アウティングとは、本人の同意を得ないまま、その人の性的指向や性自認を第三者に知らせてしまう行為です。本人が自分で明かすカミングアウトとは、誰が公表を決めたのかという点で正反対の行為にあたります。
日本にはアウティングそのものを禁じて罰を科す法律はありません。かわりに、厚生労働省の指針が職場のパワーハラスメントの該当例としてアウティングを挙げ、一部の自治体が条例で禁止しています。この記事では、指針の条文、一橋大学アウティング事件の裁判の経過、2026年10月1日から適用される指針の改正までを、官公庁の一次資料にあたって整理します。
まとめ:アウティングをめぐる要点
- アウティングは、本人の同意なく性的指向や性自認を第三者に暴露する行為を指します。悪意の有無は要件ではありません。
- アウティングを直接禁じる法律は日本にありません。職場については、令和2年厚生労働省告示第5号(パワーハラスメント指針)が「個の侵害」の該当例として挙げています。
- ただし指針の該当例に当たるだけでは足りず、優越的な関係・必要かつ相当な範囲の逸脱・就業環境の侵害という3つの要素をすべて満たして初めてパワーハラスメントになります。
- 2026年10月1日から適用される改正指針では、暴露に加えて、本人が開示することを禁止したり強要したりする行為も該当例に加わります。
- 性的指向や性自認は、個人情報保護法が定める要配慮個人情報には列挙されていません。ただし通常の個人情報として同法の規律を受けます。
- 一橋大学アウティング事件では、東京高等裁判所が2020年11月25日に遺族の控訴を棄却し、大学の責任は認めませんでした。
アウティングの意味と本人の同意
アウティングは、英語の out(明らかにする)に由来する語で、本人の意思に反してその人の性的指向や性自認を他者に知らせる行為を指します。政府の文書でも同じ意味で使われています。2026年6月16日に閣議決定された性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する基本的な計画は、自身の性的指向や性自認の在り方を同意なく第三者に暴露されることをアウティングと呼び、大きな精神的苦痛をもたらす可能性があると記しています。
カミングアウトとの違いと公表の決定権
カミングアウトは、本人が自分の意思で、相手と時期を選んで明かす行為です。アウティングは、その選択権を第三者が奪う行為です。同じ情報が伝わったとしても、決めたのが本人か他人かで意味がまったく変わります。前出の基本計画も、自身の在り方を他者に打ち明けるかどうかは第三者が強要するものではなく本人が選択することだと明記しています。
この違いは実務にも直結します。本人が職場の一部の人にだけ伝えている場合、その範囲を超えて共有すれば、すでに知っている人がいたとしてもアウティングになり得ます。誰にどこまで伝えているかは本人しか把握していないためです。
善意の情報共有でも起こるアウティング
加害の意図があったかどうかは、アウティングの成否を決める要件ではありません。配慮のつもりで上司が別の管理職に伝える、本人のために環境を整えようとして同僚に共有する、といった善意の行動でも、本人の了解がなければアウティングにあたります。後述するとおり、厚生労働省の指針も、了解を得たかどうかで該当するかしないかを分けており、目的が配慮であったかどうかでは分けていません。
アウティングの法的扱い:指針・条例・損害賠償
「アウティング 法律」で調べると、あたかもアウティングを禁じる法律が存在するかのような説明が見つかりますが、2026年9月時点でそうした法律はありません。アウティングに法的な意味を与えているのは、パワーハラスメントに関する大臣指針、理解増進法の努力義務、一部自治体の条例、そして民事上の不法行為という4つの経路です。
| 名称 | 位置づけ | アウティングの扱い | 罰則 |
|---|---|---|---|
| 労働施策総合推進法 第30条の2 | 法律(措置義務) | 条文に規定なし | なし |
| 令和2年厚生労働省告示第5号 | 大臣指針 | 個の侵害の該当例に明記 | なし |
| 理解増進法 第6条・第10条 | 法律(努力義務) | 条文に規定なし | なし |
| 個人情報保護法 第2条第3項 | 法律(定義規定) | 要配慮個人情報に不列挙 | なし |
| 国立市の条例 第8条第2項 | 市の条例 | 明文で禁止 | なし |
| 民法 第709条 | 法律(不法行為) | 損害賠償の対象になり得る | なし |
パワハラ指針における「個の侵害」の該当例
職場について最も具体的なのが、労働施策総合推進法第30条の2に基づく令和2年厚生労働省告示第5号です。この指針は、パワーハラスメントの6類型のひとつである「個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)」について、該当すると考えられる例として次を挙げています。
労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露すること。
さらに指針は、この例を受けて「プライバシー保護の観点から、ヘ(イ)②のように機微な個人情報を暴露することのないよう、労働者に周知・啓発する等の措置を講じることが必要である」と述べています。つまり事業主には、アウティングが起きないよう従業員へ周知・啓発する対応が求められています。この措置義務は大企業には2020年6月1日から、中小企業には2022年4月1日から適用されています。
パワーハラスメントの判断に必要な3要素
ここで注意が必要なのは、指針の該当例に当てはまることと、パワーハラスメントと認定されることが同じではない点です。指針はパワーハラスメントを次のように定義しています。
職場において行われる(1)優越的な関係を背景とした言動であって、(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるものであり、(1)から(3)までの要素を全て満たすものをいう。
したがって、同僚どうしで優越的な関係が認められない場合など、3要素を満たさないケースもあります。逆に、該当しない例に形式的に当てはまるからといって問題がないと決めつけることもできません。個別の事情で判断される点は、社内規程を作るときに押さえておく必要があります。
2026年10月1日適用の改正指針が加える開示の禁止・強要
この指針は改正され、2026年10月1日から適用される内容では、該当例が次のように広がります。
労働者の性的指向・ジェンダーアイデンティティや病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露すること又は当該労働者が開示することを禁止する若しくは強要すること。
改正後は、暴露だけでなく、本人がカミングアウトすることを禁じる行為や、逆に開示を強要する行為も「個の侵害」の該当例に入ります。用語も「性自認」から「ジェンダーアイデンティティ」へ改められます。同じ日に、顧客等の言動による就業環境の侵害、いわゆるカスタマーハラスメントについての措置義務も施行されます(厚生労働省のパワーハラスメント対策のページに改正の案内があります)。企業の規程や研修資料は、この日付にあわせた見直しが必要です。措置義務の全体像はパワハラ防止法とは?措置義務10項目と2026年10月改正への対応をシステム目線で解説で整理しています。
理解増進法に基づく事業主の努力義務
2023年6月23日に公布・施行された理解増進法(令和5年法律第68号)は、性的指向やジェンダーアイデンティティの多様性について国民の理解を増進することを目的とした法律です。第6条第1項は事業主に対し、普及啓発、就業環境の整備、相談の機会の確保などを通じて労働者の理解増進に自ら努めるよう定めています。第10条第2項はさらに踏み込み、情報の提供、研修の実施、普及啓発、就業環境に関する相談体制の整備その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとしています。
いずれも「努めるものとする」という努力義務で、アウティングを禁じる条文も罰則もありません。ただし、指針が求める周知・啓発と、理解増進法が求める研修や相談体制は内容が重なるため、実務では一体で設計するのが現実的です。
性的指向・性自認と要配慮個人情報の範囲
解説記事でしばしば見かけるのが、性的指向や性自認を個人情報保護法の要配慮個人情報だとする説明です。同法第2条第3項が列挙するのは、人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実などで、性的指向と性自認は含まれていません。政令が追加する項目も、心身の機能の障害、健康診断等の結果、診療や調剤、刑事事件や少年保護事件の手続に関するもので、やはり列挙されていません。
この点は、個人情報保護委員会の個人情報の保護に関する法律に係るEU及び英国域内から十分性認定により移転を受けた個人データの取扱いに関する補完的ルールを読むとはっきりします。同ルールは、EU又は英国域内から十分性認定に基づき提供を受けた個人データに、GDPR及び英国GDPRで特別な種類の個人データとされる性生活、性的指向または労働組合に関する情報が含まれる場合に限り、それらを法第2条第3項の要配慮個人情報と同様に取り扱うこととしています。わざわざ補完的なルールが必要なのは、日本の法律では要配慮個人情報に当たらないためです。
要配慮個人情報でないことは、個人情報保護法の対象外という意味ではありません。性的指向や性自認の情報も通常の個人情報として、利用目的の特定と通知、目的外利用の禁止、本人同意のない第三者提供の禁止、安全管理措置といった規律を受けます。取得にあたって本人同意が必須という要配慮個人情報の規律が及ばないだけです。なお、性同一性障害の診断や治療に関する情報は、病歴や診療の記録として要配慮個人情報に当たり得ます。
一橋大学アウティング事件と司法の判断
日本でアウティングという言葉が広く知られる契機になったのが、2015年の一橋大学アウティング事件です。
一橋大学事件の発生と提訴までの経緯
一橋大学法科大学院に在籍していた男子学生が、同級生の男子学生に好意を伝えたところ、それを受けた側の学生が、同級生が参加するLINEのグループに、本人が同性愛者であることを本人の同意なく書き込みました。その後、当該学生は心身の不調を訴え、大学のハラスメント相談室などに相談しましたが状況は改善せず、2015年8月24日に大学構内の建物から転落して亡くなりました。遺族が大学の対応を問題として損害賠償を求めたのが、この裁判です。
一審と控訴審の結論と行為への評価
| 段階 | 裁判所 | 年月日 | 結論 |
|---|---|---|---|
| 第一審 | 東京地方裁判所 | 2019年2月27日 | 請求棄却 |
| 控訴審 | 東京高等裁判所 | 2020年11月25日 | 控訴棄却 |
| 確定 | 上告なし | 2020年12月9日の経過 | 判決が確定 |
一審の東京地方裁判所は2019年2月27日、遺族の請求を棄却しました。控訴審の東京高等裁判所も2020年11月25日に控訴を棄却し、両審とも大学の責任は認めませんでした。一橋大学は2020年12月16日付の公表で、同年11月25日に控訴を棄却する判決が言い渡され、同年12月9日の経過により判決が確定したと明らかにしています。
結論としては大学側が勝訴した形ですが、控訴審は判決理由のなかで、本件のアウティングについて、人格権やプライバシー権などを著しく侵害する許されない行為だと評価しました。この判示は福岡県の人権啓発ページなど、自治体の啓発資料でも紹介されています。アウティングの違法性に正面から触れた判断として、その後の議論に影響を与えました。
アウティング行為の評価と組織責任の区別
この裁判が示したのは、アウティングという行為自体の評価と、それを受けた組織の法的責任が別々に判断されるという構造です。暴露した個人の行為が許されないと評価されても、大学や企業が責任を負うかどうかは別に判断されます。組織側の責任は、相談を受けた後の対応の適否だけでなく、使用者責任や安全配慮義務など複数の枠組みから問われ得ます。いずれにしても、相談を受けた時点でどう動いたかが重要な判断要素になります。
条例による禁止規定と国の基本計画
国がアウティングを法律で扱っていない一方、自治体は条例で明文の禁止規定を置いてきました。
国立市条例の禁止事項:公表の強制・禁止・暴露
東京都国立市の「国立市女性と男性及び多様な性の平等参画を推進する条例」(平成29年12月28日条例第36号)は、2018年4月1日に施行されました。第8条第2項は次のように定めています。
何人も、性的指向、性自認等の公表に関して、いかなる場合も、強制し、若しくは禁止し、又は本人の意に反して公にしてはならない。
暴露だけでなく、公表の強制と禁止も同じ条項で禁じている点が特徴です。国立市はこれを、アウティングの禁止を定めた全国初の規定だと説明しています。同条例は第3条で、性的指向や性自認等に関する公表の自由が個人の権利として保障されることを基本理念に掲げてもいます。なお罰則規定は置かれておらず、違反しても刑罰や過料は科されません。
三重県条例における「正当な理由なく」の限定
三重県も「性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例」を2021年4月1日に施行し、第4条で強制・禁止・暴露を禁じています。ただし条文は「本人の意に反して、正当な理由なく暴露(本人が秘密にしていることを明かすことをいう。)をしてはならない」となっており、暴露については正当な理由がある場合を除く形になっています。国立市が「いかなる場合も」と限定を置いていないのと対照的です。三重県の条例にも罰則はありません。
基本計画が周知対象とする暴露・強要・禁止
国の側の動きが、2026年6月16日に閣議決定された基本計画です。事業主等に関する項目で、政府が周知すべき内容として次のように記しています。
SOGIに関する侮辱的な言動や労働者の了解を得ずにSOGIなどの機微な個人情報を他の労働者に暴露すること又はSOGIなどの機微な個人情報を労働者が開示することを強要する若しくは禁止することが職場におけるパワーハラスメントやカスタマーハラスメントに該当し得ること
暴露と、開示の強要・禁止という3点の構造は、国立市の条例が2018年に置いた規定と重なります。ただし条例は禁止規定であるのに対し、基本計画はパワーハラスメントやカスタマーハラスメントに該当し得ることを周知するという位置づけです。法的な性格は同じではないため、国が条例に追いついたと単純に読むことはできません。SOGIという用語そのものの整理はSOGIとは?性的指向・性自認の意味とLGBTとの違いをわかりやすく解説で扱っています。
職場での線引きと防止の実務
パワハラ指針の非該当例と情報共有の3条件
現場で最も迷うのは、本人から相談を受けた管理職が、誰にどこまで共有してよいかという点です。ここは指針が具体例で線を引いています。
| 区分 | 指針が挙げる例 |
|---|---|
| 該当する例 | 了解を得ずに他の労働者へ暴露すること |
| 該当する例(2026年10月から) | 本人の開示を禁止または強要すること |
| 該当しない例 | 了解を得て人事労務部門へ伝えること |
該当しない例の条文は、労働者の了解を得て、必要な範囲で人事労務部門の担当者に伝達し、配慮を促すこと、と書かれています。了解を得ること、伝える先が人事労務部門であること、範囲が必要な限度にとどまることの3つが揃って初めて、指針上の該当しない例になります。管理職向けの研修では、この3条件をそのまま行動基準にするのが確実です。
精神障害の労災認定における性的指向・性自認の位置づけ
職場のハラスメントは、精神障害を発病した場合の労災認定でも評価されます。2023年9月1日付で改正された心理的負荷による精神障害の認定基準では、業務による心理的負荷評価表の具体例が拡充され、上司等からパワーハラスメントを受けた場合の項目に、私的なことに過度に立ち入る個の侵害が明示され、性的指向・性自認に関する精神的攻撃等を含むという注記が付されました。評価表の文言にアウティングという語そのものはありませんが、指針で個の侵害の該当例とされている以上、評価の枠組みからは外れません。
企業が講じる対策の5項目
- 就業規則やハラスメント防止規程に、本人の同意なく性的指向や性自認を第三者へ伝えないことを明記する。
- 相談窓口の担当者に、共有の可否を必ず本人に確認する手順を設ける。共有先と範囲を本人と一緒に決めて記録する。
- 管理職研修で、指針の該当しない例の3条件(了解・人事労務部門・必要な範囲)を行動基準として伝える。
- 2026年10月1日の指針改正にあわせ、カミングアウトの禁止や強要も禁止対象であることを規程と研修資料に反映する。
- 開示するかしないかは本人が選ぶ事柄だという前提を守り、守秘の徹底と侮辱的な言動の防止を研修の柱に据える。考え方の整理はアライ(Ally)とは?意味と語源、アライシップとの違いと職場での実践が参考になります。
アウティングをされたときの対応
被害にあった側が取れる行動は、記録、相談、法的手段の3つに分けられます。
まず記録です。LINEやSNSの投稿、メール、発言があった日時と場所、その場にいた人を、できる範囲で残します。投稿は削除されることがあるため、画面の保存を早めに行います。この記録は、社内での申告でも法的手段でも起点になります。
次に相談先です。職場であれば、ハラスメント相談窓口や人事労務部門が第一の窓口になります。社内で相談しにくい場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーが無料で利用できます。性的指向や性自認に関する相談に対応する窓口としては、社会的包摂サポートセンターが運営するよりそいホットライン(0120-279-338。福島県からは0120-279-226)があり、音声ガイダンスで4番を選ぶと、性的指向や性自認の悩みに対応する相談員につながります。
法的手段としては、暴露した個人に対する民法第709条の不法行為に基づく損害賠償請求が中心になります。職務に関連して行われた場合は、民法第715条第1項により使用者である会社の責任を問える場合もあります。会社が相談を受けながら適切に対応しなかった場合は、労働契約法第5条の安全配慮義務の観点も問題になります。刑事面では名誉毀損罪や侮辱罪が問題になり得ますが、成立するかは公然性や摘示された事実の内容によって個別に判断されるため、一律に成立すると考えることはできません。いずれの手段も、進める前に弁護士へ相談するのが確実です。
よくある質問
アウティングとはどういう意味ですか?
本人の同意を得ずに、その人の性的指向や性自認を第三者に知らせる行為を指します。本人が自ら明かすカミングアウトとは、公表を誰が決めたかという点で正反対です。
アウティングは法律違反になりますか?
アウティングそのものを禁止して罰を科す法律は、日本にはありません。ただし、民法第709条の不法行為として損害賠償の対象になり得ますし、国立市や三重県のように条例で明文の禁止規定を置いている自治体もあります。
アウティングはパワハラに当たりますか?
職場で起きた場合、厚生労働省の指針が「個の侵害」の該当例として挙げています。ただし、優越的な関係を背景とした言動であること、業務上必要かつ相当な範囲を超えていること、就業環境が害されることという3要素をすべて満たして初めてパワーハラスメントになります。
一橋大学アウティング事件のその後はどうなりましたか?
遺族が大学を相手取った訴訟は、一審の東京地方裁判所が2019年2月27日に請求を棄却し、控訴審の東京高等裁判所も2020年11月25日に控訴を棄却しました。上告はなく、2020年12月9日の経過により判決が確定しています。控訴審は本件のアウティングを許されない行為だと評価したうえで、大学の責任は認めませんでした。
善意で伝えた場合もアウティングになりますか?
なります。加害の意図は要件ではありません。厚生労働省の指針も、了解を得たかどうかで該当する例と該当しない例を分けており、目的が配慮であったかどうかでは分けていません。
性的指向は要配慮個人情報ではないのですか?
個人情報保護法第2条第3項と政令の列挙に、性的指向と性自認は含まれていません。個人情報保護委員会がEU又は英国域内から移転された個人データについて、要配慮個人情報と同様に取り扱う補完的なルールを置いているのは、日本の法律上は該当しないためです。ただし通常の個人情報として同法の規律は受けますし、性同一性障害の診断や治療に関する情報は病歴や診療の記録として要配慮個人情報に当たり得ます。