AWS Transit Gateway(TGW)は、複数のVPCやオンプレミス網を1つのハブに集約してルーティングする中継ルーターです。VPC Peeringと役割が重なりますが、両者の違いは突き詰めると「推移的ルーティングの可否」に集約されます。この記事では、TGWの仕組み、VPC Peeringとの違い(推移性・上限値・MTU)、東京リージョンの単価と月額試算、AWS CLIでの最小構築手順までを、2026年10月時点のAWS公式ドキュメントにもとづいて解説します。
まとめ:Transit GatewayとVPC Peeringの違いと選び分けの結論
Transit Gatewayは多数のVPCやオンプレ網を中央に集約する「ハブ&スポーク」型、VPC Peeringは少数VPCを直接つなぐ「1対1」型です。最大の判断軸は推移的ルーティングの可否で、Peeringは非対応のため3つ以上のVPCは網の目状に接続を張るしかありません。Transit Gatewayなら各VPCをハブに1本つなぐだけで相互到達できます。
料金は、Transit Gatewayが東京リージョンでアタッチメント0.07ドル毎時とデータ処理0.02ドル/GB、VPC Peeringは時間課金なし・同一AZ内無料・AZ跨ぎ各方向0.01ドル/GBです。費用だけならPeeringが常に安く、TGWの料金は運用を中央に寄せる対価と考えます。VPCが2〜3個ならPeering、4個以上やオンプレ集約が絡むならTransit Gatewayです。
AWS Transit Gatewayとは:VPC間フルメッシュを解くハブ&スポーク
AWS Transit Gatewayは、VPC・VPN・AWS Direct Connectなどの接続をリージョン単位のハブに集約し、その間のトラフィックを中継するマネージドルーターです。略称はTGWです。IPの到達性ではなくサービス単位でVPCやアカウントを横断する選択肢には、Amazon VPC Latticeがあります。
VPC Peeringでn個のVPCを相互接続するにはn(n−1)/2本の接続が要り、5個なら10本、10個なら45本、20個なら190本と増えます。このフルメッシュを、中央ハブに各VPCを1本ずつ束ねる構成へ置き換えるのがTransit Gatewayです。VPCを追加するときに必要な接続は、追加するVPCから中央のハブへ向かう1本で、この接続を足すだけで全体に届きます。接続方式全体の地図はAWSのネットワーク接続方式まとめで整理しています。
Transit Gatewayの仕組み:アタッチメント・ルートテーブル・伝播の3層構造
Transit Gatewayは「何をつなぐか」「どう経路を持つか」「どう中継するか」の3層で動きます。
TGWアタッチメント5種類の接続先と時間課金の請求先アカウントの違い
アタッチメントは、TGWに接続先を結びつける単位です。VPC、Site-to-Site VPN、Direct Connect Gateway、別のTGWとつなぐPeering、SD-WAN機器を収容するConnectの5種類があります。時間課金の請求先は種類で異なり、VPCアタッチメントはVPC所有アカウント、VPNとConnectはTGW所有者、Direct ConnectはDirect Connect Gateway所有者です(Transit Gateway料金ページ)。
TGWルートテーブルのアソシエーションとルート伝播(propagation)の役割分担
TGWは独自のルートテーブルを持ちます。アタッチメントをどのルートテーブルに従わせるかを決めるのがアソシエーション(経路の参照先)、アタッチメント側のCIDRを自動登録するのがルート伝播(経路の登録元)です。本番VPCと開発VPCを互いに見せたくないなら、ルートテーブルを2枚に分け、共有サービスVPCだけを両方へ伝播させます。
TGW同士のPeeringアタッチメントは伝播に非対応で、静的ルートを書きます。クォータは、1つのTGWの全ルートテーブル合計で既定10,000ルート、ルートテーブル数は既定20です(2026年10月時点)。
ルーティングの流れと推移的ルーティング:VPC A→ハブ→VPC Cの経路
送信元VPCのルートテーブルが宛先CIDRをTGWへ向け、TGWは自身のルートテーブルを見て該当アタッチメントへ転送します。VPC AとVPC Cがどちらも同じTGWにつながっていれば、A→ハブ→Cの通信が成立します。これが推移的ルーティングです。TerraformでのTGW構築とRAM共有はTransit Gatewayクロスアカウント構築手順|TerraformとRAM共有で扱っています。
Transit GatewayとVPC Peering比較:推移性・上限値・MTU・料金
接続トポロジ、推移性、上限値とMTU、セキュリティグループ参照の順に比べ、最後に一覧表にまとめます。
接続トポロジの違い:1対1メッシュとハブ&スポークで変わる接続本数
VPC Peeringは2つのVPCを直結する1対1の接続で、全VPCをつなぐとメッシュになります。接続1本ごとに両側のルートテーブルへ相手のCIDRを書くため、10個のVPCをフルメッシュにすると45本×両側で90箇所の経路設定です。Transit Gatewayなら経路はハブに集まり、伝播で自動登録もできます。
推移的ルーティングの可否:VPC Peeringで3つ目のVPCに届かない理由
VPC Peeringは推移的ルーティングに対応しません。VPC Peeringの公式解説には、AとB、AとCをPeeringしてもBからAを経由してCへは届かず、BとCを直接Peeringする必要があると明記されています。相手VPCのインターネットゲートウェイ、NAT、VPN・Direct Connectを経由する「エッジ間ルーティング」も不可です。
「3つ以上のVPCを相互につなぐ」「共有VPCのNATやVPNを他のVPCにも使わせる」なら、Peeringは選択肢から外れます。2つのVPCを直結するだけならPeeringで足ります。この一点が決定打です。
上限値・帯域・MTUの違い:ピアリング50本とアタッチメント5,000の差
VPC Peeringのクォータは、VPCあたりのアクティブな接続が既定50本・申請で最大125本です。フルメッシュでは各VPCがn−1本を持つため、既定値なら51個で頭打ちです。TGWはアタッチメント既定5,000で、桁が2つ違います。
TGWのVPCアタッチメントはAZあたり各方向最大100Gbps、MTUは8,500バイトです。Peeringは同一リージョンでMTU 9,001バイト、リージョン間は8,500バイトです。公式クォータページは、PeeringからTGWへの移行時はMTU差でパケットが落ちうるため両側のVPCを同時に切り替えるよう注意しています。
セキュリティグループ参照とDNS解決:移行時に変わる設定2点
Peeringは同一リージョンなら相手VPCのセキュリティグループをルールに指定できます。TGWもTGWとアタッチメントの両方で有効にすれば参照できますが、インバウンドルールのみで、TGW Peering越しやPrivateLinkエンドポイントには使えません(VPCアタッチメントの公式解説)。アウトバウンドの参照は移行前にCIDR指定へ書き換えます。
DNSは、PeeringならDNS解決オプションで相手VPCのプライベートDNS名を引けますが、TGW Peeringは非対応のため、リージョン跨ぎの名前解決はRoute 53 Resolverで設計します。Peeringのルート・SG・DNSを書く手順はVPC Peeringの設定手順(CLIとTerraformで作る接続・ルート・DNS)で解説しています。
比較表:VPC PeeringとTransit Gatewayを9つの観点で一覧化
| 観点 | VPC Peering | Transit Gateway |
|---|---|---|
| トポロジ | 1対1メッシュ | ハブ&スポーク |
| 推移的ルーティング | 非対応 | 対応 |
| n VPC相互接続の接続数 | n(n−1)/2 | n |
| オンプレ接続(VPN/DX)集約 | 不可 | 可 |
| 既定の上限 | VPCあたり50本 | TGWあたり5,000 |
| MTU | 9,001(同一リージョン) | 8,500(VPN経由は1,500) |
| SG参照 | 同一リージョンで可 | インバウンドのみ可 |
| 時間課金 | なし | 東京0.07ドル毎時 |
| データ課金 | AZ跨ぎ各方向0.01ドル/GB | 処理量0.02ドル/GB |
表のうち選択を左右するのは推移的ルーティングとオンプレ集約の2行で、残りは採用後の設計で気にする項目です。
3つの接続の対象比較:VPC Peering・TGW・TGW Peering
同じ「Peering」でも対象が違うため、VPC Peering・Transit Gateway・TGW Peeringの3者を、何と何をつなぐ接続なのかという対象と役割で切り分けます。
| 名称 | つなぐ対象 | 使う場面 |
|---|---|---|
| VPC Peering | VPC ↔ VPC | 少数VPCの1対1直結 |
| Transit Gateway | 多数のVPC/オンプレ ↔ ハブ | 多数を集約・推移的接続 |
| Transit Gateway Peering | TGW ↔ TGW | TGW同士を相互接続 |
Transit Gateway Peeringは、ハブであるTGWを別のTGWへつなぐ仕組みで、リージョンを跨ぐInter-Region Peeringと、同一リージョン内のIntra-Region Peering(2021年12月提供開始)があります。接続対象は別部門や外部パートナーが管理するTGW同士であり、間にブリッジVPCを設けずに直接接続できる仕組みです。経路は静的ルートで通し、リージョン間の通信はVPC Peeringと同じ基盤でAES-256暗号化されます。「transit gateway peering」はVPCではなくTGW同士の話です。
Transit Gateway料金:東京リージョン単価とVPC Peeringの月額比較
東京リージョン(ap-northeast-1)の単価を確定させ、VPC数別の月額をPeeringと並べます。
東京リージョンの単価:アタッチメント0.07ドル毎時とデータ処理0.02ドル/GB
Price List API(AmazonVPCオファー、東京版の公開日2026年9月17日)で確認した東京の単価は、VPC・VPN・Direct Connect・Connect・Peeringの各アタッチメントが0.07ドル毎時、VPC・VPN・Direct Connectアタッチメントからのデータ処理が0.02ドル/GBです。公式料金ページの例示はUS East(Ohio)の0.05ドル毎時なので、東京は時間単価が4割高くなります。
ピアリングアタッチメント経由で届いたデータにはデータ処理課金がかかりません(リージョン間転送料は別途)。VPC PeeringはVPC料金ページのとおり、AZを跨ぐ転送がIn・Outの両方向で0.01ドル/GBで、同一AZ内は無料です。
VPC数別の月額試算:3・5・10個でVPC Peeringとの差額を比較
1か月730時間、VPC間の転送量を合計1,000GB(すべてAZ跨ぎ)と置いた試算です。税は含めていません。
| VPC数 | Peering接続数 | Peering月額 | TGW時間課金 | TGW月額合計 |
|---|---|---|---|---|
| 3 | 3本 | 約20ドル | 約153ドル | 約173ドル |
| 5 | 10本 | 約20ドル | 約256ドル | 約276ドル |
| 10 | 45本 | 約20ドル | 約511ドル | 約531ドル |
TGWのデータ処理とPeeringのAZ跨ぎ往復はどちらも0.02ドル/GBなので、差はほぼアタッチメントの時間課金(1個あたり月約51ドル)です。TGWを選ぶ理由は費用ではなく、45本の接続を10本に減らせる運用面にあります。
Price List APIで東京リージョンのTGW単価を自分で確認するコマンド
料金ページの表はJavaScriptで描画されるため、スクリプトからは認証不要のPrice List APIで読みます。標準ライブラリだけで動くPythonです。
import json, urllib.request
BASE = "https://pricing.us-east-1.amazonaws.com"
idx = json.load(urllib.request.urlopen(BASE + "/offers/v1.0/aws/AmazonVPC/current/region_index.json"))
url = BASE + idx["regions"]["ap-northeast-1"]["currentVersionUrl"]
offer = json.load(urllib.request.urlopen(url))
print("version:", offer["version"])
for sku, p in offer["products"].items():
usage = p["attributes"].get("usagetype", "")
if "TransitGateway" not in usage:
continue
for term in offer["terms"]["OnDemand"].get(sku, {}).values():
for dim in term["priceDimensions"].values():
print(usage, p["attributes"].get("operation"), dim["pricePerUnit"]["USD"], dim["unit"])
APN1-TransitGateway-Hoursが時間課金、APN1-TransitGateway-Bytesがデータ処理課金です。versionを見積書に添えると、いつ時点の単価かを後から追えます。
AWS CLIでTransit Gatewayを作りVPC2つを接続する最小構築手順
同一アカウント・東京リージョンでVPC AとVPC Bをつなぐ最小手順です。IDは自分の環境の値に置き換えます。オプション名はcreate-transit-gatewayとcreate-transit-gateway-vpc-attachmentのリファレンスで確認しました。
TGW作成とVPCアタッチメント作成:AZごとに1サブネットを指定する
- 自動アソシエーションと自動伝播を有効にしてTGWを作る
- 状態が
availableになるのを待つ - VPCごとにアタッチメントを作り、使うAZのサブネットを1つずつ渡す
aws ec2 create-transit-gateway \
--description "hub-tokyo" \
--options AmazonSideAsn=64512,DefaultRouteTableAssociation=enable,DefaultRouteTablePropagation=enable,DnsSupport=enable,SecurityGroupReferencingSupport=enable \
--region ap-northeast-1
aws ec2 describe-transit-gateways \
--transit-gateway-ids tgw-0123456789abcdef0 \
--query "TransitGateways[0].State"
aws ec2 create-transit-gateway-vpc-attachment \
--transit-gateway-id tgw-0123456789abcdef0 \
--vpc-id vpc-0aaaaaaaaaaaaaaaa \
--subnet-ids subnet-0a1111111111111a subnet-0c1111111111111c \
--options DnsSupport=enable,SecurityGroupReferencingSupport=enable
aws ec2 create-transit-gateway-vpc-attachment \
--transit-gateway-id tgw-0123456789abcdef0 \
--vpc-id vpc-0bbbbbbbbbbbbbbbb \
--subnet-ids subnet-0a2222222222222a subnet-0c2222222222222c \
--options DnsSupport=enable,SecurityGroupReferencingSupport=enable
アタッチメントを置かないAZのリソースはTGWへ届きません。アタッチメント用には/28程度の専用サブネットを切ると、後でACLやルートを分けやすくなります。CIDRとサブネットの切り方はCIDRの読み方とAWS VPCでのサブネット設計で解説しています。
VPCルートテーブルへの経路追加と、TGW側に伝播した経路の確認
TGW側は自動伝播で経路が入りますが、VPC側は手で書きます。VPC A(10.0.0.0/16)とVPC B(10.1.0.0/16)なら、相手のCIDRをTGWへ向けます。
aws ec2 create-route \
--route-table-id rtb-0aaaaaaaaaaaaaaaa \
--destination-cidr-block 10.1.0.0/16 \
--transit-gateway-id tgw-0123456789abcdef0
aws ec2 create-route \
--route-table-id rtb-0bbbbbbbbbbbbbbbb \
--destination-cidr-block 10.0.0.0/16 \
--transit-gateway-id tgw-0123456789abcdef0
aws ec2 search-transit-gateway-routes \
--transit-gateway-route-table-id tgw-rtb-0123456789abcdef0 \
--filters Name=type,Values=propagated \
--query "Routes[].{cidr:DestinationCidrBlock,state:State}"
両VPCのCIDRがactiveで並べばTGW側は揃っています。search-transit-gateway-routesは--filtersが必須です。疎通しないときはVPCルートテーブル、セキュリティグループ、ネットワークACLの順に見ます。Peeringなら同じ2VPCは接続の作成・承認とルート追加だけで済み、この手数の差も2〜3VPCならPeeringで足りる理由です。
Direct Connect・Site-to-Site VPNのTGW経由オンプレ集約
専用線ならDirect Connect Gatewayアタッチメント、インターネット経由のIPsecならSite-to-Site VPNアタッチメントをTGWにつなぎ、BGPでオンプレ側ルータと経路を交換します。ハブを1点でオンプレと接続して全VPCへ配れるため、VPCごとにオンプレ回線を張る必要がなくなります。Peeringはエッジ間ルーティング不可なので、この構成は取れません。
TGWのMTUはVPC・Direct Connect間で8,500バイト、VPN経由は1,500バイトです。専用線の仕組みと料金はAWS Direct Connectの仕組みとVPNとの違い、IKE設定とstrongSwanでの接続はSite-to-Site VPNの接続手順で扱っています。
Transit Gateway導入前に確認する制約:CIDR重複・リージョン・クォータ
- CIDRの重複:重なったアドレス範囲は正しくルーティングできません。Peeringは重複するCIDRを1つでも持つVPC同士では接続自体を作れないと公式に明記しています。
- リージョン跨ぎ:1つのTGWはリージョン内を束ねます。別リージョンとは各リージョンのTGWをInter-Region Peeringで結びます。
- クォータ:ピアリングアタッチメントはTGWあたり50、TGWはアカウントあたり5個、1つのVPCに付けられるTGWは5個(変更不可)が既定です。
なかでもCIDR重複は稼働後の再採番の影響が広いため、最初のアドレス設計で避けておきます。
判断:VPC Peeringのままでよい条件とTransit Gatewayへ移る条件
迷ったら「推移性が要るか」「VPCが4個を超えるか」の2問で決めて構いません。
VPC Peeringで足りる条件:VPC3個以下・推移不要・同一AZ転送が多い
VPCが2〜3個で、オンプレ集約も推移的通信も要らないならVPC Peeringです。時間課金がなく同一AZ内は無料なので、同じAZ内で大量に転送するDBレプリケーションのような用途では明確に安くなります。この条件でTGWを入れるのは過剰です。ただし1年以内にVPCが4個を超える計画があるなら、最初からTGWに寄せます。Peeringを足し続けると接続とルート設定が二次関数的に膨らむためです。
Transit Gatewayへ移る条件と、移行で詰まりやすいMTU差とSG参照
VPCが4個以上に増える、VPN/Direct Connectでオンプレと束ねる、共有VPCのNATやVPNを複数VPCで使う、のいずれかならTransit Gatewayです。移行時は、MTU差(9,001→8,500バイト)とアウトバウンドのSG参照の書き換えを切り替え手順に先に組み込みます。
VPC設計からTGWの経路分割、Terraformでのコード化まで含めてAWSのネットワークを組み直す場合は、一創のAWS・Google Cloud・Azureのインフラ構築でもご相談を受けています。
サービス単位の接続の選択肢:PrivateLinkとVPC Lattice
特定のサービスだけを別VPCへ公開したいなら、TGWもPeeringも過剰です。AWS PrivateLinkは提供側NLBの裏のサービスだけをエンドポイントとして見せる方式で、CIDRが重複していても接続できます。HTTPやgRPCのサービス間通信をアカウント横断で束ねるならVPC Latticeも候補です。到達させたい範囲が「ネットワーク全体」か「特定のサービス」かを先に決めると、方式を取り違えません。
よくある質問
Transit GatewayとVPC Peeringの比較で、検索の多い質問に答えます。
TGWとは何の略ですか?
TGWはTransit Gateway(トランジットゲートウェイ)の略称です。AWSの公式ドキュメントやCLIでも使われ、TGWのIDはtgw-、TGWルートテーブルのIDはtgw-rtb-で始まります。複数のVPCやオンプレ網を1つのハブに集約して中継するマネージドルーターを指し、「transit gateway」「トランジットゲートウェイ」「tgw」のどれで検索しても同じサービスです。
VPC PeeringとTransit Gatewayはどちらを使うべきですか?
相互接続するVPCが2〜3個でオンプレ接続も推移的通信も不要なら、時間課金のないVPC Peeringが割安です。VPCが4個以上に増える、VPNやDirect Connectでオンプレを束ねる、ハブ経由の到達性が要る、のいずれかに当てはまるならTransit Gatewayを選びます。費用だけならPeeringが常に安く、TGWの料金は運用を中央に寄せる対価です。
Transit Gatewayは推移的ルーティングができますか?
できます。各スポークがハブを経由して相互に到達するため、推移的ルーティングが成立します。VPC Peeringは非対応で、AとB、AとCをPeeringしてもBからAを経由してCへは届きません。相手VPCのNATやVPNを経由する通信もできないため、この差がTransit Gatewayを選ぶ主な理由になります。
Transit Gatewayの料金はいくらですか?
アタッチメントの時間課金とデータ処理課金の2要素です。2026年10月時点の東京リージョンは、アタッチメント1個あたり0.07ドル毎時(730時間で月約51ドル)、データ処理が0.02ドル/GBです。VPCを5個つなぐと時間課金だけで月約256ドルになります。改定がありうるため、見積もり時は公式料金ページかPrice List APIで確認してください。
別リージョンのVPCと接続できますか?
できます。接続の構成は、それぞれのリージョンにTGWを配置し、両方のTGWをInter-Region Peeringで相互につなぐ形です。同一リージョン内で別々のTGWをつなぐIntra-Region Peeringもあり、どちらも静的ルートで経路を通します。VPCが2つだけなら、リージョン間VPC Peering(MTU 8,500バイト)で直接つなぐ方法もあります。
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