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SaaS開発の事業計画書の書き方|MRRの積み上げとJカーブから必要資金を逆算する

SaaS開発の事業計画書の書き方|MRRの積み上げとJカーブから必要資金を逆算する

SaaS開発の事業計画書は、飲食店や受託開発の計画書と同じ様式を使っても、中身の作り方が違います。月額課金の売上計画では、単価に掛ける契約数を、新規契約・継続・解約に分けて月次で積み上げ、MRRの推移を示します。顧客獲得の費用と開発費が先に出ていくため、黒字になるまでの赤字の累計(Jカーブの谷)が深くなり、その深さが必要資金の根拠になります。

この記事では、MRRの積み上げ表の作り方、解約率を1%・2%・3%に変えた試算、計画書に載せるKPIの基準、開発費と前受金の会計処理、日本政策金融公庫の創業計画書への書き方、審査で突かれる欠陥の順に解説します。

まとめ:SaaS開発の事業計画書で押さえる要点

  • 売上計画は「期首MRR+新規MRR+拡大MRR-縮小MRR-解約MRR=期末MRR」の月次表で作ります。解約を入れない計画は、月2%の解約でも24か月目の顧客数を約25%多く見積もります。
  • 必要資金は、月次の収支を積み上げた累積赤字の最大値(Jカーブの谷)に余裕を足して決めます。後述の試算では、解約率が2%から3%に上がるだけで単月黒字化が30か月目から37か月目へ遅れ、谷が約780万円深くなります。
  • KPIは、LTV/CACが3倍超、顧客獲得費用の回収が12か月以内を目安にします。Rule of 40は年商5,000万ドル規模を想定した基準なので、創業期の計画書には使いません。
  • SaaS提供用に開発したソフトウェアは会計上「自社利用のソフトウェア」として扱います。年額前払いは受け取った時点で全額を売上にせず、未提供の期間分を前受金(契約負債)にして月割りで売上に振り替えます。損益計画と資金計画を別の表にする理由はここにあります。
  • 日本政策金融公庫の創業計画書は「事業の見通し」が月平均の2時点だけなので、MRRの月次表と資金繰り表を別紙で添付します。

以下の章で使う前提は、単価・新規獲得数・解約率・CACの4つです。

SaaS開発の事業計画書と通常の事業計画書の違い

様式そのものは同じでも、SaaSでは売上・費用・資金の動きが通常の事業と逆向きになる箇所があります。審査する側もそこを確認するので、違いを先に押さえておきます。

項目 通常の事業(店舗・受託開発など) SaaS
売上の立て方 単価×販売数 期首MRR+新規-解約の積み上げ
売上の伸び方 集客・受注・納品の時期で決まる 契約が積み上がるまで低い
赤字の期間 初期投資の回収期間で決まる 獲得費用の回収と解約率で決まる
主な先行費用 設備・内装・仕入 開発人件費・顧客獲得費用
入金と売上のずれ 検収・請求の条件で決まる 年額前払いなら入金が先行
重視される指標 売上高・利益率 MRR・解約率・LTV/CAC

なかでも計画書の説得力を左右するのは「解約」と「先行費用」です。買い切り型ソフトウェアや受託開発向けのひな形をそのまま使うと、解約による目減りと、顧客1社を獲得するたびに先に出ていく費用が表に出てきません。SaaSという事業形態そのものの定義はSaaS(サース)の意味とPaaS・IaaSとの違いで、受託開発やSESを含むIT業全般の計画書はIT業の事業計画書の基本構造で扱っています。

売上計画の月次MRR積み上げ表

期首MRRに新規・拡大・縮小・解約を足し引きする月次表

SaaSの売上計画は、月ごとに次の式を1行ずつ計算する表で作ります。

期末MRR=期首MRR+新規MRR+拡大MRR-縮小MRR-解約MRR

新規MRRは新しく契約した顧客の月額、拡大MRRは既存顧客のプラン上げや席数追加、縮小MRRはプラン下げ、解約MRRは解約した顧客の月額です。一度解約した顧客が戻ってくる場合は、再開MRRとして別の列で足します。区分を分けておくと、売上が伸びた理由が新規獲得なのか既存顧客の拡大なのかを、審査する側が表から読み取れます。各区分の定義と集計の注意点はMRRの計算式とARRとの違いにまとめています。

解約率は2種類あります。解約した顧客の数で測るロゴチャーン(顧客数ベース)と、失った月額で測るレベニューチャーン(金額ベース)です。単価の大きい顧客ほど解約しにくい事業では、ロゴチャーンが高くてもレベニューチャーンは低く出ます。計画書ではどちらで計算したかを明記し、売上計画には金額ベースを使います。計算方法はチャーンレートの計算方法と種類を参照してください。

月額課金と請求の仕組みを自社で作る場合は、プラン変更や日割り、解約時の精算の仕様がそのまま拡大・縮小・解約MRRの集計に効いてきます。課金基盤の設計から相談する場合は決済・サブスクリプションシステム開発の支援内容も参考にしてください。

解約を入れない計画が24か月で約25%過大になる試算

月額5万円のSaaSが毎月5社ずつ新規契約を獲得し、既存顧客の2%が毎月解約する前提で、顧客数を計算しました(期末の顧客数=期首×0.98+5)。解約を入れない場合と比べると、差は月を追うごとに開きます。

経過月 解約なしの顧客数 解約2%の顧客数 解約2%のMRR
6か月目 30社 28.5社 約143万円
12か月目 60社 53.8社 約269万円
18か月目 90社 76.2社 約381万円
24か月目 120社 96.1社 約480万円

24か月目で解約なしの120社は、解約2%の96.1社より約25%多くなります。新規獲得が同じペースのまま続くと、顧客数は「新規獲得数÷解約率」(この例では5÷0.02=250社)に近づいて頭打ちになります。右肩上がりの直線で売上を描いた計画書が審査で疑われるのは、この頭打ちが表に出ていないためです。

Jカーブの谷の深さに基づく必要資金の逆算

試算の前提(月額5万円・新規5社・CAC40万円)

SaaSでは営業・広告費が利用料の回収より先に発生します。この設例では、CACに相当する獲得費用を契約獲得月に支払うと仮定し、毎月の利用料で回収するものとします。そのため創業から数年は、月次の収支を足し上げた累積額がJの字の底のように沈みます。この底の深さが資金需要の基礎です。外部調達額は、自己資金・手元資金と、別途必要な初期支出・予備資金を反映して決めます。

前の表と同じ顧客数の推移を用い、初期顧客0社から、期末顧客数の全社が当月分を満額支払う前提で試算します。月次収支は「期末顧客数×4万円-250万円-200万円」です。開業前の開発支出、税金、借入元利返済、入出金の時差は含まない簡略例です。

  • 月額単価5万円・粗利率80%(顧客1社の月次粗利4万円)
  • 新規獲得は毎月5社・1社あたりのCAC40万円(獲得費用は月200万円)
  • 開発・運用の固定費は月250万円(粗利率80%の計算に含めた売上原価と、CACに含めた営業費用を除く)

この前提では、CACの回収月数は40万円÷4万円=10か月、LTV(顧客生涯価値)は4万円÷0.02=200万円で、LTV/CACは5倍です。指標だけを見れば健全な事業でも、資金は2年以上出ていき続けます。

解約率1%・2%・3%で変わる黒字化の時期と最大累積赤字

月次解約率 単月黒字化 累積赤字の最大値 累積赤字の解消
1% 26か月目 約5,241万円(25か月目) 52か月目
2% 30か月目 約5,776万円(29か月目) 66か月目
3% 37か月目 約6,555万円(36か月目) 94か月目

解約率が1ポイント違うだけで、必要資金は数百万円、累積赤字の解消は数年単位で動きます。計画書には中立シナリオだけでなく、解約率を1ポイント悪化させた悲観シナリオを並べ、悲観側でも資金が尽きない調達額を示すのが基本です。

この谷の深さを見ると、資金の出し手も決まってきます。設例の約5,800万円を創業融資だけでまかなうのは現実的ではなく、自己資金・融資・出資の組み合わせを検討し、追加調達を予定する場合は、必要額と実行時期、調達できなかった場合の支出削減策まで示します。出資を受ける場合の章立てや希薄化の計算は投資家・VC向け事業計画書の書き方、赤字の谷を越える資金戦略はスタートアップとJカーブの関係性で詳しく扱っています。

SaaS事業計画書に載せるKPIと判断基準

MRRと解約率に加えて、計画書には顧客獲得の効率を示す指標を載せます。目安として広く引かれているのは、SaaS指標の整理で知られる投資家David Skokの基準です。Skokは「SaaS Metrics 2.0」で、優れたSaaS企業はLTV/CACが3倍を超え(7〜8倍の企業もある)、CACを5〜7か月で回収していると書いています。回収期間が12か月を超えると収益性が乏しくなることも、同じ記事でグラフを使って示しています。

指標 計算式 計画書での目安
LTV/CAC 顧客1社の生涯粗利÷CAC 3倍超
CAC回収月数 CAC÷顧客1社の月次粗利 12か月以内
月次解約率 当月の解約MRR÷期首MRR 根拠となる実績を添える
拡大MRR比率 拡大MRR÷期首MRR 縮小と解約を上回るか

創業期の計画書は、まだ実績がない数字を前提として置くことになります。そのため指標の値そのものより、CACの内訳(広告費・営業人件費・展示会費のどこまでを含めたか)と、解約率を何から推定したか(先行顧客との面談、類似サービスの開示値など)を書くほうが評価されます。広告経由の顧客だけで計算したCACと、紹介や自然流入を含めた全体のCACは値が大きく違うため、どちらを使ったかも明記します。LTVの計算式はLTVの計算方法、CACの集計範囲はCACの計算式とLTV比の目安、LTV/CAC3倍という基準の由来はユニットエコノミクスとLTV/CAC 3倍の原典で解説しています。

成長率と利益率の合計を40%以上にするRule of 40は、創業期の計画書には向きません。提唱を紹介したBrad Feldの2015年の記事は、対象を年商5,000万ドル以上の規模のSaaS企業としています。同じ記事は、成長率に月次MRRの前年同月比を使うよう書いています。

開発費と前受金の会計処理が計画書の数字を変える

SaaS提供用ソフトウェアの開発費の扱い

SaaSとして顧客に提供するソフトウェアは、会計上は販売用ではなく「自社利用のソフトウェア」に分類されます。企業会計基準委員会(ASBJ)の移管指針第8号「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」は、第三者への業務処理サービスの提供に用いるソフトウェアで、契約に基づいて対価を得る場合を、資産計上される一般的な例として挙げています(第11項)。

ただし資産計上できるのは、将来の収益獲得が確実と認められる場合だけです。確実と認められない場合や確実かどうか不明な場合は、発生した期の費用になります(同第11項)。資産計上を始める時点は、それを証明できる証憑(制作予算を承認した社内稟議書など)がそろった時点です(第12項)。資産にした開発費は一般に定額法で償却し、耐用年数は原則5年以内とされています(第21項)。法人税の耐用年数も、国税庁の解説のとおり、複写して販売するための原本と研究開発用のものは3年、その他のソフトウェアは5年です。

事業計画書への影響は大きく、同じ開発費3,000万円でも、全額をその期の費用にすれば初年度に3,000万円の費用が出ますが、資産に計上して5年で償却すれば、利用を始めてから年600万円ずつの費用になります。一方、現金はどちらでも開発した年に出ていきます。創業前で顧客との契約がない段階では資産計上の要件を満たすかどうかの判断が分かれるため、計画書には費用処理か資産計上かを明記し、資金繰り表には開発費を支払った月にそのまま載せます。判断に迷う場合は、計画書を作る段階で顧問税理士に確認してください。

年額前払いの売上計上と資金のずれ

年額利用料を前払いで受け取っても、その全額が受け取った月の売上になるわけではありません。ASBJの企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」は、企業が義務を履行するにつれて顧客が便益を享受する場合などに、一定の期間にわたって収益を認識すると定めています(第38項)。利用期間を通じてサービスを提供するSaaSの利用料は、この考え方に沿って契約期間で按分して売上にするのが一般的です。

たとえば月額5万円相当の年額60万円を4月に受け取った場合、4月の売上は5万円で、残りの55万円は前受金(契約負債)として負債に計上し、翌月以降に毎月5万円ずつ売上へ振り替えます。金融商品取引法適用会社とその子会社・関連会社、会計監査人設置会社とその子会社を除く株式会社などは、適用条件を確認したうえで、同基準ではなく中小企業の会計に関する指針(収益は原則として実現主義で認識)を選べますが、まだ提供していない期間の分を売上にしない点は同じです。

年額前払いの比率が高いSaaSは、損益計画では赤字でも、手元の現金は損益より早く増えます。月払いが中心でも、開発費の資産計上・償却、入出金の時期、借入元金の返済などによって、損益と資金の動きは異なります。損益計画と資金繰り表を別の表で作り、年額契約の比率を前提として書いておくと、審査する側が両者の差を読み違えません。

日本政策金融公庫の創業計画書にSaaSを書く方法

創業融資を申し込む場合は、日本政策金融公庫の創業計画書の様式を使うのが基本です。様式には10の記載欄があり、SaaSでは次のように書きます。

記載欄 SaaSで書くこと
1 創業の動機 解決する業務課題と、それを知った経緯
2 経営者の略歴等 対象業界での業務経験、開発・営業の実績
3 取扱商品・サービス プラン別の月額、課金単位、競合との違い
4 従業員 エンジニア・営業・サポートの人数
5 取引先・取引関係等 販売先の業種と規模、クラウドや決済の委託先
6 関連企業 経営者が経営している他の会社
7 お借入の状況 事業用・個人の借入残高と年間返済額
8 必要な資金と調達方法 開発費・獲得費用・運転資金の内訳と調達先
9 事業の見通し(月平均) 創業当初と軌道に乗った後の売上・費用
10 自由記述欄 解約率・CACなどの前提と根拠

SaaSで注意したいのは「事業の見通し」欄です。様式は創業当初と1年後(または軌道に乗った後)の月平均を書く形式なので、売上がゼロに近い月から積み上がっていくSaaSでは、途中の赤字の谷が表に出ません。そこでMRRの月次積み上げ表と資金繰り表を別紙で添付し、「軌道に乗った後」が何か月目を指すのか(前述の設例なら単月黒字化する30か月目)を書き添えます。売上の計算根拠欄には「月額5万円×当月の課金対象顧客数」と記載し、新規契約・解約の反映時点と日割りの有無を明記します。

創業期のSaaSが対象になる主な融資制度は新規開業・スタートアップ支援資金で、新たに事業を始める人や事業開始後おおむね7年以内の人が対象、融資限度額は7,200万円です。ただし限度額まで借りられるわけではなく、融資額は自己資金や返済の見込みを踏まえて審査で決まります。Jカーブの谷の全額を融資で埋める前提は置かず、自己資金・融資・出資の組み合わせで計画します。

提出先で変わるSaaS事業計画書の重心

同じ財務モデルを使っても、提出先によって前に出す数字が変わります。

提出先 評価の軸 前に出す数字
日本政策金融公庫・銀行 返済できるか 自己資金・返済原資・資金繰り
VC・エンジェル投資家 成長の大きさと出口 MRR成長率・LTV/CAC・市場規模
補助金の審査 事業計画の実現性と政策との合致 付加価値額・賃上げ計画・経費の妥当性

融資では、Jカーブの谷が深いほど「どこから返済するのか」を問われます。融資の返済開始時点の入金額と、固定費・税金などを含む支出額を見積もり、元利返済後も必要な現預金が残るかを資金繰り表で示します。出資では逆に、赤字の深さより、調達した資金でどこまでMRRを伸ばせるか(次の調達ラウンドまでのマイルストーン)が問われます。開発費に補助金を充てる場合、補助金は原則として交付決定後に発注・契約し、支払いと実績報告、補助金額の確定・請求を経て入金されるため、立替期間の資金も計画に入れます。着手可能日は各制度の公募要領で確認します。SaaS開発で使える補助金の種類はシステム開発で使える補助金一覧で整理しています。

審査で突かれるSaaS事業計画書の典型的な欠陥

SaaSの事業計画書で指摘を受けやすい箇所は、ほぼ前提の置き方に集中しています。

  • 売上が直線で伸びている:解約を織り込んでいるか確認が必要です。MRRの積み上げ表に解約の列を設け、新規獲得数と顧客解約率が一定の場合は、顧客数が近づく水準を「新規獲得数÷顧客解約率」で示します。
  • CACが楽観的すぎる:広告費だけで計算し、営業担当の人件費を入れていないケースが典型です。初年度は獲得単価が高く出る前提で置きます。
  • 「競合がいない」と書いている:Excelや紙での運用、既存の業務ソフトも代替手段です。顧客が今何で済ませているかと、乗り換える理由を書きます。
  • 解約率の根拠がない:先行顧客へのヒアリングや類似サービスの開示値など、数字の出どころと定義を添えます。
  • 資金使途が開発人件費だけ:顧客獲得の費用が計上されていないと、MRRが伸びる理由が説明できません。
  • シナリオが1本だけ:解約率や新規獲得数を悪化させた悲観シナリオで、資金が尽きる月を示します。

逆に、計画書の段階で無理にSaaSの指標をそろえないほうがよい場合もあります。初期の売上の大半が導入支援やカスタマイズの受託費で、月額課金が少額にとどまる事業です。その場合はMRRを主役にせず、受託売上とストック売上を分けて書き、ストック比率が上がっていく道筋を示すほうが実態に合います。売上に占める継続収益の比率の考え方はリカーリングとストックビジネスの違いが参考になります。

SaaS事業計画書のテンプレートとExcelシートの組み方

公庫の様式に沿ったひな形は会計ソフト各社などが無料で配布していますが、SaaSで使う前に、月次MRRの積み上げ表が含まれているかを確認します。ひな形は提出用の表紙と割り切り、計算はExcelで次のシートに分けて作ると、前提を1か所変えるだけで全体が連動します。

  • 前提シート:単価・新規獲得数・解約率・CAC・粗利率・採用計画
  • MRRシート:月次の期首・新規・拡大・縮小・解約・期末MRR
  • 費用シート:職種別の人件費、インフラ費、獲得費用
  • 損益シート:月次と年次の損益計算書
  • 資金繰りシート:前受金と後払いの補助金を反映した現預金の推移

悲観・中立・楽観のシナリオは前提シートの列を増やして切り替えます。Excelでのシート設計はエクセルで事業計画書を作成する手順と必要シート、提出用のスライドにまとめる方法は事業計画書をパワーポイントで作る方法で解説しています。

よくある質問

SaaS開発の事業計画書は何年分の収支計画を作ればよいですか?

まず提出先が指定する期間に合わせます。本記事の設例では単月黒字化が26〜37か月目、累積赤字の解消が52〜94か月目です。提出先が求める期間に加え、資金回収までの推移を確認できる補足計画を作ります。少なくとも資金残高が底を打ち、返済を含む資金繰りが安定するまでは月次で作ります。その後の年次集計は提出先の指定に合わせます。

まだ顧客がいない段階で解約率はどう置けばよいですか?

先行顧客へのヒアリングや、同じ顧客層を狙う上場SaaS企業が開示する解約率などから推定し、対象顧客・集計期間・定義(顧客数ベースか金額ベースか)とあわせて出どころを書きます。無料試用から有料契約への移行率は、有料契約後の解約率とは別の指標なので、そのまま代用しません。根拠が弱い場合は、中立シナリオより1ポイント高い解約率の悲観シナリオを必ず添えます。

SaaSの事業計画書で日本政策金融公庫の融資は受けられますか?

申し込めます。新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める人や事業開始後おおむね7年以内の人が対象で、SaaS事業も申込みを検討できます。審査では返済の見込みが問われるため、利用料の入金から運営費・税金などの支出を差し引いた資金で、元利返済を賄えるかを資金繰り表で示します。

SaaSの開発費は事業計画書でどう計上しますか?

会計上、SaaS提供用のソフトウェアは自社利用のソフトウェアに分類され、将来の収益獲得が確実と認められれば資産に計上して原則5年以内で償却し、認められなければその期の費用にします。損益計画にはどちらの処理かを明記し、資金繰り表には支払った月に全額を載せます。

SaaS事業計画書の無料テンプレートはありますか?

公庫の創業計画書の様式に沿ったひな形は、日本政策金融公庫や会計ソフト各社が無料で公開しています。ただしMRRの積み上げや解約の列は含まれていないことが多いため、月次の売上計画と資金繰りはExcelで別に作り、別紙として添付します。

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