GEAR.indigo(ギアインディゴ)は、要望や会議メモから要件定義書・設計書・見積もりを生成し、そこからソースコードまで作るAIツールです。2024年11月に株式会社Stellapsがβ版を公開し、2025年12月19日にランスティア株式会社が事業を譲り受けました。現在は、ドル建てクレジット制のコンシューマー版(gearindigo.app)と、自社のAPIキーを持ち込めば月額0円で使える法人向けの「GEAR.indigo Biz」の2系統があります。この記事では2026年10月29日時点の公式情報をもとに、料金と上限、機能、MCP Serverの設定、どちらを選ぶかの基準を整理します。
まとめ:GEAR.indigoの要点
- 提供元:開発はStellaps、2025年12月19日からはランスティア株式会社(東京都中央区)が開発・運営・サポートを担う。既存ユーザーの契約とデータは引き継がれた。
- コンシューマー版:Free(0ドル・初回20クレジット・5プロジェクト)、Basic(月14.99ドル)、Pro(月29.99ドル)。上位ほどクレジット・プロジェクト数・入力文字数・リバースエンジニアリングの読み込みファイル数が増える。
- GEAR.indigo Biz:2026年1月28日リリース。6月9日からBYOK(自社のLLM APIキーを接続)でツール利用料が月額0円。上限はユーザー10人・3組織・6プロジェクト。
- AIクライアント連携:Biz向けの「GEAR.indigo MCP Server」(npm・MITライセンス)で、Claude CodeやCursorから成果物を参照・検索できる。ツールは5種で、すべて読み取り系。
- 選び方:個人で試すならコンシューマー版のFree、チームで既にOpenAI・Claude等のAPI契約があるならBiz。生成物はたたき台で、非機能要件と整合性のレビューは人が行う前提で使う。
GEAR.indigoの提供元と製品構成
Stellapsからランスティアへの事業譲受(2025年12月)
GEAR.indigoは株式会社Stellaps(東京都杉並区)が開発し、2024年11月29日にβ版を発表しました。2025年1月27日には、ランスティアとの業務提携による法人向けのGEAR.indigo Enterpriseを発表しています。その後、2025年12月19日にランスティア株式会社が事業を譲り受け、開発・運営・サポートの主体になりました。発表では、サービスは従来どおり提供し、既存ユーザーの契約内容とデータに変更は無いとしています。gearindigo.appのフッターも現在は「© 2025 LANCETIER」です。2025年以前の解説記事に「提供:Stellaps」とあるのは、譲受前の情報です。
コンシューマー版とGEAR.indigo Bizの違い
現在の製品は2系統あり、課金の仕組みもデータの通り道も違います。
| 項目 | コンシューマー版 | GEAR.indigo Biz |
|---|---|---|
| URL | gearindigo.app | gearindigo.biz.lancetier.co.jp |
| 課金 | ドル建ての月額+クレジット | BYOKは月額0円+API従量 |
| LLMの費用 | クレジットに含む | 自社が各社へ直接支払う |
| 上位プラン | 問い合わせ | 月額5万円から |
| 主な入力 | 要望・PDF/CSV/TXT/JSON | 会議メモ・Excel・PDF・Notion |
| 外部連携 | GitHub | GitHub・Zip・MCP Server |
Enterprise(セルフホスト・SSO対応)は2025年1月の発表時点の仕様で、譲受後の現行条件は公開されていません。BizのFAQは「現時点ではクラウド版のみ」としており、オンプレミスが必須の場合は個別に問い合わせる必要があります。
GEAR.indigoで生成できるもの(工程別)
見積もり・要件定義書の生成項目と編集手順
入力した要望から機能一覧と画面一覧を作り、それをもとに工数・コストの見積もりを出します。要件定義の生成項目は、公式サイトの一覧ではプロジェクト概要・現行業務フロー・業務要件一覧・システム化業務フロー・機能一覧・非機能一覧の6項目です。前の項目の出力を次の項目の入力にして段階的に生成するため、途中の項目を人が直してから先へ進められます。書式の型を先に決めておきたい場合は、要件定義書の書き方:章立てサンプル・記載項目・レビュー観点を作業手順で解説の章立てと突き合わせると、抜けている項目を見つけやすくなります。
設計書(ER図・画面遷移図・シーケンス図)
設計の生成項目は、システム概要・システムアーキテクチャ・テーブル定義・ER図・画面遷移図・画面一覧・画面UI・バックエンド処理一覧・シーケンス図です。β版の発表では、生成した項目はクラウド上で編集でき、WordやExcelのファイルでダウンロードできると説明されていました。
ソースコード(Next.js・Supabase)
β版の発表時点では、フロントエンドとバックエンドがNext.js、データベースがSupabaseで、生成したコードは自動で作られるGitHubリポジトリに格納される仕組みでした。現行版の対応フレームワークの一覧は公開されていません。Basic以上のプランでは「テスト駆動開発によるコード生成」が使えます。開発者本人が2024年7月に書いた開発記事では、生成したリポジトリを動かすまでにライブラリの追加・文法の修正・Supabaseのテーブル作成とURL・ANONキーの設定が必要だったと書かれています。生成コードはそのまま本番で使うものではなく、初期実装の土台と考えてください。
リバースエンジニアリング(既存コードの解析)
GitHubリポジトリのソースコードを取り込み、プログラム説明書を作ります。Bizでは2026年6月の発表で、GitHub連携とZipファイルの取り込みによる既存コードのリバースエンジニアリングと、その結果を踏まえた追加設計が挙げられています。ただしBizのFAQでは、既存コードから要件定義書を直接逆生成する機能には現時点で対応していないとしています。用途は「既存システムの構造を把握して改修の設計を書く」ところまでと考えるのが妥当です。読み込めるファイル数はコンシューマー版のFreeで300、Proで3,000が上限です。バイナリの逆アセンブルなど、ソースが無い場合の解析はAIでリバースエンジニアリングする方法|Ghidra MCP・逆アセンブル解析・設計書の復元と適法性で扱っています。
コンシューマー版の料金プラン(Free・Basic・Pro)
gearindigo.appの料金欄(2026年10月29日確認)の内容です。
| 項目 | Free | Basic | Pro |
|---|---|---|---|
| 月額 | 0ドル | 14.99ドル | 29.99ドル |
| クレジット | 初回のみ20 | 毎月100 | 毎月200 |
| プロジェクト数 | 5 | 30 | 100 |
| 1回の入力文字数 | 1万字 | 3万字(連携項目・添付を含む) | 10万字(連携項目・添付を含む) |
| 添付ファイル | 1つ | 15MBまで | 15MBまで |
| デザイン生成のチャットタブ | 1個 | 5個 | 10個 |
| リバースエンジニアリング | 300ファイル | 1,500ファイル | 3,000ファイル |
| チーム共有・TDDコード生成 | なし | あり | あり |
Freeのクレジットは毎月の付与ではなく登録時の20だけなので、試用で使い切ると追加購入が必要になります。BasicとProの違いはクレジット数と上限値で、使える機能は同じです。なお特定商取引法に基づく表記ではProfessional Planが月24.99ドル、1回5ドルの従量プランも記載されており、料金欄と金額が一致しません。契約前に決済画面の金額を確認してください。
GEAR.indigo Bizの料金・上限・機能
BYOKプランの費用と上限
2026年6月9日のBYOK対応の発表で、自社のOpenAI・Anthropic・GoogleなどのAPIキーを接続すればツール利用料は月額0円になりました。LLMの利用料は各社へ直接支払います。会議メモや要件情報はランスティア側のAI利用環境を経由せず、自社が契約したAIサービスで処理されます。Biz公式サイトの対応生成AIは、OpenAI・Claude・Gemini・Azure OpenAI・Amazon Bedrockです。
| BYOKプランの項目 | 上限 |
|---|---|
| ユーザー | 10人 |
| 参加できる組織 | 3組織 |
| プロジェクト | 6個 |
| コードベース | 6個 |
| キャンバス | 6個 |
| リサーチ | 制限なし |
人数かプロジェクト数が上限を超えるチームは、FAQにある月額5万円からのプランを検討することになります。FAQでは、Biz自体が入力データを学習に使うことは無く、APIキーは暗号化して管理し、ISO/IEC 27001は取得準備中としています。公式サイトの「最大80%の作業時間削減」は同社のパイロット検証の値で、効果を保証しない旨が注記されています。
Biz固有の機能(AIレビュー・企画キャンバス・AIプロジェクトサーチ)
Bizの公式発表では、AIレビュー・企画キャンバス・AIプロジェクトサーチが紹介されています。AIレビューは生成した資料どうしの整合性を確かめて不足項目を指摘し、企画キャンバスは新規事業の仮説検証・市場調査・ROI分析を整理し、AIプロジェクトサーチはプロジェクトに登録したドキュメントとコードベースをAIが調べます。2026年6月30日には、既存ユーザーを組織に招待できるようになりました(メンバーを追加できるのはオーナーだけです)。
GEAR.indigo MCP Serverの設定(Claude Code・Cursor)
2026年6月16日、Bizの成果物をMCP対応クライアントから読めるGEAR.indigo MCP Serverが公開されました。npmパッケージ@lance-digital/gearindigo-mcp-server(MITライセンス・Node.js 18以上)で、BizのREST APIを呼ぶだけの薄いクライアントです。Bizの設定画面でパーソナルアクセストークン(PAT)を発行し、環境変数GIBIZ_API_TOKENに渡します。Claude Codeなら次の1行で登録できます。
claude mcp add --transport stdio \
--env GIBIZ_API_TOKEN=dg_xxxxxxxx \
--scope user \
gear-indigo-biz -- npx -y @lance-digital/gearindigo-mcp-server
Claude DesktopやCursorでは、設定ファイルのmcpServersに同じ内容を書きます。
{
"mcpServers": {
"gear-indigo-biz": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@lance-digital/gearindigo-mcp-server"],
"env": { "GIBIZ_API_TOKEN": "YOUR_PAT" }
}
}
}
2026年10月29日時点でnpmの最新版(dist-tags の latest)だったv1.1.0をNode.js v26.5.0で起動し、tools/listで返ってきたツールは次の5つでした。
| ツール | 内容 | 主な引数 |
|---|---|---|
| whoami | トークンの検証 | なし |
| list_projects | プロジェクト一覧 | なし |
| list_artifacts | 成果物の一覧 | projectId・phase・type |
| get_artifact | 成果物の本文 | artifactId・summary・lines |
| search_artifacts | 成果物の全文検索 | query・maxResults |
書き込み系のツールは無いので、Claude Code側からBizの要件定義書を書き換えることはできません。用途の一例は「Bizで固めた設計をAIコーディングの文脈として読ませる」ことです。成果物の検索や内容確認にも使えます。get_artifactは全文を返すとトークンを多く使うため、部分取得にはsummary: trueを指定し、取得行数はlines(1〜1000行・既定50行)で調整します。
GEAR.indigoの使い方(登録から成果物の受け渡しまで)
- コンシューマー版はgearindigo.app、Bizは
biz.gearindigo.app/signupでメールアドレスを登録する。BizはAPIキーを接続する。 - プロジェクトを作り、要望・会議メモ・企画書を入力する。添付形式はコンシューマー版ではPDF・CSV・TXT・JSON、BizではExcel・PDFなどに対応する。
- 要件定義の項目を上から順に生成し、各項目を人が直してから次の項目へ進む。
- 設計書(テーブル定義・ER図・画面遷移図など)を生成し、非機能要件と整合性を確認する。Bizならここで AIレビューを走らせる。
- コンシューマー版でコードを生成する場合は、依存ライブラリや接続先の設定を補ってから動作を確認する。GitHubへの出力とSupabaseの使用は、2024年の公式発表で説明された構成である。Bizの成果物はMCP Server経由でClaude CodeやCursorに渡す。
手順3と4のレビューを省くと、AIが書いた要件の誤りが設計とコードまで流れます。要求の書き方を揃えておくと修正が減ります。曖昧さを排した要求文の型はEARS記法とは?読み方と5つの基本型の書き方を日本語例文で解説【Kiro対応】が参考になります。
GEAR.indigoを選ぶ判断基準と向かない場面
- 個人・1案件だけ試す:コンシューマー版のFree。20クレジットで要件定義から設計まで一通り生成できるかを見る。
- チームでOpenAI・Claude等のAPIを契約済み:BizのBYOK。10人・6プロジェクトまでなら固定費は0円で、LLMの費用は自社の請求に一本化できる。
- Claude CodeやCursorで実装する:Biz。MCP Serverで設計書を参照させられるのはBizだけ。
- オンプレミス・ISMS認証が調達条件:現時点では合わない。Bizはクラウドのみで、ISO/IEC 27001は準備中。
- 既存システムの仕様を作り直す:GEAR.indigoだけでは足りない。要件定義書の直接の逆生成には対応していないため、コード解読から仕様復元までは生成AIモダナイゼーションの実装手順|コード解読・仕様復元・テスト生成と限界のような別の手順が要る。
要件定義ツールは、ドキュメント型・作図モデリング型・要件管理型・AI支援型の4つに分けられ、GEAR.indigoはAI支援型にあたります。ほかの3分類との比較は要件定義ツールの種類と選び方:4分類の比較と専用ツールを入れる分岐点で整理しています。ツールを入れても、業務要件の聞き取りや発注者との合意形成は人の仕事として残ります。そこを外部に任せたい場合は、要件定義・RFP作成・PMO支援のように上流工程を支援するサービスの利用も選択肢です。
よくある質問
GEAR.indigoとは何ですか?
要望や会議メモから要件定義書・設計書・見積もり・ソースコードを生成するAIツールです。Stellapsが開発し、2025年12月19日からランスティア株式会社が提供しています。コンシューマー版の公式サイトはgearindigo.appです。
GEAR.indigoは無料で使えますか?
コンシューマー版のFreeは月額0ドルで、登録時に20クレジットと5プロジェクトの枠が付きます。毎月の補充は無いので、続けて使うならBasic(月14.99ドル)以上です。GEAR.indigo Bizは自社のAPIキーを接続すればツール利用料が月額0円で、費用はLLMのAPI利用料だけです。
GEAR.indigo Bizとは何ですか?
ランスティアが2026年1月28日に出した法人・チーム向けの版です。会議メモやExcel・PDF・Notionから要件定義と設計を生成し、AIレビューで整合性を確かめます。BYOKプランはユーザー10人・3組織・6プロジェクトまでで、MCP ServerでClaude CodeやCursorから成果物を読めます。
GEAR.indigoの提供元はStellapsですか?
開発元はStellapsですが、2025年12月19日にランスティア株式会社が事業を譲り受けました。現在の開発・運営・サポートはランスティアが担い、既存ユーザーの契約とデータは引き継がれています。
リバースエンジニアリング機能では何ができますか?
GitHubリポジトリ(BizはZipも可)のソースコードを取り込み、プログラム説明書や改修の設計に使うドキュメントを作ります。既存コードから要件定義書を直接作る機能は、BizのFAQでは未対応とされています。読み込めるファイル数はFreeで300、Proで3,000が上限です。