フィードバックHub(Feedback Hub)は、Windowsの不具合や改善要望をMicrosoftへ送るための標準アプリです。見覚えのない通知が届いたり、Windowsキー+Fで突然開いたりするのもこのアプリです。
結論から言うと、Microsoftに報告を送る予定がなければ消しても困りません。この記事では、残すべき人と消してよい人の分かれ目、削除せずに通知だけ止める方法、PowerShellでの削除とMicrosoft Storeからの戻し方、2026年3月に始まったアプリ刷新の中身までを順に説明します。
まとめ:フィードバックHubの削除判断と通知の止め方
- フィードバックHubはMicrosoft公式の報告アプリで、Windows 10と11にプリインストールされています。ウイルスや広告アプリではありません。
- 報告を送らない人、Windows Insider Programに参加していない人は、アンインストールしてもWindowsの動作に支障はありません。失うのは、このアプリからの報告・既存投稿の検索・賛成票の手段と、Windowsキー+Fのショートカットです。
- 通知がわずらわしいだけなら、削除より「フィードバックを求められる頻度」を「しない」にするほうが手軽です。Pro以上ならグループポリシーで端末ごと止められます。
- 削除は設定アプリか、PowerShellの
Remove-AppxPackageで行います。必要になればMicrosoft Storeから無料で入れ直せます。 - 2026年3月20日から刷新版がInsider向けに配信され、送信フォームの統一や「お知らせ」ページの廃止が入りました。画面が記事の説明と違う場合は、どちらの版かを確かめてください。
以下、判断材料と手順を詳しく見ていきます。
フィードバックHubの役割と2026年の刷新
Microsoftへ不具合報告と機能提案を送る公式アプリ
フィードバックHubは、Windowsの使用中に起きた問題の報告と、機能の提案をMicrosoftへ送るアプリです。パッケージ名は Microsoft.WindowsFeedbackHub、配布元はMicrosoft Storeで、Windows 10と11には最初から入っています。「勝手にインストールされていた」と感じるのはこのためです。
公開された投稿には、同じ問題を抱える他のユーザーが賛成票を入れられます。刷新版では、投稿を公開するか非公開にするかを選べます。個別サポートの窓口ではない点に注意してください。Microsoftのサポートページは、迅速な対応や直接のやり取りが必要な問題は「問い合わせ」アプリかsupport.microsoft.comを使うよう案内しています。
Microsoftアカウントへのサインインは必須ではありません。ただしサインインしないと、新しいフィードバックの追加しかできず、既存の投稿の検索や、送った投稿の状態確認はできません。
2026年3月の刷新で変わった画面と送信フォーム
Microsoftは2026年3月20日のWindows Insider Blogで、フィードバックHubの「これまでで最大の更新」をDevとCanaryチャネルに配信し、4月10日にはBetaチャネルにも広げました。主な変更点は次のとおりです。
| 項目 | 従来版 | 刷新版(2026年3月〜) |
|---|---|---|
| 送信フォーム | 問題の報告と機能の提案で入口が分かれる | 統一テンプレート1本+カテゴリ検索 |
| 投稿の種類 | 問題・提案 | 問題・提案・称賛 |
| 公開範囲 | 公開 | 公開・非公開を選択 |
| 他人の投稿一覧 | すべてのフィードバック | Community feedback(改称) |
| 自分の投稿 | フィードバック画面内のタブ | ナビゲーションのMy feedback |
| お知らせページ | あり | 廃止(Windows Insider Blogへ) |
| クエスト・実績 | あり | 継続 |
このほか、画面の一部に重ねて開く小さな入力画面(focused feedback)も追加されました。変更点の原文はMicrosoftのFeedback Hubリリースノートで確認できます。
2026年9月26日時点で、刷新版を一般のWindows 11全台へ配る日程は公式に示されていません。7月31日の公式ブログは、Insiderで試してきた品質改善を「この秋からWindows 11 PCへ広く展開し始める」と述べるにとどまります。Insiderでない端末では従来版の画面が残っている可能性があるため、以下の手順は両方の版で共通する操作を中心に書いています。
「勝手に起動する」「通知が来る」原因
Windowsキー+Fの押し間違い
Microsoftのキーボードショートカット一覧では、Windowsキー+Fは「フィードバックHubを開いてスクリーンショットを撮る」操作です。起動と同時にその時点の画面が撮影され、フィードバックに添付される状態になります。
ブラウザーやOfficeで検索するつもりのCtrl+Fを、Windowsキーと押し間違えると、この動作が起きます。撮られたスクリーンショットは送信を完了しなければ投稿になりません。不要ならアプリを閉じれば済みます。
「フィードバック Hub」名義で届くアンケート通知
画面右下に「フィードバック Hub」名義で届く通知は、Microsoftがユーザーに意見を尋ねるフィードバックの質問です。Microsoftのポリシー仕様は、これを「Windows Feedbackアプリを通じたフィードバック通知」と説明しています。
どのくらい表示されるかは、設定の「フィードバックを求められる頻度」で決まります。既定は「自動 (推奨)」で、頻度はWindows側が判断します。止め方は後の章で説明します。
フィードバックHubが必要な人・いらない人の判断基準
判断の軸は、報告の送信、既存投稿の検索・状態確認、賛成票のどれかを使うかどうかです。自分から報告しなくても、同じ不具合がすでに報告されているかを調べる用途はあります。どれも使わないなら、アプリを置いておく理由はありません。
| 状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| Windows Insider Programに参加中 | 残す | クエストとプレビュー版の報告に使う |
| 業務でWindowsの不具合を報告する | 残す | 問題の再作成で操作記録を添付できる |
| 通知だけが気になる | 残して通知を止める | 設定1か所で済み、あとで戻すのも簡単 |
| 報告する予定がない | 削除してよい | 報告・検索・投票を使わないなら不要 |
筆者の立場としては、通知を止めたいだけなら削除は勧めません。頻度の設定は1か所を変えるだけで、いつでも元に戻せます。アプリを残しておけば、いざ不具合を報告したくなったときにStoreから入れ直す手間もかかりません。削除を選ぶのは「アプリ一覧に置いておきたくない」という明確な理由があるときで十分です。
Insider Programに参加しているなら、プレビュー版の不具合報告やクエストに使うため、残しておくことを勧めます。なおMicrosoftは、Insider Previewのビルドを使う条件として「オプションの診断データ」をオンにすることを求めています。
削除せずに通知を止める方法
設定アプリの「フィードバックを求められる頻度」の変更
個人のPCならこの方法で十分です。Windows 11では「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「診断とフィードバック」を開き、「フィードバックを求められる頻度」のドロップダウンから「しない」を選びます。Windows 10では「設定」→「プライバシー」→「診断とフィードバック」に同じ項目があります。
Microsoftの資料が挙げる選択肢は「自動 (推奨)」「しない」「常時」「1日1回」「1週間に1回」の5つです。この設定が止めるのはユーザーへの質問だけで、デバイスから送られる診断データの量は別の項目(「オプションの診断データ」)で決まります。組織の管理下にある端末でこの項目が灰色になっている場合は、次のポリシーが設定されている可能性があります。
グループポリシー「フィードバックの通知を表示しない」による端末単位の停止
Pro・Enterprise・Educationでは、グループポリシーエディター(gpedit.msc)で「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」→「データの収集とプレビュー ビルド」を開き、「フィードバックの通知を表示しない」を有効にします。有効にするとユーザー側で頻度を選べなくなり、フィードバックの質問が表示されなくなります。
このポリシーの実体は次のレジストリ値です。gpeditを使わずに設定する場合は、管理者のターミナルで次を実行します。
reg add "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\DataCollection" /v DoNotShowFeedbackNotifications /t REG_DWORD /d 1 /f
戻すときは値を削除するか0にします。なお、Microsoftのポリシー仕様(Policy CSP)が対応エディションとして挙げるのはPro・Enterprise・Education・IoT Enterpriseで、Homeは含まれていません。Homeでは設定アプリの「しない」を使ってください。Microsoftの資料によると、この画面操作はユーザーごとのレジストリ HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Siuf\Rules の PeriodInNanoSeconds と NumberOfSIUFInPeriod に対応し、「しない」は両方とも0です。レジストリを直接触る必要はありません。
フィードバックHubのアンインストールと再インストール
設定アプリから削除する手順
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」を開きます(Windows 10は「アプリと機能」)。
- 一覧の検索欄に「フィードバック」と入力します。
- 「フィードバック Hub」の右にある「…」(Windows 10は項目をクリック)から「アンインストール」を選びます。
削除後は、Windowsキー+FでフィードバックHubが起動しなくなります。他のアプリやWindows Updateへの影響はありません。
PowerShellで削除する手順
設定アプリでアンインストールが押せない場合や、複数台を同じ手順で処理したい場合はPowerShellを使います。自分のユーザーから削除するだけなら、通常のPowerShellで次を実行します。
Get-AppxPackage Microsoft.WindowsFeedbackHub | Remove-AppxPackage
これから作るユーザーにも入らないようにするには、管理者として起動したPowerShellで、プロビジョニング(新規ユーザーへの自動配布)の登録も外します。
Get-AppxProvisionedPackage -Online |
Where-Object DisplayName -eq 'Microsoft.WindowsFeedbackHub' |
Remove-AppxProvisionedPackage -Online
管理者権限のPowerShellは、スタートボタンを右クリックし、Windows 11では「ターミナル(管理者)」、Windows 10では「Windows PowerShell(管理者)」を選ぶと開けます。スタートメニューで「Windows PowerShell」を検索して「管理者として実行」を選んでも同じです。Windows Terminalの版ごとの違いはWindows Terminal Preview 1.25と安定版1.24の機能差で整理しています。
Microsoft Storeから戻す手順
Microsoft Storeで「フィードバック Hub」を検索し、「入手」を押せば元に戻ります。Storeの製品IDは 9NBLGGH4R32N なので、コマンドで入れ直すこともできます。
winget install --id 9NBLGGH4R32N --source msstore
入れ直したあとは初回起動と同じ状態です。以前と同じMicrosoftアカウントでサインインすれば、送信済みの投稿は「マイ フィードバック」から確認できます。
フィードバックの送信手順と操作記録の添付
Windowsキー+Fから送信するまでの流れ
Microsoftのサポートページが示す送信手順は4段階です。フィードバックを入力する→カテゴリを選ぶ→同様のフィードバックを探す→詳細を追加する、の順に進みます。最後に、添付ファイルと診断データの送信に同意するチェックボックスが表示されていればオンにして、「送信」を押します。
3つめの段階では、似た投稿が表示されたらそれを選び、既存の投稿に関連付けるか、新しい報告として作るかを指定します。迷ったときは振り分けをMicrosoftに任せる選択肢(英語版の表記はAllow feedback triage)を選びます。賛成票を入れたいだけなら、送信フォームに進む前に検索欄から該当の投稿を探して賛成票を入れるほうが早く済みます。
「問題の再作成」による操作手順の記録
文章だけでは伝わりにくい不具合には、添付ファイル欄の「問題の再作成」を使います。送るデータの種類を選び、必要なら「各ステップのスクリーンショットを含める」をオンにしてから「記録の開始」を押し、問題が起きる操作を再現して「キャプチャの停止」で終えます。
収集される情報は、Windowsのプライバシー設定と選んだカテゴリによって変わります。業務PCで記録を取る場合、画面に顧客情報などが映っていないかを送信前に確かめてください。
企業のIT管理者が押さえる制御ポイント
組織で管理する端末では、個別の設定変更ではなくポリシーで統一します。
- 通知:前述の「フィードバックの通知を表示しない」を、IntuneならPolicy CSPの
./Device/Vendor/MSFT/Policy/Config/Experience/DoNotShowFeedbackNotificationsに1を入れて配布します。 - アプリの削除:Windows 11 25H2のEnterpriseとEducationには、既定のStoreアプリを削除するポリシー(RemoveDefaultMicrosoftStorePackages)があり、対象にフィードバックHubが含まれます。削除後に戻すときは、ポリシーの選択を外してからStoreや管理ツールで再配布します。
- 組織のフィードバック:Microsoft Entra IDの職場アカウントでサインインすると、組織を代表した報告を送れます。Windows Insider for Businessの資料では、組織のフィードバックを閲覧できるのはMicrosoftと、Microsoft Entra IDで同じ会社ドメインに登録したユーザーだけとされています。それでも、社外秘の情報や顧客データは投稿に含めないのが安全です。
25H2そのものの提供時期と変更点はWindows 11 25H2の基本概要と2025年リリース時期の確認ポイント、GPOとIntuneで機能を制御する手順の実例はPowerToysを全社展開する手順:winget配布とGPO・Intuneでの機能制御を解説が参考になります。
よくある質問
フィードバックHubはいらないですか?
Microsoftへ不具合報告や要望を送らない人には不要です。削除してもWindowsの動作には影響しません。使えなくなるのは、このアプリからの報告送信、投稿の検索・状態確認、賛成票と、Windowsキー+Fのショートカットです。Windows Insider Programに参加している場合は残してください。
フィードバックHubからの通知をオフにするには?
Windows 11では「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「診断とフィードバック」で、「フィードバックを求められる頻度」を「しない」にします。Pro以上ならグループポリシー「フィードバックの通知を表示しない」で端末ごと止められます。
フィードバックを送信するとどうなるの?
投稿はMicrosoftに届きます。公開した投稿は他のユーザーも閲覧して賛成票を入れられますが、刷新版では非公開で送ることもできます。個別の返信は基本的にありません。すぐに解決したい問題は「問い合わせ」アプリかsupport.microsoft.comへ相談してください。
フィードバックHubはアンインストールしても大丈夫ですか?
大丈夫です。設定アプリの「インストールされているアプリ」から削除でき、必要になればMicrosoft Storeで「フィードバック Hub」を検索して入れ直せます。
Windowsキー+Fを押したらフィードバックHubが開いたのはなぜですか?
Windowsキー+FはフィードバックHubを開いてスクリーンショットを撮るショートカットだからです。送信を完了しなければ投稿にはならないので、そのまま閉じて問題ありません。