論です。Deepgramは登録時に200ドルの無料クレジットが付き、クレジットカード登録なしで文字起こしを試せます。200ドルは最新モデルNova-3の録音一括変換でおよそ26,000分(約433時間)に相当するため、検証だけなら無料枠で十分まかなえます。Nova-3は録音・リアルタイムの両方に対応し、料金は使った分だけ払う従量制(Pay As You Go)です。Nova-3(英語など単一言語)の単価は録音がおよそ1分0.0077ドル、リアルタイム(ストリーミング)がおよそ1分0.0048ドルで、リアルタイムのほうがむしろ割安に設定されています。

日本語は多言語モデルで対応しており、英語専用ではありません。導入はアカウント作成後にAPIキーを取得し、リクエストの認証ヘッダーにそのキーを添えて音声を送るだけで、PythonやNode.jsから数行で呼び出せます。本格運用で量が増える場合は前払いで単価が下がるGrowth(年額4,000ドル前後)、大規模はEnterpriseの個別見積が対象です。料金やモデル名は更新が速いため、契約前に必ず公式の料金ページで最新値を確認してください。各項目を以下で詳しく解説します。

Deepgramとは:エンドツーエンド構成の音声認識API

Deepgramは、2015年設立の米国の音声AI企業(本社サンフランシスコ)で、同社が提供する音声認識(STT:Speech-to-Text)APIの名称でもあります。特徴は、音響モデルと言語モデルを分けず、音声波形から直接テキストへ変換するエンドツーエンドのディープラーニング構成を採用している点です。従来型のように処理を段階的に積み重ねないため、背景ノイズや複数話者が混じる実環境の音声でも認識が崩れにくく、通話やライブ配信のような低遅延が求められる用途に向きます。

提供機能は文字起こしだけではありません。誰が話したかを区別する話者分離(ダイアライゼーション)、業界固有の専門用語を認識させるKeyterm Prompting、音声合成(TTS)のAura、対話AIを組む音声エージェント基盤まで、音声を扱う開発に必要な要素が一通りそろっています。まず押さえるべきは、録音済み音声の一括変換とリアルタイムのストリーミング変換という2つの入り口で、この使い分けが後述する料金・APIの理解の土台になります。

Deepgramの料金体系と200ドルの無料クレジット

Deepgramの料金は、使った分だけ支払う従量課金(Pay As You Go)が基本です。登録時に200ドルの無料クレジットが付与され、クレジットカードを登録しなくても文字起こしを試せます。この無料クレジットはNova-3の録音一括変換でおよそ26,000分(約433時間)に相当するため、検証や小規模なプロトタイプなら無料枠で完結できる規模です(クレジットの有効期限は公式の料金ページで最新の条件を確認してください)。

無料分を超えると従量課金へ移行します。目安は下表のとおりで、Nova-3では録音(バッチ)よりリアルタイム(ストリーミング)のほうが単価は低く設定されています。日本語を含む多言語モデルは単一言語モデルより1〜2割ほど割高です。利用量が増える場合は前払いで単価が下がるGrowth(年額4,000ドル前後、最大約20%割引)、月間数百万分を超える大規模用途やオンプレ・セルフホストが必要な場合はEnterpriseの個別見積が用意されています。

プラン/モデル 録音(バッチ) リアルタイム 対象
無料クレジット 200ドル分(Nova-3録音で約26,000分・約433時間) 検証・PoC
Nova-3(単一言語) 約0.0077ドル/分 約0.0048ドル/分 英語ほか
Nova-3(多言語) 約0.0092ドル/分 約0.0058ドル/分 日本語ほか
Growth 前払い割引(年額4,000ドル〜・最大約20%減) 本格運用
Enterprise 個別見積(オンプレ・セルフホスト可) 大規模

数値は改定が頻繁なため、契約前に必ず公式の料金ページで最新値を確認してください。コスト試算では「録音かリアルタイムか」「単一言語か多言語か」で単価が変わる点と、話者分離やKeyterm Promptingなどの追加機能で単価が上乗せされる場合がある点を先に押さえておくと、見積のブレを抑えられます。

Deepgramの日本語・多言語対応

Deepgramは英語専用ではなく、日本語を含む多言語モデルを提供しています。最新のNova-3は多言語版で英語・日本語・スペイン語・フランス語・ドイツ語など10言語に対応し、日本語音声の文字起こしに利用できます。1つの音声に複数言語が混じるコードスイッチングにもリアルタイムで対応するため、日本語と英語が入り混じる会議やサポート通話のライブ字幕といった用途にも組み込めます。

ただし、認識精度は言語ごとに差が出ます。英語に比べると、日本語では固有名詞や専門用語、数値・日時の整形といった後処理の一部に制約が残る場合があります。実運用に入れる前に、実際に使う音声データ(業界用語・話し方・録音品質)でテストし、必要なら専門用語を登録するKeyterm Promptingを併用して認識精度を底上げするのが確実です。対応言語やモデルごとの対応状況は更新されるため、最新の一覧は公式ドキュメントの言語ページで確認してください。

DeepgramのAPIの使い方とAPIキーの取得手順

導入の流れはシンプルです。まず公式サイトでアカウントを作成し、管理コンソール(console.deepgram.com)でAPIキーを発行します。あとはリクエストの認証ヘッダーにそのAPIキーを添え、音声ファイルやストリーミング音声を送るだけで、文字起こし結果がJSONで返ります。録音ファイルの一括変換はHTTPのPOST(REST)、通話・配信などのリアルタイム変換はWebSocket接続を使い分けるのが基本です。

Python公式SDKでの最小実装

Deepgramは公式SDK(Python・JavaScript・.NET・Go)とコミュニティSDK(Rust)を提供しており、SDKを使えば数行で録音ファイルの文字起こしを実装できます。Pythonの場合はpip install deepgram-sdk(2026年7月時点はv6系)でインストールし、発行したAPIキーを環境変数に置いて呼び出します。

from deepgram import DeepgramClient

client = DeepgramClient(api_key="YOUR_API_KEY")

with open("audio.wav", "rb") as f:
    res = client.listen.v1.media.transcribe_file(
        request=f.read(), model="nova-3", language="ja", diarize=True)

print(res.results.channels[0].alternatives[0].transcript)

ポイントはmodelで使うモデル(例:nova-3)、languageで言語(日本語はja)、diarize=Trueで話者分離を、いずれもキーワード引数で指定できることです。リアルタイム変換はこの録音用の呼び出しをlisten.v1.connect系のWebSocket接続(会話特化のFluxを使う場合はlisten.v2.connect)に置き換え、音声チャンクを逐次送りながら途中経過のテキストを受け取ります。SDKはバージョンでメソッド名が変わるため、実装時は使うバージョンの公式ドキュメントで最終確認してください。APIキーは機密情報のため、公開リポジトリに直書きせず環境変数やシークレット管理で扱います。既定では送信した音声がモデル改善に使われる場合があるため、機密音声を扱うときはオプトアウト設定(mip_opt_out)で学習利用を無効化できます。

最新モデルNova-3の精度と主な機能

2026年7月時点の主力STTモデルはNova-3です。エンドツーエンド構成により、背景ノイズや複数話者が混在する実環境でも認識が崩れにくいのが強みで、コールセンターの通話や医療現場の口述のように録音品質が一定しない音声で効きます。録音・リアルタイムの両方で使え、日本語を含む多言語に対応します。Deepgramは競合比で認識エラー率(WER)をストリーミングで54.2%、バッチで47.4%削減したと公表していますが、これは自社ベンチマークによる値です。精度は音声の品質・話者数・専門用語の有無で変わるため、公表値を鵜呑みにせず、自社の実データで無料クレジットの範囲を使って測るのが確実な進め方です。

話者分離とKeyterm Promptingによる精度補正

実務で効くのが話者分離とKeyterm Promptingです。話者分離は「誰が話したか」を発話ごとに区別する機能で、事前に人数を指定しなくても複数人の会議や通話の議事録づくりに使えます。Keyterm Promptingは、製品名・社内用語・専門用語を最大100語まで指定し、推論時に動的に認識を補正する仕組みです。モデルを再学習させる必要がないため、汎用モデルが取りこぼしがちな固有表現の精度を、実装当日から手軽に引き上げられます。

汎用のNova-3と音声エージェント向けFluxの使い分け

2026年のDeepgramは、用途でモデルを使い分ける構成になっています。会議録・通話ログなどの汎用的な文字起こしはNova-3、AIが人と音声で対話する音声エージェントには2025年10月発表のFlux(多言語版は2026年4月にGA)を使います。Fluxは会話特化型音声認識(CSR)と位置づけられ、発話がいつ終わったかを判定するターン検知を内蔵する点がNova-3との違いです。単に音声を文字化したいならNova-3、応答のタイミング制御まで含めた音声対話を作るならFlux、と切り分けると選定を誤りません。

DeepgramとWhisper・Google・AWSの違い

音声認識の選定でよく比較されるのが、Deepgram・OpenAIのWhisper・Google Cloud Speech-to-Text・Amazon Transcribeの4つです。大きな分かれ目は「リアルタイム性」と「セルフホストの可否」、そして「課金の形」です。

サービス 提供形態 リアルタイム 特徴
Deepgram API(クラウド) 低遅延に強い 従量課金・話者分離
Whisper OSS(自前構築) 要自作 セルフホスト可
Google STT API(GCP) 対応 GCP統合
Amazon Transcribe API(AWS) 対応 AWS統合

Deepgramは低遅延のストリーミング文字起こしに強く、使った分だけ払える従量課金が利点です。OpenAIのWhisperはオープンソースで自社サーバーに組み込める柔軟さが魅力ですが、本来はバッチ処理向けで真のストリーミングには対応せず、リアルタイム処理は自分で構築する必要があります。Whisperでの実装はWhisperを使用したリアルタイム文字起こしの実現方法で具体的に解説しています。GoogleのSpeech-to-TextとAmazon Transcribeは、それぞれGCP・AWSの他サービスとの統合が強みで、すでにそのクラウド上に基盤がある場合に選びやすい選択肢です。

選び方の基準はこうです。リアルタイム通話・配信の文字起こしを低コストで素早く入れたいならDeepgram、音声データを外部に出せず自社サーバーで完結させたいならWhisper、既存のクラウド基盤に寄せたいならGoogleかAWS。逆に、Whisperをセルフホストする場合は大型モデルでVRAM 10GB級のGPUと運用保守が必要になるため、少量の録音を時々処理するだけならDeepgramの無料クレジットやクラウドAPIのほうが手間もコストも小さく収まります。話者分離を重視する場合は、OpenAIのgpt-4o-transcribe-diarizeとは何か?OpenAIの最新話者分離対応音声認識モデルや、AppleのSpeechAnalyzer(Appleのオンデバイス音声認識API)も比較対象に入れると判断の幅が広がります。

Deepgramの料金・日本語・APIに関するよくある質問

Deepgramの読み方は何ですか?どこの会社ですか?

読み方は「ディープグラム」です。Deepgram, Inc.は2015年設立の米国(本社サンフランシスコ)の音声AI企業で、音声認識(STT)を中核に、音声合成や対話AI向けの音声基盤までを提供しています。2026年2月にはIBMと連携し、Deepgramの音声認識・音声合成をIBMのwatsonx Orchestrateへ統合する提携を発表するなど、法人向けの音声AI領域で存在感を高めています。

Deepgramは無料で使えますか?

登録時に200ドルの無料クレジットが付与され、クレジットカード登録なしで文字起こしを試せます。この無料クレジットは最新モデルNova-3の録音一括変換でおよそ26,000分(約433時間)に相当するため、検証や小規模なプロトタイプなら無料枠で完結できます(有効期限などの条件は公式の料金ページで最新情報を確認してください)。無料分を超えると従量課金(Pay As You Go)へ移行し、Nova-3の単一言語モデルは録音がおよそ1分0.0077ドル、リアルタイムがおよそ1分0.0048ドルが目安です。価格は改定が頻繁なため、契約前に公式の料金ページで最新値を確認してください。

Deepgramは日本語に対応していますか?

対応しています。Deepgramは日本語を含む多言語モデルを提供しており、最新のNova-3(多言語版)は10の対応言語に日本語を含み、録音・リアルタイムの両方で日本語の文字起こしに利用できます。ただし英語に比べると精度差が出たり、数値・日時の整形など一部の後処理に制約が残る場合があるため、実際の音声データでテストし、必要なら専門用語を登録するKeyterm Promptingを併用すると認識精度を上げられます。

DeepgramはText to Speech(音声合成)にも対応していますか?

対応しています。Deepgramは文字起こし(STT)だけでなく、テキストを音声に変換するTTS「Aura」(現行はAura-2)も提供しており、STTと同じアカウント・APIキーで利用できます。Aura-2は200ミリ秒未満の低遅延をうたい、音声エージェントの応答生成に向きます。文字起こし(入力)と音声合成(出力)を1社でそろえられるため、音声対話アプリを組みやすいのが特徴です。

録音(バッチ)とリアルタイム(ストリーミング)はどう使い分けますか?

すでに手元にある音声ファイルをまとめて文字起こしする場合はHTTPのPOST(REST)で送る録音(バッチ)変換、通話やライブ配信のように話しながら即座にテキスト化したい場合はWebSocket接続のリアルタイム(ストリーミング)変換を使います。用途で選ぶのが基本ですが、Nova-3では現状ストリーミングのほうが単価が低いため、リアルタイム性が必要な場面でコスト面の不利は小さく済みます。

関連記事

資料請求

RELATED POSTS 関連記事